なりあやの韓国シネマ留学記 -38ページ目

なりあやの韓国シネマ留学記

2017年、3度目の韓国留学。
ソウルの大学院で映画を勉強します!

もうすぐ釜山国際映画祭~口笛

 

ということで、準備の合間に「レッドカーペット」(2014 原題:레드카펫)

 

 

2014年の釜山国際映画祭に行った頃に、ポスター見たなぁ。

気になりながら、やっと見ました。

 

意外と(笑)おもしろかった。

もっと派手な話かと思ったら。

商業映画を撮るのが夢の、アダルト映画監督が主人公(ユン・ゲサン)。

 

結局、彼が長年あたためていた(アダルト映画でない)作品を、アダルト映画を作ってきたスタッフ&俳優たちと自主映画として撮るんですが、なかな上映の機会がない。やっとこさ街の小さな映画祭で上映される。

 

1000万人動員するような映画が毎年のように生まれる一方で、劇場公開できない映画もいっぱいあるんですよね。特に韓国はシネコンが広まりすぎて、ミニシアターが少なく、その点は日本より深刻かも。

 

映画をあきらめろと言い続けた両親がロケ現場に応援に来たりして、中盤からだんだんちょっと感動。なにがいいかって、アダルト映画をバカにしてないところかな。

 

さてさて現実の話。

釜山国際映画祭、開幕日から行くのですが、上司(おじさん)には軽く「レッドカーペット、誰々(女優さん)撮っといてね」とか言われるわけです。

そもそもレッドカーペットの撮影には事前の許可がいるんですが、申請しても却下されるケースが多く、なんとか許可をもらったと思ったら……開幕は夜なのになぜか撮影場所の抽選が午前10時!早く言ってよ~

 

10時って前泊せんと無理やん。

すでに6日午後着の飛行機を取ってしまった。

抽選だけ代打というのも難しく、ソウルのカメラマンに抽選から撮影までお願いすることに。

ちょっと、韓国のごっついカメラマンにまじって写真撮るの怖いなーとは思ってました。それも珍体験とも思いつつ。

ふう。

行けるのはうれしいけど、準備はけっこうストレスフル。

っちゅうわけで、時間ないのに映画見ちゃうんですよ。

 

 

 

 

たまには邦画も。

今年の釜山国際映画祭に参加予定の是枝裕和監督。

大体見てるけど、見てないのありました。

 

「歩いても歩いても」(2008)

 

今さらわたしが言うまでもないけど、樹木希林いいですよね。
 
いや~な姑役でした。
動きもせりふも、アドリブなのかなんかよく分からんけど、普通にいそうなんですよね。
ひょうひょうとしながら、でも、亡くなった息子のことになると、思いの深さも静かに伝わってくる。
 
樹木希林さん、取材で一度お会いしましたが、まんまです。
マネージャーはいないみたいで、一人でスーツケース引きながら現れて、関係者が「荷物お持ちします」って言うと、「いいのよ、コロコロするだけだから」って。
ステキですよね。取材でも何聞いたらだめとか全然なくて。
 
樹木希林さんがいない日本の映画界なんて、ちょっと考えられないですよね。
 
ちなみに、是枝監督の本読んでて、無性に是枝監督作が見たくなりました。
 

 

実は、来年留学希望の大学院の先生が、小津安二郎監督の研究をしていて、小津監督の作品と是枝監督の作品はどこか似てるとおっしゃってたんですよね。

 

留学までにこのお二人についてはちゃんと勉強していこうと思ってます。

やっぱり、日本からの留学生が日本の映画を全然知らないのはまずいですよね……

正直ほとんど韓国映画しか見てないんですが、そうは言ってられない(・・;)

 

久しぶりにキム・ギドク監督作見ました。

 

近々、キム・ギドクファンの俳優さんを取材するので(笑)

 

日本の俳優さんで、キム・ギドク監督作に出たいという方、けっこう多いですね。

世界で注目されますからね~

 

「殺されたミンジュ」(2014 原題:일대일)

 

 

一言で言うと、近年のキム・ギドク監督作の中ではだいぶおもしろかった。

見て良かったです。

 

キム・ギドク監督作、好きか嫌いかじゃなく、色々考えさせられますよね。

 

余白が多いからかな。

なんで?とか思い始めたらきりがないほど。

 

なので、これから書くのはわたしの個人的解釈で、見る人によって全然解釈は違ってくると思われます。

 

まず、なんでミンジュが殺されるのか、そもそもミンジュが誰なのか、最後まで分かりません。

 

テーマは「上に言われたからやった」ということに対する断罪?

現代人の思考停止について、考えさせられる。

 

理由は分からないけど、善悪はともかく、上に言われたから、ミンジュを殺したと思われる容疑者たちが、マ・ドンソク率いる謎の武装集団に拷問を受け、自白調書(?)を書かされる。

 

武装集団は警察でも軍でもなく、なぜそんなことをするのかは不明。

特にマ・ドンソク以外のメンバーは、ミンジュの復讐というわけでもないらしく、それぞれ社会への不満やらお金欲しさやらで。

 

と、見てて、なんとなーく、ISが思い浮かんできました……不満を抱えた人たちが、その捌け口として誰かを断罪するという……

 

そして、キム・ギドク監督らしいのは、その矛先がまた武装集団の方に向いてくるというところ。断罪の仕方に疑問を持ち始めたメンバーが意見すると、マ・ドンソクは従わせようとする。「上に言われたらやる」というのを断罪していた張本人が同じことをさせようとする。

 

キム・ギドク監督作の特徴。善悪、加害者被害者をはっきりさせないというか、どっちがどうと言えない。

 

実際の世の中が、そうですよね。マスコミは白黒はっきり報道したがるけど、実際たいがいのことはグレーじゃないですか。

興行的にヒットしなくても、世界中にファンがいるのは、描き方は極端ですが、本質を突いてるからだと思います。

 

前作「メビウス」で挫折して、最近見てなかったんですが、まだ見てないの何本かあるので、見ようかな~

 

ただ、キム・ヨンミンが一人何役か分からないぐらい何役もやっていて、その意図がよく分からなかった……というか、同じ役をやってるのか違う役をやってるのか分かりにくくて、演劇ならまだしも映画で何役もやるのは見る側からするとちょっとしんどいなと思いました。

 

映画見た!という充実感は味わえました。

DVDでも十分集中して見れた。これ、けっこうおもしろいかどうかのバロメーター。