中山隆嗣の「活殺自在」

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 昨日の続きです。

 

 ある土曜日の第2部の話になりますが、「(かた)」の稽古になります。

 

 最近のパターンには、一つの「形」を全員で行ない、細かくそこに存するポイントを動作で表現することを意識する場合と、複数のグループに分かれ、同時に複数の種類を稽古し、巡回してアドバイスする、という2つのケースがありました。

 

 でも今回は前述の2つのパターンと異にし、これまで試合直前に時々やっていた試合形式に則り、一人ずつ「形」を打ち、それに対して個別にアドバイスする、という形式にしました。

 

 こういう場合、同じ「形」を行なうということもあるため、複数の人数でも種類は限られます

 

 実際に行なわれたのは四方拝(しほうはい)」、「正整(せいさん)」、「抜塞(ばっさい)」、「壮鎮(そうちん)」の4種類でした。

 

 それぞれ別個にお話しし、4回に分けてブログにアップすることも可能ですが、それではこの日の話が長くなりすぎますので、稽古でアドバイスした中からいくつかピックアップしてお話しします。なお、実際の順序は異なりますが、先ほど「形」の種類としてお話しした流れで行ないます。

 

四方拝 初動作 首の向き

 

 ということで最初にお話しするのは「四方拝」を行なった道場生の話になりますが、今回は1人だけでした。

 

 ですから、この道場生に対してアドバイスしたことになりますが、「形」別でグループを作って稽古する時、決まって「四方拝」を選択していました。何か思い入れがあるのかもしれませんが、きちんとしたものを持っているのであれば大いに結構です。

 

 今回の場合、試合を意識した部分も含めますので、コートがあると想像し、そこに入るまでの動き方も合わせて稽古してもらいました。

 

 その道場生の場合、弓道も行なっている関係で、こういうところの作法は結構意識しているようです。そういうところを考えると、「四方拝」という「形」は儀礼形としての性格を有すると知っているため、そういう場での所作についての意識があるのかもしれません。それが最近、この「形」を集中して稽古している理由なのかもしれませんが、他に後輩へのアドバイスを意識してのことかもしれない、ということを指導員から聞きました

 

 いずれにしろ、単に身体を動かしていれば稽古、というところからこれを一つの「行」として意識してのことであれば、空手道は格闘技ではなく哲学の域に昇華します。

 

 そういう視点で見た時、細かな注意点はいくつかあったものの、全体的なまとまりはありました。これまでの稽古が少しずつ身に付いてきているという感じで、良い内容でした。

 

正整

 

 続いて「正整」です。

 

 今回行なわれた中では最も時間が長く、また行なった人数も複数になりますので、アドバイスしたことも多くなります。書けるボリュームのこともありますのでいくつかピックアップしてお話ししたいと思いますが、まずは上にアップした箇所です。

 

 これまで「正整」の話をする時によく登場するイラストであり、「形」の冒頭箇所ということで試合における最初の印象付けとして大切になります。

 

 ご覧のように、「受け」と「突き」が交互に出ていますが、中段外受け(ちゅうだんそとうけ)」の箇所は呼吸法と共に行ない、全身をしっかり締めます。そのことで武術体を練りつつ、「」の「受け」に必要な身体操作のコツを掴むようにします。

 

 それに対して中段逆突き(ちゅうだんぎゃくづき)」ですが、一撃で相手を倒すくらいの意識でパワフルに突きます「受け」と「突き」の動作としてのコントラストがそこでうまく表現できれば試合としても良い印象になりますし、武術的にもそういう使い分けは重要ですので、試合・実戦双方に良い結果となります。

 

 ただ、そういう意識で行なっているためか、変に身体の動きが固くなり、それぞれの動作の時、微妙に身体の安定を欠くところがありました。こういう状態は減点要素になりますので、稽古を通じ身体の安定を図るようにというアドバイスをしました。

 

正整 上段逆突きから下段四股突き

 

 今度も「正整」に登場する個所ですが、ご覧のように正整立ち(せいさんだち)」による「上段逆突き(じょうだんぎゃくづき)」から「下段四股突き(げだんしこづき)」を行なっているところです。ここは二連突き(にれんづき)」として行なうところなので、2つの「突き」の間の拍子に気を付けなければなりません

 

 そこで見かけた問題点ですが、引き手の意識の甘さがありました。

 

 このことは基本で何度もアドバイスしているところでが、ちょっと気が緩むと引きが不十分だったり、「正拳(せいけん)」の握りに甘さが見られます。

 

 「突き」自身をきちんと極めようと思うなら、引きの要素は必要条件であり、引きを武技として意識するなら拳の握り方に対しても同様です。つまり、この様なことは関連し合っているというわけであり、こういう点をしっかり意識して改善していただければと願っています。

 

 

 続いて「抜塞」に登場する個所ですが、上のイラストに示した「誘い構え(さそいがまえ)」の箇所です。

 

 文字通り、相手からの攻撃を誘発し、その上で反撃の意図を隠し持っているイメージで行なう個所です。

 

 そのために両上肢を上に挙げているわけで、ドラマや映画でよく登場する敵意が無いことを示す状態でもあります。

 

 しかし、武術の場合、そういう消極的な意識での状態は無く、一見無抵抗に見える状態でもここからの反撃を隠し持つことが必要です。

 

 ここでは立ち方も意識のポイントの一つになり、ご覧のように自然な歩幅による「平行立ち(へいこうだち)」になります。変に下肢を締めた状態になっていれば相手の警戒を誘うことになりますので、逆効果です。

 

 ところがここで狭い「平行立ち」になっている人がおり、それでは相手からの仕掛けに対して土台の部分で不安、という状態でした。あくまで「誘い」を技の一つと理解した上での立ち方であることが必要なので、ここでは歩幅に留意してもらいました。

 

 上のイラストも「抜塞」からのものですが、横屈立ち(おうくつだち)」で「掬い受け(すくいうけ)」を行なっているところです。

 

 ここで気になったのが上肢の動かし方で、単調になっています。

 

 この箇所は、動き始めのところは鋭く行ない、前腕が上を向くあたりで脇を締めるようにします。

 

 これはこの動作を武技として用いる場合の要諦でもあり、その時により効果的に行なうためにも拳を「縦拳(たてけん)」の状態にし、脇の締めを容易にします。

 

 つまり、この「掬い受け」の箇所は、わずかな時間内に緩急があり、それを武技の質に転化するように行なうことが大切なのです。

 

 試合の場でもその要素は必要で、そういったところが「形」の要素として挙げられる技の緩急の大切なところで、決して大雑把な感覚で言う速い・遅いということでなく、より細かなところで要求されることがあるのです。

逆突き

 最後に「壮鎮」の話ですが、「形」に登場する特徴的な個所の問題というより、ある瞬間の動作が気になりました

 

 ということでイラストに挙げたのは「中段逆突き」ですが、多くの「形」に登場する技です。

 

 「壮鎮」という「形」は牛をイメージして行なうような内容ですから、パワフルに行なおうとすれば、変な力みが入ることがあります

 

 今回、逆突き(ぎゃくづき)」の場面でそれが見られたためアドバイスの対象になりましたが、具体的には脇の締めや肩の落としを意識するあまり、それが身体の中心軸の歪みを誘発していたという状態だったのです。

 

 あくまでも身体の中心軸はそのままキープした状態で行なうことが必要ですので、そこに問題を生じるような身体操作にならないようにしなければなりません。そこさえ注意すれば良い内容だっただけに、残念な結果でした。

 

 「形」の稽古は毎回行うことになりますので、今回のことも含め、少しずつ自身の問題点を洗い出し、改善していくことを期待します。

 

 

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 ある土曜日のことですが、第1部では仕掛ける側の技は決まっているけれど、反撃する側は自由、という形式で行ないました。

 

 8月に行なわれる宗家杯(千唐流の世界大会)を意識したメニューとして行なっており、そこでは試合ルールを念頭に置いて行なうことになります。

 

 一昨日・昨日のブログで第1部として稽古した技の内、あるパターンについてお話ししましたが、いずれも突き」で仕掛けられた場合ということで行ないました。

 

 しかし、空手の場合、仕掛け技は「突き」だけではありません。「蹴り」というケースも少なからずあります

 

 今日はそのケースを念頭に稽古した話になりますが、最近、よく試合で見かけるのはタイトルに挙げてある「回し蹴り(まわしげり)」です。

 

回し蹴り 2

 

 稽古の時の状態は昨日までお話しした通り、互いに左側を前にして「正整立ち(せいさんだち)」で立ち、中段を意識した構えで立っている状態です。

 

 その状態で相手が仕掛けてきた時のイメージということで上のイラストをアップしましたが、相手の攻撃は「右中段回し蹴り(みぎちゅうだんまわしげり)」です。

 

 下段蹴り(げだんげり)」の場合、ターゲットは下肢になりますが、「足払い(あしばらい)」以外は反則になります。防具が着用されていないというのが理由ですが、実際に相手を倒すくらいのクオリティで直接加撃ができるのは限定される、というわけです。

 

 でも、上段蹴り(じょうだんげり)」は可です。

 

 ただ、いきなり上段に対する「蹴り」というのは隙を生じやすく、相手もそういうチャンスは狙ってカウンターで対応することがあります。

 

 だからこそ、間合い的にも最も遠くを蹴ることができる中段を狙うことになりますが、相手の上肢が邪魔になりがちです。

 

 ということで、ここで要求されるのは「蹴り」の正確性になりますが、稽古の様子を見ているとその意識が曖昧で、取り敢えず蹴っている、といった感じになっている人がいました。こういうところが稽古という認識の甘さなのでしょうが、今後の課題です。

 

 こういった意識では、受ける側の稽古のレベルも低下することになりますが、その気付きは立場が入れ替わった時になります。仕掛ける側の技が不十分な場合、そもそも受ける必要がない、あるいはその時の間合いの取り方に問題が生じるなどの弊害が出てきます。

 

 

 さて、今度は受ける側の対応の話です。

 

 上にアップしたイラストは前足を1歩引いて「下段払い(げだんばらい)」を行なっている様子です。

 

 最初の構えからすれば前足を引くタイミングに合わせて奥手で受ける、という感じになりますが、中には足を引くことなくその場で奥手で受け、「蹴り」を流すような感じにしている人がいました。

 

 その場合、仕掛け技にも問題があり、カタチだけの「蹴り」になっており、そもそも間合いを意識したものになっていない、という状態です。「突き」の場合は比較的コントロールがしやすいけれど、「蹴り」だとその意識が希薄、ということだったのかもしれません。

 

 でも、予め攻撃が分かっている約束組手ですから、もし当たったら受ける側が悪い、くらいの意識で行なわなければ真剣みが出てきません。こういうことは稽古の際、再三言っていることなのですが、どうも意識が今一つというケースがあるのも事実です。今後の稽古の中で少しずつでも良いので好転することを願っていますが、上級者の場合はきちんと行なえていますので、これも練度の差と理解し、今後に期待したいところです。

膝蹴り・膝受け

 今回、「回し蹴り」に対する「受け」として、上のイラストのような感じで「膝受け(ひざうけ)」として行なっている人がいました。

 

 これまでの約束組手の中でよく稽古したパターンの一つですので、今回のように受ける側の技は自由、という場合、以前稽古した技が出てきたのでしょう。

 

 ただ、実際使っているところを見ると、単純に膝を挙げているだけというケースも見られ、それでは逆に自身の下肢を痛めの可能性もある、ということを指摘しました。

 

 こういう用法の場合、下肢自体の質や動かし方、接触のタイミングまでも考慮する必要があり、改めてカタチだけにしないことの大切さと具体的なポイントのついて再確認しました。

 

 例えば、足首の状態ですが、上のイラストのように屈曲させます。

 

 というのは、足首を伸ばした場合、下腿部の締めができなくなり、当たった時の衝撃に耐えられない可能性があるからです。この点に関し、屈曲させた場合とそうでない場合の違いを体験してもらい、納得してもらいました

 

 また、受けるタイミングですが、下肢をやや外側に動かすようにしてパワーのピーク前に接触するようにします。

 

 しっかり武技として蹴ってきた時は、当たる時に最も効く様に行ないます。しかし、その前後はパワーが落ちますので、そのタイミングを狙うのです。ここではピーク前を意識しますので、それを念頭に置いた技にするため、外側に開くようにするのです。

 

 この「受け」が功を奏した場合、その時の勢いのまま相手の間合いに押し入り、そのまま「逆突き(ぎゃくづき)」で反撃するということも可能です。実際、そういう感じでやっているケースもありましたが、タイミングが遅れたり、膝を外側に開くことができなかった場合、逆に態勢が崩されるなどで劣勢に立たされる可能性があります。

 

 こういうところからも、カタチだけの技ではなく、武技として成立するための要素の存在を理解する必要があります。それをこのブログでは「見えない技」と呼んでいますが、自分に不足していることは何なのかを理解し、改善を図ることでレベルアップを図れるはずです。こういう点について、今後各自で熟考してもらえたらと願います。

 

回し蹴りに対する受け

 

 今回の稽古の中で、以前行なった上のような技で対応している人もいました。

 

 これは「回し蹴り」の軌道を前提として技で、相手からの技を察知した瞬間、奥足を側方に動かすことで相手の内側に入り込み、下腿部が伸びる直前に膝関節の上部を押さえ、「蹴り」そのものを不能にした瞬間、反撃の「突き」を放つことになります。

 

 そのためには相手の技を察知するだけの感性と咄嗟に動ける反射神経、躊躇なくそういう行動がとれる胆力、一連の流れの際の拍子の意識など、前述した「見えない技」の要素がオンパレードになります。

 

 こういった要点について頭では理解してくれるものの、いざやろうとすると何かが抜け、結果的に不首尾に終わる可能性があります。

 

 稽古の過程でもそのようなシーンを見かけることがありましたが、試合や実戦でそうなれば致命傷です。

 

 こういった稽古を何度も重ね、身体が自然に動くまで数をこなすことが必要と理解し、数をこなしてもらいました

 

 稽古はこの後「(かた)」になりましたが、その話は明日のブログに譲りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 第1部で行なったペアを組んでの攻防の稽古ですが、お話しした通り、仕掛け技についてはあらかじめ決めておくけれど、反撃に関しては自由ということで行ないました。そのため、約束組手でありながら、自由組手の要素も取り入れた内容になりました。

 

 実際の組手の場合、攻守ともに高度な探り合いが必要になりますが、今回は半分が約束の上で行なうため、受ける側はその意識で行なうことができ、精神的には楽です。

 

 また、組手の時には分かりにくい相手の仕掛けるタイミングについても、号令に合わせて行なう分、条件的に対応がしやすくなります

 

 その点は昨日の場合も同様でしたが、仕掛ける側が単発の攻撃でした。

 

 今日お話しする技と同じ「上段突き(じょうだんづき)」でしたが、「右上段逆突き(みぎじょうだんぎゃくづき)」で統一しました。これは試合でよく見かけるパターンだったからですが、他に「刻み突き(きざみづき)」や「追い突き(おいづき)」の場合もあります。

 

 そういうこともあり、今日お話しするパターンの稽古では、そういうところが自由に出せるようにということと、仕掛ける側のレベルアップを意図して、自由に行なう「二連突き(にれんづき)」としてやってもらいました。

 

基本動作Ⅰ・Ⅱ 上段突き

 

 そこで仕掛ける側のお話からしますが、イメージ的には上のイラストのような感じですが、具体的な技としては必ずしも「追い突き」ではありません。「突き」の方法としては、前述のように他に2種類ありますので、それらの組み合わせになります。

 

 その内容については各自に一任となりますが、その選択・組み合わせにより踏み込みの際の間合いや速さに違いが出てきます。

 

 攻撃する側としてそういう点を認識しつつやってもらうことを期待しましたが、立場が変わって反撃する方が意識が高くなりがちです。仕掛ける側に立った場合、どうしても自分が主役という感じにはならないのかもしれませんが、ペアを組んでの稽古の場合、本来は両者が主役であり、仕掛ける側が気を抜いていたら反撃する側の稽古もならない、ということはいつも説いています。

 

 だからと言って実践できるかどうかは各自の意識に任せるしかありませんので、この点は何度も言うしかありません。

 

 そういうペアもありましたが、それなりにやっているケースも見られます。

 

 そういう状況の中で指示したことがありますが、それは昨日お話ししたことと同じでした。

 

 まず最初は相手の攻撃について観察し、隙を見つけるようにする、その上でその瞬間にどういう対処をするかというイメージングするということでした。

 

 やろうと思っても身体が動かない場合もあるでしょうが、相手の様子を見た上で攻防のシーンを想像することは自由ですし、やがてはそれが戦いの中で実践できるように稽古するわけです。言われたことしかしないというのではなく、自分が感じたことを前提に動くということが必要なのが試合であり実戦なのですから、こういった稽古は必要になるわけです。

 

 この場合、相手の踏み込みが深くなる分、最初に稽古していたような感覚では当たってしまいます

 

 稽古の順序として、最初は相手を見ることに特化した分、反撃を行なう場合に下がりそこなって当たるということはありませんでしたが、間合いの取り方に問題があるケースは見られました。

前蹴り

 

 さて、反撃技ですが、相手に2本突かせた場合、間合い次第で「前蹴り(まえげり)」を放った人がいました。

 

 これは相手からの「連突き(れんづき)」に対して少し余計目に下がり、「突き」よりも「蹴り」の間合いになっていた場合に見られました。

 

 タイミング的に相手の二撃目が不発に終わった場合、ということになりますが、自由組手として行なっているわけではありませんので、前述のようにどうしても仕掛ける側の意識がそこからさらに技が続くという気迫が見られません

 

 また、自分の役目は2本目の「突き」で終わりといった意識からは、突いた上肢が伸びたまま、というケースもありました。

 

 こういう場合は、反撃として「前蹴り」をする時、伸びている相手の上肢が邪魔になりますので払う動作は払いますが、「受け」としての意識ではありません

 

 そのため、稽古としてやっている感が否めませんが、相手からの「突き」をきちんと受けようとする場合は、そのつもりで拍子や間合い、具体的な武技をきちんと意識し、それに合致したクオリティで行なわなければなりません。

 

 そういう意識で行なっているかと思える場合、二撃目の「突き」に対して、昨日お話ししたパターンで対応しているペアもありました。

掌底

 具体的には掌底(しょうてい)」を用い、相手からの「突き」を受け流すようにして素早く「逆突き」で反撃する、というものでした。

 

 これは直前で稽古したパターンの中でよく見かけていた技ですから、比較的良い感じになっていました。

 

 ただ、カタチは同じでもうまく行っていないペアもあり、その理由は「見えない技」の不備でした。

 

 数をこなす中には間合いがうまく取れず、「受け」の動作はするものの、そもそも相手の上肢に触れていない、というケースもありました。

 

 約束事ならともかく、実戦ではその刹那のタイミングで攻守が入れ替わりますので、決してカタチだけにならないようアドバイスしました。

 

 そこからさらに意識を高めてやってもらったのが、相手からの連続攻撃の内、チャンスと見たら初撃で対応することで、結果的に昨日お話ししたような感じの内容にしても構わない、ということで行ないました。

 

 実際にどうするかは各自の瞬間的な判断に委ねましたが、すると初撃で、あるいは二撃目でという2パターンが出てきました。

 

 前者の場合でも、仕掛ける側には「連突き」という設定で行なってもらいますので、中途半端な対応では二撃目を許してしまうことになります。

 

 そうなれば、場合によって当たってしまうことも懸念されますが、このパターンでやっていたのは上級者でした。

 

 実際の組手でもあり得そうなことですから、そこはこれまで培った胆力で臆することなく対応し、しっかり初撃の段階で反撃していました。

 

軽い自由組手3

 

 対応例の中では、上の写真のように相手からの「上段突き」に対して身を低くして相手の懐に飛び込み、脇付近を押し上げるような感じで相手の動きを封じ、「逆突き」で反撃する、という人もいました。

 

 写真は以前撮った中から雰囲気的に似ているものを参考としてアップしたので、当日の様子とはちょっとこことなりますし、両者の体格などの条件で様子が違う場合もありましたが、参考としてご覧下さい。

 

 前述したように、こういう技の場合、約束の上での稽古としても、半分は自由組手の要素も入っているため、実際に行なう場合は胆力も必要です。

 

 しかし、約束無しにそれを行なったというのは、これまでの稽古が身に付いてるとか、大きな大会を控えた上での稽古ということで意識が高くなっているからかもしれません

 

 いずれにして良い傾向なので、8月が楽しみになってきました。

 

 また、初撃から対応するというパターンの中には、体捌きを活用するというケースがありました。

 

 このような展開も、試合などではなかなか出しにくいことですが、だからこそ稽古の中で積極的に行ない、身体が自然に動くくらいまで数をこなすことが大切です。

 

 相手からの直線的な攻撃に対して体捌きを用い、側方に動く場合、「打ち」が効果的な場合があるのですが、今回はそのパターンは皆無でした。どうしても「突き」・「蹴り」になっていましたが、「打ち」はあまり使用されないところから相手も慣れていないことが多くなりますので、適切なタイミングと武技としてのクオリティを有しているならば十分効果的な技と言えますので、今後の稽古パターンの中に入れてもらえればと期待しています。

 

 この後、相手が「回し蹴り(まわしげり)」で仕掛けてきた場合、ということで稽古しましたが、その話は明日のブログに譲りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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 ある土曜日の稽古の話です。

 

 8月の宗家杯を念頭に置いたメニューになり、第1部はペアを組んで約束組手、第2部も大会をイメージした「(かた)」の稽古になりました。

 

 今日はタイトルからもお分かりのように第1部の様子になりますが、そこでは3パターンを行ない、それを一つずつご紹介していきます。

 

 一つ目が今日のテーマになりますが、ここでの内容は約束組手といっても対応は各自に任せていますので、半約束組手といった感じです。

 

 出席者全員が大会に出場するわけではありませんが、例え出なくても稽古はその意識で行なうことは今後にとって有益です。

 

 特に、受ける側の対応についてはその場での瞬間的な判断に基づく内容になりますので、これまでの稽古の集大成的な感じにもなります。

 

 今後のメニューではまた初心に戻り、基本を意識した稽古になる時期が来ますが、こういったちょっと進んだ課程を経験することで基本に対する意識も変化してくるはずですし、これまで落としていた意識や武技としての要素を再認識することもあります。

 

 稽古メニューを行き来し、体系全体を見直し、さらに質が異なるステージに上ってもらえることを期待しています。

 

 ということで本題に入っていきたいと思いますが、稽古時の様子は互いに組手の時の雰囲気で対峙したところからスタートします。

 

 正整立ち(せいさんだち)」をベースに、中段を意識した構え、という状態です。この状態はこの後の稽古全てに共通しますし、これまでと同様ですので、詳細は活用します。

 

上段逆突き

 具体的な仕掛け技についてはタイトルに記してありますのでお分かりだと思いますが、上のイラストに挙げた「右上段逆突き(みぎじょうだんぎゃくづき)」でした。

 

 ノンコンタクトルールの場合、「左上段刻み突き(ひだりじょうだんきざみづき)」や「右上段追い突き(みぎじょうだんおいづき)」というケースも散見しますが、強い「突き」という意識の場合、腰の捻りをしっかり意識しやすい「逆突き(ぎゃくづき)」のほうが意識しやすいのかもしれません。

 

 でも、いずれの技でもしっかりした身体操作の上で用いる場合、相手を倒すに十分なパワーを得ることができます

 

 そこには使用時の条件も関与することになりますが、それはこのブログでよくお話しする「見えない技」の範疇でもあります。

 

 その条件に関しては、パワーを出しやすいと思われている「逆突き」の場合でも効果については今一つ、というケースもよくあることで、見た目の技だけでは測れないことがあるということは認識すべきです。

 

 この点については稽古前にしっかり説明し、その上でやってもらいました。

 

 そしてこれもこういった稽古の時の定番になりますが、「裏三寸(うらさんずん)」の意識についてはここでもしっかり認識してもらいました。

 

 その上で仕掛けてもらうわけですが、稽古の流れとしては最初から「受け」から反撃という流れにはしませんでした。

 

 ではどうしたということでしたが、まずは仕掛ける側の様子をきちんと観察することとその大切さを説きました。

 

 そしてその際、自分だったらこのタイミング、あるいはこういうに見えたらこういう対応をする、ということをイメージしてもらました。

 

 自身で想定することから始め、その上で実際に身体を動かし、イメージングしたこととの齟齬を自己分析し、それを武技の質に転化する、ということを意識してもらったのです。

 

 最近も同様の意識で稽古したもらったことがありますが、言われたままを繰り返すだけでは上達しませんいざという時には自分自身ですべてのことに対処しなければなりませんので、そこにつながる意識での稽古も必要になるのです。

 

 もちろん、初学者であるとか、新しい技について稽古する時にはマニュアル的なところからスタートし、それこそ手取り足取り的なところから稽古します。

 

 しかし、その段階から脱却することが必要とされる段階や状況がありますので、その点を意識した稽古も必要になってきます。

 

 基本も含め、そういうことの繰り返しが武術家としてのステージをアップさせると考えていますが、今回の稽古も含め、その一助となればと期待しています。

 

掌底

 相手からの攻撃をしっかり見るというところで数をこなした後、具体的な技で対応する、という過程になりました。

 

 前述のように、今回は私のほうで指示した技で反撃するわけではありません。

 

 そのため、中には「受け」や反撃技を随時違えて行なう組もありましたが、最も多かったのは上にイラストとして挙げた「掌底(しょうてい)」を用いた「受け」でした。

 

 これまでよく稽古したパターンだからでしょうが、それを前手で用いていました

 

 そのことで相手の前腕の尺骨側が接触点になりますが、それはそのまま受け流し、そこから「右中段逆突き(みぎちゅうだんぎゃくづき)」で反撃する、というパターンが最も多くなりました。

 

 そして受ける際、前足を斜め前方に動かしそこで体捌きを兼ね、相手の攻撃からしっかり避ける、という意識を感じました。

 

 これまで稽古し、その時に説明したことが意識されていると思われるシーンでしたが、そうなるともっと高いレベルのポイントについて意識してもらい、より質の高い武技にしてもらえたら、という思いが出てきます。

 

 その大切なこととして拍子の問題でした。

 

 見ていると、流れだけが行なわれているような感じで、運足や「受け」、反撃の「突き」の間にわずかな間(ま)が見られるケースがあり、その度に武技の流れに淀みを感じるような状態になっていたのです。

 

 上級者になり、そういったわずかな隙を衝くような相手が対戦者になった場合、そのタイミングで再攻撃をしたりすることがありますので、相手に対する意識を集中し、止めまで決して気を抜かない、ということを心にしっかり携え、毎回の稽古に臨んでもらうようにしてもらいました。

 

逆突き・引き手・中心軸

 

 

 そこで反撃技となる「中段逆突き(ちゅうだんぎゃくづき)」ですが、上のイラストでその様子を示しました。

 

 実際の攻防になると、その時の両者の位置関係で同じ技で反撃しようとしても状況的に異なることがあります。

 

 その端的なことにはターゲットがありますが、今回もその点に注目していました。

 

 前述のように、反撃前の「「受け」は体捌きを兼ねて前足を斜め前に踏み出しているわけですので、対峙した時と比べるとターゲットの感じは異なります

 

 その様子を注視していましたが、仕掛ける側の体側部を狙っているケースが散見されました。

 

 今回は試合を前提に稽古しているわけですが、実際には効いていても審判が1本と認めない可能性もあります。

 

 実戦の場合は相手を本当に倒せば良いので効くところであればどこでも構いません。前述の体側部の場合、肋骨の下部を狙った場合、浮遊骨の部位があり、ここは折れやすい箇所で、それが内臓を傷付ける可能性もありますので、その懸念が的中すれば危険な場所となります。

 

 そのため、実戦を意識する武術としての立場であれば、その点を意識して行なった場合は大変良いことになります。

 

 でも、たまたまそうなったというのであれば、審判からすれば見えにくい場合がありますので、上肢の軌道を少し外から回すように動かし、ターゲットを正中線上に置き、そこを突くようにアドバイスしました。

 

 注意しなければ肘・脇が開いた技ということで十分な威力が得られないこともありますので、この点は「回し突き(まわしづき)」、あるいは「鉤突き(かぎづき)」の応用という意識でやってもらいました。

 

 その場合は、特に引きを意識し、実際には当てた反動で引き、残心を取ります

 

 今回、防具を付けて行なっているわけではありませんし、自由組手でもありません

 

 そのため、反動を利用してというところは難しかったと思いますが、その意識で数をこなすようにしてもらいました。

 

 他には「蹴り」で返そうとした人もいますが、「突き」よりも間合いの関係で使いにくそうな感じになっているケースもありました。

 

 そういう場合、体捌きを兼ねた運足の時点で反撃技の間合いも考慮した動かし方をするようにということで、具体的なポジションについても説明しました。

 

 こういったアドバイスを逐次加え、トータルしたら結構な数をこなすことで自身の身に付けてもらおうとしました

 

 この後、別のパターンで仕掛けてきた攻撃に対処してもらう稽古を行ないましたが、その件について明日のブログでお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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 一昨日(5月26日)、日本の大女優、藤田三保子さんに拙著「北斗神拳の謎に迫る」(BABジャパン)をお渡ししました

 

 失礼が無いように出版後すぐというのではなく、それなりの数字を重ねた上でお渡ししようと思っていたのですが、藤田さんのスケジュールもありますので、機会を考えていました

 

 ご承知のように藤田さんはNHKの朝の連ドラ「鳩子の海」での主役や有名な刑事ドラマ「Gメン75」での女刑事役の他、数多くのドラマで活躍されています。

 

 もう20年近く前になるかと思いますが、ある勉強会で知り合いになり、それ以降、舞台を拝見するなど交流させていただいていました。

 

 いろいろな理由で最近はお目にかかっていませんでしたが、昨年上梓した近著は一般書的な性質もあり、有名なコミックに関係していることから是非読んでいただければということで久しぶりお目にかかる機会がありました。

 

 

 上の写真がお渡しした時に撮った写真ですが、拙著を手に持っていただきました

 

 この場所ですが、その様子からちょっと雰囲気が普通ではないことがお分かりになると思います。

 

 実は藤田さん、現在は女優の他、画家・シャンソン歌手としても活躍中で、この日は銀座の画廊でご自身の作品が展示されていた日だったのです。

 

 向かって右手のほうに2枚、猫が描いてある絵が藤田さんの作品で、力強いタッチでかわいい猫と俳句が書かれてあります。

 

 俳句の会にも入っていらっしゃり、そういう活動の表現の一つでもあるようです

 

 久しぶりお会いしても女優オーラは変わらず、また精力的に活動されている様子にパワーをいただきました

 

 

 その画廊ですが、銀座7丁目にある長谷川画廊というところです。

 

 上にその写真をアップしましたが、久々に銀座を訪れ、昔と変わらないところ、すっかり変わったところを見て歩き、とても新鮮な感じでした。

 

 学生時代、アルバイトしていたお店のビルもそのまま残っていましたが、お店自体はすでに無くなっており、次に開店したお店も同様でした。

 

 でも、ビル自体は残っていおり、とても懐かしく感じました

 

 

 最後にアップした写真ですが、並んで撮ったものです

 

 こういうシーン、とてもありがたく感じました

 

 ありがとうございました。

 昨日の続きです。

 

 火曜日ですので研究稽古となり、一昨日・昨日と二十四歩(にーせーし)」の分解・解説とそこからの展開の様子をブログで綴りました。

 

 その稽古がこの日の第1部となりますが、第2部として今日お話しする「変手法(へんしゅほう)」になります。

 

 タイトルにもあるように、この技は「膝極め(ひざぎめ)」と言いますが、膝に対するアプローチだけでなく、そこからの続きもあり、そこまで含めての流れになります。

 

 この日の稽古ではそこから他に展開できる技は、という視点で行ないましたが、今日はその様子を当日撮った写真と共にお話ししていきます。

 

 

 まず両者が対峙している様子ですが、昨日までの様子とは少し違います。

 

 写真を撮るアングルの関係で左右入れ替わってもらったことともう一つ、受ける側の構えを自然体になっていることです。

 

 この状態は無構の構え(むこうのかまえ)」とも呼ばれ、意図的に行なう場合、上級者用の状態とも言える構えでもあります。

 

 仕掛ける方はこれまでと同じで、意識も同様に当たる間合いでやってもらいます。

 

 気をしっかり込め、最初の頃はスピード・パワーとも落としますが、少しずつ実戦を意識した状態にしていきます。

 

 だからと行って受ける側が本気で対応していては仕掛ける側を壊しかねませんので、その点はきちんとコントロールします。

 

 

 冒頭の状態から仕掛ける側が定番の「右中段追い突き(みぎちゅうだんおいづき)」で攻撃しますが、受ける側は左方にわずかに足を動かし、瞬間的に右足をかい込み、「鷺足立ち(さぎあしだち)」になります。

 

 この時の足の動かし方で次の動作が決まりますが、運足は体捌きも兼ねるつもりで行ないます。

 

 軸足が極まった瞬間に前述のように反対の足をかい込むわけですが、ここではそのタイミングが重要で、少しでもそれがズレれば武技としての効果は薄れます

 

 こういう時、行為のみを行なえば技になると思いがちですが、その点については1回で覚えるものの、実際に使おうとすればそのための「見えない技」の実践が必要で、この場合は運足や足のかい込みのタイミングなどがきちんとできていることが大切になります。

 

 

 足のかい込みやその時の自他の状態から考えると、当然相手の膝関節を狙った「下段足刀蹴り(げだんそくとうげり)」が頭に浮かびますが、実際、そのようにします。

 

 上の写真は蹴った時の様子ですが、しっかり膝関節を屈曲させ、膝が床に着くくらい踏み抜くことになります。

 

 実際にやったら1回で膝を壊してしまうので稽古では加減し、そのイメージでゆっくり行ないます

 

 でも、その直前まではそれなりのスピードで行なうことが必要で、そういうことを通じて武術の技、という感覚を養ってもらいます

 

 さてその際、膝関節の対する「蹴り」の角度次第で、関節そのものを破壊することもできます

 

 そのコントロールについては、受ける側は左方に足を動かす時の方向によって決まりますが、斜め前であれば接触部位は膝裏に近くなる関係で関節へのダメージは比較的小さくなります

 

 でも、最初の状態から横方向に移動した場合、相手の膝関節の側部が接触部位になりますので、そこに「関節蹴り(かんせつげり)」として行なった場合、単なる関節の屈曲に止まらず、曲がらない方向にベクトルがかかる関係で、ダメージは桁違いになります。

 

 そういう意識の有無が武技の質を決めることになりますが、ちょっとした違いで、場合によってここで勝負が決まります。

 

 ただ、「膝極め」という武技の場合、「関節蹴り」からさらに進め、それを極めとします

 

 

 それが膝を着いた相手に対する二撃目になるわけですが、その時の様子を示したのが上の写真です。

 

 両者の位置関係からは、首に対する「手刀打ち(しゅとううち)」で極める、ということになりますが、武技的にはそれを蹴り足を着地させるタイミングで行ないます

 

 稽古の最初の段階では各動作の間に間があっても構いませんが、実戦でそういう状態になっていてはそこが隙となって効果が期待できません

 

 こういう意識は前述の「見えない技」の範疇であり、他の技の稽古でも度々説明してきました。

 

 拍子を意識するあまり、それぞれの技の質が落ちては意味がありませんが、そうならないように磨いていくのが稽古であり、そこには同じことの繰り返しになります。

 

 

 ということで、「手刀打ち」からの続きを考えることになりますが、「膝極め」の技としてはここで終わりです。

 

 ここから先の部分はもしこの攻撃の効果が不十分であったリ、さらにしっかりダメージを与えようという時のこととお考え下さい。

 

 こういう時に考えなければいけないのが、相手のどこが接触部位かということであり、前述のようにになります。

 

 上手くヒットすればそれだけでKOしたり、一時的に相手の動きが止まります

 

 しかし、実戦の場合、相手も一生懸命ですのでなかなか思ったようにいかない、ということがあります

 

 そういう場合、ここから効果的に続けられる武術的な動きを行なう必要があります。

 

 

 そこで行なったのが接触部位から最短で手を動かせる位置は、ということを考えてもらい、その上で実際にやってもらいました。

 

 この後の展開は今一つでしたが、首にアプローチする意識で、という部分は私が提示しようと考えていたところと一致しました。

 

 それが上の写真の様子ですが、素早く手を動かし、相手の顎に下から押さえるようにしてもらいました。

 

 それがどの位置になるか、どういう手の意識になるかでその後が違ってきますが、まず行なうのが上の写真のような状態にするということです。

 

 

 その後、触れている顎を上に向けるような動かし方をし、相手を後方に倒すようにします。

 

 この時の手や上肢の動かし方が大切で、連携した動作でなければ効果は半減します。

 

 実際、稽古の様子を見ていたら、力技でやろうとしていましたが、顎の動かし方に伴う状態のコントロールの意識のタイミングを合わせることで、簡単に、力みなく倒せることを経験してもらいました。

 

 予めどうされるのかが分かっていれば多少の抵抗は可能ですが、実戦では次の行為を説明しながら戦うわけではありませんので、現実的にはそれに逆らうことは難しくなります

 

 顎に置いた手は頭部のコントロールから頸椎に作用させ、そこから身体の中心軸を崩すようにしていきますが、全身のコントロールということで顎に当てた上肢のフォロースルーを意識することになり、その様子か上の写真にも写っています。

 

 その時の状態で上の写真のようなところまで顎に引っ掛けた手を動かさなくても良い場合があるでしょうが、意識としては上の写真のような感じになるようにします

 

 

 そして今度は本当の止めになりますが、相手は床に倒れているわけですから、ここで「下段突き(げだんづき)」を放ちます。

 

 この状態であれば、突いた衝撃が床で支えられることになりますので、大変大きな威力になります。

 

 そこに丹田の落としが加わればさらに大きな威力を得られますが、そういうところまでイメージして行なうことが武術としての技になるのです。

 

 この日はここまでで終わりましたが、火曜日の稽古は今後もこういった感じで進むことが多くなります。

 

 

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 研究稽古で行なった扇受け(おおぎうけ)」の分解・解釈になりますが、昨日のブログでもその一例をお話ししました。

 

 今日はそれとは異なる技になりますが、「扇受け」で対応するという点は同じです。

 

 ここからは同じ対応でも異なる展開になるということを実感していただくことになりましたが、この課程に入ってお話しする中には昨日までにお話しした1番から3番までをご覧いただければ最初の段階では全く同じでした。

 

 しかし、今日お話しする技の場合、「扇受け」で対応するということは同じですが、接触する側が昨日の場合とは逆になります。

 

 そういう前フリの後、具体的なお話に続けます。

 

 今日のブログの場合、稽古時の設定は昨日と同じなので、両者が対峙しているところについて割愛します。

 

 ということで、仕掛ける側が定番の「右中段追い突き(みぎちゅうだんおいづき)」で仕掛けてきたところからスタートします。

 

 

 それが上の写真ですが、昨日の場合と異なるのは前述のように受ける側の接触部位が左の前腕になっているところです。

 

 「扇受け」という技が左右対称に同じ動作になっているところからできることですが、この様子一つとっても稽古する人のレベルによって違いがありました。

 

 上級者の場合、左右いずれを用いてもフォームが崩れることがありませんが、まだそこに至っていない人もおり、昨日の稽古の場合もそういうことが見られた人に対しては、ここから続く展開よりもこの点のレベルアップを意識してもらうため、ここだけを繰り返し行ないました

 

 その上で昨日の場合との違いの細かなところを説明しましたが、その点については仕掛ける側の技の質が関係します。

 

 それは接触点の相違があるからですが、前述のように仕掛け技は変わりません。

 

 その場合、昨日の技の場合、仕掛ける側については尺骨側になりますが、今日の話の場合、橈骨側になります。

 

 「突き」の状態を改めて考察すると、正中線方向を意識して行なう関係で、少々内側方向のベクトルになります。

 

 だから、尺骨側を受ける場合、その勢いを流すような感じで受けることが可能ですが、橈骨側を受ける場合、前述のベクトルと反対側の方向になりますので、押し開くような圧が必要になります。

 

 もっとも、相手の「突き」が本気でない場合、脇の締めなど重い技に必要な要素が欠けているため、その違いを感じることはありません

 

 稽古の時はえてしてそういう傾向になりがちですから、この点は事前にきちんとアドバイスし、実際に当てるイメージでやってもらいました

 

 ターゲットが中段であり、「受け」の際に「(かた)」同様、きちんと締めを伴っていれば多少当たっても大丈夫なはずでし、それくらいの緊張感を持って行なうのが研究稽古でもあります。

 

 

 受けた状態を別のアングルで撮った写真ですが、昨日の場合同様、受け流すような意識でやってもらうところは同じですので、接触部位は滑るような感じになり、相手の「突き」は受ける側の後方に逸れる感じになります。

 

 今回の技の場合、昨日の技以上に両上肢の状態に関係することになりますので、よりフォームについては留意してもらいました。

 

 

 受けた後の反撃の様子を示す写真ですが、ご覧のように相手の首に対して「拳槌挟み打ち(けんついはさみうち)」を行ないます

 

 ということで、最初は各自の動きを見ていました。

 

 一般に、武技の要領さえ聞けば学んだ、できたと思ってしまう人が多くなりますが、現実に細かなところを見てみれば、それではせっかくのチャンスを無駄にしている、というケースを散見します。

 

 それを軽減するために研究稽古では細かなところをアドバイスするわけですが、今回もカタチだけになり、ターゲットに「拳槌(けんつい)」を置きに行くような動作になってるケースがありました。

 

 そこでアドバスしたのが技の緩急でした。

 

 ただ、こういうことで言葉だけが独り歩きし、分かったつもりになってもらっては困ります。

 

 当然、その様子について見本を示し、そのことも含め、理と合わせて理解してもらうことになりますが、それを自分の動きとして再現するとなると難しくなります。この点、イメージングをしっかりした上で数をこなし、自身の感性も含め磨いていくことが必要ですが、時間がかかることですから今後の稽古に期待します。

 

 

 上の写真は両「拳槌」で攻撃したところの様子ですが、「打ち」ですから、接触時の手首の動かし方が武技のポイントの一つになります。

 

 これは前述の緩急の意識とも関係がありますが、緊張して身体が固くなっていてはその実現はできません

 

 このことも自身の身体操作の質が関与することで、説明を尽くしても変化するものではありませんが、そこからその言葉を自らの中にしっかり落とし込み、身に付けることになります。同じことの繰り返しで、そこでは単調になりがちですが、それでも自分がイメージした通りに動く、という意識で数をこなしてもらうことになります。アドバイスする側としては同じ話になりがちですが、できるだけ言葉を選び、理解して身体が動かせるようになるよう工夫していきたいと思っています。

 

 

 さて、タイトルには「展開」という言葉がありますが、基本として稽古した後、「拳槌挟み打ち」から続く技の一例を稽古しました。

 

 その前にこの点についてどういう展開をイメージするかを尋ねましたが、1人、打突の後、相手の頭部にアプローチしようとする人がいました。

 

 実際にやっていた内容は上の写真のようなことではありませんでしたが、発想としては稽古した技と重なるところがあります。

 

 それは上の写真をご覧になれば分かるように、「打ち」を放った後、そのまま相手の首・頭部の後ろに手を回すということです。せっかく首をターゲットしたわけですから、そのままその後の動きを意識する時、そこから次の技に展開する、という流れが想定されます。

 

 ということで上の写真のような状態にしますが、そこから続く動きが下の写真のようになります。

 

 

 両手を重ねるような感じで首や後頭部に手を置くわけですが、相手の姿勢を前傾させるため、「拳槌挟み打ち」の際に踏み込んだ足を1歩引き、その勢いを活用して相手を前傾させます。

 

 見ていると、足は引いたものの、上肢の動かし方まで気が回らず、相手を前傾させるまでには至らない、というペアがありました。

 

 その場合、上の写真のような上肢の状態になっておらず、肘が伸びた状態になっていました。

 

 当然その点を改善してもらうわけですが、それでも今一つピンと来ないという状況です。

 

 

 そこで手の様子を確認してみると、上の写真のように掌が後頭部から離れ、手の小指側だけ接触しているような状態になっています。

 

 これでは相手が背筋で抵抗した際、それ以上崩せない、という状態になります。

 

 

 そこでアドバイスした内容ですが、上の写真のように掌全体を後頭部に密着するようにしてもらいました

 

 その上で親指側を落とすような感じで操作するように説明しましたが、それを効果的に行なうには自身の姿勢を下げることが必要になり、それにより手の動かし方に余裕を設けるようにします。

 

 実際にはそのことで頸椎を操作し、頭部を前方に曲げるようにするわけです。

 

 そのことで背部に力を入れることができなくなり、前傾させることが容易になるのです。

 

 ここから武技は全身を活用するものであることを再認識してもらったわけですが、足の引きとの連動が大切なので、稽古では同時に複数のポイントを意識し、実践してもらうことになります。

 

 

 その上で最後の極めですが、ご覧のように顔面部に対する「膝蹴り(ひざげり)」になります。

 

 頭部の落としがありますので、下から突き上げるような「膝蹴り」を行なえれば、カウンター的な効果が期待できます。

 

 稽古では実際に当てないように注意しながら行なってもらいましたが、そういうことを気にするあまり、技の拍子という「見えない技」の部分がぎこちなくなり、角ばった雰囲気になっているペアもありました。

 

 その角を上手く削るようにし、全体的に滑らかになるようにしてもらいましたが、見本を見てもらうことで全体的な流れに淀みが生じないようにしてもらいました

 

 稽古はこの後、第2部の「変手法(へんしゅほう)」に移りましたが、その話は明日のブログに譲ります。

 

 

 

 

 

 

 

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 ある火曜日の稽古の話です。

 

 研究稽古として行ない、第1部は「(かた)」の分解・解説です。第2部では「変手法(へんしゅほう)」になります。今日はタイトルからもお分かりのように第1部の稽古の様子で、具体的には「二十四歩(にーせーし)」になります。

 

 この「形」の分解・解説の場合、公式には11の技を稽古しますが、そこからの展開や発展の技を意識するのが研究稽古です。

 

 今回もその意識で行ないましたが、ベースになるのが3番目の技になります。それを当日撮った写真を交えながら説明したいと思います。

 

 

 この種の稽古の際、最初の設定は同じであることが多いので、毎回説明しなくても良いのでは、と思われる方をいらっしゃるかもしれませんが、初めてこのブログに訪れる方のことも考慮し、稽古の際に対峙している様子からお話しします

 

 ご覧の通り、仕掛ける側は組手の時の構えでやってもらいました。

 

 受ける側ですが、ここでは「形」の動きを前提としていますので、スタートの時の状態で行ない、「内八字立ち(うちはちじだち)」で立ち、右手は「正拳(せいけん)」、左手はそれを包むような感じで重ね、帯の結び目辺りに置きます

 

 

 タイトルからお分かりのように、仕掛ける側は定番の「右中段追い突き(みぎちゅうだんおいづき)」で攻撃し、受ける側は「扇受け(おおぎうけ)」で対応します。

 

 この「受け」は、両上肢で同時に「中段外受け(ちゅうだんそとうけ)」を行なっているような感じになりますが、この場合、左右いずれ側で対応しても構いません。実際、分解・解説として稽古する場合、それぞれの用法があります。

 

 上の写真のような対応をするのは、これまで説明した分解・解説の1番・2番の場合も同様でした。3番目になる技もここからスタートすると理解してください。

 

 その場合、相手の「突き」をしっかり受け止めるというより、後方に流すようなイメージで対応しますが、稽古生の中にはしっかり受け止めようとする人がいました。

 

 そんな感じで行なう場合、接触時に受ける側に防御反応が生じ、今回行なうような関節を極めることを意識する技には適しません「形」では呼吸法を伴い、身体を締めながら行なうところですので、つい「」のイメージで行ないがちですが、それをあえて「」の意識で受け流すというところに武の理が存在し、それを体現することが大切ということを理解してもらいました。

 

 

 受けた後の動きですが、ここではご覧のように右上肢で対応します。

 

 つまり、受けた上肢でそのまま相手の手首を捕る、というわけですが、ここでも強く握るわけではありません引っ掛ける程度の感じになりますが、こういった力加減も「見えない技」の範疇です。そして、そういう細かなことの総合力で武技の質が決まってくることになりますが、研究稽古ですからアドバイスはこういった細かなところにも及びました

 

 また、捕る時、接触後は手首を下方に下げるようにします。

 

 

 捕った手首の様子を拡大した写真ですが、小指側が手首の一番細いところになるようにします

 

 この写真をアップしたのは、稽古生の中に手の甲付近を掴んでいるケースがあったからですが、実際に身体を動かすと、頭では理解していても異なった行動を起こすケースがあるのです。

 

 ブログには道場生も訪れていますので、その確認のためにアップしました。

 

 

 手首を捕った後の様子をアップした写真ですが、左足を前方に進め、相手の足の間に置きます

 

 同時に左の「虎口(ここう)」を相手の脇の下にしっかり差し込むようにします。

 

 その上で写真のように相手の上体が後傾するように操作します。

 

 この場合、左上肢で押すことになりますが、その時意識するのは肘の動きです。それに関連して脇の締めを忘れないようにしなければなりませんが、この様な身体操作が武技の質をアップします。逆に言えば、この辺りを意識しない場合、腕力で崩そうとする様子が伺え、今回の稽古でも見られました

 

 そのため、その意識の有無の違いを各自に体験してらいましたが、そういった実証を通じて武の理を理解してもらいました。

 

 

 上の写真は「虎口」で触れた様子を撮ったものですが、どの部位に触れているかがポイントになります。

 

 「虎口」というのは、親指を広げた状態の際、その付け根と菱差し指に連なる側を言いますが、その部位が脇の窪みに触れるようにします。

 

 そのため、掌の部位がご覧のように体幹部に触れることになりますが、中には上腕にかかっているケースが見られました。

 

 その場合、前述したような相手の上体を後傾させるのは難しく、この点についても検証することで理解してもらいました

 

 実は以前も同様のことは説明したつもりですが、細かなポイントの場合曖昧になりやすい分、こういった復習を兼ねた過程で確認し、修正することになります。

 

 きちんとした武技にするには、全体像をイメージしながら行なうことが大切ですが、腕力に頼ろうとする場合、どうしても力みがちですので接触部位から感じるべき相手の情報が不十分になり、その対応にも影響することになります。

 

 ですから、接触時の様子は自他共に影響する大切なポイントと理解し、そこからの情報をどうやって得るかを考えて稽古することが大切になります。

 

 

 今度は相手の上体を崩した後の様子ですが、最初に押し上げた方向と逆に一気に押し下げることになります。その際、微妙な回旋を伴いますが、相手が逆らう身体操作を防ぐためです。見た目は単純そうに見えても、そっいった微妙なベクトルを意識することで、相手の動きを封じるわけです。

 

 この技は「逆手肩押し(さかてかたおし)」と呼ばれ、この状態に持って行く際、立ち方の変化により丹田を落とし、重い技にします。

 

 中にはそのような変化が意識できず、棒立ちに近い状態になっている人もいましたが、同時にいろいろな身体操作を要求されることで意識が散漫になるのでしょう。

 

 その一つが、右手の動かし方で、捕った手首を引き気味にします。その動きとの連動でより効果的に肩部を押すことになりますが、そこが不十分な場合、力技になり、また背筋が強い相手であれば返されることもあります。そのリスクを低減させるためにも、体重を活用した思い技の意識が必要なのです。

 

 

 脇の下の様子を拡大したものですが、前述したように体重をかけることを直接的に意識されるべき箇所です。

 

 実際は捕った相手の上肢の手首の動かし方も関係することになり、併せてその際の間合いにも留意してもらいました。

 

 細かく言えばもっと他にも意識すべきポイントがありますが、各自の癖からアドバスしたところも含めればお話し切れなくなりますので、先に進めます。

 

 

 続いてこの技の別法ですが、前述の技の場合、相手の体格が自分と同じくらいか小さい場合に有効です。

 

 でも、相手のほうが上回る場合、この技の前提である相手の姿勢を後傾させるというところが難しくなります

 

 そういう場合の変化形になりますが、その時は極める箇所を肘関節にします。

 

 上の写真は前述のケースでは「虎口」を相手の脇の下に差し込むタイミングになりますが、この技の場合、「掌底(しょうてい)」を相手の肘関節の裏側に当てるようにします。

 

 そこでは先ほどのように相手の上体を崩すような動かし方をする必要がない分、技を掛ける側の動きも異なります

 

 もちろん、この時も「柔」の意識で行ないますので、相手の間合いに入る時、不要な緊張を招かないように留意します。

 

 

 その上で前述した技同様、左上肢を下方に押し下げることになりますが、その際の回旋の様子は先ほどとは異なり、コンパクトになります。

 

 その分、素早く行なえますし、対象箇所が肘関節と言う逆を取った時そのダメージが気になる脆弱な個所ですので、稽古時には怪我に繋がらないよう注意してもらいました。

 

 肩を押すような感じで行なうことで力がかかり過ぎた場合、関節の状況から考え、ダメージが大きくなることが懸念されるからですが、それだけに武技として用いようとする場合、効果的ということもできます。

 

 稽古と実戦という条件の使い分けを意識してということになりましたが、こういう意識も武術として身に付ける場合の大切な要素と考えています。

 

 最後にもう1枚、写真をアップします。

 

 

 それが上の写真ですが、よく見なければ1枚上との違いが見えません

 

 間違い探しのクイズみたいなことになりますが、実は目線が異なります

 

 1枚上の写真の場合、肘関節のほうを見ていますが、上の写真は手首のほうを見ています

 

 目線は技の操作をする時点の重要な要素になりますが、それは意識の集中に関わります

 

 この点についても検証しましたが、技を掛けられる側の感想として変化したそうです。

 

 どこに意識を集中するか、ということの大切さを改めて実感してもらいました。

 

 稽古はこの後、4番目の技について行ないましたが、その様子は明日のブログでお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 ある土曜日の稽古の話で、今日のブログでこの日のことは終わります。

 

 この日の稽古については先日、2組に分かれて行なったということをお話ししましたが、ブログでは私が担当した組の話のみになります。

 

 新入門者ということで基本と他流との相違から説明したカタチになりましたが、そういうことは最初にきちんと理解してもらうことが必要なのできちんと時間を取り、マンツーマンで行なったわけです。

 

 少し慣れてきたら全員で一緒にやってもらいますが、それまではこの日と同じような感じになりますが、少しずつ道場に馴染んでもらえればと思っています。

 

 先日から話してことは礼法から立ち方、「突き」についてという流れになっていますが、昨日はその場突き(そのばづき)」として「中段突き(ちゅうだんづき)」を中心に「上段突き(じょうだんづき)」、「下段突き(げだんづき)」までのことを記しました。

 

 そこではターゲットを明確にし、空手の「突き」の特徴である「正拳(せいけん)」の回旋についてもきちんと理解してもらうべく説明し、上肢のコントロールや拳の作り方なども解説しました。

 

 初回の割には密度の濃い内容になりましたが、どういう方が入門するのかということでその時の様子次第で進み具合は異なります。この日の場合、タイトルにあるように「移動突き(いどうづき)」まで行ないましたが、その時のベースは「その場突き」の土台になった「内八字立ち(うちはちじだち)」ではなく、「正整立ち(せいさんだち)」になります。

 

 ということで、この稽古に入る際の最初に説明したのは「正整立ち」のポイントでした。

 

正整立ち 2

 

 ということで上のイラストをご覧いただきたいのですが、「正整立ち」の足の様子と、それを土台とした技の一例を表しています。

 

 イラストでは左側が構え、右側が「追い突き(おいづき)」、あるいは「順突き(じゅんづき)」をやっている様子ですが、攻防いずれの場合にも活用される立ち方であることを表しています

 

 この日に意識してもらったのは後者の場合になりますが、稽古のプログラムが進むにつれていろいろな用法を重ねて説明し、数をこなしてもらうことになります。

 

 ということでそのポイントを簡単にお話ししたいと思いますが、前後の歩幅は昨日お話しした「内八字立ち」同様、「一膝一拳(ひとひざいっけん)」、左右は肩幅を基準にします。

 

 前足のつま先はやや内側を向け、後ろ足のつま先の方向はそれに合わせるか、正面方向を向けるようにします。

 

 足の様子をそのようにした上で下肢の意識は「内八字立ち」の場合と同じようにタオルを絞るかのような感じで締めます

 

 そのため、見かけ上、膝関節がやや内側を向くことになりますが、そのことが防御性に関係することになりますので、きちんと意識してもらいます。

 

 ただ、最初からそうしてくださいと言っても、なかなか難しいことになりますので、この日は立ち方の理と、カタチだけの意識に留めました

 

 立った時、どういう重心の掛け方になるかということも大切で、千唐流で行なう「正整立ち」の場合、前後に5対5の割合になります。

 

 しかも、後ろ足の膝はピンと張らず、やや屈曲させます。このことが土台としての堅牢性に功を奏し、また膝の状態から自在性が担保でき、立ち方の条件である3つのことが揃った状態になります。

 

 初代をして究極の立ち方と言わしめたのが「正整立ち」ですが、その性質を分析するとその理由が分かります。

 

 千唐流の場合、「(かた)」や組手で多用される立ち方ですので、基本の段階からしっかり意識してもらうことになります。その意味では初回、そこまで説明できて良かったのですが、1回教えてできるようになるわけではありません。そのため今後、この道場生には随時、気が付いた時にアドバイスすることになりますが、うまく受け止めていただけることを願います。

 

 

運足の軌跡

 

 「正整立ち」は「移動突き」の稽古を前提で説明したわけですが、その場合、この立ち方でどう動くかを理解してもらうことが必要です。

 

 そこで上のイラストをご覧いただきたいのですが、下肢と足の様子を示したものです。

 

 「移動突き」となると上肢と下肢を同時に動かすことになりますので、立ち方のフォームそのものが曖昧な段階では全体が崩れてしまう可能性がありますので、最初は別々に動いてもらうことにしました。

 

 もっとも、このことについても1回で習得できるとは思っていませんので、今後の稽古の過程で自身で一つ一つポイントを習得するつもりでやってもらいたいと思っていますが、そのベースになる部分を理解してもらおうというつもりで行ないました。

 

 今後もいろいろなところで復習的な感じで繰り返し、定着できるようにしていきますが、そのために最初に行なったのが前述のように運足に特化した稽古で、その際は両手を腰のほうに回し、一方の手で他方の手の手首を掴み、少し下方に落とすようにします。

 

 そのことで姿勢が正され、肩が落ち、胸郭を張ることができます。

 

 上体の姿勢を正しくキープした上で運足を行なうことになりますが、その時に留意してもらうのが、足の軌跡です。

 

 イラストに示してありますが、わずかに円を描きます

 

 一旦前足(軸足)に引き付けるようにし、前に踏み出した後は左右が入れ替わっただけで再び「正整立ち」になるようにします

 

 稽古では前進だけでなく後退もしてもらいましたが、その時は後ろ足が軸足になるので、前進の場合と同じく円の軌跡を取りますので、その意識で行なってもらいました。

 

 今回は立ち方のフォームをキープすること、運足時の軌跡について留意してもらいましたが、稽古が進むにつれて他の「見えない技」に関係するようなところにまで意識してもらうことになります。

 

 昨日もお話ししたかもしれませんが、初日であまりたくさんのことをお話ししても頭が一杯になるでしょうし、身体操作の意識が集中できないできないでしょうから、この点は加減したつもりです。

 

 ある程度回数をこなした後、この日の最後のメニューになる「移動突き」に移りました。

 

追い突き

 

 上にその様子を表したイラストをアップしましたが、今回は時間の関係で「中段追い突き(ちゅうだんおいづき)」だけしか稽古できませんでした。

 

 「移動突き」の場合、基本として行なう時には「中段逆突き(ちゅうだんぎゃくつき)」や「下段四股突き(げだんしこづき)」なども行なうことが多くなりますが、これまでに説明・稽古したところでの時間がかかったため、ということでした。

 

 ということでその時にアドバイスしたことですが、まずは「正整立ち」がキープできているかということを意識してもらいました。

 

 そのため、本来は「突き」と運足はほぼ同時になるのですが、今回はまず下肢を安定させた上で突く、というリズムでやってもらいました。

 

 号令は1回ですが、自分の心の中で「1,2」という風にカウントし、2挙動で行なってもらったのです。

 

 これまでお話ししたように、少し細かなお話も交えましたので、上肢・下肢を同時に動かすとなると少々ぎこちなくなり、各動作を一つずつ見ると、先ほどまでの様子とは変わりました

 

 この場合、良いほうではなく、マイナス方向の変化ですが、それは仕方ないことです。

 

 これまでやったことのない動きになりますので、各動作について変に意識するのでしょう。

 

 他のスポーツや武道などの経験者であっても、初めて学ぶ場合は同じような感じになる可能性があり、それは私の場合も例外ではありません。

 

 やってみなければ分かりませんが、その動作に関係する身体の使い方が芯から分からなければ何とかカタチにはなっていても、その動きをきちんと習得している方から見れば甘い部分がたくさんあると思います。

 

 だからこそ、客観的な視点からその問題点をきちんとアドバイスし、改善の方向に持って行くことが大切と考えます。

 

 今回、新入門者の方にとっては、細かな点については初めてのことが多かったと思いますが、少しずつ慣れていただければと期待しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 新入門者の方の稽古の様子ですが、一昨日・昨日で礼法や立ち方を説明した様子を綴りました。

 

 今日はそこから1歩進み、タイトルにあるような突き」の稽古の様子をお話しします。

 

 正拳(せいけん)」の握り方の時、ここで空手らしいことを教わったと感じたかもしれませんが、今日お話しする「突き」のところではさらにその感じが強くなるのではと思います。

 

 そこでは昨日お話ししたことをベースに進めることになりますが、複数のポイントを同時に実践しなければならないところに難度が上がります

 

 一つできても他のことを忘れる、といったことが出てくる可能性があるからですが、よく見ているとそういったところが見えたのが事実です。

 

 こういったことは、ある程度経験がある人でも、よく見ると注意が抜けているというケースを見かけますので、こういうことは基本からきちんと確認しながら数をこなす、ということをやってもらいます。

 

 今回の場合、様子が分からなかったので、数をこなすというよりポイントの確認に時間を使いましたが、一つずつ新しい意識を加えつつ、その段階で数をこなす、ということにしました。結果的に一つのことでそれなりの数をこなすことになりましたが、最初のスタートはこんなものです。

 

 という前フリの後、具体的な稽古の様子についてお話ししていきます。

 

内八字立ち

 

 昨日のブログでも書きましたが、基本の「その場稽古(そのばげいこ)」の場合、上のイラストで示した「内八字立ち(うちはちじだち)」で行なうことが多くなります。

 

 立ち方の説明の中でもお話ししましたが、そこでは外から見える簡単なことでした。

 

 しかし、武技の土台として意識した上で行なう場合、そこにさらなるポイントを上乗せすることが必要になります。

 

 まず外形的に見えることの確認ですが、昨日の段階では「閉足立ち(へいそくだち)」からスタートし、「内八字立ち」まで変化させるカタチで歩幅を認識してもらい、その時、つま先が内側を向いている、ということまでを意識してもらいました。

 

 しかし、ここでは別の視点から歩幅を認識し、「一膝一拳(ひとひざいっけん)」という概念を説明しました。上のイラストで言うと、左側の様子でそれを示しています。

 

 右側の様子は、全体のフォームを示していますが、下肢には矢印が示されています。

 

 これは下肢の締めを意識する時の様子ですが、まず下肢を内側に絞るようにします。その際、膝は自然に内側を向きます

 

 その後、下肢を内側に絞った状態にしたまま、今度は逆に外側に開くようにします。

 

 逆方向へ動かそうとすることを同時に行なうわけですが、このことはタオルを絞るような感じ、ということで説明しました。

 

 こういう身体操作については慣れていなければできないことですので、ここでできるようになってください、ということは言いません。稽古を重ねる内にいつの間にかできるようになれば良い、と説明し、その意識で下肢を締めた時、ハラの様子がどうなるかについて、帯の結び目の変化を見てもらいました。

 

 わずかに上に上がるわけですが、それは膝を伸ばして行なうようなことでありません下肢の絞りが骨盤やハラの動きに関係することでそうなるわけでが、ここで骨盤のことや腹式呼吸についても説明しました。

 

呼吸時の横隔膜・骨盤底筋

 

 上のイラストは呼吸時の腹部の筋肉の動きを示していますが、骨盤の内側の下部には「骨盤底筋(こつばんていきん)」」があり、ご覧のように呼吸時に作用します。呼吸に必要ということで一般的にも認識されている横隔膜だけでなく、この「骨盤底筋」も関係するということをここで認識してもらい、それは骨盤の動きと連動し、それが下肢の締めとも関係するという点を説明しました。

 

 多少身体の仕組みについての知識があれば理解しやすかったかもしれませんが、初めて聞くことのようでしたので難しく感じたかもしれません

 

 でも、理を前提に武術を理解し、習得してもらいたいと考えていますので、こういった身体の仕組みは随時お話ししています。

 

 千唐流の特徴に生理解剖医学に立脚せる、ということが挙げられますので、行為に関する知識を前提に稽古することは必要と考えています。

 

 ここで再び「突き」の話に戻りますが、その時の用意の姿勢は冒頭に挙げたイラストの通りで、そこでは両拳を腰のところに置きます

 

 これが漠然としたものであってはなりませんのできちんとその位置を示しましたが、第5中手骨が腸骨の縁に触れるところ、という説明になりました。

 

 そして肘を開かないようにし、そこから「突き」としての稽古がスタートしました。

裏突き

 

 しかし、最初に行なったのは一般的に見られる技ではなく、上のイラストに表された「裏突き(うらづき)」でした。

 

 これはご覧の通り、腰に構えた「正拳」をそのまままっすぐ前方に押し出すような感じで行なう技です。

 

 「突き」はまっすぐ正面に拳を押し出すような感じになる技ですが、肘を開いてしまう傾向があります。

 

 しかし、そのような上肢の使い方では武技としての威力が減じますので、いかに脇・肘を開かずに突けるかがポイントになります。

 

 だから「突き」を学ぶ時、最初はその意識で行ないやすい「裏突き」を行ない、肘で拳を押し出す、という身体感覚を養います

 

 そしてこの数稽古を行なった後に、本来の「突き」を行ないました。

 

中段突き

 

 そして行なったのが上のイラストに示した基本の「中段突き(ちゅうだんづき)」ですが、そこには四角錘の様子を点線で示してあります

 

 このイメージングが重要で、「突き」が当たった時の反作用に対して支えられる前提になるカタチです。

 

 三角形というのは構造上強固な状態になりますが、それを上肢本体と「突き」の軌跡で担保します。それをご覧のように横から見ても上から見ても三角形になっているようにすることで「突き」としての強度を瞬間的にアップします。

 

 押し出す上肢と引く上肢のタイミングを合わせることで身体の中心軸の活用を図りますが、あまりたくさんお話ししてもお腹一杯になるのではということで加減しましたが、稽古の継続の過程でそのようなところについてもアドバイスしていくことになります。

 

肘関節

 

 「突き」の説明をする際、上のイラストに示した肘関節の話もしました。

 

 これは「突き」が当たった時の拳の回旋に関わるからですが、極めの瞬間に相手の身体に捻じり込むような感じで動かすことに関係します。

 

 先ほど「裏突き」からスタートしてとお話ししましたが、肘関節で言えば屈曲に関する「上腕骨(じょうわんこつ)」と「尺骨(しゃっこつ)」で作る「腕尺関節(わんしゃくかんせつ)」働きになりますが、この関節は回旋の機能はありません

 

 ですから、早く拳を回旋させようとするとどうしても肘が開いてしまいます

 

 それは「突き」の質を落としますので、ある時点で前腕の回旋に関係する「上腕骨」と「橈骨(とうこつ)」で構成される「腕橈関節(わんとうかんせつ)」に肘関節の動作の主導権を渡さなければなりません

 

 この感覚を習得するため最初に「裏突き」を行ない、然る後に前腕を回旋させるという流れになっていくわけですが、そういった武の理、稽古の理を説明しながら数をこなしました

 

 そして「突き」としての稽古は「中段突き」だけでなく「上段突き(じょうだんづき)」、「下段突き(げだんづき)」まで行ないました。

 

 ここまでは「その場稽古」として行ないましたが、この後、運足と「移動突き(いどうづき)」の稽古に入りました。

 

 その話は明日のブログに譲りたいと思いますので、今日はここまでになります。

 

 

 

 

 

 

 

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