改めてスクリーンで見ました。
「弁護人」(2013 原題:변호인)
圧倒されるって、こういうことですよね。
今日はずっと心ここにあらずという感じで過ごしてます。
そしたら、上司が「おい!」って興奮した顔で来るから、何かと思ったら……
「弁護人、見たわ。すごいな。3回泣いたぞ」って。ええオッサンが。
まぁ、わたしも同じくらい泣きましたけどね。
書ききれないほど思いがいっぱいあるんですが、
まずは、ソン・ガンホさんの記者会見について。
くしくも、わたしが大学院の受験のためソウルへ向かう日、東京で急きょ会見が開かれました。先輩の協力も得ながら、飛行機ぎりぎりの時間帯まで出席。でも、本当に、出て良かった。実は「スノーピアサー」の舞台あいさつで2013年の釜山国際映画祭で生ガンホさんを見てはいますが、ちゃんと話を聞くのは初めて。とっても大事な話だと思い、紙面は短めでしたが、デジタルで長めに出しました。
http://www.asahi.com/articles/ASJCG53R5JCGUCVL01G.html
ソン・ガンホ演じるソン・ウソク弁護士のモデルは、亡くなった盧武鉉大統領。
盧武鉉が人権派弁護士に転身するきっかけとなった、「釜林(プリム)事件」が描かれています。映画では事件名は出てこないのですが、実際の事件にかなり近いようです。
時代は1981年。クーデターで大統領になった全斗煥(チョン・ドゥファン)政権下。
恐怖政治で、統治基盤をかためようとしました。
その流れで起きた、でっちあげの事件です。
読書会をやっていた学生や一般の人たちが逮捕され、拷問を受けます。
国家保安法違反などの罪を問われた裁判で、ソン・ガンホ圧巻の演技。
これを見るだけでも、この作品を見る価値がある。
韓国では公開後、「국가는 국민이다(国家は国民だ)」というせりふがはやったそうです。
1100万人が見てますから、相当な影響力があったと思います。
韓国公開が3年前だったとはいえ、昨今のデモのパワーにもつながってるんでは、と。
2回目見て印象に残ったのは、포기하지 말자(あきらめるな)という言葉。
高卒で司法試験に挑むソン・ウソクが、自ら鼓舞するため法律の本に書いた言葉であり、当時働いていた建設現場(アパート)の壁に刻んだ言葉でもあります。
司法試験合格をあきらめるな、ですが、これはこの作品のメッセージ、あるいは、盧武鉉のメッセージなんではないかという気がしました。
結局、あきらめずに戦い抜いた裁判で、負けます。
実刑判決。
再審により、すべての容疑について無罪判決が出たのは2014年。
この映画よりも後です。
だけど、この映画を通して、ソン・ガンホの熱演を通して、あきらめなかった盧武鉉の生き方に多くの人が感動し、力をもらったんじゃないかと思います。わたしも、その一人。
会見の翌日、大学院の面接で、冒頭で自分から「弁護人」に触れました。
その日はちょうど、朴槿恵大統領の退陣を求める100万人デモの日。
映画界も、朴政権の介入を少なからず受けていたようです。
面接になっていたのかどうか、その話で盛り上がりました(´・ω・`)
