阿部真央のいいところは、彼女は「阿部真央」でありながら「阿部真央」に縛られてないところ。曲ごとに声色を使い分け、aikoの様にもAvrilの様にもYUKIの様にもなるところ。まさにカラオケ世代とでもいえようか、各アーティストを自分なりに解釈し曲に自分を合わせていく、新世代のアーティストだ。ただ、今回は確実にやりすぎた。2曲目『Get My Way』は英語詩だからなのかもしれないが、明らかにAvrilを意識しすぎている。『Under My Skin』の頃のAvrilそのものになりきっている。それはそれですごいことではあるが、それでは「阿部真央」であるということを放棄しているに等しい。ボクを含め今20歳前後の我々の前に現れたAvril Lavigneというあの小さな少女の存在がとてつもなく大きかったことはわかる。だけどそれに引きずられているようではプロとしてはいけないだろう。初めの部分とは矛盾するがいかに「阿部真央」を確立していくか、それが彼女の課題だと思う。
そして順番が逆になってしまったが表題曲『ロンリー』。こんなに明るく孤独を歌う彼女の歌詞センスと作曲センスはいい。だが、どこか処女クサイ。もう20歳なんだからいつまでも高校生みたいなことは言ってちゃいけないだろう。あとこの曲は『I Wanna See You』でもみせてくれた甘声だが、彼女の良さが出るのは『伝えたいこと』や『いつの日も』のようなハスキーさを前面に押し出した曲だと思う。若さ(だけ)を売りにしたアーティストは今現在沢山いる。だからこそ本格派ヴォーカルを目指す方が彼女に合っていると思う。もしくはポップパンクじゃなく、オルタナやいっそのことグランジに走っても彼女のハスキー声ならいける。じゃないと次のシングルでエレクトロ・ポップとかやっちゃいかねないから怖い。
下手すればこのランキングのほぼすべてが彼らのアルバムで埋まってしまうかも、と思ったがアルバムに入ってないシングル曲ですばらしい曲もありどうしようかと思っていた。だがこのライブ盤『EXILE ON MAIN BEACH』はほぼベスト的な内容で、これをとりあえず聴いてもらえれば'00年代の彼らの音楽のすべてが解る。もちろんそれがこのアルバムがこの位置に入っている理由のすべてじゃなく、もう1つある理由はとにかくこのバンド、ライブがその真骨頂だからだ。それまで「CDよりもライブがスゴイバンド」というのは「そんなの当たり前だろ、CDで表現しきれないようなら意味ないじゃん」と思ってきたがこれを聴いてやっとその意味が理解できた。たとえば『パレスチナ』のイントロに入ってる「フリー、パレスチナ」の一言。またオリジナルには入ってるはずもないオーディエンスの声援。彼らのライブで本領発揮されるのはそのメッセージ性だ。彼らの歌う内容にこれだけ賛同する人々がいる。それだけでこの世界はまだまだ捨てたものじゃないと思わせてくれる。
そして、そのサザン活動をいったん中止してリリースしたのがこの『ROCK AND ROLL HERO』とベスト盤『TOP OF THE POPS』。矢沢もロックンローラーだが桑田佳祐はロックンロール「ヒーロー」だし、Jポップの頂点でもある。さらに、音楽寅さんでもあるし日本のボブ・ディランでもある。そのすべての側面を集約し、世に知らしめた、というかそんなのはみんな百も承知だが、再度定義づけた2枚のアルバム。ただ、ベスト盤はランキングに入れないからこちらだけランクイン。彼に相当する才能は今の日本にいるだろうか。