Dimash のことがもう少しわかるかも…
中国東方衛星テレビ によるカザフスタンの特集(日常生活) 2023.10.09
=カザフスタンの若い男性の家に訪問して、ご馳走になる=
※ Dimash は一切出てきませんが ※
1:14
辺鄙、荒野、現代的ではない…これが、人々が “カザフスタン” と言って思い浮かぶことではないでしょうか。
しかし、本当にそうでしょうか?
(市場の様子)
1:29
カザフスタンと言って思い浮かぶ映画と言えば、2作品に渡って制作された <ボラット> が恐らく最も有名ではないでしょうか。
(<ボラット> のシーン)
この、イギリスとアメリカの合作映画は、カザフスタンを侮辱するものでありました。
映画では、カザフスタンの子供は銃で遊び、大人は愚かだという表現をしていました。
その為、多くの人が カザフスタンは本当に発展途上の国だと思ったことでしょう。
今回 私は機会を得て カザフスタンに行くことができました。
世界最大の内陸国であるこの国の三大都市、Almaty・コスタナイ・アスタナです。
この三都市を飛行機で移動しただけでも、約5,000キロにもなりました。
今回はしっかりとこの国を見学してきましたよ。
※Almatyは発音の仕方が後で出てくるので、それまでアルファベット表記で。
2:12(草原から)
カザフスタンは、このような無限に広がる大草原がたくさんあります。
しかし、カザフスタンはそれだけだと思っていませんか?
(都市の様子)
ここは かつて 世界博覧会 が開催された会場です。
これは カガンのテントです。
これは世界最大のテント建築なんですよ。
中はショッピングセンターとなっています。
上には砂浜もあるらしいです。
2:33
ここは カガンテントの最上階です。大規模な遊園地になっていますね。
その反対側が 先ほど言いました 砂浜ですよ。
アスタナの冬は マイナス40度にもなるのですが、この中では一年中 砂浜と陽光を楽しむことができるんですよ。
2:53
ここで 中国語が堪能なカザフスタン人に出会いました。
バラク・クルメットさんとおっしゃいます。
彼は以前 ラグビーのカザフスタンの代表選手でしたが、現在はカザフスタンのクリーンエネルギーを供給する中国の会社に勤めています。
その為、彼は多くの国を、特に中国には何度も訪れています。
そこで私は、西側諸国を通しての情報ではなく、また 通訳も通さず、直接中国語で バラクさんの視点での 本当のカザフスタンをお見せしようと思います。
3:25
今回私は、カザフスタンをくまなく回ってきました。
(これから放送する内容を説明と バラクさんと出会って家に招待されることになる場面)
5:25(バラクさんの家に向かう)
張:お宅までどのくらいの距離がありますか?
バラク:30キロくらいですね。
張:わぁ、これを毎日通勤しているんですね?
バラク:そうです。朝のラッシュ時間だと1時間半はかかりますよ。
張:お宅にはどなたが住んでいますか?
バラク:両親と妻と暮らしています。
張:二世代同居っていうことですね。
6:20(お宅に到着)
(新興住宅地のようで 建設中の家も結構あるという話)
張:ニーハオ!ご招待いただきありがとうございます。
バラク母:(中国語)ようこそ!
(お家もお嫁さんも1年くらいで お母さん以外は “新しい” という話)
7:00
張:この急須は民族色のあるものですね。
バラク母:昔のものですよ。ソ連式のものでね。
バラク:こっちがリビングです。
張:いいところですねぇ。(料理を見て)豪勢すぎじゃないですか?
(Dimash のおうちでよく見る感じの食卓)
バラク:これはスイーツです。
張:カザフスタン人は、普段 お客さんが来ると こんな感じでたくさん準備するんですか?
バラク:カザフスタン人は結婚披露宴を2度するんですよ。
張:2度?
バラク:新婦側と新郎側で。
※ Dimash の親友ラッスル(ラスール/Rassul Usmanov)さんの結婚エピソード
(“Dimash Show” 旧DJFC版)↓
バラク:新婦側は婚礼の際、食器等を嫁入り道具として持参するんです。
新郎側は、正式な披露宴を執り行います。
大体4~500人くらいですね。
張:何人ですって?
バラク:4~500人です。
張:どこからそんな人を呼んでくるんですか?
バラク:みんな 親戚とか友人とかですよ。
張:それって一つの村くらいの人数じゃないですか!
せ、せ、せ、席とか どうなるんですか?
バラク:座席はもんだいありませんよ。レストランがたくさんありますからね。
そこでやりますから。
張:400人って…親戚とか友人とかってことですよね?
バラク:7から8割くらいは 親戚ですよ。
あとは友人です。
バラク母:嫁が嫁入り道具として持ってきたブランケットです。
張:中国の風習と似ていますよね。
バラク母:昔のね、そんな感じです。
張:男が家を用意して。
バラク母:女が家庭で使うものを用意するのよね。
張:模様はカザフスタンの民族模様ですよね。
バラク母:そうなの。牛の角とか 羊の角よね。
私達の家は割と一般的な普通の家よね。
8:56(キッチンにある鍋を開けて)
張:わぁ、これは羊肉ですね。
バラク母:もう煮込んであるの。
これは馬肉。もう細かく切っているわよ。
(エプロンを張さんに渡す)
バラク母:普通は私達の民族は 男は厨房には入らないものなんだけどね。
張:聞いたことがあります。
バラク母:さっき嫁が「男が厨房に入っているのは変な感じ」って言っていたわ。
※ 中国(特にこのテレビ局がある上海)は男性が料理をすることが多いので、張さんはすんなり受け入れている。
9:21(お料理開始)
※ 馬肉に馬の脂身を挟んだものを鍋に入れる:食事は植物油と一緒に料理するらしい。
馬肉は先に炒めてから蓋をして煮込む(水は使わない)
9:39(再び食卓)(Dimash 宅でよく見かける食卓と同じ感じ)
9:50(再びキッチン)
張:混ぜればいいんですね?
バラク母:玉ねぎで味を付けるのよ。
これでゆっくり煮込むの。
張:これでゆっくりと煮込むんですね。
1時間くらい…
バラク母:そんなところね。
張:弱火にして 出てきた肉汁でコトコトとね。
バラク母:そうよ、ゆっくりとね。
(別の鍋を開けて)
バラク母:羊の脂が沈んでいるのよ。そこにニンジンと玉ねぎで味を付けるの。
10:20(小麦粉?の生地の場面)
張:これ(生地)を広げてこの大きさの四角に切るんですね。
バラク母:適当にね。
張:カザフでも麺類を食べるんですね。
バラク母:一枚一枚鍋に入れて(茹でて)いくの。
張:一枚ずつですね。
この料理はどのくらいの歴史があるんですか?
バラク母:随分になるわね。
でも肉料理は古くからあるけど、麺は80年代とか70年代くらいからね。
その頃までは 新疆ウイグルのアルタイの方のカザフ族が 肉だけを食べていたんですって。
その後、麺を食べるようになったんだって。
張:この料理には水を一滴も使っていませんよね。
全部馬肉から出ていた水分で煮ている。
バラク母:水は使っていないわよ。肉とニンジンから出た水分だけね。
玉ねぎと黒コショウと塩を加えたものよ。
これに後で肉汁スープを上からかけるの。
それで味が付くのよ。
11:31(三度食卓へ 完成した料理を運んでいく)
張:ゴージャスですねぇ。
みんなで運ばないといけないくらいですよね。
11:44(家長のお父様による “バタ” )
張:食事の前の挨拶みたいなものですね。
※ “バタ” については何度も “Dimash Show” 系列他で出てきているので参照
(旧DJFC版) ↓
(家主がお肉をさばいて取り分ける)
バラク母:私達 カザフ族の諺で「あなたに両手をあげますよ 食事はあなたの目の前に、ご自分で食べ始めなさい」(遠慮なくお食べ下さい)というのよ。
張:あぁ、では 遠慮なく頂きます。
バラク母:でなきゃ 苦労して作った私に申し訳ないからね。
張:ありがとうございます。わぁ、すごいな、いただきます。
(麺を食べて)この面は肉汁をよく吸っていますね。
バラク母:馬肉も食べてね。
張:馬肉も美味しいですね。
こんなに柔らかいとは思いませんでしたよ。
バラク:馬肉は弾力があるでしょ。
張:これには水を一滴も使っていないんですもんね、すごいなぁ。
バラク:食後にお茶を飲みましょう。
普通は、食後に散歩をして、帰ったらまたお茶を飲むんです。
張:おなか一杯になって、(散歩して)消化したら 帰ってまた続きをするんですね?
バラク:食事の時は お腹を満たすのが目的です。
番組スタッフの声:食事の時に一緒にお酒も飲みますか?
バラク:普通は 食事の時に一緒に飲みますね。
12:35(食後の散歩タイム)
張:みなさんが 食後に散歩をするのは おきまり なんですか?
バラク:そうです。
その間に 家の者が 汚れた皿などを片付けて 綺麗な皿と替えるんです。
その時に僕たちは(散歩をして)消化するんですよ。
で、帰ってからお茶を飲んでお話をする というね。
張:そういう おもてなし は特別な感じがしますね。
以前は聞いたことがありませんでしたよ。
バラク:なかなか道理にかなっているでしょ。
張:ホントですね。
(風景についてのお話し)
14:30
張:どうしてご両親と同居しているんですか?
バラク:カザフには “その家庭の息子は、両親が老いたら 同居をして世話をするもの” という考え方があるんです。
もし、その家庭に複数の息子がいた場合は、末っ子が両親の面倒をみるんです。
僕の家には 息子は僕だけですから 僕が両親の面倒をみているんですよ。
子供が生まれたら、その子に姓が与えられるんです。
姓は、家族共通のものではありません。
その子の父方の祖父の名前が与えられるのです。
例えば、僕に子供が生まれたら、その子の姓は僕の父の名前となります。
※ Dimashの姓のQudaibergen が おじいさまの Qudaibergen Aitbaev さんから来ているのもそういうことだった、と。
張:ということは、みなさんには固定の姓はないということですか?
バラク:そうです。固定の姓はありません。
ですから 僕たちは先祖7代の名前を覚えておくんです。
張:えぇ?
1人1人の姓はみんな違うということなんですか?
おじいさんの名前が孫の姓になる ということですね?
バラク:そうです。
張:ということは、同じなのは “部族” ということですね?
どこの部族の人間か…誰誰の孫が誰誰だ…ということ。
バラク:そうです。
一つの姓を通したいという人もいますけど、95%の人はおじいさんの名前を姓にしています。
張:それで 自分がどの部族に属しているかがわかるんですね。
バラク:そういうことです。
張:あなたはどの部族なんですか?
バラク:僕はケレイト族です。
カザフスタンの北方と東南部に属する部族です。
張:先祖7代の名前を覚えているそうですが、それは伝統なのですね?
バラク:そうです。
基本的にはどの家庭もそういう伝統がありますよ。
張:先祖7代を覚えるって…おじいさんのお父さんのお父さん…。
バラク:そうです。7人分のお父さん。
張:どの子供もこの伝統を継いでいますか?
あなたも覚えていますか?
バラク:はい。
張:じゃ、言ってみてくださいよ。
バラク:先ずは 僕自身…これはカウントに入れません。
コルメット・モハメッド・カブルナズ・コナルバイ・・・
張:では、みなさん 会話をしている時に、自分がどの部族だとか言ったり相手に聞いたりしますか?
バラク:そうですね。
知り合ってから暫くしてお互いをよく知り合ったら、聞いたりしますね。
もしかしたら 遠い親戚かもしれませんしね。
もし 恋愛をして お付き合いする場合とかだと 必ず相手の部族を聞かないといけません。
張:そうなんですか。
バラク:血統を同じくするのを避ける為です。
張:親近結婚を避けるということですね?
バラク:そういう理由です。
ま、これも昔の伝統なんですけど。
カザフスタンの人口がまだ少なかった頃のことですけどね。
同じ部族内で結婚すると、虚弱な子供が生まれやすくなりますから。
それで、昔は “7代の親戚とは結婚してはいけない” ということを言っていました。
逆に言うと、彼の第7代と彼女の第7代の孫同士だと結婚できる ということです。
張:先祖の名前を覚えておくという習慣は そういう用途もあるんですね。
先祖同士を見て 第7代が違っている…お、結婚できる、ということなんですね。
驚きですねぇ。知りませんでした。
カザフの緊密度…人と人との間の(血統の)系統も含めて、老若の関係、先祖への敬重、自分の血統を重視することは、本当に格別のものなんですね。
目から鱗が落ちたようです。
※ 部族について Dimashも質問されたことがあるエピソードは ↓
(旧DJFC版)
18:52(再び食卓へ:木彫りの器を持ってくるバラクと奥様)
張:わぁ、綺麗ですねぇ。
この器は変わっていますね。
バラク:これはソ連時代のもので、木製です。
張:これもお母様のお宝ですか?
バラク母:母方のおばあさんのものよ。
バラク:これは肉を食べた後に飲むもの、消化の為にね。
張:熱くないんですね。
バラク母:冷たいのよ。
張:冷蔵庫に入れておくんですか?
バラク母:発酵させる時には過熱はしないの。
自己発酵させるのよ、ずっとかき混ぜてね。
バラク:これはラクダの乳だから 馬乳よりちょっと甘いです。
馬乳はすっぱいですけど。
張:これは新鮮なラクダの乳ですか?
バラク母:そう、新鮮よ。
張:飲んでみますね。
酸っぱいです。
このラクダの乳も酸っぱいんですね。
バラク:僕たちには 酸味は感じないですけどね。
19:48(リンゴのお話し)
張:Almaty はどんな意味がありますか?
バラク:Almaty は “林檎様(りんごのおじいちゃん と言っている)” という意味です。
張:りんごじいちゃん?
バラク:そうです。Almaty の伝説は “リンゴ園” なんです。
昔の Almaty のリンゴは頭くらいの大きさがあったんです。
張:うそでしょ?
バラク:本当なんですよ。写真もありますよ。
それで、よそからやって来た人が、この大きなリンゴを見て「リンゴの王様だ」と言ったことから “リンゴ様” と言うようになったんだそうです。
そういうわけで、この街も Almaty と言われるようになりました。
張:Almaty はカザフ語でどう発音しますか?
バラク:アルマタ
“アルマ” が “リンゴ” という意味で、“アタ” が “おじいちゃん” という意味なんです。
(アルマ+アタ=アルマタ)
※次回はカザフスタンの市場などの紹介のよう。
頑張れれば次もやる…⁈