ゼロ・ダーク・サーティ / 現実とのオーバーラップが生み出す恐怖と緊迫感。 | 食う、寝る、あるく

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CIA女性分析官マヤ(ジェシカ・チャステイン)を中心に、ビンラディン殺害までの裏側を描いた作品です。

いろいろ話題になってますが、こういう作品はこういうものなんじゃないかな、的な感想でしたf^_^;

但し、まだ時事ネタとも呼べそうなほど最近の出来事を扱っている為、リアリティという意味では恐怖を感じる程の緊迫感溢れる内容でした。

良かったかなと感じたのは「アメリカは正しい」的な主張では無くて、あくまでも主人公マヤを中心に描かれていた点です。



実話を扱っているという点では「アルゴ」も同じですが、あちらよりも定点的な視点で描かれていて、ドキュメンタリーのように淡々と時系列で流れていきます。

とは言っても、やはりロンドンやマリオットホテル爆破テロ事件等は記憶に新しいところでもあるし、とても身近で現実的に感じられました。

やっぱり怖いです。


最後はもちろん突入作戦のシーンですが、親を殺されて泣いている子供達は将来どんな大人になるのか気になります。

映画はビンラディン殺害で完結ですが、現実は何も完結していません。

この映画の続きが目の前のこの世界なんだと考えるとまた恐怖を感じてしまいます。

報復ってどこかで誰かが断ち切らないと永遠に続いていくような気がします。


終始マヤを中心に「アメリカ側」からの視点のみで描かれている為、拷問される側、その関係者、アルカイダ側の動き、等は出てきません。

その分、観る側が別の視点から思いを巡らせる事が出来るようになっているのかもしれないです。

余計な演出なども無く、事実を出来るだけ事実として伝えようとしている作品、と感じました。

でも作品の評価云々より、世界が平和でみんな仲良くなりますように、というのがこの映画の一番の感想かもです。


ちなみに、「ゼロ・ダーク・サーティ」は軍事用語で午前0:30の事で、ネイビーシールズがビンラディンの潜伏先に突入した時刻と言われているようです。


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