今日も定時ダッシュ -56ページ目

ラストスタンド

 昔はアーノルド・シュワルツネッガーのことをシュワちゃんと呼ぶのは何とまあ失礼なことであるかと思っていたのだが、今に至ってもちゃん付けで呼ばれるハリウッドスターはシュワちゃんとモンちゃんだけだと考えると、これはこれでシュワルツネッガーの日本での人気の高さの表れかもしれない。おっと、タランティーノとタラ・リードをタラちゃんと呼ぶのはノーカンだぜ!

 ふと「モンちゃんて誰?」と思う奴が世の中に仰山いるのではないかと思ったが・・・閑話休題。

 LAの知事やったり離婚したり紆余曲折を経て、実に10年ぶりの主演作だそうで、スタローンとのよしみでチョイ役で出てきた「エクスペンダブルズ」では、かつてのスクリーンでの勇姿が夢か幻かというくらいヒョロっとしていたので、それに比べれば「ラストスタンド」では体を作っているほうだと思う。この年で改めての人工的な筋肉増量は生死に関わるだろうし。まあスタローンはそれで寿命が縮まっても本望かもしれないけど。

 それでもやっぱり久々にスクリーンに登場したシュワルツネッガーの加齢っぷりにショックを受けなかったといえば嘘になる。この人の場合は口元に一番年齢が出た感じで、確かに歯や口元周辺が老化すると見た目の印象が一気に老けて見える。このへん、若い頃から受け口気味なスタローンは何となく誤摩化せている感じはする。ブルース・ウィリスも口元はキているが、こっちはハゲがうまく目くらましになっている。

 かつてのシュワルツネッガーのアクション映画は、スーパーマンより物凄い超人ぶりをこれでもかと見せつける、まさにシュワちゃん無双なタイプの映画ばかりだったけれど、今作では本人の加齢を十分加味した脚本になっており、その分を加齢をネタにしたコメディタッチのシーンが補っている。それでも副保安官の二人を救出すべく敵のただ中に乗り込んでショットガンを撃ちまくるシーンは、シュワルツネッガーがカッコ良過ぎてゾクゾクした。さすがスター。あのシーンで一気に映画が絞まった感じがする。

就活について思うこと

 バブル時代の就職活動はバカでも社会人になれた、いや、つまらん知恵をつけるより、いっそバカのほうが都合がいいという時代だったのよ。バブル時代の勉強をしなくなった大学生について、舛添要一氏が当時「学生は社会に染まるために大学時代は徹底的にバカになりきる期間だ」というようなコメントをしたことを妙に覚えている。

 ゆとりだの何だのと言われているけれど、今の若者は自分の時代と比べれば物凄く社会人になるための意識が高いと思う。「学生気分が抜け切れない」というのが了解事項だったような当時と比べて、自分が知っている昨今の新入社員のリテラシーはとても高かった。厳しい就職活動を経て、それだけ自覚を持って社会に臨んでいるのだと、若かりしころの無自覚だった自分と比べて非常に頼もしく見えたことを覚えている。

 そんな中でも就活について変わらないと思うのは、今も昔も学生はやっぱり有名企業を選ぶということだ。この傾向は安定志向だったり、中小企業と比べての生涯賃金の差だったりという実際的な理由もあるだろうが、自分はもっともっと単純な思惑ではないかと思っている。

 社会に出ていない学生に社会がどういうものか分かる訳がなく(実は自分こそ四十過ぎても分かっていないような気がするが)、そういう人達に会社を選びなさいと言ったところで、自分の知っている所=有名な大企業しか目に映らない。学生が大手を選ぶのは、身も蓋もなく「そこしか知らない」というのが大きいのではないかと思う。学生にとっては大企業と中小企業ではなく、有名企業と無名企業という基準で、そして、無名というのは文字通り無名。誰だって存在していないモノは選びようがない。ホントに単純に聞いたコトの無い会社は目に入らないのではないかと思う。ソースは自分。

 しかも今は何十社もエントリーシートを出してもたいていナシノツブテ、お祈りメールがくれば良い方なんて扱いだから、理由もわからずに選別されるプレッシャーもある。ただまあ、エントリーシートに関しては、大手のエントリーシートなんて「大学のランクで足切りはしていません」というための言い訳みたいなもんでしかないと思う。

 エントリーシートの送る側の大変さはそれとして、選ぶ側の現実として、五十人の採用予定に一万人がエントリーシートを送ってきたらどうするかというと、送られてきた全てをじっくり読んで学生の苦労に思いを馳せ、文面から滲み出る人となりが社風に合っているかを吟味する採用担当なんているワケがない。何ヶ月かかると思ってんだ。大企業でそんなコトをしている社員が本当にいたら、その人は無能だと思う。エントリーシートはあくまで建前で、絶対に出身校などで足切りしているハズだ。

 大手企業で手書きのエントリーシートを要求された場合、学生側の心情としては「何社も手書きのエントリーシートを書くのは大変だし、読む側も手間だろう。webで入力できればこっちもラクだし企業側も効率的にデータ管理できるのに、それをしないなんて、なんてナンセンスなんだ」となる。けれども企業側の意図としては「足切り前提のエントリーシートを手間をかけて寄越すだけの売り材料が自分にあるかを先ず考えてください」というところだろう。学生が何十社とエントリーシートを書くことを承知の上でwebエントリー可のコピペの志望動機を受け付ける企業は、それこそ出身大学だけで選んでいると見るべきだ。

 こういうカラクリはおそらく大学の就職担当が真っ先に話していると思う。大企業だけではなく中小企業にも良い会社は沢山あるからそちらに目を向けて、とも言っているだろうと思う。社会に入ってみればホントにその通りで、世の中はなんとまあ会社で溢れているものよと、学生の時にどんどん選択肢を狭めて自分で自分の首を絞めるような真似をしていた就職活動を笑ったものだった。

ビューティフルジョー

 2003年にゲームキューブで発売された、神谷氏がディレクターを務めたゲームです。英語で書くと Viewtiful Joe。ViewとBeautifulを掛けた造語ですが、このタイトルから既に神谷的ゲームの神髄が覗いている。

 このゲームの特徴は敵の攻撃を避ける際に、一時的に動きをスローモーションにしてギリギリのところでかわし、ズームアップすると派手に反撃を加えて大打撃を与えるという・・・言葉で説明しても何の事やらなので、未プレイの人はカプコンの公式サイトで見てみてください。

 wikiでは任天堂の「マイクタイソン・パンチアウト」から着想を得たとあって、敵がパンチを打ってきて、それを避けてこちらからパンチをお見舞いするというパンチアウトのゲーム性を踏襲していると言われれば成る程なーと思う。けれども、ゲームをプレイして感じたのは、プレーヤーが操作するキャラを圧倒的にカッコよく「魅せる」ための仕掛けであり、アクション映画・・というのか、もっとズバリというと「マトリックス」を自分で体験するとこういう感じがするんだろうなという、映画を上手くゲームに落とし込んだ感覚だった。スローで敵の攻撃やミサイルを華麗にかわし、ズームでド派手に反撃する一連のアクション操作がビジュアルと相まって物凄く気持ちいいのよ。

 何より「ビューティフルジョー」が画期的なのは、ギリギリで敵を躱して攻撃するという醍醐味を、自分のようなゲームのド下手クソなプレーヤーでも体験できるという点でありました。避けて攻撃するというのは、格闘ゲームならばガードキャンセルというシステムであったり、シューティングゲームならば気狂いじみた弾幕をギリギリですり抜けてエンドルフィンがドバドバ出るというように、他に例が無い訳ではないのだが、たいていそういうのはゲームの神に愛された上級者のみが体験できる神の領域に属するものだった。そんなもん、昇竜拳もマトモに出せない自分に出来るワケがない。なのに「ビューティフルジョー」ではそういう神の領域が味わえてしまうのである!ありがたやありがたや。

 この、映像の面白さと操作の楽しさの両面で作り上げて行くゲームは、やっぱりスーパーファミコンの時代には無理だったろうと思う。神谷氏自身は生粋のゲーマーなので、ゲーセンで神の領域に浸りつつ、実際のドット絵ではなく「ありうべき本来のゲームのビジュアル」というものが頭の中で生まれていたのかもしれない。それがゲームを作る側になって「デビルメイクライ」や「ビューティフルジョー」として表に出て来たのではないかと思う。

ゲーム&ワリオ GAMER その2

 ゲーム&ワリオのGAMERというミニゲームが面白い、という話をしましたが、その時はまだレベル2をクリアしていない状態でしたが、レベル3をクリアして改めて「コレは神ゲーじゃあ~」と思った次第でございます。

 このミニゲームの神がかった部分は一発ネタに近いのでネタバレを避けるためにワタクシが何に感動したかは一切書きませんが、よくもまあこんなバカバカしいネタを思いついて、それをここまで大マジメに磨き上げたものだと思う。メイドインワリオのチームだからといえばそうなんだけど、バカバカしいゴールに向かって全く躊躇せずに全力疾走するところが任天堂のオモロいところ。

 それでまあ、以下はゲーム&ワリオとは関係ない感想なのですが。

 こういう地味派手というか京都気質というか、面白さは一級品だがなんとなく才能の無駄遣いな気がしてしまう。これだけのポテンシャルのゲームをもっと訴求力のあるジャンルで作ればいいのに。ゲーム&ワリオ自体には文句は無いのだけれど、WiiUが苦戦する中で、こういう買われ辛いゲームじゃなくて、任天堂だって堂々とGEARS OF WARっぽいゲームでもっと凄い奴を作ればいいのにと思う。まあここまでWiiUが苦戦するのは予想外だったのだろうけど。

 ゲーム&ワリオは一人用のミニゲームが12種類、二人以上が4種類で、決してお一人様お断りなゲームではないのだけれど、一人用のゲームであっても3、4人で色々とツッコミを入れながら遊ぶと面白い作りになっていて、その辺りも微妙にハードルが高い。WiiUの弱点は「遊べば面白いけれど、遊ばないと分かり辛い」という辺りにあるように思う。
 

神谷ゲーの醍醐味とは

 神谷英樹氏がディレクターを務めたゲームをwikiで見ると、改めて物凄い打率というか、これ傑作率100%なんじゃないの?と個人的に思う。バイオ2、デビルメイクライ、ビューティフルジョー、大神、ベヨネッタ、どれもそれぞれに話題になったゲームばかりである。特に神谷ゲーだから買おうというブランド買いじゃなくても、面白そうなゲームを選んでいった結果、神谷ゲーを全てプレイしたという人も多そう。

 神谷氏のゲームを総じて特徴を挙げると、どのゲームも斬新なアクション性とビジュアルの良さがシッカリと結びついている。などと言うのは簡単ですが、これはちょっと物凄いコトであります。アクションが主体の神谷ゲーは、ゲーム機の性能が上がって表現力が増した分を、キャラクターを操作するアクション自体に注ぎ込んでいった。バイオ2からベヨネッタへの変遷は、そのまま神谷流アクションゲームの進化の過程と見ることができる。

 プレステ以降のゲームの多くがストーリーを語ることをメインにしてしまったのと違い、神谷氏はあくまでもゲームの醍醐味はアクションであるというスタンスを守ってきた人である。これはカプコンがアクション主体のゲーム作りをしてきたからかもしれないが、その中でもひときわアクションの手触りに心血を注いできたという印象がある。

 ゲームはやっぱり触ってナンボ。遊ぶ側からすると気安く言えてしまうセリフですが、作る側からすれば大変なことだと思う。簡単すぎれば飽きられ、難しすぎればマニア化して先細ってしまう。そんな中で、ゲーム機の性能が上がった分でどうやってゲーム性を進化させていくかなんて、相当に難儀な問題じゃないかと思えてきた。だからゲーム性を物語性にすり変えたようなゲームが増えたのかもしれない。