こんばんは!生チョコぽん酢です。
今日私が担当したのは付き合いの長い常連さん。
当日依頼はお子さんが発熱した若いお母さんからでしたが、本当にいい人ばかりで、快適な一日でした。
毎日こんなに快適ならボランティアでも対応できそうなくらい。
こういう日は、昔の幸せ話でも書こうかと思いましたが、そういうのはニーズがないと思うので、別の昔話を書こうと思います。
もう忘れてしまっている方も多いと思いますが、以前に少しだけ触れたことのあるT病院で起こった最もやばい話についてです。
このT病院については、行くたびに不思議な体験をするので、私の中では魔の病院となっており、その一部を記事にしていますので、暇な方はT病院のテーマをお読み頂ければと思います。
(※尚、個人や病院が特定できたとしても言わないのが当ブログのルールです)
ある日、T病院のソーシャルワーカー(SW)から電話が来ました。
SW「今から搬送を一件お願いしまーす」(軽いノリ)
私「はい、どういった内容ですか?」
SW「当院に救急で来られた方が入院にならなかったので自宅までお願いしたいんですー」
(年齢や住所、生活保護の方という情報を聞く)
私「分かりました。搬送方法は車椅子ですか?ストレッチャーですか?」
SW「歩行できますが一応車椅子でー。」
私「分かりました。差し支えなければどういう理由で救急に?」
SW「骨折しちゃったんですー。でもギブスしてこちらで歩行訓練もしたので自宅の階段は自分で上がれます!」
とまぁ、大体こんな会話をしました。
依頼内容は骨折をした50代くらいの若い男性で、ギブスして松葉づえで歩行もできるから入院にならずに自宅に帰す、でも念のためタクシーじゃなくて搬送業者に依頼した、という感じですね。
依頼者のSWは新卒の若い女性なのですが、実際に会うと態度も人相も悪い子で、元々あまり良い印象を持っていませんでした。
今回はすんごい軽いノリで依頼してきたのと、若い方の搬送は当時は珍しく安心感もあり、私も大した仕事ではないという認識で病院にお迎えにあがります。
でも、そこに居た患者さんは80キロを超えるくらいの大柄な男性でした。
とりあえず車椅子に乗ってもらい、私1名で自宅のアパートに向かって走り出します。
車内で少し会話をしたのですが、意思疎通はできますが、どうも様子がおかしい。
自宅はT病院から5キロほどのところだったのですぐに着きました。
降ろして2Fに繋がる外階段まで車椅子を押し「ではここから歩きましょうか」と伝えたところ。
患者さん「僕、歩くことはできません」
私「え?でも病院側は歩けるって言ってましたよ」
患者さん「え・・・」
私「え?歩行練習もしたって言ってたんですけど」
患者さん「え・・・」
私「え・・・」
まぁ、事前情報はほぼ嘘だったということで。
今から2名体制にするのは無理があるし、生活保護の方で公費での請求になるので、事前に申請していた金額の倍くらいの請求になると、役所と揉める可能性もあるし、今から許可とって云々というのは時間的な無理もあります。
若かった私は気合いを入れました。
1人で、80キロを超える巨体を車椅子のままアパートの2階まで。
車椅子の自重と合わせると100キロくらいでしょうね。
雄叫びをあげながら頑張りました。
自己最高新記録を更新した高揚感でハイになりながら無事2階に到着・・・。
肩で呼吸しながらご本人のお部屋の扉を開くと、不思議な光景が目に入ります。
内側(部屋側)のドアノブが無いのです。
意味分かりませんよね?
アパートなので外に繋がる扉は1つなのですが、その扉の部屋側のドアノブが無くなっている。
つまり、扉をバタンと閉めたら、もう部屋から外には出られないのですよ。
そこで、ご本人にお話を聞きました。
要約するとこうです。
だからさっき窓から飛び降りた
あー、飛び降りの方なのですね。
自宅は2階と言っても、構造上窓側から地面までは結構な高さがあります。
どうやら精神疾患があって、まともな状態でない自分が外に出ないよう、自らドアノブを外されたみたいです。
実はドアノブを外すような行為って、案外耳にします。
少し話がそれますが、私の古い知り合いが、一時期脱法ハーブ中毒になっていまして。
今は更生して都内でお店をやっていますが、当時の話を聞いたことがあるのですね。
脱法ハーブ?合法ドラッグ?って、初期の頃はその名の通り、合法です。
例えばある違法ドラッグの化学構造?をほんの一部改変するだけで合法になるみたいで、例えて言えば大麻ではないけどほぼ大麻、みたいなものからスタートしたようなのですよ。
だから多くの方が手を出したようなのですが、当然規制が入りますよね。
だから先日まで合法だったものが違法ドラッグになり、また少しの改変をして合法になって、違法になって、を繰り返していくうちに、得体のしれないものに変わっていったそうです。
まだ元となる違法ドラッグの方がマシなくらい。
その知り合いは、意識、を強調していました。
意識が何かに向く、みたいなね。
どういうことかというと、ドラッグを使用して、お互い意識が性行為に向けば、とても楽しい時間が過ごせるそうです。
でも意識が別のことに向くことの方が多く、何に意識が向くかはコントロールできないとのこと。
だから窓の外に意識が向けば、マンションから飛び降りることになるから、窓を開けられないように固定してから使用していたそうです。
他にも体験談を聞いていますが一旦ここまでとして、話を少しずつ戻しますが、このドアノブの現象に似ていますよね。
精神疾患というのも、結局は意識の問題なのだと私は思っています。
意識が自殺願望に向く人もいれば、他害に向く人もいる。
意識によって幻覚や幻聴が生まれるし、人の意識の深さにはとても考えさせられると同時に、神秘的な一面を感じさせられます。
意識とは宇宙だなと。
それで、このまま患者さんを自宅に入れて、バタンと扉を閉めたら、また意識が窓に向いてしまいますよね。
今度は足の骨折では済まないでしょう。
あの高さから飛び降りて足の骨折だけで済んだのは奇跡みたいなものなのです。
角度が良すぎ。
だから、扉に傘を挟んで閉められなくして、一旦車に戻りSWに電話。
もちろん正しい情報を伝えて欲しいというクレームだけではなく、自殺未遂なら緊急保護等別の手段を考えた方がいいという、モラルについてのお話です(私は自殺については敏感なのです)。
SWなんだから、SWの仕事しなよってね。
T病院は前からそうなのです、めんどくさそうだから帰そうみたいなノリだったのが見え見えなんですよ。
(この件はアレというよりわざと嘘をついてきたと認識しています)
それで嘘の情報で私に依頼してきて、散々無理させて迷惑かけてきて。
その結果どう考えても家に入れちゃいけない人だったみたいなね。
流石にあの時はイラつきました。
でも怒鳴ったりはしていませんよ。
淡々と分かるようにお伝えしました。
結局SWは泣き出しました。
泣くなや。
そしてすぐ上司のSWから電話が来ました。
別SW「当院に喧嘩を売るんですか?」
私「いいえ、そういうことではありません、逆にこの問題性をご理解頂けないのでしょうか、もう一度説明しますと」
別SW「つまり当院の医師が間違っていると言いたいんですね?」
私「え、わかりませんが、もし医師が全ての指示を出していたのならそうだと思われます」
みたいな感じの、よくわからない会話をします。
何かの拍子にすぐマウント取ってやるみたいな、そんな高圧的な電話でした。
あそこの病院はイジメっ子体質の人しかいません。
何で私が逆に脅されてんだよと。
で、この結末はどうなったかと言いますとね。
色々あって私も現場から離れたのですが(傘は挟んだまま)、しばらくして役所のケースワーカーから電話がありました。
CW「この度は大変ご迷惑をおかけしました」
CW「結局あの後救急車でT病院に入院することになりました」
CW「あんなの退院レベルではありませんよね」
そりゃね・・・。
CWも少し呆れたような怒ったような言い方でした。
今あの患者さんが生きているのかは知りませんが、この件を切っ掛けに私はT病院から事実上の出禁を食らうわけなのですが、
病院側が出禁をしたところで別の病院からの転院搬送や、ケアマネ、患者個人、同業者、更にはT病院内でも事情を知って同情してくれている一部の人から依頼が来ますから、なんだかんだで今でも出入りしている感じです。
権力を振りかざそうとしても実はあまり権力がない、というのがT病院の実態です。
ここまで書いて思うのが、最近アレな出来事が多すぎて、過去のヤバ過ぎた話でさえ、色褪せますね。
今ならこういうことがあっても「あぁまたアレかよブログのネタに使おう」となるくらいで。
当時はこんなこと滅多になかったので「とんでもない体験をさせられた」と、疲れがどっと出たものです。
そう考えると改めて今は異常を極めているなと思わされます。
おわり