遅くなりました・・・ようやく打ち込めました・・・長かったです(笑)

この話は、miniature絵画のひと作品にもなっています。

 

インナーチャイルドのおはなしだと思います。

いろいろ考えさせられました。

これからも、読むタイミングが変われば感じることも変わるのかもしれないと思う作品でした。

 

長いですよw

誤字脱字見つけ次第修正します、お許しを(笑)

 

登場人物

さっちゃん   彼女と呼ぶ存在に捨てられたと思っている女の子

いちこちゃん  作者、というか、体験者?

わこちゃん  さっちゃんと子供部屋で過ごす同室者の女の子 年齢もさっちゃんと近い感じ

ポトス・その世話役の妖精

        植物であり、逃げだしたり捨てられた子供を安全な植物の中の世界に導いてくれる存在

 

Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1本編Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1Smile1

 

黄色い玩具箱(おもちゃばこ)

とおの いち子 著

 

<第一章 切り離された女の子>

 

いち子は 植物とお話します

 

植物は その内側に無数の異世をもっています

その異世の集合体は まるで 

葉の中で命を生み出す葉緑体が犇(ひし)めき合って

影響し合っているみたいなので美しい緑色の涙になりました

 

その嫋(たおや)かな涙を流していたのは

小さなヒトの子の 女の子でした

 

齢(よわい)五・六歳といったところでしょう

 

“こんにちは どうして泣いているの”

いち子が言うと

「ダメな子だから嫌われちゃって捨てられたの」

そう言って 

女の子は 悲嘆色の透き通った涙を ボタボタと落とします

 

いち子は女の子に

“何はさておき 鼻水を拭き取った方が良い”と言って

水色のハンケチを出してあげました

 

ハンケチをいつも持っているいち子は

身嗜(みだしな)みが整っていて良いことです

 

其処へ ポトスという植物の世話役の妖精が現れて

“お待たせして悪かったね 

今から君は 安心で安全な処へ行くよ

ちゃんとそんな場所が用意されているから さぁ 行こう”

と 女の子を優しくなぐさめました

 

<2章 さっちゃんとポトス >

「お姉ちゃんも来て欲しい」と女の子が言うので

いち子は仕方がないのでついて行ってあげることにします

 

女の子がポトスの世話役とともに行くと決めた次の瞬間

“いち子ちゃんありがとう”と女の子は言いました

名前を教えあったわけではないのに 

既に いち子と女の子

お互いが何者で 誰なのかが認識できる世界になりました

 

さっきまで泣いていた この女の子の名前はさっちゃんです

 

お互いのことが急に分かり始めたさっちゃんは

急激な意識の変化に戸惑っています

 

するとポトスの世話役の妖精がさっちゃんに向かって言いました

 

”此処はそんな処なんだ

此処は意識のずっとずっと深い世界で現世(うつしよ)から見れば異世ともいうよ

此処は真理に近い処だから お互いの意識の境界が薄いんだ

みんな繋がっている  わかるね?

だから君は捨てられたんじゃない

君が君を捨てたと思い込んでいる【彼女】自身が大切なことに気づくまで

まってあげるんだよ

【彼女】は必ず君を迎えに来るからね

其の刻君は とても未来に希望を持つことができる

さぁ 安心して

君が今最も心地よいと感じられる場所へ行こう”

 

そう言い終えると

 

目の前に綺麗に舗装された道が開かれて

その道の脇に咲くポトスたちが

柔らかく葉を揺らせながら迎えてきたので

さっちゃんの鼻水が止まりました

 

 

<3章 緑色のお地蔵様>

 

白と黄色が混じりあった四角い入口を通り抜けると

其処は すべてが手作りされたモノばかりが用意された 真新しい子供部屋でした

 

白木が暖かく眠る子を包み込みながら 穏やかな子守唄を歌ってくれる

二段ベッド

朝になれば優しい光で命のエネルギーを満たしてくれる太陽みたいな

向日葵時計

言葉にできない心のモヤモヤを遊びながら表現したり

失敗体験を何度でもやり直しができて さらに別物に作り変えてくれる

色とりどりの積み木

描いたものをカタチにできる色鉛筆

心の整理がついた時に 不要なものが出てきたらきちんと解決し処理してくれる

黄色いゴミ箱

記録や智慧を書き記した絵本や図鑑

外の世界や今までを俯瞰してみることのできるトルコ石色の窓には

見たくない時にそっとカーテンを引けるように配慮されています

 

こんな優しいお部屋がいくつもあって

ひと部屋に二人の子供が一緒に居られます

一番仲良くなれる相手が用意されているのでさみしくなんてありません

 

一緒に過ごすと同時に 二人でお互いの心を育て合います

 

部屋には植物があって 子供たちを見守り 

時にはなぐさめ  時には諭します

 

“お地蔵様みたいだね”といち子が言うと

植物たちは

“よく言われるけれど 面白いたとえだね”と笑いました

 

 

 

<4章 羽化>

 

さっちゃんの同室者の女の子は わこちゃん です

 

わこちゃんは “自分のことを大切にしてもらえないことが悲しくて

逃げ出してきたことがここに来るきっかけだった“と話します

齢(よわい)五・六歳の風貌で さっちゃんと同じくらいに見えます

 

いち子と さっちゃんと わこちゃんは

プヨプヨしたキノコの椅子に腰掛けて

シャボン玉でツヤふわした雲を作ってあそびます

 

さっちゃんがこんな風に皆で遊べるようになるまでは時間がかかりました

 

さっちゃんは しょっちゅう シュンと体を小さくしながら

トルコ石色の窓に肘をかけて外の様子をぼーっと眺めていたけれど

少しずつ 向日葵時計とお話するようになってきました

 

ようやくわこちゃんと目を合わすようになった頃でも

まだまだ一人で積み木遊びをしていました

 

そして 積み木遊びに飽きた頃

色鉛筆で絵を書いては 

さっちゃんが待っている【彼女】の顔を黒く塗りつぶしました

 

色鉛筆にも飽きてきた頃 とうとう

“もう いいや” と嘆くわけでも 恨むわけでもなく

ゴミ箱に向かって その鬱々としたモノをポイとした刻

さっちゃんは 眩しい笑顔で笑うようになりました

 

わこちゃんは それを自分ごとのように喜びました

 

さっちゃんは わこちゃんの気持ちさえ嬉しく思います

さっちゃんはこの時 誰かが自分のことを本当に思ってくれているという気持ちを

受け取ることができるようになっていたのでした

 

ポトスはそれを見て

 

“君はえらかったね 立派だよ

後は 【彼女】がどんな姿できたとしても

【彼女】の想いや語りたい言葉を聞く勇気を持つことだ

そして ありのままを受け入れて

この先どうしたいのかハートに聞いて

自分で未来を決めるんだ

今の君には そう難しいことではないはずだよ”

 

とさっちゃんに向かって言いました

 

 

 

<第5章 お片づけ>

 

それからどれくらいの時が流れたかは

もう異世のサイクルになっているので計ることはできません

こちらで数ヶ月のことが 現世(うつしよ)では

ずっとずっと長い時間が経っているということもよくあることです

 

さっちゃんは もう悲しげに窓の外を見ることはなくなったし

わこちゃんもぐんぐん輝きを増しました

 

其の刻 カチッと時計が針を進めて止まった瞬間

ビビットピンクの扉が ギィッと開きました

 

其処へ恐る恐る入ってきたの一人の大人の女のヒトでした

 

“さっちゃん・・・”と

子供のさっちゃんが大人の女の人の名前を口から落としました

 

迎えに来たのは 大人になったさっちゃん本人でした

大人のサッちゃんは体全部を震わせながら目を瞑(つむ)り

掌(てのひら)をギッと握り直してこう言いました

 

「小さい時、小さな私であるアナタを認めてあげられなくてごめんなさい」

「ダメな自分が悪いんだと責めつづけて 罰を与え続けてきた挙句の果てに

アナタを直視できなくなって隠してしまってごめんなさい」

「無かった事にしてしまって、ごめんなさい」

「アナタは子供の頭で考えられるその時の最善だと思う選択をしていただけだし、

それしかなかったよね。

苦しい中でよくやってくれていたと思う。

だからこそ、今の私がいる。

今私には家族がいて、仕事もしているし、仲間もいる。全てが最高かと言われると、辛いことも苦しいこともあるからそれはわからない。けれど、いろいろ私なりに頑張ってるし、自分なりに幸せを感じているよ。

だから・・・一緒に帰ろう」

 

小さなさっちゃんは驚いていたけれど

「知らなかった。私であるアナタに会うのが怖かったのも、

受け入れてもらえるか心配して怖かったのも

大人のサッちゃんも、子供の私も、同じだったんだね。

そんなに楽しそうなら、一緒に行く!」

と、すぐに返事をしました。

 

大きいさっちゃんと小さなさっちゃんは

わこちゃんとポトスといち子に ありがとう と言って

ビビットピンクの扉の向こう側に還(かえ)って行きました

 

わこちゃんは一人部屋の中において行かれたけれど寂しくなんてありませんでした

 

何故(なぜ)なら、わこちゃんは…

 

小さなさっちゃんが自分自身を否定して切り離した

もう一人のさっちゃんだったからでした

 

小さなさっちゃんは この部屋でのわこちゃんとの関係の中で

誰かの想いを受け取るという事 そして

誰かの思いを受け取る価値がさっちゃん自身の中に在るのだということがわかりました

 

それは同時に わこちゃんを受け入れたということになるのでした

 

わこちゃんは さっちゃんからもう逃げませんでした

だからさっちゃんは変われたし 大人のさっちゃんも変わることができました

 

気がつくと

さっきまであった黄色い箱の中にある子供部屋は蜃気楼のごとく消え去って

目の前にはポトスが気持ちよさげに陽の光の交わる風に揺られてお昼寝をしていました

 

いち子は 近くにいた蓮くんに

散らかったおもちゃを黄色い箱にきちんと仕舞ったらそろそろ家に帰ろう

といいました

 

芽出度(めでた)し  

芽出度(めでた)し

 

 

<いち子ちゃんの日記>

天使や妖精のたぐいで、見えない存在「座敷わらしのいち子ちゃん」の日記を自動書記で代筆しアップしています。

・プロローグ(アップしていくことに至った経緯)

https://ameblo.jp/nanahoshi073/entry-12370124734.html

 

・出会い1

https://ameblo.jp/nanahoshi073/entry-12371055384.html

 

・出会い2

https://ameblo.jp/nanahoshi073/entry-12371056864.html

 

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