当店で販売している「パセオフラメンコ」のバックナンバーには、高場将美さんが連載されていた「フラメンコはうたう」という記事があります。毎回面白いテーマ設定で、エピソードを交えながらカンテフラメンコの歌詞と対訳が載っていました。

当時は、記事に載っているフラメンコの音源を手に入れるのは一苦労でしたが、今ではYouTubeなどでかなり便利になりました。

高場さんの労作を味わってみたいと思い、ブログテーマにしてみました。ぼちぼち続けたいと思います。

 

第1回目はこの号から。

パセオフラメンコ 2007年2月号 No.272 表紙「アドリアン・ガリア」

 

「女性の歌うシギリージャ」というテーマで、ラ・ニーニャ・デ・ロス・ペイネスの唄が取り上げられています。

 

かなり便利になった...ものの、1曲しか音源見つけきれませんでした(><)

El Corazón De Pena (Seguiriya)

 

アィ 心臓が 悩みに

わたしの心臓は悩みに刺し通されている

アィ わたしの心臓は 悩みに

刺し通されている

みんなと話すことまでが 母さん

わたしに腹を立てさせる、

わたしの心臓は 悩みに

刺し通されている

 

Ay,

ay, el corazon de pena

tengo traspasado,

ay, el corazon de pena

tengo traspasado,

que hasta la habla, mare, con la gente

me sirve de enfado.

El corazon de pena

tengo traspasado.

* 高場さん独自のアンダルシア綴りを普通のスペイン語に変えてます。原文は雑誌でご覧ください。

 

高場さんの記事は味わい深く、曲を聴いてみたいと思わせるものでした。時間を見つけてまた書きたいと思います。

興味を持たれた方、パセオフラメンコ読んでみてください。濵田滋郎先生、堀越千秋さん、などフラメンコを愛した方々の貴重な話が載っています。

 

そんな店主がやっている本屋:

http://nagasaki-ya.com/33/books.html

 

「津軽のカマリ」を観ました。

 

津軽三味線の名人 高橋竹山の生涯、関係した人々、津軽の風土、社会、歴史などを描いたドキュメンタリー作品です。

竹山師の1音で、もう持っていかれました。

 

店主は中学生の時に、どういう経緯か、高橋竹山のレコードを手に入れ、ずいぶんと聴き込みました。

ある時、中学校に三味線が来て、それまで触ったこともありませんでしたが、記憶をたよりに津軽じょんがら節のさわりを弾いたら、友達がびっくりしました。

 

自慢でした(^^)

 

最近、津軽三味線のCDが入荷したので、新しく「アジアの音楽」というハコを作りました。

アジアの音楽

 

このCDは、津軽じょんがら節を、6人の演奏で聴くという、ややマニアックな盤です。

他の奏者は新節と旧節が収録されていますが、竹山師は前囃子と中節が収録されています。

ドキュメンタリーで初めて知ったのですが、「中節」というのは、太平洋戦争中の特に苦しかった時代を思い出しながら弾かれたのだそうです。正にブルースですね。

 

津軽三味線って、どうかすると、どれもこれも同じように聴こえるのですが、それぞれにベースとなる唄があり、歌詞があり、演者の人生がある、大変深い音楽です。店主もまた聴き直してみようと思います。

 

 

しばらく品切れになっていたギターマガジンが数冊ですが、入荷しました。

ギターマガジン 2007年9月号 No.351 表紙「横山健」

 

今でも連載を持っている横山健さんが表紙です。若いね。

検品のためパラパラめくってみたところ。

店主が大大好きな、スティーヴ・クロッパーと、バーニー・ケッセルが譜例つきで特集されているではないですか!

 

早速、音源を探し出して、なるほどなぁ...と読み込んでしまいました。

これは楽しい♪時間が飛んでいく...(><)

 

 

この時期のギターマガジンは、ジャズギタリストの特集が載っていたようで、数ページながら、読み応え、弾きごたえある記事になっています。ジャズギター練習している方、お試しください。

 

ジェフ・ベック「哀しみの恋人達」のギタースコアは、スタジオ盤では無く、Live Beck '06に収録されたバージョンでした。そういえば、先日出品したプレイヤーには、ロニースコッツでのライブバージョンのバンドスコアが載ってました。すごいね。マニアックだね。

 

在庫のバックナンバーも、順次調べて、記事の情報を追加していきたいと思います。ギタリストの参考になればうれしいです。

 

そんな店主がやっている本屋:

http://nagasaki-ya.com/33/books.html

 

先日からこの本を読んでいます。

 

最初に出てくる、グールドとバーンスタインのエピソードが面白く、音源を探したら。ありました。

Brahms: Piano Concerto No. 1, Gould & Bernstein (1962) ブラームス ピアノ協奏曲第1番 グールド&バーンスタイン

 

ブラームスのピアノ協奏曲1番の演奏前に、バーンスタインが「これは私が本来やりたいスタイルの演奏ではない。ミスタ・グールドの意思でこうなった」と説明したというライブ録音です。

小澤氏は当時ニューヨークフィルのアシスタントで、この場にも居合わせたそうです。

 

で、演奏ですが、第1楽章のテンポ設定が非常にゆっくり、というのが分かりやすいポイントらしく。

しかし、店主は、ブラームスのピアノ協奏曲1番というものを、生まれて一度も聴いたことがなく。比べる対象をまず聴いておこうと、こちらを聴いてみました。

Brahms: Piano Concerto No. 1, Rubinstein & Reiner (1954) ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ルービンシュタイン&ライナー

 

比べて聴いてみたら、なるほどでした。

 

しかし、あれですよ。昔だったら、こういう記事を読んで、ふ〜ん聴いてみたいなと思っても、音源を手に入れるのに、お金と時間と労力がそれなりにかかったわけです。

今では、とりあえず事実関係だけ知りたければ、音質には目をつぶって、すぐ解決できます。音楽を聴いて気に入れば、もっとしっかりした音質の音源を手に入れたり、演奏会に行ったりして、より深く楽しむことができます。

 

こんな音楽を演奏したい、指揮してみたい、作曲したいとなれば、スコアを探してダウンロードすることもできます。

 

なんちゅう時代でしょうか。

 

音楽、特にクラシック音楽を勉強するのに、結構なお金がかかるというのが、店主ら世代の常識ですけど。

今はやる気があれば、独学でもかなりなことができそうです。

そんな人がいれば応援したいし、店主も遅ればせながら勉強してみたいと考えています。

 

本の話に戻ると。話はここから、ベートーベンのピアノ協奏曲3番の聴き比べをしながら、小澤氏のさまざまな話を聞くことができます。よくぞこういう本を残してくれたと、村上氏には感謝しかありません。リアル真一くんの冒険物語です。

 

当店の営業につながるものがまるで無い(><)ので、ぎりぎり、グールド&バーンスタインによるベートーベンのピアノ協奏曲2番があったので、貼っておきます。

CD● グールド ベートーベン ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.19

 

そっか。これも、他のアーティストの演奏と聴き比べると面白いのかも。全然気がつきませんでした。

 

1980年公開の映画「復活の日」のサントラ盤が入荷しました。

 

LP● 復活の日 サントラ Virs

 

小松左京原作、深作欣二監督、草刈正雄主演、オリビア・ハッセー出演。角川が総力をあげて、という感じのメンツです。

ジャニス・イアンが主題歌を歌ったことはリアルタイムで知っていましたが、こういうサントラ盤があったとは。店主うかつでした。

 

ニューヨークの腕っこきミュージシャンが大挙出演!

これって劇伴としてどうなんだろうと思わなくもないですが...楽しめます。

テオ・マセロが親分のようで、曲も全部書いてます。我が国からは渡辺香津美が参戦。

 

サンボーン、デイヴ・バレンティンの素晴らしいソロ。テナーのジョージ・ヤングは知名度はイマイチですが熱い演奏です。ちょっとブレッカーぽくあるが。香津美さんは、ニューヨーク勢とは少し違うノリで、思い切り暴れてます(^^) 時間をおいてこうやって聴くと、渡辺香津美としか言いようがない個性がはっきり伝わってきます。これってすごいことです。

 

発売が日本コロムビアだったり、マイルスが復活した時期だったり、トチカが出た時期だったりと、今思えばなるほどなるほどと思える、このラインナップ。当時の熱意が伝わってくるレコードです。