キモノとビーズの小粋なカンケイ
着付講師Kaikoとビーズ作家NAGOMI の小粋なコラボ。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

『珍事2025』

 夫が20年近くお世話になっている整体師さんがいる。
 先日、半年ぶりに寄ったようで、帰ってきて言うことには、
「びっくりした。○○さん、あなたと同じ誕生日!」。
 整体師さんの所に飾られている資格証明書で気づいたらしい。
 って、今か!それはずっとそこへあったろうに。
 長く見知っている人の誕生日が妻と同じ。夫には、小さな衝撃であったようだ。奇妙な感じでもあるが、どちらかというと、好もしい事態。 
 それから数日後、20年通っているイタリア料理の店へ行った。夫の誕生日を祝うためである。花屋に寄って、自分達用の花を選び、店主の妻に、彼女の気性のようにサッパリとした花束を買った。おぼろげに、誕生日が近かったと記憶していたからである。
 「わあ!シェフー、誕生日にお花もらっちゃった!」
 ソムリエの妻は、夫にかわいく当てつけを言った。
 なんと!?近かったどころか、同じ日だったのである。ふたりでずっこけた。
 妙な、おかしなことをさして「珍な」と言うけれど、同じ誕生日の人が、すぐ目の前にもうひとり。知らないままにずっとお付き合いしてきて、2025年の誕生日に初めて知る。なんだこれ。個人的に(たまらんなあ~)的珍事です。
 そう珍しいことでもない?のかもしれないが、不思議な巡り合わせを、運命でもあるかのように錯覚(笑)して、「珍な珍な」とふたりで喜び、飲み交わした夜だった。

 

ビーズとキモノの小粋なカンケイ

2025年2月号

年始 母の投げ入れ

昨年11月母が脳梗塞で入院。幸い軽く済み、お正月を家で迎えることができた。

今年はできないと思ったのに・・・!おおらかで、自由な母の春!

私自身も乱気流の中を耐えているような体調だけど、

きものが親しく寄り添ってくれる日もある。

1月のきものは、叔母からの小紋に祖母の羽織からの帯を締めて、竹尽くしで。

2025年も、なるべく、着る。色々あっても、着られたら、

着られる元気はあるということ。ありがたいことでしょう!

vol104『贈り物のはなし』

『贈り物のはなし』

 クリスマス、お歳暮にお年賀と、贈り物の季節ですね。
 先日、NAGOMIさんちを訪問したら、帰りに、近所のお惣菜屋さんの酢豚とポテサラを持たせてくれた。3時を過ぎてお邪魔したので、帰ってからの夕餉の支度の慌ただしさを慮ってのことだろう。お菜の足しに、という心遣いが彼女らしい。お互いの行き来に、お土産はなしでね、あっても手のひらに握れるもので、と言うと、「手のひらサイズにもこんなのが!」と嬉しくなるお品をそっと渡してくれるNAGOMIさんです。
 シナリオを勉強していた頃に出会った友人も、おしゃれで贈り物上手。質のよい手漉きの和紙カードやレターセットは心から嬉しい。書き損ねて紙を無駄にしてばかりの私は、もっぱら安い実用箋を愛用しているけれど、やっぱり、美しい便箋は持っているだけで心豊かになるし、相手を想って大事に書くという行為に誘ってくれる。彼女は抜群に記憶力がよく、また、人をよ~く観ているんです。覚えてくれてた、観てくれてた、そういう嬉しさも、贈り物には含まれているんじゃないかと思う。
 随分後になってから気づいた贈り物というのがあって、忘れられない。
 かつてのお稽古さんで、いっとき、濃厚に関わった年下の個性的な人。隙のないデキる女性でありまして、ワタシでは物足らぬのではないかと緊張したものだが、親しんでいくうちに、万華鏡のような人柄に魅せられて、彼女とのきもの時間を楽しみに待つようになった。その彼女に、帯か帯揚げかなにか、貸したことがあって、それが美しく巻かれて郵送されてきたのだったが、解いてみると、帯か帯揚げを巻き付けた「芯」も白い和紙できっちり巻いてあった。ボール紙でできた、ただの芯にも包み紙。ウン、彼女ならするだろうな、芯が美しいと初めて思った。で、帯や着物の梱包の時に使おうと大事にとっておいたわけですが・・・、引っ越しで出番がやってきて、気づきました。紙で巻かれた芯の中身。それはコロコロクリーナーの替えロール3本だったのです!
 この芯、ただの芯じゃなかった。わたしへの贈り物だった。だから、美しく包装されていたのです。愛らしいクローバー柄の替えロール、今、使っています。なくならないように使っています。


ビーズとキモノの小粋なカンケイ

kaikoのきもの便り2023年ラストの号

 

12月の八芳園は燃えるような赤の庭園になっていました!今年最後の投稿はこの着物。

和食店のご主人のお母様の結城紬。しつけがついていました。

いただいて6年、ようやくお見せすることができました。

贈り物の季節。誰に何を贈りましたか。嬉しかった贈り物は何ですか。

贈り、贈られ、想い、想われ。温かい気持ちで新年をお迎えください。

12月はじめに入れた山帰来、クリスマス過ぎてもまだ生き生きとして、そのままに。

よくがんばってくれてありがとう、と声をかけていると、植物からありがとうと返されているような。

皆さんもご自分に、よくがんばった、ありがとう、を贈ってくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

             

 

vol103『きものの冒険』

『きものの冒険』

 10月15日。何年ぶりか!・・・分からないくらい遠のいているお茶会にひとりで参加。これも、2023年夏に東京に戻ってからの、きものと再び仲良くする練習の一環です。
 当日は、予報通りの冷たい雨。前日まで25度近い日が続いていて、単衣を考えていたけれど、慌てて袷を出し、これまた何年ぶりだ?・・・の雨コートも重ねたものだから、お茶会前からカラダが悲鳴。鎖骨が砕けるかと思いました(笑)。
 更年期症状とともに幾年月、洋服も軽さ重視、締め付け厳禁、下着にいたっては「ただの布きれじゃん」と妹に目を剥かれている身からすると、ひたすら辛いきものの冒険でありましたが、初めて根津美術館のお茶室へ入り、茶室に放たれる濡れた緑の影、匂いに、ひととき、きものの重さを忘れました。
 毎回思うのだけど、きもの姿は集まるとボリュームが出て、見るも落ち着かず、加わるのにも勇気が要ります。集団で、お茶席の座る場所を巡って小さく揉めるところも微笑ましく・・・とはいかず、そういう狭量な自分も疎ましく思えて、言いなりに(意地を張って)正客に座り、最後に入ってきた人が正客の位置に通されると、内心ホッとするのでありました。気軽なお茶会でよかったですこと!きものの冒険、無事終了。

 

ビーズとキモノの小粋なカンケイ

kaikoのきもの便り

※お茶会のきものではありません。

日本近代文学館の和室。民藝館の帰りに、年上のきもの美人が撮ってくれました。

叔母の縹(はなだ)紬、地味だけど、臙脂の帯締めが効いたかな。


 

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>