広田湾の牡蠣は豊洲で最も高い値段がつくといわれている
気仙沼川が運んでくる山の恵みの栄養たっぷりの水
が牡蠣のエサとなるプランクトンを運んでくる
そんな広田湾の牡蠣は
ぷっくりとした大きな身とミルキーで濃厚な
味が特徴と言われている
しかし広田湾のある陸前高田駅の周辺に飲食店
と呼べるものは数軒しかない
気仙沼駅からBRTに乗り陸前高田駅でおりると
震災で崩壊した街を埋め立てた大平原が広がるのみである
そんな陸前高田駅のすぐ近くにその牡蠣小屋はあった
かき小屋 広田湾
正しく、ミシュランの三つ星の定義
「そのために旅行する価値のある卓越した料理」
というに相応しい…
かもしれない?
店内はカウンターとテーブル席、個室が一つ
全部合わせても20〜30席程度の小さな店だ
周囲に人影一つなかったので誰も客がいないのではないか
と思い扉をあけると先客は5〜6人程度いた
その後も客足は途絶えることなく続く
そこそこ繁盛しているようだ
メニューを渡されるが特に何も説明はない
「ごめんなさいねー、私慣れてなくて…」
何故か突然先に謝られてしまい、
メニューは自分で読み解くしかない
牡蠣小屋と言いつつ、カレーや丼ものも充実していて
地元の定食屋的な役割もはたしているようだ
壁には穴子丼¥1000の日替わりメニューもある
メニューを見ると
かきフライのところに目が留まる
何故かシールで単品4個と貼られているのが気になり注文
出てきたかきフライは特大サイズだ
大き目のかきはまるまる1個、小さいかきは2個分
を一つのころもにまとめている
小さいとはいえ、一般的お店でいえば普通サイズなので
いかに大きいかがわかるだろう
かき小屋で生牡蠣を出すところは珍しい
生牡蠣を出せるのは特定の基準をクリアーした
水質で育ったかきのみ
広田湾はそれだけ水質も良いということだ
大ぶりのプリッとした牡蠣は生臭さが全くなく
味は濃厚でミルキー、牡蠣が苦手な人でもいけそうだ
メインは定番の蒸しガキがついたかき満喫御膳
かきご飯にカキ汁がつく
殻に入ったままの蒸しガキがなんの説明もなく
テーブルに置かれた
手袋の説明はあったが、肝心の殻の開け方がわからない
「ごめんなさいね…私慣れてなくて」
また先に謝られると自力でなんとかこの殻を開ける方法
を見つけるしかない
先ずは牡蠣ご飯を一口牡蠣の風味が口に広がる
続いてカキ汁
こちらはそれほど風味はないが大ぶりの牡蠣が
2つも入っている贅沢なお吸い物だ
川崎から新幹線と三陸鉄道、BRTを乗り継いで7時間
かき小屋 広田湾は
「そのために旅行する価値のある卓越した料理」
と言って良いだろう
店をでて20分程あるくと
「奇跡の一本松」で有名な東日本大震災津波伝承館にでる
津波被害の凄まじさの痕跡を今も残している
壊滅状態になった広田湾で
今もこれ程美味しい牡蠣を育て続けている
地元の漁師さん達に感謝!