早くも今年の7月13日に没後10年を迎えた名指揮者ロリン・マゼール(Lorin Maazel, 1930年3月6日 - 2014年7月13日)。没後10年を記念して発売されたのはDGのこの『ドイツ・グラモフォン録音全集』39枚組BOXだけ、あとはソニーがウィーンフィルのマーラー全集をリマスターして再発売したぐらいでしょうか。デッカやソニー(CBS・RCA)からコンプリートBOXが出なかったのは残念です。ですが2005-8年にマゼールがDGにニューヨークフィルと録音したライブアルバム(CD2枚が日米のみで発売、アルバム5枚分は米国でオンライン販売のみ)、および2005年のニューイヤーコンサートは収録されていないのでこのDGBOXも正確にはコンプリートとは言えません。
収録されているのはマゼールの初録音である1957年のベルリオーズ/チャイコフスキー/プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」(これのみモノラル)から1965年のファリャ「恋は魔術師/三角帽子」までの18枚と、1979年の「ルイーザ・ミラー」から1985年の「シェエラザード」までの21枚です。前半の18枚はマゼールが2014年に亡くなった翌年にDGが発売した「DG初期録音全集」と同一内容です。
それでもマゼールがウィーンフィルと録音したリヒャルト・シュトラウスやドヴォルザーク、ベルリンフィルと録音したラフマニノフなどが大変優れた演奏だったことを再確認できました。この手のBOXはすぐに売り切れるので手に入るうちに入手することをお勧めします。60年代~70年代にデッカに録音したアルバムも優れた演奏が多いのでデッカBOXもぜひ出してほしいです。
●18枚目までは2015年発売の「DG初期録音全集(1957-65)」と同一です。
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【収録情報】
Disc1-2
● ベルリオーズ:劇的交響曲『ロメオとジュリエット』 Op.17より
1. キャピュレット家の饗宴(第2部)
2. マブ女王または夢の妖精(スケルツォ)(第4部)
3. 愛の場面(第3部)
4. キャピュレット家の墓地におけるロメオ(第4部)
● チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』
● プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第2番 Op.64bより
第1曲:モンタギュー家とキャピュレット家
第4曲:踊り
第7曲:ジュリエットの墓の前のロメオ
第6曲:アンティル諸島から来た娘たちの踊り
● プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第1番 Op.64aより
第7曲:タイボルトの死
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1957年6月、ベルリン(モノラル)
若い頃から大作を得意としていたマゼールは、ベルリオーズの『ロメオとジュリエット』も各地で演奏、ライヴ録音も遺されていますが、抜粋とはいえレコーディング・デビューまで『ロメオとジュリエット』というのはすごい話です。組み合わせのチャイコフスキーとプロコフィエフの『ロメオとジュリエット』も好んで指揮していた作品で、2人の主人公の劇的な恋愛と周囲の闘争を描き上げるという題材をマゼールが濃密に描きあげます。(HMV)
Disc3
ストラヴィンスキー:
● 『火の鳥』組曲(1919年版)
序奏
火の鳥のヴァリアシオン
王女たちのロンド
魔王カスチェイの凶悪な踊り
子守歌
終曲
● 交響詩『ナイチンゲールの歌』
導入部
中国の行進曲
ナイチンゲールの歌
機械仕掛けのナイチンゲールの演奏
ベルリン放送交響楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1957年11月、ベルリン(ステレオ)
27歳のマゼールによる傑作。緩急の幅を広くとり、リズム的な要素も重視した見事な演奏。組み合わせはレパートリーの広かったマゼールならではの『うぐいすの歌(ナイチンゲールの歌)』というのも面白いところです。(HMV)
Disc4
ベートーヴェン:
1. 交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
2. 『献堂式』序曲 Op.124
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1958年6月(1)、5月(2)、ベルリン(ステレオ)
ベートーヴェンを得意としていたベルリン・フィルは、この録音の2ヶ月前にはクリュイタンスと『運命』をセッション録音、半年前にはカラヤンと日本公演でも演奏して映像収録をおこなっていました。マゼールの指揮は迫力も緊迫感も抒情美も兼ね備えた高水準なもの。組み合わせが当時は非常に珍しかった『献堂式』序曲というのも秀逸。バロック風な要素を感じさせる音楽が心地よく演奏されています。(HMV)
Disc5
ブラームス:
● 交響曲第3番ヘ長調 Op.90
● 悲劇的序曲 Op.81
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1959年1月、ベルリン(ステレオ)
ブラームスを得意としたマゼールですが、キャリアの初期からその表現力は図抜けていました。ここでも起伏の激しい演奏で作品の面白さを引き出しています。11分で駆け抜ける『悲劇的序曲』での緊迫した音楽も最高です。(HMV)
Disc6
1. レスピーギ:交響詩『ローマの松』
ボルゲーゼ荘の松
カタコンブ付近の松
ジャニコロの松
アッピア街道の松
2. ムソルグスキー/リムスキー=コルサコフ編:交響詩『禿山の一夜』
3. リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 Op.34
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1958年12月(1,3)、1959年2月(2)、ベルリン(ステレオ)
ベルリン・フィルの重厚な機能美が徹底的に活かされたマゼール若き日の快演。(HMV)
Disc7
シューベルト:
● 交響曲第4番ハ短調 D.417『悲劇的』
● 交響曲第8番ロ短調 D.759『未完成』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1959年11月、ベルリン(ステレオ)
ダイナミックに開始される交響曲第4番『悲劇的』は第1楽章の長大な序奏部をロマンティックに美しく描き、快速な主部とのコントラストも鮮やかな演奏。『未完成』はちょうど1年後のクリュイタンスがベルリン・フィルを指揮した録音と比較すると張り詰めた印象が強く、金管の扱いなど規模感の大きな演奏に仕上がっています。(HMV)
Disc8
モーツァルト:
● 交響曲第1番変ホ長調 K.16
● 交響曲第28番ハ長調 K.200
● 交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』
フランス国立放送管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1960年1月、パリ(ステレオ)
モーツァルトが8歳の時に書いた交響曲第1番と、18歳の時の第28番、そして32歳の時に書かれた第41番『ジュピター』の3曲を収録。第1番終楽章にはのちの第41番終楽章を予見させる旋律があらわれ、また第28番第3楽章は第41番第3楽章と似た素材が使用されるなど共通項を持った作品の組みあわせです。(HMV)
Disc9
ベートーヴェン:
1. 交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
2. 12のコントルダンス WoO14
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1960年3月(1)、4月(2)、ベルリン(ステレオ)
『田園』は1959年の11月から12月と、1960年3月にかけての録音。1960年3月といえば、同じベルリン・フィルを指揮してクリュイタンスが有名なセッション録音をおこなった月でもありますが、若きマゼールの『田園』も歌とノリのバランスが良い演奏です。組みあわせの「12のコントルダンス」は、第7曲に交響曲第3番『英雄』終楽章に使われた旋律があらわれることでも有名な作品。(HMV)
Disc10
● ラヴェル:歌劇『子供と魔法』
子供:フランソワーズ・オジェア(ソプラノ)
火、お姫様、うぐいす:シルヴェーヌ・ジルマ(ソプラノ)
ママ、ティーカップ、とんぼ:ジャニーヌ・コラール(メゾ・ソプラノ)
安楽椅子、白猫、リス、羊飼い:ジャーヌ・ベルビエ(ソプラノ)
こうもり、ふくろう、羊飼いの娘:コレット・エルゾグ(ソプラノ)
肘掛椅子、樹:ハインツ・レーフス(バス)
振り子時計、黒猫:カミーユ・モラーヌ(バリトン)
ティーポット、数字のこびと、カエル:ミシェル・セネシャル(テノール)
フランス国立放送合唱団
フランス国立放送少年合唱団
フランス国立放送管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1960年11月、パリ(ステレオ)
子供と子供が破壊したさまざまなモノたちの織りなす短いドタバタ・オペラ。ラヴェルのオーケストレーションの見事さと、面白いコロラトゥーラも含むモノたちの多彩な歌が聴きものです。名歌手カミーユ・モラーヌまで出演した豪華なキャストです。(HMV)
Disc11
メンデルスゾーン:
1. 交響曲第4番イ長調 Op.90『イタリア』
2. 交響曲第5番ニ短調 Op.107『宗教改革』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1960年4月(1)、1961年1月(2)、ベルリン(ステレオ)
若きマゼールの芸風を象徴するかのような切れ味鋭くよく弾む演奏。特に『イタリア』は作品との相性も良く、初期ロマン派らしい爽やかさがたまりません。21歳の時に書かれた『宗教改革』では、ベルリン・フィルの管楽器の落ち着いた色調が敬虔な雰囲気を醸しだす第1楽章序奏部や終楽章のコラール主題「神はわがやぐら」が聴きものですが、速い部分の切れ味も素晴らしく、若きメンデルスゾーンの天才ぶりを鮮やかに描き出します。(HMV)
Disc12
シューベルト:
● 交響曲第5番変ロ長調 D.485
● 交響曲第6番ハ長調 D.589
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1961年1月、ベルリン(ステレオ)
軽やかで親しみやすい交響曲第5番はロココ風な雰囲気をもつ作品。一方、第6番は第1楽章序奏部などにベートーヴェンの影響が垣間見えるものの、のちの『グレート』に繋がる素材とその展開など重要な特徴も備えています。マゼール指揮ベルリン・フィルは、快活な演奏によって両作品の個性を描き分けています。(HMV)
Disc13
● フランク:交響曲ニ短調
ベルリン放送交響楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1961年1月、ベルリン(ステレオ)
ブルックナーの8番やマーラーの交響曲第1番第1稿とほぼ同じ時期に書かれたフランクの交響曲は、オーケストレーションも大変に充実した傑作。マゼールは旋律一辺倒になることなく各楽器をくっきりと鳴らし、すごい迫力と立体的な音響を実現しています。情報量の多さと先鋭な表情が圧倒的なユニークな演奏です。(HMV)
Disc14
1. ブリテン:青少年のための管弦楽入門 Op.34
2. プロコフィエフ:交響的物語『ピーターと狼』 Op.67
ロリン・マゼール(ナレーター&テキスト作成:1)
アレック・クランズ(ナレーター:2)
フランス国立管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1962年2月、パリ(ステレオ)
Disc15
● チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1960年6月、ベルリン(ステレオ)
この録音の3ヶ月前にはカラヤンがEMIにこの交響曲第4番をセッション録音していました。会場があちらはグリューネヴァルト教会、こちらはイエス・キリスト教会という違いはありますが、同時期のベルリン・フィルで個性の異なる素晴らしい演奏がおこなわれていたことになります。特にマゼールのシャープでたたみかけるような迫力は聴きものです。(HMV)
Disc16
シューベルト:
● 交響曲第2番変ロ長調 D.125
● 交響曲第3番ニ長調 D.200
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1962年3月、ベルリン(ステレオ)
モーツァルトの39番やベートーヴェンの『プロメテウスの創造物』を思わせる部分など驚く部分もある第2番など、若きシューベルトがモーツァルトやベートーヴェン、ハイドンの影響を強く受けながら作曲した作品の組み合わせ。(HMV)
Disc17
● ラヴェル:歌劇『スペインの時』
コンセプシオン:ジャーヌ・ベルビエ(ソプラノ)
トルケマダ(時計屋):ジャン・ジロドー(テノール)
ラミロ(ラバ曳き)ガブリエル・バキエ(バリトン)
ドン・イニーゴ(銀行家):ジョゼ・ヴァン・ダム(バス)
ゴンサルヴェ(学生):ミシェル・セネシャル(テノール)
フランス国立放送管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1965年2月、パリ(ステレオ)
浮気好きなコンセプシオンをめぐる短いドタバタ・オペラ。ラヴェルが人物の性格描写をオーケストラで入念におこなっていることでも知られており、また、にぎやかな時計の音も楽しい聴きものになっています。(HMV)
Disc18
ファリャ:
1. バレエ組曲『恋は魔術師』
序奏と情景
洞窟の中で
悩ましい愛の歌
亡霊
恐怖の踊り
魔法の輪
真夜中
火祭りの踊り
情景
きつね火の歌
パントマイム
愛の戯れの踊り
フィナーレ(暁の鐘)
2. 『三角帽子』第1組曲より
粉屋の女房の踊り(ファンダンゴ)
3. 『三角帽子』第2組曲より
隣人たちの踊り(セギディーリャス)
粉屋の踊り(ファルーカ)
終幕の踊り(ホタ)
グレース・バンブリー(メゾ・ソプラノ:1)
ベルリン放送交響楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1965年6月、ベルリン(ステレオ)
パリで7年間暮らしていたファリャは、第1次世界大戦勃発と共に、中立政策をとっていたスペインに帰国、そこで作曲したのが『恋は魔術師』と『三角帽子』で、ここでは前者の組曲と、後者の抜粋を収録しています。どちらもスペインの民族主義的な素材とフランスの印象主義の影響を受けたカラフルで生き生きとした作曲技法が結びついた音楽で、マゼールはその管弦楽法の魅力をシャープな切り口でフルに引き出しています。なお、『恋は魔術師』で歌っているメゾ・ソプラノのグレース・バンブリーは1961年のバイロイト音楽祭で大喝采を浴びたアメリカ人歌手です。(HMV)
Disc19-20
● ヴェルディ:歌劇『ルイーザ・ミラー』全曲
ルイーザ・ミラー:カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)
ロドルフォ:プラシド・ドミンゴ(テノール)
フェデリカ:エレナ・オブラツォワ(メゾ・ソプラノ)
ミラー:レナート・ブルゾン(バリトン)
ヴァルター伯爵:グウィン・ハウエル(バス)
ヴルム:ウラディミーロ・ガンツァローリ(バス・バリトン)
ラウラ:オードリー・ミッチェル(ソプラノ)
農夫:ルイジ・デ・コラート(バリトン)
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1979年6月、ロンドン(ステレオ)
Disc21
バルトーク:
● 管弦楽のための協奏曲 Sz.116
● 2つの映像 Sz.46(花ざかり/村の踊り)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1979年12月、ベルリン(ステレオ)
Disc22
チャイコフスキー:
● ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
● 憂鬱なセレナード Op.26
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1979年12月、ベルリン(デジタル)
Disc23
● ニューイヤー・コンサート 1980
1. J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』序曲
2. J.シュトラウス2世:新ピチカート・ポルカ Op.449
3. J.シュトラウス2世:常動曲 Op.257
4. J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーン気質』 Op.354
5. J.シュトラウス2世:山賊のギャロップ Op.378
6. J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』よりチャルダーシュ『ふるさとの調べよ』
7. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ『ことづて』 Op.240
8. オッフェンバック:喜歌劇『天国と地獄』序曲
9. J.シュトラウス2世:行進曲『フランツ・ヨーゼフ1世万歳』 Op.126
10. J.シュトラウス2世:ポルカ『蜃気楼』 Op.330
11. ツィーラー:ポルカ『気もはればれと』 Op.386
12. J.シュトラウス2世:ワルツ『美しく青きドナウ』 Op.314
13. J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 Op.228
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1980年1月、ウィーン(デジタル/ライヴ)
Disc24
● ニューイヤー・コンサート 1981
1. J.シュトラウス2世:喜歌劇『ジプシー男爵』より入場行進曲
2. J.シュトラウス2世:ワルツ『南国のばら』 Op.388
3. J.シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス:ピチカート・ポルカ
4. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『憂いもなく』 Op.271
5. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『トランスアクツィオン』 Op.184
6. J.シュトラウス1世:ギャロップ『ため息』 Op.9
7. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『恋と踊りに熱中』 Op.393
8. J.シュトラウス2世:トリッチ・トラッチ・ポルカ Op.214
9. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『女心』 Op.166
10. J.シュトラウス2世:ワルツ『春の声』 Op.410
11. J.シュトラウス2世:エジプト行進曲 Op.335
12. J.シュトラウス2世:加速度円舞曲 Op.234
13. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『浮気心』 Op.319
14. J.シュトラウス2世:爆発ポルカ Op.43(M.シェーンヘル編)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1981年1月、ウィーン(デジタル/ライヴ)
Disc25
● ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 Op.88
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1981年3月、ウィーン(デジタル)
Disc26
● ツェムリンスキー:抒情交響曲 Op.18
ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1981年3月、ベルリン(デジタル)
Disc27
ラフマニノフ:
● 交響曲第3番イ短調 Op.44
● 交響詩『死の島』 Op.29
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1981年11月、ベルリン(デジタル)
Disc28
● ニューイヤー・コンサート 1982
1. J.シュトラウス2世:皇帝円舞曲 Op.437
2. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『エレクトロファー』 Op.297
3. J.シュトラウス2世:ポルカ・フランセーズ『どういたしまして』 Op.372
4. エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ・シュネル『駅伝馬車で』 Op.259
5. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『うわごと』 Op.212
6. ニコライ:歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲
7. J.シュトラウス1世:カチューシャ・ギャロップ Op.97(M.シェーンヘル編)
8. ヨーゼフ・シュトラウス:鍛冶屋のポルカ Op.269(合唱ヴァージョン)
9. J.シュトラウス2世:ワルツ『もろびと手をとり』 Op.443
10. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『観光列車』 Op.281
11. J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 Op.228
ウィーン少年合唱団(3,8)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1982年1月、ウィーン(デジタル/ライヴ)
Disc29
ドヴォルザーク:
● 交響曲第9番ホ短調 Op.95『新世界より』
● 序曲『謝肉祭』 Op.92
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1982年10月、ウィーン(デジタル)
Disc30
● ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 Op.27
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1982年12月、ベルリン
Disc31
● ニューイヤー・コンサート 1983
1. J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンのボンボン』 Op.307
2. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『自転車』 Op.259
3. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『とんぼ』 Op.204
4. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『ハンガリー万歳』 Op.332
5. J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンの森の物語』 Op.325
6. ヨーゼフ・シュトラウス:喜歌劇『ヴェネツィアの一夜』序曲
7. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『百発百中』 Op.326
8. J.シュトラウス2世:ワルツ『レモンの花咲くところ』 Op.364
9. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『遠方から』 Op.270
10. J.シュトラウス2世:喜歌劇『インディゴと40人の盗賊』序曲
カール・スヴォボダ(ツィター:5)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1983年1月、ウィーン(デジタル/ライヴ)
Disc32
● ニューイヤー・コンサート 1980~83
1. J.シュトラウス2世:喜歌劇『くるまば草』序曲
2. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『踊るミューズ』 Op.266
3. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『天体の音楽』 Op.235
4. J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『雷鳴と電光』 Op.324
5. J.シュトラウス2世:ワルツ『朝の新聞』 Op.279
6. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『解放された女』 Op.282
7. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『水彩画』 Op.258
8. ランナー:ワルツ『宮廷舞踏会』 Op.161
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1980~1983年、ウィーン(デジタル/ライヴ)
Disc33
● ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調 Op.70
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1983年2月、ウィーン(デジタル)
Disc34
R.シュトラウス:
1. 交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』 Op.30
2. 交響詩『マクベス』 Op.23
ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン・ソロ:1)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1983年2月、ウィーン(デジタル)
Disc35
ラフマニノフ:
● 交響的舞曲 Op.45
● 歌劇『アレコ』より間奏曲
● ヴォカリーズ Op.34-14
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1983年3月、ベルリン(デジタル)
Disc36
● R.シュトラウス:家庭交響曲 Op.53
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1983年10月、ウィーン(デジタル/ライヴ)
Disc37
ベルリオーズ:
1. 交響曲『イタリアのハロルド』 Op.16
2. 序曲『ローマの謝肉祭』 Op.9
ヴォルフラム・クリスト(ヴィオラ:1)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1984年4月、ベルリン(デジタル)
Disc38
ラフマニノフ:
1. 交響曲第1番ニ短調 Op.13
2. 幻想曲『岩』 Op.7
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1984年4月(1)、6月(2)、ベルリン
Disc39
● リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』 Op.35
レオン・シュピーラー(ヴァイオリン・ソロ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1985年2月、ベルリン(デジタル)
(以下メーカー資料より)
没後10年を前に20世紀の名指揮者によるDG録音の集大成。CD39枚組BOXセット
ロリン・マゼールは間違いなく20世紀の偉大な指揮者の一人です。9歳でレオポルト・ストコフスキーの招きでフィラデルフィア管弦楽団を指揮し、11歳でアルトゥーロ・トスカニーニのNBC交響楽団を指揮しました。1957年に有名なチャイコフスキーのアルバムでドイツ・グラモフォンに録音を開始。最初に音楽監督を務めたのはベルリン・ドイツ・オペラとベルリン放送交響楽団で、その後ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とともに多くの録音を行いました。長い指揮者人生の中でマゼールはパリ国立管弦楽団の音楽監督、ウィーン国立歌劇場の総監督、バイエルン放送交響楽団の首席指揮者、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督など、多くの重要なポストに就きました。1980年から1986年までウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのニューイヤー・コンサートを行いましたが、その後1994年、1996年、1999年、2005年のコンサートも指揮しました。2024年に没後10年を迎えるマゼールのドイツ・グラモフォンへのすべての録音が初めてまとめて発売されます。CD39枚組BOXセット。限定盤。
『グラモフォン』誌に「最高の録音」と書かれたマゼールによるラヴェルの歌劇『子供と魔法』『スペインの時』、そしてベートーヴェンの交響曲第5番とシューベルトの『未完成』交響曲も収録されています。
オリジナル・ジャケット仕様。タリー・ポッターによるエッセイが掲載された80ページのブックレット付き。
「ここにあるのは音楽です(…)私たちには音楽が必要です。なぜならそれが人々の真の言語だから。言葉は実際には何も表現していません。そこにはいろいろと障害があるからです。それらは違う人々にとって違うことを意味してしまいます。しかし音は魂から魂へと飛んで行き、そこに絆を作り、一瞬で理解できるものです。世界中を旅している私たちは皆、そのことを理解しています。コミュニケーションは一瞬で、文化や心の状態を通して正しく伝わります。それは素晴らしいことです。音楽は私たちの言語であり、私たちの真の言語です。人類が実際に持っているたった一つの言語なのです」(ロリン・マゼール)
ユニバーサル・ミュージック/IMS
【マゼールとヨーロッパ】
マゼールはまだ26歳だった1957年、ドイツ・グラモフォンでカラヤンより先にベルリン・フィルとのレコーディングを開始するという異例の扱いを受けた指揮者でした。8歳で指揮者デビューしたマゼールは、10歳のときにはNBC交響楽団の夏期公演でも指揮、続いてニューヨーク・フィルも指揮して大きな注目を集めるほどの天才でした。
その後、1952年にイタリアに留学してバッハなどバロック音楽を勉強、帰国後はボストンのバークシャー音楽センターでさらに指揮を学び、翌1953年にはヨーロッパに戻ってイタリアで指揮者デビューして成功を収めることとなります。
【マゼールとドイツ・グラモフォン】
そのデビュー公演がきっかけとなって、マゼールはヨーロッパ各地のオーケストラに客演を重ねるようになり、次第に知名度を高めてドイツ・グラモフォンと契約を結ぶに至ります。
マゼールのレコーディング・デビューは、1957年2月におこなわれたベルリオーズ、チャイコフスキー、プロコフィエフによる3つの『ロメオとジュリエット』を収めた2枚組アルバムで、ベルリン・フィルとの録音でした。 このデビュー盤は、ドイツ・グラモフォンがステレオ録音を本格導入する前におこなわれたためモノラルとなってしまいましたが、セッション録音なので音質は聴きやすい水準です。
その9か月後にベルリン放送交響楽団と録音したストラヴィンスキーの『火の鳥』組曲と『うぐいすの歌』はステレオ録音で、以降のアルバムはすべてステレオとなり、1965年までの8年間にベルリン・フィルを中心に、ベルリン放送響、フランス国立放送管とおこなわれた勢いのある演奏を楽しむことができます。
【当時のマゼール】
ちなみにこの時期のマゼールは、1960年に史上最年少でバイロイト・デビューを果たし、1963年にはザルツブルク音楽祭にも出演したほか、ベルリン・ドイツ・オペラ日本公演ではベームらと共に来日、『トリスタンとイゾルデ』の日本初演をおこなった後、東京交響楽団、読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団を指揮したりもしていました。
そうした成功を受けて、1964年には、亡くなったフリッチャイの後を継いでベルリン放送交響楽団の首席指揮者となり、翌1965年には、ホルライザーの後任としてベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督にも就任しています。
また、マゼールは英語のほかにドイツ語、フランス語、イタリア語に堪能で、そうした背景もあってか、フランスのオーケストラを頻繁に指揮し、さらにフランス語のオペラの録音までおこなっていたといいますから、その活動範囲の広さは驚異的。
シャープな芸風だった若きマゼールは、当時破竹の勢いだったカラヤンの対抗勢力として大いに注目を集め、ドイツ・グラモフォン、EMIに続いてデッカやフィリップス、コンサート・ホール・レーベルなどへも録音を開始、バロックから近代に至る幅広いレパートリーを取り上げ、若手指揮者としては異例の活躍ぶりを見せていました。(HMV)