◆浅井建爾/えっ? 本当?! 地図に隠れた日本の謎 -09・00-◆
- えっ?本当?!地図に隠れた日本の謎 (じっぴコンパクト)/浅井 建爾
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本著は『知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎』の第2弾。前作は県境に関する内容に絞って構成されていたが、今作は日本の地理についての様々な知識や薀蓄を取り上げていた為か全体的にやや焦点がぼやけている様だった。
しかしその中で県の行政区域や県庁所在地を巡って中央政府と地元住民との衝突は一番印象に残った。日本全体の行政効率や財政を考える政府の方針と、これまでの伝統や生活を重んじる住民の主張は双方とも一理あるのでこの調整は本当に難しい問題だと思った。
現在道州制が取りざたされているがこの問題もそれの延長線上にあると思われる。道州制導入については賛成だが一筋縄ではいかない問題だと改めて考えさせられた。
◆浅井建爾/知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎 -09・00-◆
- 知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎 (じっぴコンパクト)/浅井 建爾
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日本全国の県境の謎を紹介。廃藩置県で江戸時代の藩が県に変わったのは既に知っていたが、300以上あった都道府県が一旦40以下にまで減少し、昭和初期に現在の47都道府県になるまで都道府県の数や県境が何度も目まぐるしく変わっているのはあまり知られていないので驚いた。
その背景には農業・漁業に関する縄張り争いなど生活に密着した問題が発端になっているものも多く、普段あまり意識しない県境というものを意外と身近に感じた。
現在は尖閣諸島や・北方領土などの国境問題が頻発し問題になっているが県境についても大きなニュースになっていないだけで境界線を巡る問題の本質は変わらないように思えた。
◆勝間和代・堀江貴文/嫌われることを恐れない 突破力 -11・01-◆
- 田原総一朗責任編集 2時間で人生が変わる! 嫌われることを恐れない突破力! 世間という牢獄から.../勝間和代
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田原総一郎の司会の下、経済評論家の勝間和代と元ライブドア社長の堀江貴文による鼎談本。堀江氏の大胆な発想に対し勝間氏の精緻な論理で応え、それを田原氏が上手くまとめるという話の進行は小気味よくどんどん読めた。
両者の考えや生い立ちはやはり普通の人のそれとは若干変わっていると思ったが、それは異質や異端というよりは他の人との違いでありそれが両者の個性だと思えた。また両者はいわゆる普通の人が囲われている『常識』の枠の外側にいてそこから自由な言動を行っているので既得権益の側から嫌われているのだと思った。
作中に『一人ひとりが夢を持って行動すれば何かが変わっていく、変えていけば現状のままではいられなくなる』という一節がありとても印象に残った。このような時代だからこそ自分の目標であり信念であり心の拠り所である夢を持つことが大事だと思った。
◆榊原英資・竹中平蔵/絶対こうなる!日本経済 -10・12-◆
- 田原総一朗責任編集 2時間でいまがわかる! 絶対こうなる!日本経済/竹中平蔵
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小泉政権で総務相を務めた竹中氏と元大蔵官僚で政権交代に尽力した榊原氏に司会の田原氏を交えての鼎談本。
内容は意外なことに両者の対立点が少なく特に現状認識については思ったより一致するところが多かった。
ただ、日本がこれから目指すモデルの国で竹中氏はアメリカ型社会を主張したのに対し榊原氏が福祉国家のスウェーデン型社会ではなく社会民主のフランス型社会を持ち出したのは興味深かった。
ただ、フランス型の社会も官僚の肥大化や組織の非効率化などの問題を抱えていて、そのシステムを日本に当てはめるのはアメリカ型のそれ同様非常に困難であると感じた。
そして将来に向けて個人がこれから身につけるスキルとして2人とも英語力を挙げたのは一面正しいと思うが、発信するものが無いのにコミュニケーションツールだけ学んでも意味なく、これだけは誰にも負けないというプロフェッショナルなものを身につけることの方が必要だと思った。
◆高橋歩/夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ。 -11・01-◆
- 夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ。/高橋歩
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語録集というものを初めて読んだが、内容はもとより写真をふんだんに使った大胆なその構成から著者はかなり破天荒な人物だと思った。
内容はとにかくシンプルに考えて思い切って行動するという、単純だけどそれがもっとも大事な事を改めて突きつけられた。
難しく考えすぎる傾向のある私にとってはこんがらかった思考回路を一旦リセットして原点回帰させてくれた興味深い一冊となった。
□柴田トヨ/くじけないで -10・11-□
- くじけないで/柴田 トヨ
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普段詩集といった部類の本はあまり読まないので初めは詩の文体についてどう読むか戸惑った。
しかし読み進めていく内にそのシンプルだけど優しい文体、そして98年間人生を歩んだ中での重みのある言葉はそれまで抱いていた詩というものの先入観を改めさせられた。
心に沁みいり素直にさせる本で、今後何かに迷ったときにもう一度読みたい一冊だと思った。
◆勝間和代/自分をデフレ化しない方法 -10・10-◆
- 自分をデフレ化しない方法 (文春新書)/勝間 和代
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現在日本経済を覆っているデフレについて個人に出来る事、社会に求める事を経済評論家である著者が提言した一冊。
正直、個人で出来る事については家計の見直しやスキルアップの為の投資など既に他の著書等でも見られるものも多く、またデフレというマクロな経済問題について個人に出来る具体的な経済対策は限られるという印象を受けた。
しかし現在デフレに至った状況とそれに対する政府・日銀の誤った政策については日頃TVなどに取り上げられることが少ないので参考になった。特に日銀のこの20年の金融政策は如何に的外れなものが多く、無能というよりワザとデフレ不況に誘導したのかと思われるかと勘繰りたくなるものも多かった。
個人一人ひとりに出来ることは生活防衛は元より、政府・マスコミのミスリードに惑わされず正しい知識を身に付ける事だと思った。
◆金美齢/金美齢の「老後は人生の総決算」です! -09.00-◆
- 金美齢の「老後は人生の総決算」です!/金 美齢
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TVなどで有名なコメンテーターである著者による老後に対しての人生訓。
老後というテーマを取り上げると一般的には年金・介護といった方面に行きがちでどうしても暗くなりがちだが、家族や周りに頼りすぎず明るく楽しく老後を暮らそうという考えは賛同できる。これからの高齢者は社会から一方的に福祉を受けるだけでなく、可能な範囲でもいいから働いたりボランティアに参加したりして社会に貢献するという生き方は本人だけでなく家族や社会の為にもなると言えるだろう。
ただ、やはり成功して余裕ある老後を送っている立場からの目線で書かれている傾向があり、そうでない人が増えつつある現在の高齢者にも目を配る気配りがあったらもっと良かったと思う。
◆前田和彦/5年後にお金持ちになる資産運用(改訂版) -09.00-◆
- 現役プライベート・バンカーの5年後にお金持ちになる資産運用(改訂版)/前田和彦
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現役プライベート・バンカーによる資産運用という触れ込みで紹介されているが、そもそもこの職業が富裕層を対象としているので普通の人には当てはまらないケースが多くて今ひとつピンとこなかった。
印象に残った点は『不動産を持たない』と『外貨建てMMFに分散投資』の二点であるが、要は何かあったら素早く資金を回収して持って国外に逃げろということが言いたいのだろう。
海外移住を予定している人ならともかくそれ以外の人は参考にできることは少ないが、分散投資というものは基本的に今ある資産を増やすという攻めの運用というより、少しでも減らさないといういわば守りの運用であるということはこの本で良くわかった。
◆前田和彦/日経平均3000円でも資産が守れる方法 -09.00-◆
- プライベートバンカーが書いた!日経平均3000円でも資産が守れる方法/前田和彦
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『日経3000円』、このインパクトのある言葉に象徴されるように超円高やデノミ断行そして大企業・富裕層の国外脱出による日本没落という最悪のシナリオが最初から最後までずっと書かれている。
正直最悪のシナリオを想定しているというよりセンセーショナルな事を網羅しているので不安や動揺を煽っているように思う。
この状況の打開策の資産防衛についても金を中心とした現物資産に投資とか教育に力を入れるとかありきたりな事で、現役プライベートバンカーと名乗るならせめて同様な内容でも一味利かせたコメントがあれば良かった。