恋は二度目のアネモネ -15ページ目
この衝動を眠らせてなるものか。
と、
わたしの中の珍しく熱い感情が、
拙い文字を紡がせる。
一文字、一文字、
何者かになりそこねてもいいの。
きれいなだけのものなんて書かない。
きみがわたしをどん!と押してくれたから、
無駄だらけの毎日も、
何だか無駄じゃなかったって思える。
あの大雨の中で、
きみを消費したい。
繋ぎとめたいの。
だってそれって、
たいそうドラマチックじゃないか。
細胞がひとつ、
とろけて消える。
あんなにいいなら、
酔ったりなんかせずに、
もっと鮮明に、
覚えていたかったわ。
なんて。
いけないことが追加されても、
ただの悦楽があるだけだ。
一行目を書かないわたしは、
どんなことしたって天国になんて行けない。
きみもあなたもきみもあなたも、
わたしに書かれてしまえばいいのだ。
ギギギ
知らないことを、
教えてほしいの。
ギギ
わたしの中身を裏返して、
見せつけたい。
驚かせたいの。
いいでしょ。
ネイルもキッチンも、
心臓の真ん中だって、
ほんとうはいつも
ぴかぴかにしていたい。
大好きなMiss Patinaのお洋服を着て、
ふらりとランデブーしよう。
可愛いひとが好き。
可愛いきみが、好きなの。
体がわくわくしている。
こんなことばかりなら、
わたしも可愛い肉に詰まって笑えるのかも。
わはは、と笑うきみが好き。
わたしは、
うふふと笑っていたい。
あなたにとって、
わたしは
いかれたベイビーなのだと。
そんな口説き文句を言ったあと、
あなたは機嫌よく眠ってしまう。
わたしは、
塗りこめた爪を撫でながら、
午前3時を終わらせる。
とても、穏やかに。
なつかしいものはたくさんあるけど、
振り返りたくないの。
いまはとても衝動的に、
どこへでも行けそうなんだよ。
普段買わないような
お洋服を買った。
きっと、
普段しないような
検索をしたからだ。
わたしはぐらぐらしっぱなしで、
とてもみっともないと思うけど、
それでも愛されてる。
申し訳ないくらいに。
何者かに成らなければ。
そんな強迫観念が、
ずっとぐるぐる渦巻いて、
ブラックホールになりそうだ。
ずずず、と
全部吸い込んでしまえればいいのに。
奥の、
奥まで。
好転のきっかけが
ポジティブなものとは限らない。
人を動かすエネルギーは、
負から生まれることも多々あるのです。
わたしはいま、
宙づりの状態で弛緩しているけど、
手を伸ばせば
指先がふれそう。
そして
まっさかさまに落ちたって、
死ぬまで自分と付き合っていくしかないのだ。
何でもない顔してたい。
いつだって。
別のいきものとして、
別のやり方で愛していくの。
とても穏やかでしょ。
あなたが買ってくれたアクセサリー。
わたしによく似合ってる。
わたしは、
ときどき、
自分が、
どんなやつだか、
わからなくなる。
髪をばっさり切って、
真っ青に染めたりしてみたくもなる。
あの娘もまるで別の人間。
面影だけがあって、
可愛くてにくらしいよ。
わたしは、
わたしにしかなれない。
大人になって、やっとわかった。
ぶざまなカメレオンは、
もう死んだの。
さようなら。

