なりあやの韓国シネマ留学記 -33ページ目

なりあやの韓国シネマ留学記

2017年、3度目の韓国留学。
ソウルの大学院で映画を勉強します!

上野ストアハウスの「日韓演劇週間」、今年は4本中3本見てきました。

 

11月23日から明日(12月4日)まで2週間にわたって、4劇団(日本2、韓国2)が公演。

 

今日は、一番気になっていた「Dreamplay these21」(韓国)の「検閲-彼らの言葉-」。

 

 

演劇の助成金をめぐる実話がもとになっています。

ドキュメンタリーを見ているような、報道番組を見ているような。

と言っても、そんなに深刻な感じではなく、笑えるところも多々あり。

 

この助成金をめぐる実話というのは、モデルもはっきりしていて、

日本でもよく公演をやっている劇団コルモッキル代表のパク・グニョンさん。

今年は「フェスティバル/トーキョー」で「哀れ、兵士」をやっていましたが、まさにこの「哀れ、兵士」が助成金の対象から外されたという問題です。

外されたというよりも、辞退するよう圧力を受けた、のだそうです。

昨年(2015年)のことです。

 

なぜ圧力を受けたのか、というと、2013年にパク・グニョンさんが演出した「蛙(개구리)」で、朴槿恵大統領や、その父の朴正熙・元大統領を風刺したというのが原因らしい。それも国立劇団だったので、「税金で国を批判していいのか」という意見が出たんだとか。

 

おかしいのが、俳優たちが、国政監査のやりとり(たぶん実際のやりとりを再現)を演じながら、それぞれ「演じるにはキャラクター分析が必要なんだけど、理解できないから演じにくい」とか、ごちゃごちゃと演じた感想を語る。

 

最後は俳優がずらっと並んで、ろうそくを持ってごあいさつ。

今まさに韓国で毎週末やってる朴槿恵退陣を求めるデモの姿ですよね。

 

パク・グニョンさんの助成金の問題では、演劇人1000人が署名を提出したんだそう。

この作品といい、圧力は圧力で大変なんですけど、正直、「韓国演劇界、元気やなぁ」と思いました(笑)

 

劇中でも言及されますが、実際、朴槿恵政権では文化芸術人のブラックリストなるものを作っていて、映画や演劇の関係者ら1万人近くが載っています。

 

「検閲」の作・演出のキム・ジェヨプさんによると、「自分も政権を批判してるのに、なんで載せてくれないんだ」という苦情も多いそう。

「キム・ジェヨプさんも載ってるんですか?」と聞いたら、うれしそうに「もちろんです」と、おっしゃってました。

あの、ソン・ガンホも載ってます(´・ω・`)

 

 

改めてスクリーンで見ました。

「弁護人」(2013 原題:변호인)

 

圧倒されるって、こういうことですよね。

今日はずっと心ここにあらずという感じで過ごしてます。

 

 

そしたら、上司が「おい!」って興奮した顔で来るから、何かと思ったら……

「弁護人、見たわ。すごいな。3回泣いたぞ」って。ええオッサンが。

 

まぁ、わたしも同じくらい泣きましたけどね。

 

書ききれないほど思いがいっぱいあるんですが、

まずは、ソン・ガンホさんの記者会見について。

 

くしくも、わたしが大学院の受験のためソウルへ向かう日、東京で急きょ会見が開かれました。先輩の協力も得ながら、飛行機ぎりぎりの時間帯まで出席。でも、本当に、出て良かった。実は「スノーピアサー」の舞台あいさつで2013年の釜山国際映画祭で生ガンホさんを見てはいますが、ちゃんと話を聞くのは初めて。とっても大事な話だと思い、紙面は短めでしたが、デジタルで長めに出しました。

 

http://www.asahi.com/articles/ASJCG53R5JCGUCVL01G.html

 

ソン・ガンホ演じるソン・ウソク弁護士のモデルは、亡くなった盧武鉉大統領。

盧武鉉が人権派弁護士に転身するきっかけとなった、「釜林(プリム)事件」が描かれています。映画では事件名は出てこないのですが、実際の事件にかなり近いようです。

 

時代は1981年。クーデターで大統領になった全斗(チョン・ドゥファン)政権下。

恐怖政治で、統治基盤をかためようとしました。

その流れで起きた、でっちあげの事件です。

読書会をやっていた学生や一般の人たちが逮捕され、拷問を受けます。

国家保安法違反などの罪を問われた裁判で、ソン・ガンホ圧巻の演技。

これを見るだけでも、この作品を見る価値がある。

 

韓国では公開後、「국가는 국민이다(国家は国民だ)」というせりふがはやったそうです。

1100万人が見てますから、相当な影響力があったと思います。

韓国公開が3年前だったとはいえ、昨今のデモのパワーにもつながってるんでは、と。

 

2回目見て印象に残ったのは、포기하지 말자(あきらめるな)という言葉。

高卒で司法試験に挑むソン・ウソクが、自ら鼓舞するため法律の本に書いた言葉であり、当時働いていた建設現場(アパート)の壁に刻んだ言葉でもあります。

司法試験合格をあきらめるな、ですが、これはこの作品のメッセージ、あるいは、盧武鉉のメッセージなんではないかという気がしました。

 

結局、あきらめずに戦い抜いた裁判で、負けます。

実刑判決。

再審により、すべての容疑について無罪判決が出たのは2014年。

この映画よりも後です。

 

だけど、この映画を通して、ソン・ガンホの熱演を通して、あきらめなかった盧武鉉の生き方に多くの人が感動し、力をもらったんじゃないかと思います。わたしも、その一人。

 

会見の翌日、大学院の面接で、冒頭で自分から「弁護人」に触れました。

その日はちょうど、朴槿恵大統領の退陣を求める100万人デモの日。

映画界も、朴政権の介入を少なからず受けていたようです。

面接になっていたのかどうか、その話で盛り上がりました(´・ω・`)

高麗人参祭り、なんてのが、あるんですね。

 

安東(アンドン)からの帰り道、慶尚北道栄州(ヨンジュ)市の豊基(プンギ)というところに寄りました。ちょうどお祭りをやってるというので。

下は、お昼にいただいた高麗人参の天ぷら。

ほんのり甘くておいしいです。

 

 

高麗人参と言えば、錦山(クムサン)や江華島(カンファド)も有名ですが、栽培を始めたのは、豊基だそうです。それまでは山参(サンサム)と言って、天然のものだけでしたが、朝鮮時代の1500年代半ば、山参の種を採取して栽培を始めたとか。

お祭りの前に、高麗人参博物館なるところへ。

 

 

高麗人参の生育過程が見られます。

 

近くには実際に栽培されてる畑も。

暗いところがいいみたいで、日除けがありました。

 

 

お祭りの正式名称は、「豊基人参祭り(풍기인삼축제)」。

高麗人参のお店がすらーり。

 

 

天ぷらのお店も~

 

 

皆さんどこから来てるのか、家族連れもいっぱいでした。

日本で高麗人参って言うと「薬」という感じがしますが、韓国では身体にいい食材という感じでしょうか。参鶏湯(サムゲタン)とか、ね。もちろん、薬効の高いものは、高価で取引されてます。

 

なんとなく健康になった気分で、帰国の途へ。

 

最後に、思い出の一枚。

旅の途中、ご一緒した大桃美代子さんと(´∀`)