こちらに来て3週間強。
来週にはサマースクールが終わると考えると、あっという間である。
他方、オックスフォードがたった3週間だったと思い出して、密度の濃さに驚く。
クラスメイトの話を聞く限り、このサマースクールもほかのセメスターに比べて、イベントが盛りだくさんであるそう。
たしかにほぼ毎日何かしらのアクティビティがある。
映画鑑賞、作家の講演、ゲットー訪問、週末の小旅行などなど。
イベントに参加していると、机に座って勉強する時間がほとんど取れずに歯がゆい気もするのだが、なんだかんだ参加している。
以下、イベント参加時の写真。
・クラマーシュ・ヴィラ
チェコスロバキア初代首相の邸宅。今も首脳会談などに使われるため、常時入場できるわけではない模様。
庭から眺める景色は指折りのベストスポット。
・ベロウン日帰り旅行
全然有名でないのになぜか見覚えがあり不思議に思っていたのだが、駅に着いて思い出した。ヒロシの迷宮グルメでチェコの回の一つがベロウンだった。
鍾乳洞はスロヴェニアの後だと特に何も感動しない。
・ユダヤ人地区ツアー
さて、本題のアパート探しに入る。
ここからは、プラハでアパートを探している人でないと特に面白くはないと思われる。
他方、アパート探しの体験談を探してもなかなか記事が出てこないため、これが有用な記事になれば幸い。
ただ、もしかしたら自分は特殊なケースかもしれないので、必ずしも学生や家族で来る人の状況にピタリとはまるかはわからない。
また、日本では実家暮らししかしたことがないすねかじりなので、日本との比較は経験上できない。
まず、物件の探し方であるが、基本的にインターネットの検索サイトを使う。
以下が使ったサイト。
①https://www.expats.cz/praguerealestate/?lang=cs
シンプルな検索サイトで使いやすいが、地図上での検索ができない。アパート以外にも外国人居住者向けの情報を発信している。
②https://www.praguerealestate.cz/
掲載件数が多く、最大手と思われる。たまに、条件絞り込み画面が出てこなくてイライラする。地図上検索はない。
③https://www.foreigners.cz/real-estate/apartment/rent/prague
外国人向けサイトのため、全体的に親切。また、グーグルマップ上での地図検索ができるため、周りにどんなレストランやカフェがあるのかもわかる。
ただし、載っている物件は他と比べて少なめな印象。
物件の数が多く、地図上での検索も可能。全体的に充実している。
⑤https://en.svoboda-williams.com/
基本高級物件のみ。家族持ちの駐在員向け。
⑥https://prague.tv/en/s27/c2-Real-Estate
数は多いが、検索しづらい。
上記の特に①~④を中心に使っていた。また、グーグルマップを使いながら近くの店や学校、職場までの通勤通学ルートなどを適宜確認。
サイトにもまとめられているが、地区によって雰囲気も変わってくる。
1区:プラハの中心。どこへ行くにもアクセスはよいが、物件も店の物価も高め。マラーストラナや旧市街などにも物件はあるが、観光客でにぎわうため、住環境はあまりよくないと思われる。新市街はケース・バイ・ケース。
2区:Namesti Miruを中心としたVinohradyは他の国の駐在員に最も人気とのこと。各国のおしゃれなレストランがあり、閑静な地区。他方、学校のあるAlbertovのあたりは友人いわくnot niceとのこと。同感。
3区:テレビ塔があるZizkovはかつての労働者居住区のため、プラハで最も悪名高い地区。
他方、近年は地価の上昇でいわゆるブルーカラーの人たちが住める値段ではなくなっているため、現在は留学生なども多く住んでいる模様。治安も悪くはない(基本的にプラハに治安の悪い場所はほとんどない)が、かつての面影は今も十分感じられる、
4区:VisehradやNusle。普段足を運ばないため、雰囲気などはよくわからない。
5区:Andelなどを含むSmihovのあたり。ハイパーマーケットがあり、生活には便利だが、not cleanではない(友人)。ただ、東京からきたばかりだと建物や街並みの美しさでどこも綺麗と思ってしまう。
6区:愛すべきKolej Hvezdaがある地区。空港に近い。寮はともかく、6区は高台にあり、Dejvickaなどは閑静な住宅街のため、日本人駐在員に最人気の由。
7区 ブルタバ川の北側にある高台。LetnaやHolesoviceなど。
8区 Zizkovと同じかつての面影が漂うが、2002年の洪水後、大規模な開発が行われた。Hipster(サブカル)的要素が濃い。
主な中心地区は上記のとおり。
どこを選ぶかは自分が何を重視するかで変わるが、自分はとにかくアクセスを重視していた。
当初はとにかく中心にと思い、日本にいる間に見つけた旧市街にあるアパートで家具や装飾が綺麗な物件に住もうと、不動産会社と契約書にサインする一歩手前までいった。
しかし、サイトには地上階と1階が併記されており、1階=日本でいう2階と理解していたのだが、契約書には地上階と記されていたため確認したところ、地上階だった。
防犯上、また改善されているとはいえ洪水のリスクも考えて地上階は嫌だったので、結局やめた。
また、今考えると、下見もしていないうえ、入居より1か月前から契約に入るというだいぶ損な選択だった。
1か月後の入居になると大家は1か月分の機会費用を失うため契約してくれないので、まだ日本にいる6月からの契約を考えていた。
よほどの事情がない限り、どこであろうと下見は必須である。
ただし、一つ問題があり、日本にいる間に決めたクラスメイトに確認したところ、ビザの入手に住居の確定は必須のことで、来る前に決める必要があったらしい。
自分ももし1年しか滞在しないのであれば、下見せず勢いで決めるか、遠い寮で妥協していただろう。
数年単位で住むことが決まっており、かつ下見したうえでアパートを決めるには、以下が必要になると思われる。
学生:最初はまず寮に入居し、ビザを取得し入国。サマースクールは1か月しかないため、来てすぐにアパート探しを始め、決まり次第引っ越し。
駐在員:マンスリーで借りられる家具が揃ったアパートがあるらしく、まずそちらと契約。その後住居を探す。
アパート探しで最も重要な点は、とにかく前広に、あまり地区などを絞りすぎずに探すことである。
プラハは自分のような外国人居住者が年々増えており、需要過多になっている。値段も高くなっている。
自分は一人暮らしをするにはだいぶ予算を多く取ったため選択肢が広かったが、それでもいろいろ条件をつけると候補が限られた。
また、不動産会社にメールしても返信がないなどもざらにある。
一度、ずっと無視されていたのに「メール見逃してたわ~まだ興味ある?」という白々しいメールがきたので下見したいと返信したところ、?次の日には「あ、ほかの人が契約しちゃったごめんね」という対応をされたこともあった。
チェコ人の友人すら50件メールして返信は7件だったという。
彼がようやく見つけて住んでいるアパートも、大家のおばちゃんから電話がきて「掲載30分なのに200件申し込みが来てどうしていいかわからない。あなたいい人そうだからあなたでいいわ」という話になって、2時間で即決したらしい。
多少の運ゲーにもなっている。
また、彼も言っていたが、自分の素性やステータスをアピールしたほうがいい。
どこに勤めていて(通っていて)、家賃を毎月きちんと払える収入や奨学金・仕送りがあり、部屋のモノを壊したり汚したりしないまともな人間であるとアピールするのである。
たしかに、大家の立場になって考えれば、住む人の素性は気になるだろう。
それにきづかず送っていた「へーい下見させてくれ」というテンプレメールはかなりシカトされた。
丁寧な返信が来たメールは勤め先を教えたときか、きちんと収入があると伝えたときだった。
そんなこんなで、当初は来てすぐ決まると思ったアパート探しは思ったより苦戦した。
友人のアドバイスも借りつつ、後に入居するアパートの下見に行くことになった。
当日、アパートの前に着くと、そこに4人もいてビビる。
今まで見たときは不動産の人が一人来ただけで、二人だけで見ていた。
今回は不動産会社2人と大家夫妻。
大家のおじさんは英語が喋れない、若干不安に思うが、自分がここに来ている目的を思い出してその考えはおかしいと思いなおす。
日本から来た、というと「俺の車は日本製だよ、チェコはダメだね」
と少し日本びいきである。トヨタに感謝した。
また奥さんは、少し英語が話せる模様。
部屋に入ると、中から同い年か少し若いくらいの女の子が出てきた。
いや、誰やねん。と思ったら今住んでる子だった。
イラン人。
イランの実態はわからないが、学生で一人でここに住んで、しかもすべて外食で済ませているとのことで、実家はかなり裕福なのだろう。
キッチンを全く使わないとのことで、キッチンがかなり汚くなっていた。
2,3の不安を抱えながらも、一度持ち帰り、少し考えたが立地もよく、自分の満たす条件をほぼ揃えていたのでここに決めた。
友人にも見せたときに、「よさげだから、下見のときに『今すぐ俺と契約してくれ』ぐらいでいいよ」とお墨付きをもらっていた。
ちなみに、満たしていない条件とは、ベッドがない、テレビがない、8月1日からは入居できない、というものだが、すべてお金で解決できる問題だったが、
備え付けのベッドが小さくて体に合わないとか、テレビも小型だったり見えづらい場所に置かれるくらいなら自分でアレンジできてよいな、と後からだと思う。
1日から入居できなかったので、前記事のとおりホテル間で引っ越しをした。
入居してから気づいた若干のマイナスポイントは、
・部屋が北側を向いていて、日光はあまり入らない
・すぐ横に人気のレストランがあり、夜中もたまに叫ぶ人がいる
北側を向いている点は、朝薄暗くて起きるのがつらいが、日中はほとんど部屋にいないし、チェコは乾燥しているので日本と違い日が当たらくても洗濯ものは秒で乾くため、そこまでの難儀はない。
騒音も、チェコは冬の防寒対策のため窓が二重になっており、それが防音にもなっている。
それに、寮では薄いドアを隔てた廊下で夜中まで叫びまわったりパーティーしてる輩がいたのを考えると、気にならないレベルといっていい。
そんなこんなで、アパートを見つけて決めるまでを書いた。
ポイントとしてはやはり、前もって、地域を絞らず、塩対応にめげずに手広く探す、ということだろう。
アパートを探していると、交際候補の異性を物件と呼ぶのが、言い得て妙だなと思ってしまった。
帯に短したすきに長し、求めている条件をすべてそろえたアパートはまず見つからない。
そのなかで何を妥協するか、足りないものをどうやって補うか。
以上、部屋を見つけるまでを報告する。
次回は入居やインターネットなどについて報告する予定。