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Jean Sibelius:
Lemminkäinen-Suite op. 22 ∙
Vier Legenden für Orchester ∙

I. Lemminkäinen und die Mädchen auf der Insel  00:00 ∙
II. Lemminkäinen in Tuonela  16:02 ∙
III. Der Schwan von Tuonela  30:50 ∙

IV. Lemminkäinen zieht heimwärts  39:05 ∙

hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony ∙
Jukka-Pekka Saraste, Dirigent ∙ 
hr-Sinfoniekonzert ∙
Alte Oper Frankfurt, 12. Mai 2023 ∙


 マーラーの交響曲第6番やリヒャルト・シュトラウスの「最後の4つの歌」もそうですが、作曲家が出版時に曲順を入れ替えるということはままあります。それを最終決定として肯定するか、それはイマイチと否定するかは演奏家次第という例がシベリウスにもあります。

 「レンミンカイネン組曲」と呼ばれる4つの交響詩(レコード時代は「4つの伝説」と呼ばれていました」は、フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』に基づく作品で、もともとはワーグナーの指輪のようなオペラの大作を目指して構想されたものですが、ドイツでワーグナーの楽劇に実際に触れて自分には無理だという結論に達し、交響作家としての道を歩むきっかけになった(その意味では良かった)作品ですが、1896年に初稿版が初演された際は「トゥオネラの白鳥」は3曲目で、「トゥオネラのレンミンカイネン」が2曲目でした。1987年と1900年にトゥオネラのの白鳥と終曲の「レンミンカイネンの帰郷」を改訂した際も同じ曲順です。

 1939年に残りの2曲を改訂しそれを最終稿として1954年に出版した際にシベリウスは2曲目と3曲目の順番を入れ替えました。理由は正確には良くわかりませんが、すでに「トゥオネラの白鳥」が突出して有名になっていたためあまり曲の後で出てくるより少し早めに出した方が聴衆受けが良いと判断したものと思われます。

 ですが、「カレワラ」の内容を知っていればわかる通り、「トゥオネラのレンミンカイネン」でレンミンカイネンは水蛇にかまれて死に、「トゥオネラの白鳥」はトゥオネラ川(日本でいう三途の川)にレンミンカイネンが浮かびながらもレンミンカイネンが射止めることができなかった白鳥が静かにたたずんでいる様子を描写したものであり、曲の後半は一種の葬送行進曲なのだから、オリジナル通り「トゥオネラの白鳥」は3曲目の方がストーリーとしては正しいということになります。

 昔は出版譜通りの曲順の演奏がほとんど(というか「レンミンカイネン組曲」としての演奏自体が少なかった)ですが、近年は私が知る限りでもセーゲルスタム盤、サラステ盤、オラモ盤と、フィンランド系の指揮者が「トゥオネラの白鳥」の白鳥を3曲目に戻して演奏しています。サラステの2023年のYouTubeでもオリジナルの曲順です。彼らは「カレワラ」の内容を良く知っているのでストーリー順の演奏の方が望ましいと思うのは当然だと思います。これからはこの順番の演奏が増えてくると私は予想しています。



●セーゲルスタム盤(YouTubeミュージック)
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ltxE9Nn6mheAZLf8G7J61VtxlPyZx_teM&si=a2D6WesWAjntVd8L

 

【曲目】
シベリウス:
組曲「レンミンカイネン」 Op. 22
交響詩「タピオラ」 Op. 112

【演奏】
レイフ・セーゲルスタム(指揮)
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

【録音】
1995年10月
The Jarvenpaa Hall, Finland
 

 

●サラステ盤(YouTubeミュージック)
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lj8ljDJCQWrkE53V9S5atoVqLblt_oUaE&si=_Low9OW31NtIMYeP


【曲目】
シベリウス:レンミンカイネン組曲 作品22
 1. レンミンカイネンと島の乙女
 2. トゥオネラのレンミンカイネン
 3. トゥオネラの白鳥

 4. レンミンカイネンの帰郷
 5. 夜の騎行と日の出 作品55
【演奏】
ユッカ=ペッカ・サラステ(指揮)、トロント交響楽団
【録音】
1998年9月 トロント,マッシー・ホール

 

 

●オラモ盤(YouTubeミュージック)
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lcNUroh2GcyZW0ZA40uWmU0ItmGoWKYQk&si=CVSNYKCfSbzg2AS8


【曲目】
シベリウス:
レンミンカイネン組曲 Op.22(管弦楽のための4つの伝説)
春の歌 Op.16(管弦楽のためのトーン・ポエム)
《ベルシャザールの饗宴》 Op.51 からの組曲

【演奏】
サカリ・オラモ(指揮)
BBC交響楽団

【録音】
2018年5月22日ー23日、ワトフォード・コロッセウム
 

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 きっかけがあってDGのステージプラスをサブスクしてみました。ステージプラスはDVDやBlu-rayで既に持っているような昔の映像が多そうな印象を持っていたのですが、実際見てみるとそんなことはなくて、これまで見たことがなかった映像がたくさん見られます。メットやロイヤルオペラの最近の映像も(全部ではありませんが)入っています。アマゾンのFire Stick TVでも見ることができます。画質のクオリティは高く、新しいコンテンツは4Kやロスレス再生にも対応しています。

 パラパラとみているうちに今秋来日予定のサラステとヘルシンキフィルが2023~5年に演奏したシベリウスの交響曲が全曲配信されているのを見つけました。サラステはもう30年も前ですがシベリウスの全集をすでに2度CDに録音しており、特に93年の2度目のライブ全集はなかなか良い演奏でしたが、円熟したサラステの今回の演奏はそれを上回る素晴らしい演奏です。カム、セーゲルスタム、ブロムシュテットのCDと並んで最も優れた演奏だと思います。

 シベリウスの全集というと北欧3国か、英国の指揮者とオケの演奏がほとんどですが(バーンスタインとマゼールの全集は例外的)、北欧系指揮者と英国の指揮者ではアプローチがだいぶ違います。ベルグルントのようにオケによってアプローチを大きく変えている指揮者もいますし、マケラのような若い指揮者はどちらにも当てはまるようにも聞こえるのであくまで一般論ですが、北欧系の指揮者は弦楽を主体にし音量の強弱やテンポのアップダウンは楽譜の指定以上には大げさにつけない、比較的オーソドックスなアプローチをします。

 これに対し英国の指揮者は管楽や打楽器を強めに鳴らし、音量やテンポのインパクトを強めにつけたやや派手目の演奏をします。シベリウス自身は英国のオケの演奏を褒めたという話もあるようですが、録音会社(HMV)が英国にあり英国のオケに演奏してもらわなければならないので外交辞令かもしれません。額面通り受け取っていいかどうかは分かりません。

 私個人は北欧系指揮者のシベリウスが好きなので、カム/ラハティ、セーゲルスタム(ヘルシンキの新盤)、ブロムシュテット(サンフランシスコ響の音色がやや明るいですが)あたりを愛聴してきたのですが、サラステの新全集もそれに並ぶ出来だと思います。しかも配置は両翼型! 20世紀になるとオケの配置は多様化するのでシベリウスが両翼型で演奏したかどうかは定かに存じませんが、両翼型のシベリウス全集は私の知る限り初めてで大変貴重です。この素晴らしい演奏がパッケージで発売されないのかな?と思ったら、一部編集(1番は再録音)してCDで6月に発売されることが予告されました。私個人は編集ライブ(拍手が入るのは2番と5番のみ)よりもリアルライブの方が好きなのでこの映像のままBlu-rayで出してもらった方が良かったのですが、いずれにしてもこの全集が同期のサロネンに比べて(サロネンも素晴らしい指揮者ですが)日本では地味だったサラステの評価を高めるのは間違いないでしょう。

 秋の来日も楽しみです。サラステはN響を振りに何度か来日していますがイマイチだっただけに(N響は共感力に乏しいオケだとつくづく思います)、ようやくサラステの本領を目撃することができそうです。 

 



ジャン・シベリウス(1865-1957):
【CD1】
1-4. 交響曲第1番 ホ短調 Op. 39(1899/1900)
5-8. 交響曲第4番 イ短調 Op. 63(1911)

【CD2】
1-4. 交響曲第2番 ニ長調 Op. 43(1902/1903)
5-7. 交響曲第5番 変ホ長調 Op. 82(1915/1916/1919)

【CD3】
1-3. 交響曲第3番 ハ長調 Op. 52(1907)
4-7. 交響曲第6番 ニ短調 Op. 104(1923)
8. 交響曲第7番 ハ長調 Op. 105(1924)

【演奏】
ユッカ=ペッカ・サラステ(指揮)
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

【録音】
フィンランド、ヘルシンキ・ミュージック・センター
2026年1月13日…交響曲第1番
2025年12月13-14日、18-19日…交響曲第2番、第3番
2025年4月2-3日…交響曲第4番
2024年11月6-7日…交響曲第5番
2024年11月20-21日…交響曲第6番、第7番
第1番:セッション、第2番から第7番:ライヴ



■作品詳細
シベリウスの交響曲第1番から第6番を初演し、「シベリウスのオーケストラ」を自任するヘルシンキ・フィル。1982年から87年にかけてベルグルンドと、2002年から04年にかけてセーゲルスタムと交響曲全集の録音をリリースしてきました(日本に限ればオッコ・カムと渡邉暁雄が分担した1982年の日本ツアーのライヴも出ていました)。2023年からヘルシンキ・フィルの首席指揮者・芸術監督を務めるサラステも、1987年から89年にかけてフィンランド放送響と交響曲全集をセッション録音。1993年にはサンクトペテルブルクでのライヴによる全集をリリースしています。両者にとって3度目となる録音がここに完成しました。
このプロジェクトは、サラステの首席指揮者就任とともに「Sibelius & Saraste」として2023年に始まったもので、当初、現代におけるシベリウス演奏の指標となるものを映像に残すことを目的としました(その映像は2026年4月現在、Stage+で見ることができます)。この演奏が成功に終わったことから、両者は共に3度目となるCDでの全集リリースを決意。ただし第1番についてはサラステの強い意向で全曲録り直しとなった(Stage+とは別演奏)他、第2番以降も所々で映像とは別のテイクが採用されているとのこと。録音とマスタリングは、強烈な音響で話題になったセーゲルスタムの「Earquake」など数々の優秀録音を手掛けた大ベテランのエンノ・マエメツが担当。オーケストラのスケール感とエネルギーを損なうことなく伝えてくれるのも魅力です。
1956年生まれのサラステは録音時点で60代後半。映像で見る指揮は腕を大きく使い、エネルギッシュでダイナミック。これらの曲に対する確信が伝わってきます。演奏時間を比べると1993年のフィンランド放送響盤とほぼ同じですが、緩急やダイナミクスの幅が大きくなり、アクセントをより強調するようになって、表現が緻密かつ劇的になっていると感じます。同時に内声をはっきりと出すようになり、弦が一体となって旋律を歌いあげる場面での木管の細かな動きが浮かんで来るのも魅力で、シベリウスのスコアに対するサラステの理解を聴き手が共有しやすくなっています。
オーケストラはややほの暗い音色ながら演奏はホット。クライマックスでは白熱したサウンドと共に壮麗な盛り上がりを聴かせ、その中で低音楽器群の動きをしっかり伝える録音も見事です。シベリウス演奏史のマイルストーンとして歴史に残るであろうダイナミックな全集が誕生しました。第2番と第5番は演奏後に拍手が収録されています。
※ 国内仕様盤には神戸智氏による日本語解説が付属します。
(ナクソス・ジャパン)

 

 

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 ちょっと前になりますがネトレプコのトスカをライブビューイングで見てきました。(ロシアのクリミア半島占領に関する過去の発言を巡ってロンドンから締め出されていた)ネトレプコの久々のロイヤルオペラ復帰公演で、ネットで調べると昨年9月11日の公演だそうです。日本でのオペラ出演は2010年のロイヤルオペラの来日公演でマスネのマノンとヴェルディの椿姫(最終日のみ代役で出演)を歌ったのが最後で、2016年と2023年にコンサートで歌っただけのネトレプコ。一時期はずい分太った感じで(一説によるとステロイド注射の副作用でムーンフェイスになったという話もありますが真偽は不明)、1971年生まれの54歳なので「もう峠を越してしまったのかなあ??」とも思っていましたが、この映像を見る限りネトレプコのロンドン復帰にかける並々ならぬ意欲がスクリーンを通してもビンビン伝わってきました。

 カヴァラドッシのトマーゾは私は初めて聴きましたがネトレプコは出だしから「あなたとは格が違うのよ」と言わんばっかりの素晴らしい歌唱で(やや力みすぎで一本調子という人もいるかもしれませんが)最後まで充実した歌唱でした。ウィーンでもミラノ・スカラ座でもトスカを歌っているネトレプコが未だに現代最高のソプラノの一人であるということを印象付けました。演奏会形式でも良いのでぜひ声が出るうちにオペラで来日してほしいです。

 スカルピアを歌ったフィンリーはマイスタジンガーのザックスやパルジファルのアンフォルタスなどワーグナーの諸役で名演を残している名歌手で、どんなスカルピアになるか期待したのですが、メガネとつけひげをつけたスカルピアは少々コミカルで軽く感じられました。歌手についてはネトレプコの土壇場でした。先日N響を振りに来日した指揮のフルシャは、私は2022年のザルツブルク音楽祭のヤナーチェクのオペラをBlu-rayで持っていますがイタリアオペラを振るのは初めて聴きました。手堅くまとめていたと思います。

 ミアーズの新演出は舞台をロシア占領下のウクライナの捕虜収容所に置き換えているようで窓からクレムリンらしき建物が遠くに見えます。筋書自体を変更している訳ではなさそうでしたが、2幕の拷問や3幕の室内処刑は血のりがベタベタで趣味の悪い演出だと思いました。でもオペラの来日公演やBlu-rayソフトの発売は近年減っているのでライブビューイングで最新の映像が見られるのは貴重です。ロイヤルオペラやメットのライブビューイングを上映する映画館も徐々に全国に広がってきているようです。また見に行こうと思っています。


【音楽】    ジャコモ・プッチーニ
【台本】    ジュゼッペ・ジャコーザとルイージ・イッリカ
(ヴィクトリアン・サルドゥの戯曲「ラ・トスカ」より翻案)
【指揮】    ヤクブ・フルシャ
【演出】    オリバー・ミアーズ
【美術】    サイモン・リマ・ホールズワース
【衣裳】    イローナ・カラス
【照明】    ファビアナ・ピッチョリ
【ムーヴメント&インティマシー・ディレクター】    アンナ・モリッシー
      
 ロイヤル・オペラ合唱団
(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング) ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団
(Tritticoとの契約による首席客演コンサートマスター:ヴァスコ・ヴァッシレフ)
      
【映像監督】    ピーター・ジョーンズ
 

 

 〈キャスト〉
【フローリア・トスカ】    アンナ・ネトレプコ
【マリオ・カヴァラドッシ】    フレディ・デ・トマーゾ
【スカルピア男爵】    ジェラルド・フィンリー
【スポレッタ】    カルロ・ボージ
【チェーザレ・アンジェロッティ】    オシアン・ハスキンソン
【堂守】    アレッサンドロ・コルベッリ
【シャルローネ】    シペ・クワニ
【牧童】    エズメイ・フラウド
【看守】    オッレ・ゼッターストローム
ジェット・パーカー・アーティスト
      
【児童合唱】    カーディナル・ヴォーンおよびグレイコート学校 

 

 

 

 

 

 

ロイヤルオペラのライブビューイングで6月にシャーガーが歌った「ジークフリート」が上映されます。見に行きたいと思っています。

 

 

 

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 ブーニンの映画を見てきました。私は2022年6月の八ヶ岳の復帰公演の後の7月18日の昭和女子大学人見記念講堂の公演を聴いています。6月の八ヶ岳公演の模様を含む復帰までのドキュメンタリーを同年11月にNHKが放送し、ブーニンが足の一部を切断するほどの大病をしたことを私はその放送で初めて知りました。7月の公演はその番組を見る前、前半がトークで後半にシューマンの商品を弾く短いコンサートで、指の状態はややぎこちなかったものの思ったより良かったので少し安心した半面、明らかに歩き方が不自然で体調はあまり良くない様子だったので私は大変心配しました。

 私は昨年12月の久しぶりのサントリーホールでのリサイタルはちょっと心配でパスしてしまったのですが、この映画の演奏で見る限り体調は良い方向に向かっているようです。この映画は角川映画の配給ですが製作はNHKエンタープライズで、サントリーホールの映像といくつか新規に収録したインタビュー映像を除けば過去にNHKが放送した映像をリマスターして再編集したもののようです。ですので私にとっては内容としては特段目新しいものがあったという訳ではないのですが、ブーニンがルイサダのようなデビュー当時からの同僚からも反田氏のような新しいピアニストからもとても慕われ人望があることと、コンクールで優勝してもてはやされた時も、母親と2人で決死の亡命をした時も、ケガと病気で活動を休止した時も、決して自分を見失わない強い精神力を持った人間だということを再確認しました。

 激しいアクションと激しいペダリングを見せたかつてのブーニンとは大きく変わりましたが、これからは晩年のホロヴィッツのようにショパンやシューマン、シューベルトの比較的短い曲を組み合わせたプログラムで今のブーニンならではの味のある演奏を聴かせてくれると思います。また機会があったら聴きに行こうと思います。この映画はGWも全国のいくつかの映画館でまだ上演されているので、もしもお近くで見られればぜひ。

 なおこの10年ほどのサントリーホールはピアノソロでもステージのひな壇を上げるのが標準設定になっていますが、これはピアノの残響とステージ上部の反響板の跳ね返りが強くなって残響が濁るだけで全く意味のない設定です。早く元に戻してほしいのですが、ブーニンの昨年12月の公演では昔のようにひな壇を上げないフラットな舞台になっていました。恐らく久しぶりにサントリーホールに戻ってきたブーニンが「ピアノソロなのにひな壇を上げるのはおかしい。以前のようにフラットに戻してほしい」と要求したのではないかと想像しています。そうであればブーニンは私と全く同じように感じたのだと思います。


映画「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」

ロシア出身の天才ピアニスト、スタニスラフ・ブーニンのドキュメンタリー。
1985年に19歳でショパン国際ピアノコンクールに優勝し、鮮烈なデビューを果たしたスタニスラフ・ブーニン。その後も世界を舞台に華々しい活躍を続け、特に日本では「ブーニン・ブーム」と呼ばれるほどの人気を集めるも、2013年に突如として表舞台から姿を消した。9年にわたる長い沈黙期間、病や怪我、左手の麻痺、大手術などピアニスト生命を脅かすさまざまな困難に直面してきた彼は、懸命なリハビリの末、22年についに舞台への復帰を果たした。

本作では25年12月の東京・サントリーホールでの公演も完全収録予定で、至高の音楽体験とともにブーニンの内面に迫る。復帰への道をともに歩んだ妻・榮子との絆や、彼を敬愛する著名ピアニストたちの証言などを交えながら再生への軌跡を追い、天才ピアニストが苦悩と葛藤の末にたどり着いた景色を映し出す。

2026年製作/111分/G/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2026年2月20日

オフィシャルサイト

 

 

 

予告編

 

 

 

 

このところのブーニンは自分のFAZIOLIを演奏会場に持ち込んでいます。

 

 

大手術の結果ブーニンの左足は短くなり、特注のブーツを履いて左ペダルに特注の器具を取り付けてペダリングをしています

 

ブーニンの去年のサントリーホールの公演はひな壇を上げないフラットな舞台でした。以前(1990年代~2000年代)のサントリーホールはピアノソロではこれが標準設定でした。ブーニンが私と同じ考えで嬉しいです。

 

 

 

なお、私が聴いた2022年7月の復帰公演の一部が公式配信されています。ややぎこちなかったこの頃と比べると昨年のサントリーホールの演奏は大分調子が戻ってきているように感じました。
トーク
シューマン:色とりどりの小品 Op.99
ショパン:マズルカ イ短調 Op67-4
2022年7月18日(月・祝)15:00 昭和女子大学 人見記念講堂

 

 

 

 

 

 

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 長年ワーグナーの楽劇を演奏会形式で上演し東京春音楽祭の中心的な役割を果たしてきたヤノフスキは今年が最後の出演だそうです。1939年生まれの87歳ですが、椅子に座ることもなくまだまだ元気な様子なので残念ではあります。ラストが長年手がけたワーグナーではなくシェーンベルクというのも意外です。どこで読んだか失念してしまったのですが、ヤノフスキが「グレの歌」を振るのは意外にもこれが初めてだそうです。元気なうちにやりたいことをやり切って幕を引くのがヤノフスキの美学なのかもしれません。

 「グレの歌」は私が大好きな作品ですが、大がかりな編成を必要とするので演奏される機会はそう頻繁にはありません。でも2019年に東京春音楽祭(大野和士指揮)と読響(カンブルラン指揮)と東響(ノット指揮)と、3回も演奏会があって話題になりました。私は迷わずノットを選びましたが、今にして思えば3つとも聴いておけば良かったかもとも思います。でも同じ曲を同時期にいくつも聴くとそれぞれの印象が薄くなるのでこれで良かったのだとも思います。

 ノットの演奏が豊潤で漂うように香しい「柔」の名演だとすれば、今回のヤノフスキの演奏はもっと硬質でストレートな「剛」の名演でした。オケの違い(N響と東響)、配置の違い(フルトヴェングラー型と両翼型)、ホールの違い(東京文化会館とミューザ川崎)などが印象の違いに影響しているのはもちろんでしょうが、ヤノフスキは昨年のパルジファルでも同様の印象を持ちました。1989年のウィーン国立歌劇場の来日公演(ホルライザー指揮)が柔らかに大河のような演奏だったのと比べて、ヤノフスキのパルジファルにはもっと硬質で北ドイツ的な(私は行ったことがありませんが笑)印象を持ちました。ですので、今回の印象もヤノフスキの音楽性が反映されていると考えて間違いないと思います。

 ニールンドやフィリップ、語りのエラートなどの歌手陣はノットの素晴らしい演奏(レシュマン、ケール、語りはアレン)と比べてそん色なかったと思います。重要な歌を歌う山鳩は予告されていた歌手が変更になり、ノットの時と同じオッカ・フォン・デア・ダムラウが歌いました。今回も素晴らしい歌をきかせてくれました。

2026年3月25日 [水] 19:00開演(18:00開場)
東京文化会館 大ホール

指揮:マレク・ヤノフスキ
ヴァルデマール王(テノール):デイヴィッド・バット・フィリップ
トーヴェ(ソプラノ):カミラ・ニールンド
農夫(バリトン):ミヒャエル・クプファー=ラデツキー
山鳩(メゾ・ソプラノ):オッカ・フォン・デア・ダメラウ※
道化師クラウス(テノール):トーマス・エベンシュタイン
語り手(バリトン):アドリアン・エレート
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩

※当初発表のカトリン・ヴンドザム(メゾ・ソプラノ)から変更

シェーンベルク:《グレの歌》 
曲目解説PDF

https://www.tokyo-harusai.com/wp/wp-content/uploads/2025/10/0325Schonberg-Gurre-Lieder.pdf

 

マエストロ・ヤノフスキへの出演者からのメッセージ

 

 

アドリアン・エレート(バリトン) インタビュー

 

デイヴィッド・バット・フィリップ(テノール)インタビュー