昨日の続きです。
ある研究稽古の第2部になります。昨日お話しした通り、そこでは約束組手の稽古になりました。一般稽古でもやっている試合を意識した内容になりましたが、フランスからの体験入門者がいたために、いつもと異なったメニュー構成になりましたが、イベントに絡むことですので、出席者にとっては歓迎ムードでした。
この稽古の様子はいつものように撮った写真と共にご紹介しますが、先日の稽古と重なる部分があります。
それは仕掛け技を「回し蹴り(まわしげり)」、受け技を「膝受け(ひざうけ)」としている点です。
前回はあくまでも仕掛ける側が勝つ設定で行ないましたが、そこには「受け」の不備を衝いたものでした。
武術における戦いとは、ちょっとしたことで攻守が入れ替わる、あるいは一瞬の隙で負ける、といったことがあります。
だからこそ、攻防いずれの場合にも気を抜かないことの大切さを説いているわけですが、前回と今回の稽古に続けて出席している人にはその点が理解できたかもしれません。
何も考えず、言われたことしか行なっていないのであればその限りではありませんが、直真塾の稽古方針を理解している人であれば、気付いてくれているはずと思いたいところです。
そういうことを考えつつ稽古に入りましたが、互いに「正整立ち(せいさんだち)」になり、中段を意識して対峙するところまでは同じです。
仕掛ける側は奥足で「中段回し蹴り(ちゅうだんまわしげり)」で攻撃します。
上の写真はきちんと蹴る、ということを意識してもらうために間合いを確認している様子です。
使用部位は「背足(はいそく)」でも「上足底(じょうそくてい)」でも脛でも構わないことにしています。
どれにするかで間合いが異なるので、厳密にはそういうところまでこだわりたいのですが、だからと言って細かなところが意識できるようなレベルではありませんので、この点は曖昧にしてあります。
身体の柔軟性にも違いがありますので、各自が蹴りやすいタイプの技にしてもらいました。
前述のように間合いと「裏三寸(うらさんずん)」の意識だけは約束組手の際の必要条件として理解してもらっていますので、それを念頭に置いての「蹴り」の様子が上の写真とご理解ください。
それに対して受ける側は、前述した通り「膝受け」で対応します。
この時、受けるタイミングや接触時の状態、意識などの要素で、攻撃側が有利になり、そのまま押し込まれることがあります。
前回のパターンですが、その時は仕掛ける側が勝つことを前提として行ない、そのための要点を示しました。
今回の場合は、受ける側がそれを上回る意識で対応するためのポイントということになります。
私はこれまで攻防においては異なる視点で眺め、それぞれの立場からの経験を前提に技を練ることで質が上がるということを説いていますが、連続して出席・稽古している人にはその点を理解してもらったのではと期待しています。
また、昨日のブログでお話ししたこの日の第1部で行なった「抜塞(ばっさい)」の稽古の際の軸足の意識の大切はここでも活用されます。しっかりした軸足や中心軸の活用は、こういう時にも用いられますが、作ってきた武術体が活かされる時です。
こういうところから改めて「形(かた)」稽古を振り返ることも大切なのです。
もちろん、「受け」そのものの質の重要で、受ける側の接触部位の状態も意識しなければなりません。
下腿部の締めということになりますが、時々見かけるこういう場合の脱力は、ある設定では有効かもしれませんが、武術の意識は間合いに入ったら即、雌雄を決する意識で行ないますので、接触部位の鎧化を図り、衝撃に耐え、素早く反撃に結び付く意識を必要とします。
また、相手の「蹴り」の威力のピーク前に接触することで、当たり負けないようにすることも大切です。
そして次の展開のため、相手の下肢を強引に開くぐらいの意識が必要で、接触してからの身体操作をイメージしなければなりません。
一瞬の間にそういうことまで意識し、実際の行動に出なければならないというわけですが、そこには度胸や反射神経などの「見えない技」の存在があります。
行為としての流れはタイトルからお分かりになると思いますが、それだけで終わるような薄っぺらい理解では、武技とは言えないわけです。
上の写真は受けた後、その足をどうするかということを表し、またその際の次のスタンバイについて示した様子です。
画像からお分かりの通り、相手の下肢を外側に開くようにすることで、相手のバランスを崩します。
そのことは相手としては想定外のことですが、受ける側にしては外側に足を着地されることは想定内です。また、相手よりも自身の中心軸に近い分、バランスもキープしやすい状態です。
極め技は「中段突き(ちゅうだんづき)」になりますが、写真では「正拳(せいけん)」を腰に置き、攻撃の下準備をしています。
これは着地前からこの状態なのですが、撮る際の関係からその様子は分かりません。こういったちょっとしたタイミングが少しでもズレればその分、武技としての質も劣るということから、全ての動きに淀みを作らないようにということを改めて意識してもらいました。
ご覧のように極め技は正確には「中段逆突き(ちゅうだんぎゃくづき)」で行ないました。
写真の関係から、着地してから突くタイミングに見えますが、実際にはほぼ同時を意識してもらいました。そのことにより体重を活用するようにしてもらい、同時に土台を安定させることで腰の活用も行なえるようにします。
要求としてはかなりのレベルになりますので明確には言いませんでしたが、ここでも拍子という「見えない技」について説明し、そういった細かなところの意識の有無が質の違いを生むということを理解してもらおうとしました。話の方向は違いますが、結論としているところは同じになります。そこに気付いて意識し、実践してもらうことを願っています。
ただ、素早く突こうとして脇が開く人がいました。素早く動くということは技を乱すこととは違いますので、この点は個別にアドバイスしました。
明日はもう一つの稽古した技についてお話しします。
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