近江大津めぐり②~日吉大社と磐座~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

前回の、
近江大津めぐり① ~日吉大社と摂社~
のつづきです。

東本宮のちかくに、
八王子山(はちおうじやま)へ
つづく参道があります。




八王子山は、
日吉大社の神体山です。

山頂には、

金大巌(こがねのおおいわ)

といわれる磐座があり、

 

ここに、

大山咋神(オオヤマクイ)を

祀ったのが、

 

日吉大社の

はじまりだといいます。

 

 

古くから
『朝日に輝く金大巌』といわれ、

 

黄金に光る姿が、
琵琶湖からも見えたようです。

 

こちらが金大巌です。

高さは約10メートル

だといいます。

この磐座を、
奥宮の社殿が

はさんでいます。

 



右が
牛尾宮(うしおぐう)といい、

ヤマクイを祀っています。

 

(参道入口の遥拝所の写真です)


左が
三ノ宮(さんのみや)といい、

玉依姫(たまよりひめ)を

祀っています。


(参道入口の遥拝所の写真です)

地図でみると、
北東が牛尾宮、
南西が三ノ宮で

ちょうど
鬼門と裏鬼門に
なっているようです。

松尾大社
日吉神社の関係にも
似ていますね。



玉依姫は、
比叡山の山向こう、
京都・八瀬の
山背国めぐり② ~御蔭神社とカモの神~
でも書きましたが、

丹塗りの矢による
処女懐胎で孕んだ
という伝説がありました。


ところが

日吉大社では、
夫は謎の神ではなく、

ヤマクイだというのです。

 



しかも、
ヤマクイと玉依姫の

婚儀や出産が――


山王祭(さんのうさい)
というお祭として

残っているのでした。

 



祭はまず、
お見合いからはじまります。

重さ約1トンもある、
ヤマクイの神輿と、
玉依姫の神輿を、

山頂の奥宮まで
かつぎあげるといいます。

 

そして

それぞれの社で、
約1ヵ月安置するそうです。



次は婚儀です。

4月12日の日没後、
男たちは松明をかかげて
八王子山をかけ登り、

山頂の奥宮から
東本宮拝殿まで、
神輿を降ろすのです。
 

急こう配の夜の山道を

掛け声とともに
神輿を降ろす様は

勇壮だといいます。



そうして
拝殿まで下ろしたあとは、


ふたつの神輿を繋ぐ
「尻つなぎ」をするのだそうです。

これが婚儀だといいます。


(東本宮拝殿)

その翌日、
4月13日は出産です。

またしても日没後、
男たちはドタンバタンと
神輿をはげしく揺さぶります。

これは
玉依姫の陣痛を
あらわしているといいます。

最後の祝詞が奏上されると、
神輿は西本宮を目指して
一斉に駆けだすそうです。

これが
子ども誕生の瞬間を
あらわしているといいます。



産まれた子の名は、
賀茂別雷神です。

京都の
上賀茂神社で
祀られている神様です。

さらに翌日は、
西本宮の例祭で、

神輿は船に乗って
琵琶湖上にまで
出るといいます。



御蔭神社でも
書きましたが、

比叡山の西麓、
御蔭山(みかげやま)は
御生山(みあれやま)といい、

賀茂別雷神が
生まれた場所だといいます。

そして
比叡山の東麓には
八王子山のヤマクイです。

なんだか、
できすぎていますね。



これを
神話だけでなく、
古代氏族としてみると

玉依姫を祀る
賀茂族と

ヤマクイを祀る
秦氏の

姻戚関係があったとも
考えられるのでは

ないでしょうか?

そんな痕跡
かもしれませんが

日吉大社の末社に、
氏神(うじがみ)神社と
氏永(うじなが)神社がありました。

 



賀茂建角身(たけつのみ)の
子孫が、

宇志丸(うしまる)といい、
日吉大社の
神職の家系へと
繋がるようです。



そしてそこから、
生源寺(しょうげんじ)家という

現在の社家と、


樹下(じゅげ)家という、

分家にわかれたようです。

日吉大社の神職も
賀茂氏なのですね。


さて、
八王子山に話しを戻します。

金大巌の横を
さらに登ってゆくと、

八王子山の頂上まで
ゆくことができます。

 

磐座も素敵ですが、

この山頂も

とても気分のよいところでした。

 

また、

途中の山道も、

巨岩だらけでした。

どれも素晴らしいものです。

 

 

台風の影響か、

ここも倒木が多いですね。

 

ところで、

『八王子』といえば、

天照大神の8人の御子

のことだといわれますが――

 

 

ホツマツタヱ的には、

国常立尊(くにとこたち)さまの

8人の皇子である

『ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ』ですよね。

 

国常立尊といえば、

京都・亀岡の

出雲大神宮には、

 

国常立尊を祀る

磐座があるといいます。

 

日吉神社から、

出雲大神宮までの

ラインにも、

なにか意図的なものを

感じてしまいますね。

 

 

また、

一説によると、

 

八王子山にある

五百箇磐石(いほついわむら)は

ヤマクイの御陵で、

 

御蔭の大岩は、

玉依姫の御稜だともいいます。
 

もしかすると、

このあたりでおふたかたは、

身罷ったのかもしれませんね。

 

 

近江大津めぐり③ へ つづく

 

 

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