vol88『元気玉』
『元気玉』
「元気玉送ります。コロナに負けるな!」
宮崎のキモノの友から届いたのは、自家製のラッキョ漬け(今年は塩ラッキョも!)。
元気玉っていいネーミング。ぐっときます。おいしくて体によいだけでなく、コロンとしたかたち、色白の瓜実顔、だんだん勾玉のようにも見えてきて、更にぐっときちゃう。この他にも、効能のありそうなもの満載で、箱をあけるとまず紫陽花がふわり。彼女の好きな食品や、近江縮のマスク、アマビエ(疫病を退散させるという妖怪)のお札まで。彼女らしい、愛と茶目っ気のつまった元気箱なのでした。ありがたい。医療従事者である彼女にこそ、元気玉と感謝を送るべきところなのに。
コロナ禍の真っ直中にも、わたし、行動はもちろん、元気玉といえるような言葉さえ、誰かに届けることができなかったです。それでも、いろんな人から数々の元気玉をもらい続けて、元気でいられる。
もらった人に返せなくても、元気玉は巡る!と信じたい。元気になった人がまた誰かを、そのまた誰かを励まし、元気にすることもあると。
そして、元気玉をくれた彼女へも、もっと大きな元気玉となって還ってゆくことを想像して、味わって、味わって、いただきます。
ビーストキモノの小粋なカンケイ
kaikoのきもの便り~お久しぶりの6月号~
2020年6月1日キモノ解禁!元気玉効果で、キモノ心が立ち上がりました!
女らしさのさじ加減が絶妙な近江縮のマスクはミモザに一緒に入ってた。素敵。
わたしは片貝綿麻と博多帯で、アマビエと一緒に記念撮影です。
僭越ながら、kaikoの手拭いマスクも。右端は夫が愛用。
実は、元気玉の彼女と分け合った手拭いなのです。柄は包丁 笑
元気玉の効能・続編もがんばってみようかな。
元気玉よ、巡れ~!!!
vol87『きもののバトン』
『きもののバトン』
きものの約束をした日は、高い確率で雨の予報だった。
友人が、初めて織りのきものを着る。早くから、楽しみにしていたのに。
式行事のきものにしか縁のなかった彼女に、新たなきものの扉を開いてくれたのは、亡くなったお母さんだった。お母さんからきもののバトンを受け取る日。好天を願わずにいられますか。
願っても予報は変わらない。1日降る。しっかり降る。本格的に降られるとやっぱり煩い。絹は濡らすと後が大変だし、きものの嬉しさより面倒さが勝ってしまっては台無しだ。きものは諦めよう。自分も着る予定のきものをしまって洋服を準備した。
すると、彼女が言うのである。
「多少の雨なら雨ゴートも草履カバーもあるし(あるのか!)美容室に行って待っています」。
(今回は彼女のお家で着せて、ご近所の蕎麦屋へ行く寸法になっていた)
ナニ?美容室?きもの着なかったらムダになるとは考えないのか?
目が醒めるとはこのことである。
雨を理由にきものを着る気をなくしかけていたのは自分のほうだった。近頃はお茶のお稽古からも遠ざかり、雨の日にきものを着る理由もない。着方の出張はリュックサック。着て行って、喋りながら脱いで着て脱いで、また着て帰るのがしんどー。気持ちや体に無理のきかない人生の季節に入ったとかなんとか、言い訳したい放題。
それが、わたしより6つほど年かさの彼女の、この爽やかな決断力はどうだ!
雨ゴート(何年ぶりだ!)に、雨下駄に爪皮つけて、バスや電車を乗り継ぎ、彼女の待つ駅へ向かった。こうなったら、雨でも、タクシーを奮発して、彼女ときもので出かけるぞ。雨なぞ、ちっとも気にならなかった。
この日わたしは、友人から不思議なパワーをもらい続けた気がする。プライベートで、雨で、きもの着て。こんなの、友人がいなかったらとうに選択肢から消えていた。彼女の言葉で心が決まり、雨の中、着物の足を向かわせる、あのすがすがしい気持ち、力が漲ってくる感じは何だったろう。
果たして、天も、そんな彼女だから力を貸してくれたに違いない。蕎麦屋に入る頃には雨がやんでいた。お母さんもお空に睨みをきかせてくれたのかな。
友人が選んでくれた蕎麦屋は、酒肴も、しつらいも素敵で、何より、きものにしっくりきた。
向かいに座った友人が、また、いい感じであった。紺のウールにピンクのハ寸帯が、どこか可愛らしいところのある彼女によく映って、お母さん、見てますかーと言いたかった。母から娘へ、きもののバトンに、友情参加(?)できたことにも、あらためて喜びが湧いてくる。
実は、彼女のほうにも、雨でも決行したい『理由』があって(プライベートなことなので書かないけれど)、それを知ってさらに、彼女の人柄に胸うたれた。
彼女を眺めながらしみじみと嬉しく、彼女に、お母さんに、きょうという日に、何度もありがとうと言いたいような、忘れがたい夜となったのである。
ビーズとキモノの小粋なカンケイ
kaikoのきもの便り2019年最終号
今年を締めくくる「きもの美人」は、そう、nagomiさんなのでした!
紺のウールが新鮮。ピンクの帯が効いて、甘辛ミックスの後ろ姿にうっとり。
久留米絣に祖母の黄八丈を帯にしたわたしと。二人ふた色。
写真は、nagomiさんが明らかに上手↓(練習します^^;)
本当はあと1回更新したかったけれど、師走はもう後半を走っている!
いろんなことがありましたが、わたしは、こうして、人々のきもののバトンに参加できることが
やっぱり一番嬉しいのかもしれない。自分のほうが、癒されたり励まされたり刺激を受けたり。
今年もきもののご縁に支えられてきました。
来年も、時々は、kaikoのきもの便りにお付き合いくださいませ。
VOL86『赤の力をかりて』
ビーズと着物の小粋なカンケイ kaikoのきもの秋便り2019
前回の更新からあっという間に夏をまたいで、秋。
「赤」のチカラをかりたくて、インド更紗のパスケースと小物入れを
肌身離さず(笑)実家との行き来が続いています。
歳月を得てきたこの赤に気持ちをなだめてもらうのです。
台風や大雨の被害が続いて、心が重たい日々。
何かに、あるいは何かを、祈りたくなるような日が、
皆さんにもきっとあることと思います。
心を助けてくれるひと、もの。大事にしたい秋です。
季節をちょっと巻き戻しまして、、、
前回登場したお稽古さん、宣言通り、転勤先の
シンガポールで、ご主人と一緒に浴衣を着て、
写真を送ってくれました!
こういうことがとても嬉しく、励みになります。
というわけで(勝手にこじつけ)、
若く賢く美しい人たち(お稽古さん)シリーズ
第二弾はこの方↓
この夏、おばあさまに教わって浴衣を縫ったお稽古さんです。
見事美事。なんとも涼やか。水際だった美しさでした!
お稽古さんたちに力をもらって、この秋は、
プライベートでもきものを着ます!!