
「もう少し分かりやすく説明したほうがいいかも」
そんなアドバイスを相手にしたこと、
あるいは心の中で感じたことがある方は多いと思います。
一方で、いざ自分がそう言われた立場だとしたら
「何が分かりにくかったのだろう」
「どう伝えればよかったのだろう」と、戸惑った経験はありませんか。
実はこのやりとりの中に、
指導する立場にとって大切なヒントが隠れています。

私は趣味でバドミントンをしているのですが、
元コーチの方々も仲間にいて、時折指導もしてくれます。
その際、
「フィードバック」と「アドバイス」の違い、役割を強く実感しました。
「今のショット、ラケットの面がこんな風に上を向いていたからシャトルが浮いてしまったかな」
(フィードバック)
そして続けて、
「面をこんな感じに少し寝かせてみるとネットギリギリにシャトルを落とせるから相手からのプッシュを防げるよ」
(アドバイス)
言われた通りにやってみると、
シャトルの軌道が明らかに変わりました。
「あ、さっきと違う」
小さな変化をすぐに実感できます。
すると自然と、
「また教えてもらいたい」
という気持ちになります。
人は「できていないこと」を指摘されると、
どうしても気持ちが下がりがちです。
けれど、
「今こうでした」(フィードバック:目標からどう外れているのか)
「次はこうしてみましょう」(アドバイス:目標に近づくためどうするのか)
こんなふうに伝えてもらえると、
自分の中で改善の手がかりを認識できます。
そして、ほんの少しでも変化を実感できると、
前向きに挑戦し続けることができるのだと思います。
これは職場の指導でも同じです。
ただアドバイスだけを伝えると、
相手は「何が問題だったのか」が分からないままになります。
反対に、フィードバックだけでは
「では次にどうすればよいのか」が見えません。
だからこそ
フィードバック(的からどう離れているのか)
アドバイス(どのように的に近づけるか)
この二つがそろうことで
成長の実感を持ちながら前に進めるのだと、
私も受講生に伝える際、かなり意識をしています。
「もっとわかりやすく説明して」の例だったら
フィードバック:
「途中で話題がAの話からBの話に変わって、またAの話に戻っていました。」
アドバイス:
「話の順番をまずAに関しての『背景→課題→提案』のように整理すると伝わりやすいと思います。」
このように伝えることが、改善の近道です。

バドミントンの元コーチの言葉は決して長くありません。
「今こうでした」
「次はこうしてみましょう」
それだけです。
でも、その一言で
「やってみたい!やってみよう!」と思えます。
「鏡を見せるような気づき」と「次の一歩を示す言葉」
まずはこれを分けて、そしてセットで伝えることが相手への手助けとなるのです。