キモノとビーズの小粋なカンケイ -3ページ目

vol98『福ふたり』

『福ふたり』
 2月4日、立春。香川から友人夫婦が初来高!
 前日は節分。機嫌良く豆を煎って、鬼は外、福は内~やる気満々。すがすがしく友を迎えるのだ~♪・・・のはずであったのに、夫の酒の失敗で、機嫌最悪の節分の朝を迎えた。
 正体不明の夫のズボンを脱がせば、ジャラジャラ~ン、小銭が飛び散り、そこから先は、本人も、世話する人間も地獄道。おかげさまでまんじりともできずに朝を迎え、癇癪玉バクハツ。馬鹿っ!鬼っ!出てけ~!と、夫に小銭を投げつける始末である。
 鬼はどっちでしょうね。その夜、ヒイラギを飾り直していたら、ぶっすり刺された。「鬼」判定を下されたんでしょう。落ち込む。豆煎るも味気なく、ポリン、ポリンと豆食む音をこめかみに聴きながら、わが鬼にご退散を願うばかりなのであった。
 明けて2月4日。麗らかな春の陽ざしの下で友人夫婦に再会!一緒に湯につかり、豆投げないで銭投げた話を、友が笑い転げてくれ、すっかり邪気を取り払ってくれた。いいぞ、立春感が膨らんできた。
 元は夫同士が親しく、結婚報告をかねて宮崎(当時)へ来てくれたのが最初。2度目に会ったのは、彼らの転勤先、大分だった。

 夫たちの都合がつかず、私達だけで待ち合わせした別府駅。改札の真ん前を陣取り、手作りの大旗を掲げていた彼女が鮮烈でした。『○○様!ようこそ大分へ!』人波の先頭に、わたしの名前がデカデカと踊ってる。それ持った人は、今にも改札飛び越えてきそうな大型犬(毛艶のよい、美人のレトリーバーです)のような人なつこさで跳ねているのだよ?そんな彼女のガイドで、手ぬぐい片手に、地元の穴場銭湯(温泉)怒濤の5カ所巡りが面白すぎた。「初めまして~から、いきなりディープな風呂巡りか?」って、夫達は驚いていたけど、それ以来のフロ友。彼女とフロはセットでないと!笑
 なにはともあれ、2023年の高知。ときは立春。銭降って地固まり(?)香川より『福ふたり』来たる。ともに春を飲食し、湯浴みして、植物園で祝福の陽を浴びた。福寿草を見つけて、縁起良し。よーし、きょうからがわたしの新年だ!と思う。また鬼が入り込みそうになったら、ふたりの福が立ち会ってくれた、この日の誓いを思いだそう。

 

ビーズキモノの小粋なカンケイ

kaikoのきもの便り2023年2月号(毎度の滑り込み!)

1月4日に実家から持ち帰った万年青

名のごとく青いまま、実も瑞々しいまま

                           いつまで?玄関の出入りのたび、不思議

を締めたくなりました

イタリアの家庭料理のお店、ちょうどよいじゃない?

2月終わってしまうから、コート姿も。キモノ的な洋コートは好きな服のブランドから。

みなさん、まもなく3月。春の装いでお会いしましょう!

 

 

 

vol97『雪のクリスマス』

『雪のクリスマス』

 2022年12月23日。夜が明けたら高知じゃなかった!高知史上最も多い積雪だそうです。重くて大きな雪の花があっという間に傘や服にくっついて、もれなく雪だるま一丁上がり。こういう雪に、高知で遇うとは思わなかった。

 一夜あけて、2022年12月24日。雪はやみ、快晴。外へ出れば、やっぱりあるある、雪だるま!(あんなに降っていても、珍しくて嬉しいのか、昨日も数体見つけた)門の前や、路地の一角に、大っきいのや、ちっさいのが、雪の重さにかしいでいたり、埋もれていたり。赤い実で目をつけてもらった雪だるまは、より表情が出ている、とか、崩れ方に愛嬌があってよろしい、とか鑑賞しながら、雪だるまをつくれる平和をありがたいと思う。

 2022年最後の~kaikoのキモノ便り~雪の高知からメリークリスマス!世界の平和と、皆さんの心の平和を願って。

 

                 表札も出さない殺風景なドアに初めてリースを!

買ってきた蔓草(名は知らず)が柔らかく曲がるので、

なんとなくつくってみたのが気に入って、母に見せたら、「あっさりして、あなたらしい」と。

花はチョコレートコスモスだとか。色がとても冬らしい。

前回の帯締めは猩猩緋、今回は臙脂。こっくりとした色が好ましい季節(人生の季節もそういう色を欲しているのかも)。

風に晒されたあとで、やや髪に乱れが・・・は見逃していただいて、帯がバティックに変わっている・・・も見逃していただいて、

このブログ(わたし)を支えてくれている方々へ。2022年もありがとうございました!

vol96『ギャラリー』

『ギャラリー』

 古い町の、古いマンションの6階に住んで、ウナギの寝床のようなベランダに洗濯物を干している。
 眼下には、あまたの人家の屋根があるのだが、一軒だけ、洗濯物の全貌が目に入ってしまう家がある。すぐ真下の二階家に、軒下から広く張り出した物干し台があり、朝、気づくとすでに洗濯物がはためいている。
 2年もの間、この物干台を目に入れて暮らしているが、この家の人が干したり取り入れたりする姿を見たことがない。
 洗濯物の量からは、ひとりないし二人。洗濯物の中に、明るい色合いのものも、子供のものもなく、総じて地味な物干し台で、几帳面な男性の一人住まいかとも思わせるが、ん?下着は?(パンツの方です)下着がないのである。下着は中干しという配慮。これは女性の存在が匂ってくるぞ。(注・下着は中干しの配慮を男性はしないというわけではありません)なーんて、勝手な想像を繰り広げているのであるが、この物干し台が気になるのは、もう一つ、濯物の干し方に特徴があるからだ。
 皆さん、洗濯物の干し方にルールってありますか。
 なんといっても乾きやすいこと優先かもしれないが、各家庭、各人が持っている干し癖のようなもの。あれ面白いなーと思って見てるんです。
 このお家は、色で干す。しかも、白黒グレーなどの無彩色しかない。同じカタチの服が等間隔で干されているが、カタチごとの間隔の変え方にも不思議なリズムを感じる。色が少ないせいか、余白のバランスか、ぱっと目に飛び込んできた時、点と線の交差だけでできているかに見える物干し台なのである。
 わたしも色で干す傾向にあるが、もし同じものを干したとしても、全く違う印象になるだろう。面白い!
 ひょっとして、周囲から隠れようのないこの物干し台で、干し手はささやかなパフォーマンスを楽しんでいるのかもしれない。わたしのようなギャラリーのために。

ビーズとキモノの小粋なカンケイ2022年11月号

kaikoのキモノ便り

暦の上では立冬。と、11月も終わりかけて慌てて更新です。写真は冬めいてきたけれど、このひと月、空がホントに表情豊か!

毎日、首が痛くなるほど空を眺めて飽きません。空の色や、雲のカタチに見とれ、写真を撮ってみても、見えているものと全然違ってがっかり。

写真が下手なのは棚に上げ、いいんだ、見えてるものが全て、自然が見せてくれるものを自分の網膜に取り込もう!そう思って見るから、ますます首が凝る。


そうだ、雲の帯があった!友人のおばあちゃんの羽織を帯に。雲の中に松葉や七宝、亀甲、紗綾形、青海波がちりばめられて素敵!

左は、祖母の大島に合わせて、猩猩緋の帯締めで高揚(紅葉)中。猩猩緋、きもの人生初のカラー!左が沢の紅葉なら、右は、山の紅葉。

10月最後の日曜に、高校の親友夫婦に誘われて、初めて剣山(徳島)へ行ったのです!誘い文句は「あなたたち(夫婦)の血行が悪くなっちゅうと見たき、

山へ行こう」でありました。笑 先日、しょーもない夫婦げんかを、彼女の前で披露してしまったので。
初心者マークの山行きにはパーフェクトな1日で、どれをとっても素晴らしかった!この日の紅葉をイメージした小紋に、雲の帯をのせました。

沢の紅葉バージョンを着て、ご飯を食べに行きましたら、夜の紅葉姿はあまりきれいじゃなかったので、次回に!