CX向上に取り組む目的 | 三上ナナエのブログ

三上ナナエのブログ

人材育成コンサルタント、企業研修講師

CS(カスタマーサティスファクション:顧客満足)は知っている、という人は多いですが、

CX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験価値)は会社の取り組みで行っていないと馴染みはないかもしれません。

 

CSとCXの違いは、会社ごとに定義は違う場合もありますが、一般的には【CS】はある程度お客様側が予想、期待しているものに対しての満足度。

 

例えば、

・待ち時間は長くないか

・お店の陳列はわかりやすいか

・店内外は清潔か

・接客態度はどうか(笑顔)

 

など

 

アンケート等で企業側が分析、数値化し、【改善点を把握する目的】で顧客満足度調査が行われます。

 

それに対して【CX】は顧客側があらかじめ期待や予想をしていない体験。目的は【ロイヤルカスタマーを創出する】ことです。ロイヤルカスタマーとは愛着を持ってくださる顧客。競合他社に魅力的な点があってもそう簡単には乗り換えないお客様のことです。

 

私もロイヤルカスタマーだと自覚しているスーパーマーケットがあります。生活圏には2つのスーパーマーケットがあるのですが

【A店】は品揃えが豊富

【B店】は品揃えがA店よりも少ない

どちらのお店も距離、価格はそう変わりません。しかし私は品揃えでは負けているB店にいつも行っています。それはB店の方が【CX:顧客体験価値】が高いからです。

 

例えば

●Bのお店はスタッフの方に声をかけると元気よく返事をしてくれる。

スタッフの方から声をかけてくれることもある

●野菜コーナーでは担当の人が種類の違いや、美味しい食べ方も教えてくれたりする

●お会計後、「気をつけて帰ってくださいね」など気遣いの一言を掛けてくれる

 

こういった対応は期待をしていない分、心が動かされやすいのです。対応の気持ちいいB店に行くと、欲しい物を買うという本来の目的以上の価値もプラスされます。

 

顧客体験価値を上げる取り組みは投資が少なく効果が絶大です。大変なサプライズのようなことではなく、プラスアルファのちょっとした言葉掛けや気遣いだったりします。

 

ただ、CXを上げよう!と狙って何かしているというより

 

「目の前の人にできることをしよう」

「プロとして誇りを持って仕事を楽しもう」

 

そんな意識からスタートし、同僚や先輩の良いマネをしながら培われるものだと考えます。

 

ANAのCAとして働いていた時はフライトの後の「デブリーフィング」時(振り返り・次回に活かせる内容の共有)に「仲間がしていた良い対応例」などを発表しあっていました。

 

朝礼などを利用し持ち回りスピーチで

 

「私がお客様の立場で嬉しかった対応」

「隣で見ていた!仲間の素敵な声掛け」

 

こういったテーマでお題を設定すると、普段から

”何かスピーチで話せることはないかな?”

とアンテナが広がったり、自分の仕事に置き換える応用力も養えます。CX向上策として大きな効果があるでしょう。