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 アレグザンダー・ブライロフスキー(Alexander Brailowsky, 1896年2月16日 キエフ - 1976年4月25日 ニューヨーク)はウクライナ出身のピアニストで、キエフ音楽院の学生だった頃にラフマニノフに見出され、1919年にパリにデビューしました。とりわけパリやニューヨークで行ったショパンの全作品連続演奏会でルービンシュタインと並ぶ20世紀最高のショパン弾きとの名声を得ました。
 

 芸風は聴くものを圧倒するようなヴィルトゥオーゾ的なものではなくサロン音楽風の洒落た親しみのあるものです。ルバートを多用するグラマラスなショパンという点では同郷のホロヴィッツのショパンに少し近いものもありますが、ホロヴィッツのショパンのような病的な妖しさはなく、もっと健全で健康的なショパンです。

 

 SP時代から多くの録音が残されておりCBSはショパンの全集をステレオで録音予定だったそうですが、その完成を待たずに引退してしまいました。1960年代にCBSに録音したショパンのアルバムは、世界初CD化の24の前奏曲を含む5枚組BOXが2010年に国内企画盤として発売されました。このBOXは好評だったようで2020年には全く同じ内容のBOXが海外盤でも発売されサブスクでも配信されています。しかしこのBOXにもオーマンディと共演したピアノ協奏曲第1番のステレオ再録音は入っていませんでした。CDで手に入るのはオケの前奏がカットされているSP盤やモノラル旧録だけで何とかならないものか、と思っていましたが、昨年出たオーマンディのステレオBOX(88枚組)の50枚目に収録され初めてCD化されました。 約40年ぶりにこの演奏が聴けて嬉しいです。

 

 CBSのステレオ録音もRCAのモノラル録音もSP時代の録音も全てサブスクで聴けるのでぜひ。私はCBSのステレオ録音の演奏が一番好きです。

 

1. ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11★

2. リスト:死の舞踏 S.126★

・YouTubeミュージック

 

・Amazonミュージックでは24/192のハイレゾで配信されています。

https://music.amazon.co.jp/albums/B0CPQ9LCZQ?ref=dm_sh_1ac9-3612-ffe7-0dc9-9e0a3

 

アレグザンダー・ブライロフスキー(ピアノ)

フィラデルフィア管弦楽団

ユージン・オーマンディ(指揮)

録音:

1961年2月12日 フィラデルフィア、タウン・ホール(1)

1961年2月23日 ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ(2)

 

 

・ショパンCBS録音全集:

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B08MQTCYWW?ref=dm_sh_1897-724b-e111-486c-09e1c

<CD1>

1-24. 24の前奏曲Op.28

25. アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調Op.22

26. 3つのエコセーズ Op.72-3

27. 私の喜び Op.posth.74/12

28. 乙女の願い Op.74-1

[録音]1960年、パリ、フィリップス・スタジオ(1-24)、

1963年4-5月、ニューヨーク、(25-26)

1961年、フランス(27-28)

 

<CD2>

1-14. ワルツ集 第1-14番

15-18. ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58

[録音]1960年9月6-13日、フランス(1-14)

1963年2-4月、ニューヨーク、コロンビア30番街スタジオ(15-18)

 

<CD3-4>

マズルカ 第1-51番

[録音]1960年5月、パリ、フィリップス・スタジオ、

 

<CD5>

1-9. ポロネーズ 第1-6, 8-10番

10. ポロネーズ嬰ト短調

11. 幻想即興曲 嬰ハ短調Op.66

12. タランテラ 変イ長調Op.43

13. 子守歌 変ニ長調Op.57

[録音]1961年2-3月(1-10)、1965年3月15日(11)、

1963年4月18日(12-13)、ニューヨーク、コロンビア30番街スタジオ

 

 

・RCAショパン録音全集:

<CD1>

1-14. ワルツ第1-14番 [録音]1941年5-10月、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ

15. 即興曲第1番 変イ長調Op.29 [録音]1941年5月8日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ

16. 夜想曲第5番 嬰ヘ長調Op.15-2 [録音]1945年4月20日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ

17. 即興曲第4番 嬰ハ短調『幻想即興曲』Op.66 [録音]1946年12月30日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ

18. 夜想曲第2番 変ホ長調Op.9-2 [録音]1946年12月30日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ

19. 夜想曲第8番 変ニ長調Op.27-2 [録音]1949年4月5日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ

 

 

 

<CD2>

1-24. 練習曲集Op.10 & 25(全24曲) [録音]1946年12月26日、1947年5月26, 28日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ

25-27. 3つの新練習曲 [録音]1947年5月28日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ

 

 

 

<CD3>

1-3. ピアノ協奏曲第1番 ホ短調Op.11

[共演]ウィリアム・スタインバーグ(指揮)RCAビクター交響楽団

[録音]1949年4月14日、ニューヨーク、マンハッタンセンター

4-6. ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調Op.21

[共演]シャルル・ミュンシュ(指揮)ボストン交響楽団

[録音]1954年11月29日、ボストン、シンフォニーホール

 

 

 

<CD4>

1-14. ワルツ第1-14番 [録音]1950年2月6,7,13日、ニューヨーク、タウンホール

 

 

 

<CD5>

1-24. 24の前奏曲Op.28 [録音]1951年3月8,27,29日、ニューヨーク、タウンホール

25-28. ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58 [録音]1938年11月23-24日、ロンドン、アビイロード・第3スタジオ

29. 子守歌 変ニ長調Op.57 [録音]1938年11月23-24日、ロンドン、アビイロード・第3スタジオ

30-32. 3つのエコセーズOp.72-3 [録音]1938年11月23-24日、ロンドン、アビイロード・第3スタジオ

 

 

 

<CD6>

1-4. ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調『葬送行進曲付き』[録音]1954年1月5,7日、ニューヨーク、マンハッタンセンター

5-8. ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58 [録音]1954年1月5,7日、ニューヨーク、マンハッタンセンター

 

 

<CD7>

1-10) 夜想曲第1-10番 [録音]1956年12月19日、1957年2月26-27日、6,7,13日、3月1日、ニューヨーク、タウンホール

<CD8>

1-9. 夜想曲第11-19番 [録音]1957年2月26日、6,7,13日、3月1,4,14日、4月29日、ニューヨーク、タウンホール

10-12. 3つのエコセーズOp.72-3 [録音]1958年4月23日、ニューヨーク、タウンホール

13. 子守歌 変ニ長調 Op.57 [録音]1958年4月23日、ニューヨーク、タウンホール

 

 

 

・ブライロフスキー「ベルリンレコーディングス1928-34」

 

【曲目】

[Disc 1:DACOCD336]

フレデリク・ショパン:

ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11*、

ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35、

舟歌 嬰へ短調Op.60、

バラード第1番 ト短調 Op.23

 

[Disc 2:DACOCD337]

フレデリク・ショパン:

マズルカ 変ロ長調 Op.7 no.1、

夜想曲 変ホ長調 Op.9 no.2、

前奏曲 ロ短調 Op.28 no.6、

前奏曲 ト長調 Op.28 no.3、

前奏曲 変ニ長調 Op.28 no.15《雨だれ》、

ワルツ 変イ長調 Op.34 no.1《華麗なるワルツ》、

ワルツ 嬰ハ短調 Op.64 no.2、

ワルツ 変イ長調 Op.69 no.1《告別》、

ワルツ ホ短調 Op. posth.、

即興曲第1番 変イ長調 Op.29、

幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66、

練習曲 ホ長調 Op.10 no.3《別れの曲》、

練習曲 嬰ハ短調 Op.10 no.4、

練習曲 変ト長調 Op.10 no.5《黒鍵》、

練習曲 変イ長調 Op.25 no.1《牧童》、

練習曲 へ短調 Op.25 no.2、

練習曲 へ長調 Op.25 no.3、

練習曲 変ト長調 Op.25 no.9《蝶々》、

練習曲 イ短調 Op.25 no.11《木枯らし》、

練習曲 ハ短調Op.25 no.12、

ポロネーズ第5番 変イ長調 Op.53 《英雄》

【録音】

オリジナル録音:1928年-1934年、ベルリン[Mono]

デジタル・トランスファー:2019年

 

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 井上道義が先日の大阪フィルで前半のモーツァルトを第一楽章しか振れなかったと聞いて、私は「年末を待たずに入院してしまうのではないか??」と心配していたが、その通りになってしまった。大阪フィルは後半のブルックナーの音声と映像を収録することが決まっていたのでキャンセルできず、かなり無理をしたのだろう。年末までまだ少しあるので十分静養されて下さい。
 
 欧米では「代役」というのはビックチャンスと考えられていて「ワルターの代役」、「ミトロプーロスの代役」、「バーンスタインの代役」で成功したという話はよくある。自分の愛弟子に振らせたいためにわざとキャンセルしたのでは?と思えるほどだ。ところが日本の聴衆は代役には厳しい。「仕方なく聞きに来る」聴衆がほとんどで「代役」を引き受けるのはリスク以外ない。例えばクライバーがキャンセルした1990年のウィーンフィルの来日ツアーの代役を引き受けたシノーポリは逆に損をしたように思う。
 
 もちろんノットはマーラー全集も完成しているし、東響とはこの曲を数年前に演奏している。それでも、ノットが新日フィルとマーラーの7番?? こんな難曲を初顔合わせで大丈夫か? そもそも新日フィルは両翼型(対向配置)でマーラーを演奏できるのか? という僅かな不安をノットは第一楽章から雄弁なタクトで吹き消した。
 
 配置はノットのいつもの両翼型。私は指揮棒が見える右手側の座席で聴くのが好きなのだが、この日は最前列。ノットがいつも以上にオケと細かいコンタクトをしているのがはっきり分かる。特に上手のセカンドヴァイオリンに最も気を配っていたのは普段は両翼型で演奏しない新日フィルのセカンドヴァイオリンへの配慮だろう。この7番の第三楽章のヴァイオリンの左右の掛け合いなど、マーラーが両翼型を念頭に置いて作曲したのは間違いない。私はマーラーは両翼型で演奏するべきだと常々思っている。バンベルク響との全集ももちろん両翼型だ。

 新日フィルも「東響には負けない」とでも言いたげな集中力の高い熱演で、私はマーラーの7番が傑作であることを再確認した。傑作どころか、10番の遺稿でも採用されているシンメトリー構造の5楽章構成こそが(声楽が入らない)交響曲の理想形だとマーラーは考えていたのではないかと思える説得力のある演奏だった。
 
 このような演奏会に期せずして居合わせることができた幸運に感謝したい。オケがはけても鳴り止まない拍手に応えるノット。終演後にホールの外で全員にサインと写真撮影に応じるのはノットのいつものことだが、東響の時よりむしろ多かったように思う。 
 
 平日マチネにも関わらずこのコンサートにはこだクラメンバーも多数集結し、終演後6人で楽しい時間を過ごすことができた。またこういう時間がありますように。
 
2024.8.2(金)
15:00開演|14:00開場|14:20~プレコンサート|
ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:ジョナサン・ノット
マーラー:交響曲第7番 ホ短調『夜の歌』
 

プレコンサート
モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K.421から 第1、3、4楽章
ヴァイオリン:崔文洙、丹羽紗絵
ヴィオラ:安藤裕子
チェロ:佐山裕樹

 

(追伸)東京交響楽団が2019年にノットの指揮で演奏したマーラーの7番を公式YouTubeチャンネルで配信しています。新日フィルを聴けなかった方はぜひこちらをご覧ください。
Jonathan Nott, Conductor
Tokyo Symphony Orchestra 
Sat.16th November 2019, SUNTORY Hall

 

 

 

 

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 早くも今年の7月13日に没後10年を迎えた名指揮者ロリン・マゼール(Lorin Maazel, 1930年3月6日 - 2014年7月13日)、DGが出した39枚組BOX(ただし2000年代に録音したニューヨークフィルのライブ盤8枚が入っていないので完全なコンプリートとは言えない)を聴き直してこの鬼才はまだ十分な評価を得ていないと思った。しかもDECCA/Philips録音やEMI録音の多くが廃盤中、CBS/RCAの録音も一部が入手難という残念な状況だ。
 テラークに録音した11枚のCDも入手が難しくなってきているが、幸いにして全てサブスク(YouTubeミュージック、Amazonミュージック)では聴けるのでここでまとめてご紹介したい。
 

 デジタル初期、CD初期の時代を知る世代にとってTelarcという米国のレーベルはお馴染みです。1977年の設立当初から音質重視のダイレクトカッティングを採用し、翌1978年には米国のレコード会社として初めてデジタル録音を採用(当初は16ビット/50Khz、4チャンネルの独自仕様)を始めました。その後も20ビット録音、24ビット録音、DSD録音と言った新しい技術を積極的に取り入れていましたが、CD/SACD市場の縮小に伴い2009年に事業を縮小、現在は他社の傘下に入っていますがCDの入手は年々難しくなっています。ほとんどのアルバムはサブスクでも配信されているのは不幸中の幸いですが、配信されているのはCD品質の音源のみで、20ビット録音や24ビット録音、DSD録音などをマスターテープにさかのぼってハイレゾで配信するといったことは行われていません。

 

 テラークを有名にしたのは重低音の再生が難しい名録音として有名な1980年のカンゼルの序曲「1812年」ですが、マゼールはそれより前の1978年からテラークに録音しており1991年まで断続的に11枚のアルバム(うち1枚はクリーブランド管のメンバーとの室内楽)を制作しました。これはカンゼルほど多くはありませんが、プレヴィンやマッケラス、ドホナーニなどと並んでテラークのクラシックアルバムの主要アーティストの一人だったと言って良いと思います。

 

 曲目はすでに過去に録音した曲のデジタル再録音も多いですが、ショスタコーヴィッチの5番のようになぜか録音がなかった曲目、リムスキー・コルサコフの交響曲のように珍しい曲目、有名なベルリンフィルとの「言葉のない指環」やピッツバーグ響とのワルキューレ第一幕などマゼールの希望で録音されたと考えられるものも含まれています。いずれもサブスクでも配信されています。Amazonミュージックのアプリでは「 maazel telarc 」で検索するとこれらのアルバムがすぐに出てきます。

 なおマゼールのディスコグラフィーはアイビスさんの下記ページを参照させて頂きました。

 

 

1.

[1978.10.20]ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編)/『禿山の一夜』/クリーヴランド管弦楽団/クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアム/Telarc

[1978.10.20]ムソルグスキー(ラヴェル編)/『展覧会の絵』/クリーヴランド管弦楽団/クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアム/Telarc

・YouTubeミュージック

 

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B0B273X1TG?ref=dm_sh_7803-a2e2-0f9d-2696-962ad

 

2.

[1979.5]ショーソン/コンセール(ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のための)/(ソロ・ヴァイオリニストとして)イスラエラ・マーガリット(P)、クリーヴランド管弦楽団より四重奏団:D.マジェスキ(Vn1)、ゴールドシュミット(Vn2)、ヴァーノン(Va)、ゲーバー(Vc)/-/Telarc

 

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B0B5FTXK23?ref=dm_sh_9006-7311-c697-f9ce-c50bd

 

3.

[1979.5.14]チャイコフスキー/交響曲第4番/クリーヴランド管弦楽団/クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアム/Telarc

 

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B0B69LDH9N?ref=dm_sh_87cb-1053-2a88-9934-1e108

 

4.

[1980.5.14]ストラヴィンスキー/『春の祭典』/クリーヴランド管弦楽団/クリーヴランド、セヴランス・ホール/Telarc

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B09QHSB59N?ref=dm_sh_33f3-5650-837f-90e8-13035

 

5.

[1981.4.5]ショスタコーヴィチ/交響曲第5番/クリーヴランド管弦楽団/クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアム/Telarc

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B0B69K2XMD?ref=dm_sh_a790-7862-ed6e-9c5f-91b69

 

6.

[1981.4.6]チャイコフスキー/『ロメオとジュリエット』、『くるみ割り人形』組曲/クリーヴランド管弦楽団/クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアム/Telarc

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B09QWC3JKV?ref=dm_sh_cf22-89d3-b2ed-76f3-c5234

 

7.

[1982.5.10]ベルリオーズ/幻想交響曲/クリーヴランド管弦楽団/クリーヴランド、セヴランス・ホール/Telarc

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B0B2ZP4JMB?ref=dm_sh_dcb1-2ae2-cb6b-b911-eca02

 

8.

[1986.3.17]チャイコフスキー/交響曲第2番「小ロシア」/ピッツバーグ交響楽団/ピッツバーグ、キャルヴァリー米国聖公会教会/Telarc

[1986.3.17]リムスキー=コルサコフ/交響曲第2番「アンタール」/ピッツバーグ交響楽団/ピッツバーグ、キャルヴァリー米国聖公会教会/Telarc

・YouTubeミュージック

 

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B09HZG6B5W?ref=dm_sh_0805-5562-144a-394c-60247

 

9.

[1987.12.1/3-4]ヴァーグナー/『ニーベルングの指環』オーケストラ・ハイライト/ベルリン・フィル/ベルリン、フィルハーモニー/Telarc

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B09WRP8PS5?ref=dm_sh_05e4-e30a-4a87-0882-7b01e

 

10.

[1990.10]ヴァーグナー/『ヴァルキューレ』第1幕/ピッツバーグ交響楽団(ケーニヒ、ダン、メーフェン)/ピッツバーグ、ハインツ・ホール/Telarc

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B09ZNVFXPV?ref=dm_sh_fb42-7e8e-fbf2-e7a0-d27b1

 

11.

[1991.5.7]ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番・第3番/ピッツバーグ交響楽団(グティエレス)/ピッツバーグ、ハインツ・ホール/Telarc

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B09H8QGLJX?ref=dm_sh_6952-cebe-cd4c-e45e-18560

 

 

 

 

 

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 早くも今年の7月13日に没後10年を迎えた名指揮者ロリン・マゼール(Lorin Maazel, 1930年3月6日 - 2014年7月13日)。没後10年を記念して発売されたのはDGのこの『ドイツ・グラモフォン録音全集』39枚組BOXだけ、あとはソニーがウィーンフィルのマーラー全集をリマスターして再発売したぐらいでしょうか。デッカやソニー(CBS・RCA)からコンプリートBOXが出なかったのは残念です。ですが2005-8年にマゼールがDGにニューヨークフィルと録音したライブアルバム(CD2枚が日米のみで発売、アルバム5枚分は米国でオンライン販売のみ)、および2005年のニューイヤーコンサートは収録されていないのでこのDGBOXも正確にはコンプリートとは言えません。

 収録されているのはマゼールの初録音である1957年のベルリオーズ/チャイコフスキー/プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」(これのみモノラル)から1965年のファリャ「恋は魔術師/三角帽子」までの18枚と、1979年の「ルイーザ・ミラー」から1985年の「シェエラザード」までの21枚です。前半の18枚はマゼールが2014年に亡くなった翌年にDGが発売した「DG初期録音全集」と同一内容です。

 それでもマゼールがウィーンフィルと録音したリヒャルト・シュトラウスやドヴォルザーク、ベルリンフィルと録音したラフマニノフなどが大変優れた演奏だったことを再確認できました。この手のBOXはすぐに売り切れるので手に入るうちに入手することをお勧めします。60年代~70年代にデッカに録音したアルバムも優れた演奏が多いのでデッカBOXもぜひ出してほしいです。

 

●18枚目までは2015年発売の「DG初期録音全集(1957-65)」と同一です。

・YouTubeミュージック

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B00S987WDI?ref=dm_sh_2390-e825-aaa3-040d-0dc6f

【収録情報】
Disc1-2
● ベルリオーズ:劇的交響曲『ロメオとジュリエット』 Op.17より

1. キャピュレット家の饗宴(第2部)
2. マブ女王または夢の妖精(スケルツォ)(第4部)
3. 愛の場面(第3部)
4. キャピュレット家の墓地におけるロメオ(第4部)
● チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』
● プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第2番 Op.64bより

第1曲:モンタギュー家とキャピュレット家
第4曲:踊り
第7曲:ジュリエットの墓の前のロメオ
第6曲:アンティル諸島から来た娘たちの踊り
● プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第1番 Op.64aより
第7曲:タイボルトの死

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1957年6月、ベルリン(モノラル)
若い頃から大作を得意としていたマゼールは、ベルリオーズの『ロメオとジュリエット』も各地で演奏、ライヴ録音も遺されていますが、抜粋とはいえレコーディング・デビューまで『ロメオとジュリエット』というのはすごい話です。組み合わせのチャイコフスキーとプロコフィエフの『ロメオとジュリエット』も好んで指揮していた作品で、2人の主人公の劇的な恋愛と周囲の闘争を描き上げるという題材をマゼールが濃密に描きあげます。(HMV)
 

Disc3
ストラヴィンスキー:
● 『火の鳥』組曲(1919年版)

序奏
火の鳥のヴァリアシオン
王女たちのロンド
魔王カスチェイの凶悪な踊り
子守歌
終曲
● 交響詩『ナイチンゲールの歌』
導入部
中国の行進曲
ナイチンゲールの歌
機械仕掛けのナイチンゲールの演奏

ベルリン放送交響楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1957年11月、ベルリン(ステレオ)
27歳のマゼールによる傑作。緩急の幅を広くとり、リズム的な要素も重視した見事な演奏。組み合わせはレパートリーの広かったマゼールならではの『うぐいすの歌(ナイチンゲールの歌)』というのも面白いところです。(HMV)
 

Disc4
ベートーヴェン:
1. 交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
2. 『献堂式』序曲 Op.124

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1958年6月(1)、5月(2)、ベルリン(ステレオ)
ベートーヴェンを得意としていたベルリン・フィルは、この録音の2ヶ月前にはクリュイタンスと『運命』をセッション録音、半年前にはカラヤンと日本公演でも演奏して映像収録をおこなっていました。マゼールの指揮は迫力も緊迫感も抒情美も兼ね備えた高水準なもの。組み合わせが当時は非常に珍しかった『献堂式』序曲というのも秀逸。バロック風な要素を感じさせる音楽が心地よく演奏されています。(HMV)
 

Disc5
ブラームス:
● 交響曲第3番ヘ長調 Op.90
● 悲劇的序曲 Op.81

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1959年1月、ベルリン(ステレオ)
ブラームスを得意としたマゼールですが、キャリアの初期からその表現力は図抜けていました。ここでも起伏の激しい演奏で作品の面白さを引き出しています。11分で駆け抜ける『悲劇的序曲』での緊迫した音楽も最高です。(HMV)
 

Disc6
1. レスピーギ:交響詩『ローマの松』

ボルゲーゼ荘の松
カタコンブ付近の松
ジャニコロの松
アッピア街道の松
2. ムソルグスキー/リムスキー=コルサコフ編:交響詩『禿山の一夜』
3. リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 Op.34

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1958年12月(1,3)、1959年2月(2)、ベルリン(ステレオ)
ベルリン・フィルの重厚な機能美が徹底的に活かされたマゼール若き日の快演。(HMV)
 

Disc7
シューベルト:
● 交響曲第4番ハ短調 D.417『悲劇的』
● 交響曲第8番ロ短調 D.759『未完成』

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1959年11月、ベルリン(ステレオ)
ダイナミックに開始される交響曲第4番『悲劇的』は第1楽章の長大な序奏部をロマンティックに美しく描き、快速な主部とのコントラストも鮮やかな演奏。『未完成』はちょうど1年後のクリュイタンスがベルリン・フィルを指揮した録音と比較すると張り詰めた印象が強く、金管の扱いなど規模感の大きな演奏に仕上がっています。(HMV)
 

Disc8
モーツァルト:
● 交響曲第1番変ホ長調 K.16
● 交響曲第28番ハ長調 K.200
● 交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』

フランス国立放送管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1960年1月、パリ(ステレオ)
モーツァルトが8歳の時に書いた交響曲第1番と、18歳の時の第28番、そして32歳の時に書かれた第41番『ジュピター』の3曲を収録。第1番終楽章にはのちの第41番終楽章を予見させる旋律があらわれ、また第28番第3楽章は第41番第3楽章と似た素材が使用されるなど共通項を持った作品の組みあわせです。(HMV)
 

Disc9
ベートーヴェン:
1. 交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
2. 12のコントルダンス WoO14

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1960年3月(1)、4月(2)、ベルリン(ステレオ)
『田園』は1959年の11月から12月と、1960年3月にかけての録音。1960年3月といえば、同じベルリン・フィルを指揮してクリュイタンスが有名なセッション録音をおこなった月でもありますが、若きマゼールの『田園』も歌とノリのバランスが良い演奏です。組みあわせの「12のコントルダンス」は、第7曲に交響曲第3番『英雄』終楽章に使われた旋律があらわれることでも有名な作品。(HMV)
 

Disc10
● ラヴェル:歌劇『子供と魔法』


子供:フランソワーズ・オジェア(ソプラノ)
火、お姫様、うぐいす:シルヴェーヌ・ジルマ(ソプラノ)
ママ、ティーカップ、とんぼ:ジャニーヌ・コラール(メゾ・ソプラノ)
安楽椅子、白猫、リス、羊飼い:ジャーヌ・ベルビエ(ソプラノ)
こうもり、ふくろう、羊飼いの娘:コレット・エルゾグ(ソプラノ)
肘掛椅子、樹:ハインツ・レーフス(バス)
振り子時計、黒猫:カミーユ・モラーヌ(バリトン)
ティーポット、数字のこびと、カエル:ミシェル・セネシャル(テノール)
フランス国立放送合唱団
フランス国立放送少年合唱団
フランス国立放送管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1960年11月、パリ(ステレオ)
子供と子供が破壊したさまざまなモノたちの織りなす短いドタバタ・オペラ。ラヴェルのオーケストレーションの見事さと、面白いコロラトゥーラも含むモノたちの多彩な歌が聴きものです。名歌手カミーユ・モラーヌまで出演した豪華なキャストです。(HMV)
 

Disc11
メンデルスゾーン:
1. 交響曲第4番イ長調 Op.90『イタリア』
2. 交響曲第5番ニ短調 Op.107『宗教改革』

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1960年4月(1)、1961年1月(2)、ベルリン(ステレオ)
若きマゼールの芸風を象徴するかのような切れ味鋭くよく弾む演奏。特に『イタリア』は作品との相性も良く、初期ロマン派らしい爽やかさがたまりません。21歳の時に書かれた『宗教改革』では、ベルリン・フィルの管楽器の落ち着いた色調が敬虔な雰囲気を醸しだす第1楽章序奏部や終楽章のコラール主題「神はわがやぐら」が聴きものですが、速い部分の切れ味も素晴らしく、若きメンデルスゾーンの天才ぶりを鮮やかに描き出します。(HMV)
 

Disc12
シューベルト:
● 交響曲第5番変ロ長調 D.485
● 交響曲第6番ハ長調 D.589

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1961年1月、ベルリン(ステレオ)
軽やかで親しみやすい交響曲第5番はロココ風な雰囲気をもつ作品。一方、第6番は第1楽章序奏部などにベートーヴェンの影響が垣間見えるものの、のちの『グレート』に繋がる素材とその展開など重要な特徴も備えています。マゼール指揮ベルリン・フィルは、快活な演奏によって両作品の個性を描き分けています。(HMV)
 

Disc13
● フランク:交響曲ニ短調

ベルリン放送交響楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1961年1月、ベルリン(ステレオ)
ブルックナーの8番やマーラーの交響曲第1番第1稿とほぼ同じ時期に書かれたフランクの交響曲は、オーケストレーションも大変に充実した傑作。マゼールは旋律一辺倒になることなく各楽器をくっきりと鳴らし、すごい迫力と立体的な音響を実現しています。情報量の多さと先鋭な表情が圧倒的なユニークな演奏です。(HMV)
 

Disc14
1. ブリテン:青少年のための管弦楽入門 Op.34
2. プロコフィエフ:交響的物語『ピーターと狼』 Op.67


ロリン・マゼール(ナレーター&テキスト作成:1)
アレック・クランズ(ナレーター:2)
フランス国立管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1962年2月、パリ(ステレオ)
 

Disc15
● チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1960年6月、ベルリン(ステレオ)
この録音の3ヶ月前にはカラヤンがEMIにこの交響曲第4番をセッション録音していました。会場があちらはグリューネヴァルト教会、こちらはイエス・キリスト教会という違いはありますが、同時期のベルリン・フィルで個性の異なる素晴らしい演奏がおこなわれていたことになります。特にマゼールのシャープでたたみかけるような迫力は聴きものです。(HMV)
 

Disc16
シューベルト:
● 交響曲第2番変ロ長調 D.125
● 交響曲第3番ニ長調 D.200

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1962年3月、ベルリン(ステレオ)
モーツァルトの39番やベートーヴェンの『プロメテウスの創造物』を思わせる部分など驚く部分もある第2番など、若きシューベルトがモーツァルトやベートーヴェン、ハイドンの影響を強く受けながら作曲した作品の組み合わせ。(HMV)
 

Disc17
● ラヴェル:歌劇『スペインの時』


コンセプシオン:ジャーヌ・ベルビエ(ソプラノ)
トルケマダ(時計屋):ジャン・ジロドー(テノール)
ラミロ(ラバ曳き)ガブリエル・バキエ(バリトン)
ドン・イニーゴ(銀行家):ジョゼ・ヴァン・ダム(バス)
ゴンサルヴェ(学生):ミシェル・セネシャル(テノール)
フランス国立放送管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1965年2月、パリ(ステレオ)
浮気好きなコンセプシオンをめぐる短いドタバタ・オペラ。ラヴェルが人物の性格描写をオーケストラで入念におこなっていることでも知られており、また、にぎやかな時計の音も楽しい聴きものになっています。(HMV)
 

Disc18
ファリャ:
1. バレエ組曲『恋は魔術師』

序奏と情景
洞窟の中で
悩ましい愛の歌
亡霊
恐怖の踊り
魔法の輪
真夜中
火祭りの踊り
情景
きつね火の歌
パントマイム
愛の戯れの踊り
フィナーレ(暁の鐘)
2. 『三角帽子』第1組曲より
粉屋の女房の踊り(ファンダンゴ)
3. 『三角帽子』第2組曲より
隣人たちの踊り(セギディーリャス)
粉屋の踊り(ファルーカ)
終幕の踊り(ホタ)

グレース・バンブリー(メゾ・ソプラノ:1)
ベルリン放送交響楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1965年6月、ベルリン(ステレオ)
パリで7年間暮らしていたファリャは、第1次世界大戦勃発と共に、中立政策をとっていたスペインに帰国、そこで作曲したのが『恋は魔術師』と『三角帽子』で、ここでは前者の組曲と、後者の抜粋を収録しています。どちらもスペインの民族主義的な素材とフランスの印象主義の影響を受けたカラフルで生き生きとした作曲技法が結びついた音楽で、マゼールはその管弦楽法の魅力をシャープな切り口でフルに引き出しています。なお、『恋は魔術師』で歌っているメゾ・ソプラノのグレース・バンブリーは1961年のバイロイト音楽祭で大喝采を浴びたアメリカ人歌手です。(HMV)

Disc19-20
● ヴェルディ:歌劇『ルイーザ・ミラー』全曲

ルイーザ・ミラー:カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)
ロドルフォ:プラシド・ドミンゴ(テノール)
フェデリカ:エレナ・オブラツォワ(メゾ・ソプラノ)
ミラー:レナート・ブルゾン(バリトン)
ヴァルター伯爵:グウィン・ハウエル(バス)
ヴルム:ウラディミーロ・ガンツァローリ(バス・バリトン)
ラウラ:オードリー・ミッチェル(ソプラノ)
農夫:ルイジ・デ・コラート(バリトン)
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1979年6月、ロンドン(ステレオ)

Disc21
バルトーク:
● 管弦楽のための協奏曲 Sz.116
● 2つの映像 Sz.46(花ざかり/村の踊り)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1979年12月、ベルリン(ステレオ)

Disc22
チャイコフスキー:
● ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
● 憂鬱なセレナード Op.26

ギドン・クレーメル
(ヴァイオリン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1979年12月、ベルリン(デジタル)

Disc23
● ニューイヤー・コンサート 1980

1. J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』序曲
2. J.シュトラウス2世:新ピチカート・ポルカ Op.449
3. J.シュトラウス2世:常動曲 Op.257
4. J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーン気質』 Op.354
5. J.シュトラウス2世:山賊のギャロップ Op.378
6. J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』よりチャルダーシュ『ふるさとの調べよ』
7. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ『ことづて』 Op.240
8. オッフェンバック:喜歌劇『天国と地獄』序曲
9. J.シュトラウス2世:行進曲『フランツ・ヨーゼフ1世万歳』 Op.126
10. J.シュトラウス2世:ポルカ『蜃気楼』 Op.330
11. ツィーラー:ポルカ『気もはればれと』 Op.386
12. J.シュトラウス2世:ワルツ『美しく青きドナウ』 Op.314
13. J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 Op.228

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1980年1月、ウィーン(デジタル/ライヴ)

Disc24
● ニューイヤー・コンサート 1981

1. J.シュトラウス2世:喜歌劇『ジプシー男爵』より入場行進曲
2. J.シュトラウス2世:ワルツ『南国のばら』 Op.388
3. J.シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス:ピチカート・ポルカ
4. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『憂いもなく』 Op.271
5. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『トランスアクツィオン』 Op.184
6. J.シュトラウス1世:ギャロップ『ため息』 Op.9
7. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『恋と踊りに熱中』 Op.393
8. J.シュトラウス2世:トリッチ・トラッチ・ポルカ Op.214
9. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『女心』 Op.166
10. J.シュトラウス2世:ワルツ『春の声』 Op.410
11. J.シュトラウス2世:エジプト行進曲 Op.335
12. J.シュトラウス2世:加速度円舞曲 Op.234
13. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『浮気心』 Op.319
14. J.シュトラウス2世:爆発ポルカ Op.43(M.シェーンヘル編)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1981年1月、ウィーン(デジタル/ライヴ)

Disc25
● ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 Op.88
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1981年3月、ウィーン(デジタル)

Disc26
● ツェムリンスキー:抒情交響曲 Op.18
ユリア・ヴァラディ
(ソプラノ)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1981年3月、ベルリン(デジタル)

Disc27
ラフマニノフ:
● 交響曲第3番イ短調 Op.44
● 交響詩『死の島』 Op.29

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1981年11月、ベルリン(デジタル)

Disc28
● ニューイヤー・コンサート 1982

1. J.シュトラウス2世:皇帝円舞曲 Op.437
2. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『エレクトロファー』 Op.297
3. J.シュトラウス2世:ポルカ・フランセーズ『どういたしまして』 Op.372
4. エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ・シュネル『駅伝馬車で』 Op.259
5. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『うわごと』 Op.212
6. ニコライ:歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲
7. J.シュトラウス1世:カチューシャ・ギャロップ Op.97(M.シェーンヘル編)
8. ヨーゼフ・シュトラウス:鍛冶屋のポルカ Op.269(合唱ヴァージョン)
9. J.シュトラウス2世:ワルツ『もろびと手をとり』 Op.443
10. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『観光列車』 Op.281
11. J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 Op.228

ウィーン少年合唱団(3,8)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1982年1月、ウィーン(デジタル/ライヴ)

Disc29
ドヴォルザーク:
● 交響曲第9番ホ短調 Op.95『新世界より』
● 序曲『謝肉祭』 Op.92

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1982年10月、ウィーン(デジタル)

Disc30
● ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 Op.27
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1982年12月、ベルリン

Disc31
● ニューイヤー・コンサート 1983

1. J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンのボンボン』 Op.307
2. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『自転車』 Op.259
3. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『とんぼ』 Op.204
4. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『ハンガリー万歳』 Op.332
5. J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンの森の物語』 Op.325
6. ヨーゼフ・シュトラウス:喜歌劇『ヴェネツィアの一夜』序曲
7. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『百発百中』 Op.326
8. J.シュトラウス2世:ワルツ『レモンの花咲くところ』 Op.364
9. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『遠方から』 Op.270
10. J.シュトラウス2世:喜歌劇『インディゴと40人の盗賊』序曲

カール・スヴォボダ(ツィター:5)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1983年1月、ウィーン(デジタル/ライヴ)

Disc32
● ニューイヤー・コンサート 1980~83

1. J.シュトラウス2世:喜歌劇『くるまば草』序曲
2. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『踊るミューズ』 Op.266
3. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『天体の音楽』 Op.235
4. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『雷鳴と電光』 Op.324
5. J.シュトラウス2世:ワルツ『朝の新聞』 Op.279
6. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『解放された女』 Op.282
7. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『水彩画』 Op.258
8. ランナー:ワルツ『宮廷舞踏会』 Op.161

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1980~1983年、ウィーン(デジタル/ライヴ)

Disc33
● ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調 Op.70
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1983年2月、ウィーン(デジタル)

Disc34
R.シュトラウス:
1. 交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』 Op.30
2. 交響詩『マクベス』 Op.23

ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン・ソロ:1)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1983年2月、ウィーン(デジタル)

Disc35
ラフマニノフ:
● 交響的舞曲 Op.45
● 歌劇『アレコ』より間奏曲
● ヴォカリーズ Op.34-14
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1983年3月、ベルリン(デジタル)

Disc36
● R.シュトラウス:家庭交響曲 Op.53
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1983年10月、ウィーン(デジタル/ライヴ)

Disc37
ベルリオーズ:
1. 交響曲『イタリアのハロルド』 Op.16
2. 序曲『ローマの謝肉祭』 Op.9

ヴォルフラム・クリスト(ヴィオラ:1)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1984年4月、ベルリン(デジタル)

Disc38
ラフマニノフ:
1. 交響曲第1番ニ短調 Op.13
2. 幻想曲『岩』 Op.7
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1984年4月(1)、6月(2)、ベルリン

Disc39
● リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』 Op.35

レオン・シュピーラー(ヴァイオリン・ソロ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール
(指揮)
録音:1985年2月、ベルリン(デジタル)

 

(以下メーカー資料より)

没後10年を前に20世紀の名指揮者によるDG録音の集大成。CD39枚組BOXセット

ロリン・マゼールは間違いなく20世紀の偉大な指揮者の一人です。9歳でレオポルト・ストコフスキーの招きでフィラデルフィア管弦楽団を指揮し、11歳でアルトゥーロ・トスカニーニのNBC交響楽団を指揮しました。1957年に有名なチャイコフスキーのアルバムでドイツ・グラモフォンに録音を開始。最初に音楽監督を務めたのはベルリン・ドイツ・オペラとベルリン放送交響楽団で、その後ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とともに多くの録音を行いました。長い指揮者人生の中でマゼールはパリ国立管弦楽団の音楽監督、ウィーン国立歌劇場の総監督、バイエルン放送交響楽団の首席指揮者、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督など、多くの重要なポストに就きました。1980年から1986年までウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのニューイヤー・コンサートを行いましたが、その後1994年、1996年、1999年、2005年のコンサートも指揮しました。2024年に没後10年を迎えるマゼールのドイツ・グラモフォンへのすべての録音が初めてまとめて発売されます。CD39枚組BOXセット。限定盤。

『グラモフォン』誌に「最高の録音」と書かれたマゼールによるラヴェルの歌劇『子供と魔法』『スペインの時』、そしてベートーヴェンの交響曲第5番とシューベルトの『未完成』交響曲も収録されています。

オリジナル・ジャケット仕様。タリー・ポッターによるエッセイが掲載された80ページのブックレット付き。

「ここにあるのは音楽です(…)私たちには音楽が必要です。なぜならそれが人々の真の言語だから。言葉は実際には何も表現していません。そこにはいろいろと障害があるからです。それらは違う人々にとって違うことを意味してしまいます。しかし音は魂から魂へと飛んで行き、そこに絆を作り、一瞬で理解できるものです。世界中を旅している私たちは皆、そのことを理解しています。コミュニケーションは一瞬で、文化や心の状態を通して正しく伝わります。それは素晴らしいことです。音楽は私たちの言語であり、私たちの真の言語です。人類が実際に持っているたった一つの言語なのです」(ロリン・マゼール)

ユニバーサル・ミュージック/IMS

【マゼールとヨーロッパ】
マゼールはまだ26歳だった1957年、ドイツ・グラモフォンでカラヤンより先にベルリン・フィルとのレコーディングを開始するという異例の扱いを受けた指揮者でした。8歳で指揮者デビューしたマゼールは、10歳のときにはNBC交響楽団の夏期公演でも指揮、続いてニューヨーク・フィルも指揮して大きな注目を集めるほどの天才でした。
その後、1952年にイタリアに留学してバッハなどバロック音楽を勉強、帰国後はボストンのバークシャー音楽センターでさらに指揮を学び、翌1953年にはヨーロッパに戻ってイタリアで指揮者デビューして成功を収めることとなります。

【マゼールとドイツ・グラモフォン】
そのデビュー公演がきっかけとなって、マゼールはヨーロッパ各地のオーケストラに客演を重ねるようになり、次第に知名度を高めてドイツ・グラモフォンと契約を結ぶに至ります。
マゼールのレコーディング・デビューは、1957年2月におこなわれたベルリオーズ、チャイコフスキー、プロコフィエフによる3つの『ロメオとジュリエット』を収めた2枚組アルバムで、ベルリン・フィルとの録音でした。 このデビュー盤は、ドイツ・グラモフォンがステレオ録音を本格導入する前におこなわれたためモノラルとなってしまいましたが、セッション録音なので音質は聴きやすい水準です。
その9か月後にベルリン放送交響楽団と録音したストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲と『うぐいすの歌』はステレオ録音で、以降のアルバムはすべてステレオとなり、1965年までの8年間にベルリン・フィルを中心に、ベルリン放送響、フランス国立放送管とおこなわれた勢いのある演奏を楽しむことができます。

【当時のマゼール】
ちなみにこの時期のマゼールは、1960年に史上最年少でバイロイト・デビューを果たし、1963年にはザルツブルク音楽祭にも出演したほか、ベルリン・ドイツ・オペラ日本公演ではベームらと共に来日、『トリスタンとイゾルデ』の日本初演をおこなった後、東京交響楽団、読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団を指揮したりもしていました。
そうした成功を受けて、1964年には、亡くなったフリッチャイの後を継いでベルリン放送交響楽団の首席指揮者となり、翌1965年には、ホルライザーの後任としてベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督にも就任しています。
また、マゼールは英語のほかにドイツ語、フランス語、イタリア語に堪能で、そうした背景もあってか、フランスのオーケストラを頻繁に指揮し、さらにフランス語のオペラの録音までおこなっていたといいますから、その活動範囲の広さは驚異的。
シャープな芸風だった若きマゼールは、当時破竹の勢いだったカラヤンの対抗勢力として大いに注目を集め、ドイツ・グラモフォン、EMIに続いてデッカやフィリップス、コンサート・ホール・レーベルなどへも録音を開始、バロックから近代に至る幅広いレパートリーを取り上げ、若手指揮者としては異例の活躍ぶりを見せていました。(HMV)

 

 

 

 

 

 

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 早くも今年の7月13日に没後20年を迎えるカルロス・クライバー(Carlos Kleiber、1930年7月3日 - 2004年7月13日 )のDG録音コンプリート。私が持っているのは2018年に出たBlu-rayオーディオ付きのBOXです。さらにドルビーATOMSのBlu-rayオーディオをもう一枚付けたセットが没後20年記念で今月発売されるようですが、没後20年の今年、お蔵入りしている「ばらの騎士」など新音源のアルバムがDGからも他社からも全くなかったのは大変残念です。そもそもクラシックをドルビーATOMSのBlu-rayオーディオで聴く人ってどれだけいるのでしょう? Blu-rayオーディオを2枚にするなら、容量の都合で16ビット収録になっている「トリスタンとイゾルデ」を別ディスクにして24/192で収録してほしかった。CD品質ならサブスクで聴けてしまうし……
 などなどついつい文句を言ってしまいますが、一家に1セット、いや1人1セットのこの定番BOX、ぜひ手にしてほしいです。
 

・YouTubeミュージック

 

・Amazonミュージック

https://music.amazon.co.jp/albums/B00CGQ2SEC?ref=dm_sh_e8b3-dbb1-86f9-244e-7fe95

 

(以下HMVのHPより)
【収録情報】
CD1
ウィーン・フィル/ベートーヴェン第5番&第7番


クライバーの交響曲セッション録音第1弾となった『運命』は、1975年にLPで発売されるとすぐに大評判となり、翌年発売された第7番も同じく熱狂的な高評価で迎えられます。
このCDは、そうしたクライバーのカリスマ化に大きな役目を果たしたLP2枚分の演奏をまとめたもので、非常にお得な内容となっています。

● ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 Op.67
● ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カルロス・クライバー
(指揮)

録音時期:1974年3月、4月、1975年11月、1976年1月
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)


CD2
ウィーン・フィル/ブラームス第4番


クライバーのデジタル録音第1弾で、LP発売時は銀色に輝くジャケットデザインも話題になったアルバム。レコーディングの精度が上がったこともあり、隠し味的な部分も含め、細部まで徹底的に表現が磨きこまれた演奏の凄みが実感できるようになったことでもマニアを大いに喜ばせた録音です。しかも大局的には奔流を思わせるような音楽の進行ぶりでありながら、時に官能的でさえある生々しい生命力をも感じさせてくれる多義的で複雑な味わいは他に類例のないアプローチと言えるかも知れません。クライバーの厳しく細かい要求を完璧に受け止めたウィーン・フィルの驚異的な能力があればこその名演です。

● ブラームス:交響曲第4番ホ短調 Op.98

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カルロス・クライバー
(指揮)

録音時期:1980年3月
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
CD3
ウィーン・フィル/シューベルト第3番&第8番


シューベルト=歌謡的という印象が常識的だった時代に、クライバーは非常にドラマティックな表現を持ち込み、強烈なアクセントとダイナミックな構築のもたらすコントラスト効果により、結果として歌の魅力をさらに際立たせることに成功した演奏。第8番『未完成』はもちろん第3番での豪快なノリの良い演奏も素晴らしい聴きものです。

● シューベルト:交響曲第3番ニ長調 D.200
● シューベルト:交響曲第8(7)番ロ短調 D.759『未完成』

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カルロス・クライバー
(指揮)

録音時期:1978年9月
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
CD4-5
バイエルン国立歌劇場/J.シュトラウス『こうもり』全曲


クライバーのオペラ録音第2弾。バイエルン国立歌劇場の指揮者になって7年目の録音だけに、細部まで息の合ったアンサンブル、繊細で俊敏なリズムの切れ味に、ヨハン・シュトラウスの天才が改めて浮き彫りにされる稀有な演奏です。この録音の11年後のライヴ映像と較べると、クライバーの意思の徹底振りの凄さに驚かされること間違い無しの演奏です。ヴァラディ、ルネ・コロ、ルチア・ポップ、ヴァイクルなど歌手も高水準。

● J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』全曲

ヘルマン・プライ
(バリトン)
ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)
ルネ・コロ(テノール)
ルチア・ポップ(ソプラノ)
ベルント・ヴァイクル(バリトン)
フェリー・グルーバー(テノール)
ベンノ・クシェ(バリトン)
イヴァン・レブロフ(ヴォーカル)
バイエルン国立歌劇場合唱団
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
カルロス・クライバー
(指揮)

録音時期:1975年10月
録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
CD6-7
バイエルン国立歌劇場/ヴェルディ『椿姫』全曲


多くの場合、抒情的に演奏される作品から、おそろしいほどの緊張感と起爆力を引き出して聴衆のド肝を抜いたこの演奏、クライバーとしても若いころだけのものだった動的な感覚の凄みと冴えが、随所で驚きと興奮をもたらして実に刺激的です。
イタリア・オペラなのに、全編「音が立ってる」という感じのスゴイ演奏で、鋭利なフォルテ、強弱の振幅、歌手の感情表現の高揚に合わせ速度を上げていく劇的な手法など、表現意欲の凄まじさには目を見張らされるばかりです。
なお、第2幕冒頭のカバレッタでは、ここでは慣習に従い最後の音を上げています。当時のドミンゴは高域が苦手だったこともあってか、ファルセットのような妙な音になっていますが、これはLP時代から有名なもので、今回もそのままの状態となっています。

● ヴェルディ:歌劇『椿姫』全曲

イレアナ・コトルバス
(ソプラノ)
プラシド・ドミンゴ(テノール)
シェリル・ミルンズ(バリトン)
ステファニア・マラグー(ソプラノ)
ヘレナ・ユングヴィルト(メゾ・ソプラノ)
ワルター・グリーノ(テノール)
ブルーノ・グレッラ(バリトン)
アルフレード・ジャコモッティ(バス)
ジョヴァンニ・フォイアーニ(バス)
バイエルン国立歌劇場合唱団
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
カルロス・クライバー
(指揮)

録音時期:1976年5月、1977年5月、6月
録音場所:ミュンヘン、ビュルガーブロイ=ケラー
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
CD8-10
シュターツカペレ・ドレスデン/ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』全曲


LPは5枚組で最初のCDは4枚、そしてようやく各幕1枚に収まってフェイドアウト&フェイドインから逃れることとなったクライバーの『トリスタン』。この演奏のすごいところはオーケストラも主役級ということでしょうか。炎のように熱く水のようにしなやか、異常な熱狂と浄化された美感という相反する要素がここでは奇跡的に同居しているのです。マーガレット・プライスの清廉なイゾルデ役、終幕の絶唱が凄いコロのトリスタン役と、キャストも高水準です。

● ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』全曲

マーガレット・プライス
(ソプラノ)
ルネ・コロ(テノール)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ブリギッテ・ファスベンダー(メゾ・ソプラノ)
クルト・モル(バス)
アントン・デルモータ(テノール)
エーベルハルト・ビュヒナー(テノール)
ヴェルナー・ゲッツ(テノール)
ヴォルフガング・ヘルミヒ(バリトン)
ライプツィヒ放送合唱団
シュターツカペレ・ドレスデン
カルロス・クライバー
(指揮)

録音時期:1980年8月、10月、1981年2月、4月、1982年2月、4月
録音場所:ドレスデン、ルカ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

CD11-12
シュターツカペレ・ドレスデン/ウェーバー『魔弾の射手』全曲


クライバーのテビュー盤。発売当時の批評でも、「文字通りオペラティックとしか言いようがない劇場的魅力」などと早くもその才能を絶賛されていましたが、実際、レントラーなど、通常の演奏とのあまりの違いっぷり、大胆すぎるほどの快速とアクセントの強烈さにド肝を抜かれた方も多かったことでしょう。
許光俊氏も「もし1枚だけというのなら、私はウェーバー「魔弾の射手」を選ぶ。素直に「ああ、すごい」と溜息をつかせるような演奏だ。序曲を聴いただけで、弱音の暗さ、緊張感、ホルンの牧歌的のどかさ、悲痛な弦の歌、膨れあがるような迫力・・・密度の高さにうならされる。」と絶賛するクライバー初期の傑作です。

● ウェーバー:歌劇『魔弾の射手』全曲

ペーター・シュライアー
(テノール)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
エディト・マティス(ソプラノ)
テオ・アダム(バス・バリトン)
ジークフリート・フォーゲル(バス)
フランツ・クラス(バス)
ギュンター・ライプ(バス)
ライプツィヒ放送合唱団
シュターツカペレ・ドレスデン
カルロス・クライバー
(指揮)

録音時期:1973年1月、2月
録音場所:ドレスデン、ルカ教会
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)

 


クライバーは録音嫌いで「プロデュースされていない録音はどれも良い録音だ」と述べたことがありますが、彼が行った録音はもちろん録音史において特別な存在です。ドイツ・グラモフォンはこの最もカリスマ的な指揮者に関われた幸運なレーベルでした。クライバーによるその特徴である知的な厳格さ、情熱、完璧主義に満ちた数少ない録音はDGカタログの中でも最上級の宝物です。2011年には100人の指揮者がクライバーを「史上最高の指揮者」として選出しました。ヘルベルト・フォン・カラヤンはその録音の少なさから、クライバーは冷蔵庫が空になった時だけ指揮をするとよく冗談を言っていました。

「細部までこだわり抜かれ、構造上の論理に並外れたセンスを備えたブラームスの交響曲第4番はこれまで超えられたことがない」~ガーディアン紙(イギリス)
「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのシューベルトの『未完成』は(クライバーの)天才ぶりを証明するのに十分である…これは基準となる演奏で、これ以上に完璧に聴こえたものはない」~インデペンデント紙(イギリス)
「他のどのプロダクションより優れたもので…愛さずにはいられない」~ディアパゾン誌(フランス、『こうもり』について)
「これ以上の『椿姫』を想像することは難しい。言うまでもなくこれ以上の指揮も想像できない」~インターナショナル・レコード・レビュー誌
「そのキャストも、ウェーバーの素晴らしい雰囲気のオーケストラ・テクスチュアの見事な実現も、このカルロス・クライバーの1973年の演奏に匹敵するものはなかなかない」~デイリー・テレグラフ紙(イギリス、『魔弾の射手』について)