なりあやの韓国シネマ留学記 -72ページ目

なりあやの韓国シネマ留学記

2017年、3度目の韓国留学。
ソウルの大学院で映画を勉強します!

今日は中崎町で開催中の「花開くコリア・アニメーション」へ。

今年で7回目のイベントで、わたしは昨年に続き2度目です。


その名の通り、韓国アニメのイベントです。


今日見たのは「ウリビョル1号とまだら牛」という長編ですキラキラ




チャン・ヒョンユン監督が来られていたので、上映後、カフェでお話うかがいました。インタビューではなく、雑談です。「時間あるし、お茶でも飲みながら話します?」という感じで、観客数人で監督を囲んでざっくばらんにお話。この距離感、いいですね~(・∀・)


「ウリビョル1号」というのは、人工衛星の名前。

ひょんなことから、地上へ落下し、女の子の姿に。

声は、チョン・ユミです。

ホン・サンス監督の「ソニはご機嫌ななめ」のソニちゃんWハート

大好きです。


チャン監督は、自分からチョン・ユミにシナリオを渡しておきながら、OKの返事に驚いたそうです。売れっ子のチョン・ユミがなぜこんなお金にならない仕事を、と(笑)


そしてさらに、主人公のまだら牛の声は、日本にもファンの多いユ・アインキラキラ

キャスティングに難航していたら、チョン・ユミが「親しい俳優に声をかけてみる」と言って、了解を得てくれたそうです。


なかなかぜいたくなキャスティングです。

わたしは特にチョン・ユミの声、良かったな~

映画そのものも、意外な展開がいろいろあって、おもしろかったです。

観客の反応も良かったLOVE



でも、興行的には失敗だったとのこと。

公開の時期がまずかったようです。

昨年2月、アナ雪ともろかぶりで。


チャン・ヒョンユン監督は、気さくでおもしろくて、その場のみんなをとりこにしていました。


韓国映画アカデミーというポン・ジュノ監督らを輩出した名門の出身。

建国大学などで教える立場でもあります。


韓国ではアニメ映画がなかなか大人に見てもらえず、苦戦しているそうです。

「幅広い年代に見てもらえる宮崎駿監督は天才」と絶賛していました。


でも、韓国アニメのなんかちょっと素人っぽい感じ、好きやな~

応援したくなる(笑)

だからこういうイベントがあるんですよね。



エドワード・クォン、第5章「回って回って回って」と第6章「キムチシェフ」は、まとめちゃいます。

世界では、韓国人というだけで偏見を持たれることも。






サンフランシスコでの出来事。


料理がおいしかったので、作ったシェフを呼んでほしいと言われた時のことだ。


お客さんの前に出ると、

「お前じゃなくて、シェフ」

「わたしがシェフです」


お客さんはあきれたという風に笑って、

「チャイニーズ?」

「違います」

「ジャパニーズ?」

「違います」

「シンガポーリアン?」

「違います。コリアンです」


お客さんはいぶかしげな表情を浮かべ、言い放った。

「コリアン?コリアンのシェフもいるのか?」


差別的な待遇は、お客様からだけでなく、同僚からも受ける。

それでも、上司に恵まれたおかげで、末端のシェフからたった2年で調理課長に。普通は10年かかるものだ。


渡米から3年がたち、帰国を決めた。

調理長にまでなってなぜと、妻にも周囲にも反対された。

アメリカで学んだたくさんのことを後輩たちに伝えたかった。

韓国の料理文化を世界水準にレベルアップさせるために少しでも寄与したいという思いがあった。


帰国し、ソウルのWホテルへ。

ここでも苦戦することとなった。

「年齢」が最も大きな問題だった。

当時、34歳。

副総料理長という職につくには、若すぎた。

韓国では、依然として、能力やリーダーシップよりも、年齢が重視された。

ともに働いてくれる料理長を探すのでさえ、一苦労。

以前の後輩の下で働くのは嫌だ、ということだ。


1年は耐えたが、再び海外へ。。

次の職場はシェラトン天津ホテル。

中国での1年間、休みは上海や青島など、各地の食紀行に費やした。

中国の食文化の多様性を知るためだ。


そして、中東、フェアモント ドバイへ。






そこでも、「キムチシェフ」と、陰口をたたかれた。


違う文化圏、違う国の料理をするということは、何よりも彼らの宗教、文化、食性、食材、歴史を知るということだ。

わたしはキムチシェフだ。わたしは決して自分から西洋料理の専門家とは言わない。生涯学ぶつもりだし、死ぬ日までたぶんわたしは彼らの国の料理を100%理解することはできないだろう。


ドバイに来て1年余りで、ロンドンのヘッドハンターから、バージュ・アル・アラブへの誘いを受けた。


全室スイートの最高級ホテルだ。


ソウルから渡米する際に推薦してくれたかつての上司が、またもや力になってくれた。

「エドワードのように世界的な感覚を持ちながら、レベルの高いレシピを考案し、東洋の食文化にも詳しい人はなかなかいない」と。


バージュ・アル・アラブに移って一番うれしかったのは、韓国料理を提供できるようになったことだ。もともとは韓国料理はメニューになかったが、わたしの移籍にあわせて、入れてもらったのだ。





イ・チャンドン監督の「シークレット・サンシャイン」(2007)、何回見ても新たな発見がありますハート





主演のチョン・ドヨンがカンヌ主演女優賞に輝いて話題になったこともあり、韓国での公開後すぐに見ました。


韓国でわたしが感じていた「キリスト教」に対するもやもやした違和感の正体を指摘してくれたようで、霧が晴れるような感覚でした。


当時付き合っていた彼がクリスチャンだったこともあり、留学中は毎週日曜、教会に通っていました。


わたし自身、保育園がキリスト教系だったこともあり、お祈りする習慣もあったし、クリスチャンではないけど、キリスト教にはむしろ親しみを持っていた方です。


なのに、なぜか、居心地が悪かった。みんなで手をつないで「朗らかに」讃美歌を歌うのは、なんか自分にうそをついている感じがして気が引けました。


別になんの嫌なことがあるわけでもないのに、日曜朝がちょっと憂鬱でした。

信仰心がないのかというと、そうでもない。

それがキリスト教の神様かは分からないけど、なんとなくの信仰心はあったりする。


主人公のシネは、わたしと真逆です。

教会に誘われても「わたしはそんなの信じない」とあしらっていたのが、息子の誘拐事件を境に変わっていく。


夫に先立たれ、最愛の息子が誘拐され、心のよりどころを求めたシネは教会へ。

一変してのめりこんでいく。

臭いものにふたをするように。


でも、それって信仰はてなマーク


ある日、誘拐犯に面会に行くと言い出す。

「許してあげる」と、直接伝えたいと。

ところが、面会した誘拐犯は意外にも穏やかな顔をしていた。

「神様に許してもらった」と。


許してあげる機会を神様に奪われたシネ。

許したかったわけでなないんですよね。

許してあげる自分に酔いたかった。

そこからは、神様への復讐が始まります。


わたしは心のどこかで、みんなと一緒に讃美歌を歌わなくたって、信仰心は自分の中にあると思っていたのかも。

信仰を確認するかのように、毎週日曜に教会に集まるのが、わたしには偽善的な感じがして、しんどかったんやなーと、思います。

なにか教会に通う人同士「わたしがより敬虔」とアピールしあってるような。

もちろん、そうでない人もたくさんいたと思いますが、そんな雰囲気を感じていた気がします。


日本の教会にも行ったことがありますが、韓国で感じたようなことを感じたことはありません。

たぶんですが、日本で教会に通うクリスチャンは人数が少ない分、信仰があつい人が多いのでは。

クリスチャンの多い韓国は教会が自治会のようなコミュニティーになっていて、玉石混交といえば失礼かもしれないですが、ただただ神聖な場所という感じではなかった。


別にキリスト教批判の映画ではないですが、韓国の一つのありがちな現実だと思いました。

信仰しているふりをしたって、人は本当の意味では救われない。


イ・チャンドン監督のメッセージは、むしろ、シネにつきまとう田舎のおじさん、ジョンチャン(ソン・ガンホ!)に込められていると、何度も見て、分かりました。


最初は、国民俳優ソン・ガンホが、なんでこんな存在感のない役を…と思いましたが、その存在感のなさが、シネが見ようとしない、現実。でも、振り返ればいつも、ジョンチャンに助けられていた。神様でなく。


夜中に一人カラオケをするような、もっさいおじさん。

でも、等身大を生きている。

幸せはむしろ、こっちにある。


ちなみにこの映画、「不親切」という評も多いです。

イ・チャンドン監督はいつもそうですが、簡単には理解できない。

でもなぜか、何度でも見たくなります。

おもしろい!と思っても1回しか見ない映画もけっこうあるので、不思議です。





シークレット・サンシャイン [DVD]/エスピーオー
¥5,040
Amazon.co.jp