韓国映画㊵弁護人 | なりあやの韓国シネマ留学記

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2017年、3度目の韓国留学。
ソウルの大学院で映画を勉強します!

改めてスクリーンで見ました。

「弁護人」(2013 原題:변호인)

 

圧倒されるって、こういうことですよね。

今日はずっと心ここにあらずという感じで過ごしてます。

 

 

そしたら、上司が「おい!」って興奮した顔で来るから、何かと思ったら……

「弁護人、見たわ。すごいな。3回泣いたぞ」って。ええオッサンが。

 

まぁ、わたしも同じくらい泣きましたけどね。

 

書ききれないほど思いがいっぱいあるんですが、

まずは、ソン・ガンホさんの記者会見について。

 

くしくも、わたしが大学院の受験のためソウルへ向かう日、東京で急きょ会見が開かれました。先輩の協力も得ながら、飛行機ぎりぎりの時間帯まで出席。でも、本当に、出て良かった。実は「スノーピアサー」の舞台あいさつで2013年の釜山国際映画祭で生ガンホさんを見てはいますが、ちゃんと話を聞くのは初めて。とっても大事な話だと思い、紙面は短めでしたが、デジタルで長めに出しました。

 

http://www.asahi.com/articles/ASJCG53R5JCGUCVL01G.html

 

ソン・ガンホ演じるソン・ウソク弁護士のモデルは、亡くなった盧武鉉大統領。

盧武鉉が人権派弁護士に転身するきっかけとなった、「釜林(プリム)事件」が描かれています。映画では事件名は出てこないのですが、実際の事件にかなり近いようです。

 

時代は1981年。クーデターで大統領になった全斗(チョン・ドゥファン)政権下。

恐怖政治で、統治基盤をかためようとしました。

その流れで起きた、でっちあげの事件です。

読書会をやっていた学生や一般の人たちが逮捕され、拷問を受けます。

国家保安法違反などの罪を問われた裁判で、ソン・ガンホ圧巻の演技。

これを見るだけでも、この作品を見る価値がある。

 

韓国では公開後、「국가는 국민이다(国家は国民だ)」というせりふがはやったそうです。

1100万人が見てますから、相当な影響力があったと思います。

韓国公開が3年前だったとはいえ、昨今のデモのパワーにもつながってるんでは、と。

 

2回目見て印象に残ったのは、포기하지 말자(あきらめるな)という言葉。

高卒で司法試験に挑むソン・ウソクが、自ら鼓舞するため法律の本に書いた言葉であり、当時働いていた建設現場(アパート)の壁に刻んだ言葉でもあります。

司法試験合格をあきらめるな、ですが、これはこの作品のメッセージ、あるいは、盧武鉉のメッセージなんではないかという気がしました。

 

結局、あきらめずに戦い抜いた裁判で、負けます。

実刑判決。

再審により、すべての容疑について無罪判決が出たのは2014年。

この映画よりも後です。

 

だけど、この映画を通して、ソン・ガンホの熱演を通して、あきらめなかった盧武鉉の生き方に多くの人が感動し、力をもらったんじゃないかと思います。わたしも、その一人。

 

会見の翌日、大学院の面接で、冒頭で自分から「弁護人」に触れました。

その日はちょうど、朴槿恵大統領の退陣を求める100万人デモの日。

映画界も、朴政権の介入を少なからず受けていたようです。

面接になっていたのかどうか、その話で盛り上がりました(´・ω・`)