※『みことのり』森清人著
神代の神勅から昭和天皇までの重要詔勅2100余詔を年代順に奉掲。原文の漢文体を平仮名交りの和文体に訳し、且つ全文に振仮名を付し便宜をはかってある。
魔子問題を軽く考えてはいけません。皇室とは日本人の命です。「皇室に災いが起きるということは、国民に災いが起きた」ということと同じことなのです。外国の鬼は何を狙っているのかというと、皇室の破壊です。
それはそうです。ヨーロッパ諸国の王族が集まっても、日本の皇室が一番古いのです。格式から言っても、一番尊敬されているのが天皇です。この皇族を壊せば、基本的に「日本は壊れた」ということです。皇族は日本の中心です。中心を壊してしまえば日本はもうなくなってしまいます。
すると中国と同じことになってしまうのです。「実力がある奴が力で奪い合う」という易姓革命と同じになってしまうのです。それを天皇が止めているのです。
僕はこれを何回も言いますが、天皇は歴史の縦糸です。織物は縦糸があって、横糸があります。それで面積ができるのです。縦糸だけでは布になりません。横糸が通って布ができるのです。
横糸の部分にあたるのが現代社会です。現代社会では様々なことが起きてきます。幕府が天下を取ったりすることは、横糸の出来事です。天皇は一貫として縦糸の系図です。これを取っ払ってしまえば、面がほぐれてバラバラになってしまいます。日本はそのような国です。
外国から見ると「日本の急所は、皇室である」と思っているのです。GHQも、「なんとか皇室を壊したい。天皇を処刑したい」とマッカーサーは思ったのです。
マッカーサーは、ローマ法王に「天皇を処刑するのを止めなさい」と言われたのです。「天皇を処刑したら、後々まで日本民族の恨みを買うぞ。日本兵は最後の一兵まで戦うだろう。だから、そのようなことをしてはいけない」と言われて政策を変えたのです。
そこで、マッカーサーは「天皇を利用しよう」ということを思いつくのです。日本国民の頭の中にはしっかりと天皇が入っています。「それならば、天皇を殺すよりも、上手く利用したほうがよい」と考えたのです。
「マッカーサーが天皇の人格にしびれた」などという話はウソなのです。本当は「殺そうと思っていた天皇を利用したほうがよい」と考え直して、GHQの体制が出来上がったのです。日本は、その呪縛がまだ解かれていないのです。
「天皇を利用したほうがよい」というのが、GHQの基本的な方針です。しかし、「天皇はなんとしてもなくしたほうがよい」と考えたのです。マッカーサーは「靖国神社をぶっ壊せ。皇居も破壊しろ」と考えたのです。
英霊が祀られている靖国神社を爆破したら、日本国民は怒ります。「それは止めたほうがよい」ということを寸前のところで気が付いたのです。
天皇を利用する方針に変わったのですが、ゆくゆくは天皇をなくしたいのです。だから、12の宮家を廃止したのです。
面白い話があり、天才、高橋洋一さんは「皇族は今の体制のままで行くと、三代経つと天皇家はなくなる」というのです。必ずこのような時代が来るのです。それは男子男系だからです。
とにかく、「開かれた皇室」というのは、GHQの陰謀です。天皇家とは、「開かれた皇室」ではありません。天皇家は神の証明です。「日本民族に神がいるのだ」という証明が天皇家です。
「朕は天津日嗣の天皇であるぞ」ということを天皇が言わなければいけません。上皇陛下は、ここで変に考えてしまったのです。GHQに押し付けられた憲法では、「象徴天皇」と言っています。押しつけられた憲法など取っ払えばよいのです。
日本国民が天皇を尊敬しているのは、立派な大王様だからではありません。天皇は神様なのです。だから尊敬しているのです。
現人神として神の系図を保っているのが天皇だから、日本国民は尊敬しているのです。天皇は象徴ではありません。「象徴天皇」とは、GHQが言ったことです。いい加減に目覚めなさい!
上皇陛下は「どのように象徴天皇を演じたらよいのか?」ということを悩まれてきたのです。自分でそのように言われていました。象徴天皇の意味がわかりません。「何ゆえに私は国民から尊敬されているのか?」その意味がわからないのです。
上皇陛下は、「象徴天皇とは、どのようなものか?」ということをずっと考えてこられたのです。そのように言われています。「象徴天皇」もGHQが押し付けたものです。「何故、国民は天皇を支持するのか?」というと、神だからです。
万世一系の天皇です。様々なことがあったにしても、万世一系は保たれてきたのです。縦糸が切れずに現代まで続いているのです。天皇が神ならば、日本人は神なのです。天皇と国民は同じです。天皇は最初に降りた天照大神です。柱をつくって、霊界からこの世にポコンと生まれてきたのです。
最初に柱をつたって、この世に降りてきた神様が天照大神です。天皇は天照大神の子孫です。その後に続いた我々も神様なのです。だから、神様のことを「一柱、二柱」と数えるのです。
何故、「一柱、二柱」と言うのかというと、霊界から柱をつたって、この地上に降りてきたからです。特攻隊で死んだ英霊や、戦争で亡くなった英霊は、一柱、二柱と数えます。霊界から下ってきた一人の神様です。死ねば「一柱、二柱」と数えるのです。
靖国神社には、246万6000柱の英霊が祀られているのです。日本人は英霊となり、目的を達成するのです。天照大神がこの地上に降りてきた目的は何でしょうか?
古事記には、神様が人間に与えた第一神勅が書いてあります。これが修理固成(すりこせい)の神勅です。良く出来ているのです。霊界では神様たちは世界を創っています。「この地上にも霊界と同じような世界を創ろう」ということなのです。霊界には秩序は出来ているのです。「お前、先に行け」と言われて天照大神がスルスルスルと柱をつたって、この地上に降りてきたのです。
「お前達に命令を下す。この国はクラゲのようにフワフワして形がない。この国を修理して固め成せ」と神様が命令したのです。これを修理固成の神勅といいます。これが日本人に与えられた第一神勅です。
天皇陛下により、それからずっと神様の言葉が続いているのです。天皇のお言葉は神勅です。これは、古事記の修理固成の神勅から始まって、現代の天皇まで一貫して続いている神勅です。それを編集したのが森清人さんの『みことのり』です。
『みことのり』には、歴代天皇陛下の神勅が書かれているのです。天皇が高御座に登られて、発せられるお言葉は神のお言葉です。戦争を始める開戦の詔勅も神の言葉です。開戦があるから終戦もあります。それが終戦の詔勅です。これも神のお言葉だったのです。(②に続く)
■詔書(大東亜戦争終結ニ関スル詔勅)
昭和天皇
朕(ちん)深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑(かんが)ミ 非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ 茲(ここ)ニ忠良ナル爾(なんじ)臣民(しんみん)ニ告ク(ぐ)
朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ 其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ
抑々(そもそも)帝国臣民ノ康寧(こうねい)ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕(とも)ニスルハ 皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々措カサ(ざ)ル所 曩(さき)ニ米英二国ニ宣戦セル所以モ亦 実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾(しよき)スルニ出(い)テ(で) 他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ(が)如キハ固(もと)ヨリ朕カ(が)志ニアラス(ず) 然(しか)ルニ交戰已ニ四歳(しさい)ヲ閲(けみ)シ 朕カ(が)陸海将兵ノ勇戦 朕カ(が)百僚有司ノ励精 朕カ(が)一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ尽セルニ拘(かかわ)ラス(ず) 戦局必ス(ず)シモ好転セス(ず)世界ノ大勢亦我ニ利アラス(ず) 加之(しかのみならず)敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ 頻(しきり)ニ無辜(むこ)ヲ殺傷シ惨害ノ及フ(ぶ)所(ところ) 真(しん)ニ測ルヘカラサ(ざ)ルニ至ル 而(しかも)モ尚(なお)交戦ヲ継続セムカ 終(つい)ニ我カ(が)民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス(ず) 延(ひい)テ人類ノ文明ヲモ破却(はきやく)スヘ(べ)シ 斯クノ如クムハ(ごとくんば)朕何ヲ似テカ億兆ノ赤子ヲ保(ほ)シ皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ 是レ朕カ(が)帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セ(ぜ)シムルニ至レル所以ナリ
朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対し遺憾ノ意ヲ表セサ(ざ)ルヲ得ス(ず) 帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ(じ)非命ニ斃(たお)レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ(ば)五(ご)内(ない)為(ため)ニ裂ク 且(かつ)戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙(こうむ)リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ 朕ノ深ク軫(しん)念(ねん)スル所ナリ 惟(おも)フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固(もと)ヨリ尋常ニアラス 爾臣民ノ衷情(ちゆうじよう)モ朕善ク之ヲ知ル 然レト(ど)モ朕ハ時運ノ趨(おもむ)ク所堪(た)ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ(び)難キヲ忍ヒ(び) 以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス
朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ 忠良ナル爾臣民ノ赤誠(せきせい)ニ信倚(しんい)シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ 若(も)シ夫(そ)レ情ノ激スル所濫(みだり)ニ事端(じたん)ヲ滋(しげ)クシ或ハ同胞排擠(はいせい)互ニ時局ヲ乱(みだ)リ 為ニ大道(だいどう)ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ(が)如キハ朕最モ之ヲ戒ム 宜(よろ)シク挙国一家子孫相伝へ 確(かた)ク神州ノ不滅ヲ信シ(じ) 任(にん)重クシテ道遠キヲ念(おも)ヒ 総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ 道義ヲ篤(あつ)クシ志操ヲ鞏(かた)クシ 誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運(しんうん)ニ後(おく)レサ(ざ)ラムコトヲ期スヘ(べ)シ 爾臣民其レ克ク朕カ(が)意ヲ体(たい)セヨ
御名 御璽
昭和二十年八月十四日
各国務大臣副署
(文節間の一字開けは別冊「正論」編集部)
https://ironna.jp/article/1855
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