人（ヒト）と関わりの深いウイルスで
かつ 皮膚科領域とも関わりの深いウイルスといえば？
ヒトヘルペスウイルス Human herpesvirus:HHV（以下HHVと略します）
および
ヒト乳頭腫ウイルス Human papillomavirus:HPV（以下HPVと略します）
です。
今回のテーマは
ヒトパピローマウイルス HPV。
ウイルスは遺伝子や特徴などによって分類されます。
HPVは 何種類あると思いますか？
なんと200種類以上も！あります。
驚きましたか？
HPVは
皮膚科領域では 手指や顔に生じる
「ウイルス性疣贅（いぼ）」
の原因としてきわめて身近なウイルスです。
おそらく
「そこらじゅうに存在している」
と言っても過言ではないのでしょう。
陰部（粘膜/粘膜・皮膚）に生じる
尖圭コンジローマ
ボーエン様丘疹症
ボーエン病
の原因でもあります。
そして
子宮頸がんの原因としても有名
です。
子宮頸がんに罹患したことにより
出産を諦めなくてはならなかったり
ときには命に関わることも
少なくなかった時代もありましたが
HPVワクチンの登場により
発症予防を期待できる
時代になりました。
性的接触により感染するタイプの
HPVには ざっくり分類すると
子宮頸がんの原因「高リスク型」
尖圭コンジローマ（性感染症のひとつ）
の原因 「低リスク型」
に分けられます。
カタカナは ワクチンの名称
数字はHPVのタイプを表し、
オレンジ色の数字は高リスク型
青い文字は低リスク型
を表しています。
やや専門的になりますが
HPV6/11
（”/”は類縁の型であることを示します）
HPV16/31/33
HPV18/45
と表現されることが多いです。
※囲んだ数字の数だけ効果があります。
サーバリックスは2種類
ガーダシルは4種類
シルガードは9種類
のウイルスに効果があります。
厚生労働省の詳しい情報です
当院でも 今年から
子宮頚がんワクチンの接種を
はじめることにしました。
病的リスクが高かろうが低かろうが
ウイルスが感染して、自分の体に
とんでもないことをしでかすことは
全く喜ばしいことではありません
皮膚や粘膜の細胞に
何らかの方法で侵入し
塊を形作るHPVは まだまだ謎の多いウイルスで
日夜研究が進められています。
新たな発見に期待