子宮頸がんワクチン② =ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン定期接種 板橋区の場合 | ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の葛藤雑記帳〜

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皮膚科専門医(皮膚診=ひふみ)です。日々の診療で患者さんたちから学んだこと、主に「肌」・「皮膚」(ときどき「推し」)をテーマに綴ります。溢れる情報に溺れそうな時代ゆえ、信頼性の高いサイトも紹介します。
必要に応じ加筆/訂正することがあります。

成増皮膚科では

今月(2024年3月)から

子宮頚がん・尖圭コンジローマなどの

原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン

の接種をはじめました。

 

日本において HPVワクチンは

小学校6年~高校1年相当の女子

(小学校6年生の4月1日から高校1年生の3月31日まで)

を対象に 定期接種 が行われています。

 

定期接種とは

法律に基づいて市区町村が主体となって実施する予防接種

のことです。

 

板橋区のHPVワクチンについての詳細はこちらをお読みください。

 

ワクチン接種の流れ

 

小学校6年生になる直前の3月末頃 予診票が送られてきます

 

予診票に記載された有効期限内は無料(全額公費負担)です。

 

予診票に記載された有効期限から1日でも外れた場合は任意接種(全額自己負担)となります。

 

「シルガード9」(9価ワクチン、現在使われるワクチンではいちばん幅広くカバーできる)

 を3回 自己負担で接種した場合 およそ10万円 程度の費用がかかります。。。

 

皆様におかれましてはご記憶がある方も多いかと思われますが…

 

「HPVワクチン接種後にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が特異的みられた」

という理由で 厚生労働省は 

平成25年6月14日から令和4年3月31日まで 接種勧奨の一時的な差控え

を勧告したため、

この間 定期接種(無料接種)の機会を逃した人は少なくありません。

 

その後 厚生労働省は

→他国のHPVワクチン接種に関するデータなどを再検討、

 令和3(2021)年11月の専門家の会議で

 安全性について特段の懸念が認められないことを

 改めて確認

 

→「接種による有効性が副反応のリスクを上回る」と判断

 

→HPVワクチン接種の勧奨差控えを廃止(令和3年11月26日付)

 

→個別接種の勧奨(令和4年4月~順次再開)

 

を通知し現在に至ります。

 

 
さて 
定期接種(無料接種)の機会を逃した人
 平成9年(1997年)4月2日から平成20年(2007年)4月1日までに生まれた女性
・・・
 
私たちは どうすれば良いの?
と 不安になったり
諦める必要は
全くありません。
 
特例措置として令和7年3月31日まで接種できます。