【相談室】目隠し用の板塀に高さや法的制限はありますか? | 住まうほど味が出てくる家づくり&図面描き

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インテリアコーディネーターのつもりが何故か家一棟の設計から現場監督までするハメに!?建築現場で培った家づくりのノウハウや、この業界のアレコレを綴っています。

住まい力を引き出す永瀬です。

最近、密かにブームな板塀。
私たちは板塀大好きなので
何とも有難いブームです。


◆風情ある板塀

さて、この板塀制作を考えている方から
以下のようなご質問をいただきました。

Q.「板塀には、高さや日当たり風通しの配慮等の
 法的制限はあるのでしょうか?」


A1:建築基準法上の制限はありません
※防火指定の無い地域のみ
⇒建築基準法上は板塀は擁壁ではないため、
2mを超えても申請や構造計算は不要。

勿論、2mを超えるような高い板塀は、
風で煽られないよう補強が必要になる上、
反ったりねじれが生じて美観も損なうので
現実的にはあまりやらないと思われます。

A2:天空率適用時は算定対象になります。

⇒斜線制限で「天空率」を摘要した場合、
面積に入るため天空率的には不利となります。

A3:民法では2mまで
⇒民法二二五条(囲障の設置)
二棟の建物がその所有者を異にし、
かつ、その間に空地があるときは、
各所有者は、他の所有者と共同の費用で、
その境界に囲障を設けることができる。

2 当事者間に協議が調わないときは、
前項の囲障は、板塀又は竹垣その他
これらに類する材料のものであって、
かつ、高さ二メートルのものでなければならない。

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つまり、2mを超えても建築基準法では
違法にはあたらない。

※防火指定のある地域は除外。
お住まいの行政や建築士にご相談下さいね。

でも、お隣が申し立てをしてきた場合は
上記の民法で是正が必要になる可能性有り。

日当たりや風通しの影響も配置によっては
「0」では無い場合もあるでしょうから、
お隣さんと良くお話されることをオススメします。

ちなみにフェンスを含めた境界線上の目隠しは
これも民法で

「窓と窓が向かい合う場合は後から建てた側で
 目隠しの措置をしなければならない」

と定められているので、
くれぐれもお気を付け下さいね。
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堅いお話はこの辺で。

古き良き気のぬくもり一杯の板塀。
折角ですから次回の記事は、

暖かく&柔らかく

施工事例でほっこりお楽しみ下さいね。