『どうする家康』最終回 映画『ナポレオン』でも感じた歴史的人物の解釈の難しさ~
年末が迫り、予定が立て込んでいたため遅れましたが、やっと『どうする家康』の最終回『神の君へ』を視聴することができました~。
一部では視聴率がワースト2位という評判が広まり、不評の声も聞かれましたが、個人的にはこの作品を非常に楽しむことができました。
特に、徳川家康の正室で有村架純さんが演じた瀬名姫(築山殿)がこれほどリスペクトされる作品は今後も出てくるとは思えません。この点だけでも、本作は他に類を見ない存在と言えるでしょう。
物語の前半部分では、今川からの独立までが丁寧に描かれており、これまであまり注目されてこなかった武将たちが活躍する場面も見られました。今川氏真や鵜殿長照、穴山信君などにスポットが当たっていたのは個人的には嬉しかったです。 (ただ、今川滅亡後に重要な役割を果たした岡部元信が登場したものの、活躍が観られず残念でした。また、空誓の再登場もなかったのは惜しまれる)
後半部分も、松本潤さんの老け顔メイクや落ち着きのある演技が素晴らしかったです。小早川秀秋や豊臣秀頼の解釈も新鮮でした。織田信雄はそのままバカ殿っぽいのはご愛嬌~。
ただ、特に前半部分ですが、奇をてらいすぎたように見える過剰な演出や、背景合成の未熟さが目立ってしまった点で、とっつきにくさがあったのも否めません。
また、リドリー・スコットの映画『ナポレオン』もそうですが、徳川家康のような歴史的な人物については、視聴者それぞれが固定したイメージを持っているため、「これじゃない」と感じる部分があるのは避けられないでしょう。最近の資料発掘により、新しい情報が明らかになっているものの、それでも視聴者のイメージとのギャップは存在します。
『どうする家康』は、新たな視点から描かれた戦国時代の物語で、私たちに多くの驚きと感動を与えてくれました。
視聴者それぞれが持つ徳川家康のイメージとのギャップを埋めることは難しいかもしれませんが、それでも新しい視点から歴史を見つめ直そうとする挑戦は感じられました。
今後も、これを機に通説を覆す解釈を持つ戦国時代ドラマが出てくることを楽しみにしたいものす。
ところで次回は登場しなかった今川の女大名『寿桂尼』なんてどうでしょうか、NHKさん?