日常の稽古の話が少し途切れましたが、先日の続きです。
ある火曜日の第3部になりますが、ここだけいつものようなメニューになりました。
欠席した道場生もいるので、次回復習も兼ねて行なうことになるかもしれませんが、確認にもなるので、それはそれで良いと思われます。
ただ、この日に参加した道場生の場合、この系統の稽古をしたことがあまりありません。稽古時間に間に合わないからですが、たまたま参加できた時には私も意識してアドバイスしています。
ということで、今日お話しする技の場合、その道場生については初めて稽古する人のようなつもりで接しました。
以下、稽古の様子について当日撮った写真をベースにお話ししていきます。
「手解き(てほどき)」の技を稽古することになりますので、設定は相手から手首を掴まれたところからスタートします。
今回の場合、上の写真の様に左手首を相手の右手で掴まれた、という設定です。同じようであれば左右が入れ替わっても同じように行なうことができます。
ただ、そういう状況になると動きを混同してしまう人が出てくるので、まずは同じパターンで繰り返し、武技としての理を学び、その上で応用というステップになります。この日の場合、時間の関係で同じパターンでしかできませんでした。
掴まれた側の動きですが、その様子を示しているのが上の写真です。
身体の向きが最初に比べて90度変わっていますが、タイトルにもあるように、この日の稽古は「基本動作Ⅳ(きほんどうさよん)」に登場する動きをベースにしています。
そこには90度転身して「中段外受け(ちゅうだんそとうけ)」を行ない、すかさず突く、という箇所があります。その箇所を応用するわけですが、それが上の写真です。
冒頭の状態からの変化として説明すると、左足をやや側方に動かし、同時に90度転身をします。
そしてその動きに合わせて上肢を捻るような感じで動かします。
上の写真では身体の陰に隠れて見えませんので、その様子は下の写真をご覧下さい。
相手が手を離さないようにしっかり握っていることが条件になりますが、通常、相手の手首を掴んでくるような場合、簡単に離すようなことはせず、そのまま相手の動きに合わせるように動きます。
もし、これで手を離すようなことになれば、「手解き」を意識した技を用いるまでもないので、別の展開になりますが、それは相手の意識の不備であり、武技として稽古する設定以前の問題になります。
こういう時、私はいつも道場生に話していますが、自分の動きは相手に対してどうしたいかをきちんとイメージする様にと説明していますので、今回も同様にしてもらいました。
その意識で上の写真を見ていただきたいのですが、この時点で手の甲が下を向いているところが見えると思います。
単純な目で見ていればそういうところが見えていないことになり、結果として魂が入っていない動きになってしまいます。それが力技につながる、ということを何度も説いていますので、そういう中から武技に広く通じる原則論的なところを理解してもらえればと願っています。
上の2枚を別アングルから撮った写真をアップします。そのことで、この箇所を立体的に捉えてください。
この時、微妙なところに気付いていただきたいのですが、それは相手の肘関節の様子です。
この段階ではわずかに曲がっています。ここでの「見えない技」としては、自身の上肢の動きを活用して肘関節を伸展させるようにし、そういう身体操作をこの後の技に影響させるのです。
その様子は実演して見てもらいましたが、その動きもまた「見えない技」の類であり、ライブで説明してもなかなか理解してもらえないところがあるので、ここでお話しすることは控えます。予めご了承ください。
今回は「中段外受け」の要領で「手解き」を行ないますので、自身の反対の上肢で相手の手首の外側に触れます。
撮影時のアングルを変えたのでさっきの写真とは互いの立ち位置が左右入れ替わっていますので頭の中で切り替えていただきたいのですが、今お話ししたような状態になっていることがお分かりになると思います。
肘関節が進展している状態でこの状態から「外受け(そとうけ)」の要領で動かされたら、掴んでいる指が外れます。
最初、その時の動きは呼吸法と共に行なうように脇を締め、上肢の絞りもしっかり意識します。そういう身体操作を「形(かた)」で学ぶわけですが、それを活かすシーンの一つになります。
別アングルから撮った写真です。
「外受け」の要領で行なうということはすでにお話ししていますが、その際、掴まれている側の上肢は素早く腰に引くようにします。
その動きも「手解き」の技の質に関係することになり、同時に反撃の際の準備動作にもなります。
腰の使い方に留意しますが、そういうところはこの日の第1部の稽古にも通じるところがあります。
最後の動作になりますが、極め技になる「突き」の様子です。
「手解き」から「突き」までをいかに淀みなくできるかがポイントですが、そのためのベースは武技の全体像を頭の中に刻み込み、それをベースに動くことが大切です。
また、腰の使い方の意識が重要になりますが、第1部での稽古の要諦がここでも意識してもらうことになりました。
そういう意味では、研究稽古らしい展開になりましたが、次回の稽古までしっかり覚えておき、またその通りの動きができることを願っています。
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