呼吸法のことや立ち方を意識してもらった「二十四歩」の稽古。自ら問題点を感じた道場生もいました | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 昨日の続きです。

 

 今日は第3部の「(かた)」の稽古の様子です。

 

 先日のブログでお話ししたように、この日の稽古の冒頭が昇級審査も兼ねたような内容になりましたので、全体的に時間が押されるような感じになり、それは第3部の稽古にも影響しました。

 

 予定していたよりも短めになった、というわけですが、そのためブログでお話しできる内容も限られることになります。

 

 また、今回はレベルの問題から自主稽古にした道場生や、まだしっかり覚えていない人への指導を別の人にお願いしたり、私はタイトルにある「二十四歩(にーせーし)」の稽古に釘付けになるなど、それぞれのテーマに分かれて行ないました。

 

 他のグループにアドバイスして回る余裕がなかったため、第3部の話は前述の「二十四歩」のことに限定してお話しします。また、内容的に短めになりますが、予めご了解ください。

 

形の初動作

 

 上のイラストは「形」の初動作になりますが、「結び立ち(むすびだち)」の状態から体側にあった両上肢を開きつつ「外八字立ち(そとはちじだち)」になり、大きく円を描きながら頭上に持って行き、そこで右手で「正拳(せいけん)」を作り、それは左手で包むようにします。

 

 そこから正中線に沿うような感じで丹田付近まで下しますが、その動きに合わせて立ち方を「内八字立ち(うちはちじだち)」に変化させます。

 

 この時、上足底と下足底を上手くコントロールして正確な立ち方になるようにしますが、窓ガラスに自分の姿を映しながらやってもらうと、客観的な視点から自分の立ち方が広いのではないかという疑問を持った道場生がいました。

 

 他の道場生の中には逆に狭い人がいましたが、要は足の裏の意識がきちんとできておらず、立ち方を変化させる時のコントロールが悪かったわけです。

 

 「外八字立ち」から「内八字立ち」への変化となるわけですから、最初は上足底に中心にかかと側を外側に開き、つま先とかかとのラインがほぼ正面に向いた時に今度は逆に下足底を中心につま先を内側に動かします。足裏の中心を動かさないように留意しながらということがポイントですが、この点は自身の足裏の感覚に尋ねながら行なってもらうことになります。

 

 そういう皮膚感覚を養うのも稽古の一環ですから、こういうところを軽視しない意識が上達への道であることを理解していただければと願っています。

 

 こういったことは初心者の頃から言っていることですが、最初の頃はなかなか理解してもらえません

 

 しかし、自分の動きを見て、比較する中で相違点を見つけることができたなら、変だということを気付くケースがあります。

 

 この日がまさにそういう時で、たった1人でしたが、この点に気付いてもらえました。それが自分の口から質問となって出てきたので、大変良い傾向と感じたわけです。

 

 この箇所は全ての「形」に共通する動作になりますので、ここでしっかり意識することで、他の場合にも良い影響になるはずです。こういう気付きをする人が増えることは全体なレベルアップにつながりますので、今回のことを今後もしっかり実践してもらえればと願っています。

 

二十四歩 扇受け

 

 「二十四歩」というと、必ずと言って良いほど登場するイラストですが、それだけ重要な個所になります。

 

 那覇手系の「形」にはよく登場するわけですが、「扇受け(おおぎうけ)」と呼ばれる技です。

 

 ご覧の様に中段外受け(ちゅうだんそとうけ)」を両上肢で同時に行なっているような動きで、ここは呼吸法と共に行ないます

 

 鼻から短く息を吸い、喉の奥を開いてゆっくり吐き出すようにしますが、呼吸法を伴う箇所ですから、動きとして「」となり、「」の箇所とのコントラストが「形」としての特徴になります。

 

 その呼吸法ですが、流派によってはこの点を強調し、強めに行ない、呼吸音をしっかり出すようにするところがありますが、千唐流ではそういう呼吸法では行ないません。もっと静かなのです。

 

 しかし、呼吸そのものはしっかり行なうわけです。

 

 前述の大きな呼吸音を出そうとする流派の場合、息を吐く時に喉を締めるようにしますが、千唐流は逆に開きます。ですから、息を吐くパワーは変わらないものの、喉に対する負荷は異なることになります。そのことにより、呼吸器を傷めずに呼吸力をアップすることができ、健康体を作ることができます。

 

 健康体という意識は武術体作りにも大きく関係することであり、それを千唐流では「基本型(きほんかた)の「締めの型(しめのかた)、「二十四歩」、「三戦(さんちん)」と進む中で無理せずに鍛錬できるよう構成されています。

 

 そういうところを理解してもらった上で具体的な呼吸の方法や姿勢などについて説明し、その前提で数をこなしてもらいました

 

 中には「扇受け」のフォームに問題があった人もいましたが、これまでも再三注意したことの一つですが、まだしっかり身に付いていなかった、というわけです。だからこそ、同じことであっても何度もアドバイスすることが必要なわけで、今回もその実例を見ることになりました。

 

二十四歩 運足

 

 上のイラストは「内八字立ち」での「扇受け」のところから1歩前進し、「三戦立ち(さんちんだち)」になっている箇所です。

 

 上半身の状態は変化させず、下肢だけを動かしますが、ここでは2つのポイントをアドバイスしました。

 

 一つは運足のコースです。

 

 イラストにあるように、一旦軸足側に引き付け、その後に前方に動かします

 

 このコースがつい直線的になりがちですが、曲線を描くことが必要です。だけど姿勢が乱れたりしないようにしなければならず、確かな土台でなければ難しい動きになります。

 

 意識が低い場合、前に1歩足を進めば良いくらいの認識になってしまいますが、それでは武技としての立ち方にはならず、この点はしっかり認識してもらいました。

 

 もう一つは「三戦立ち」のフォームです。

 

 これは「内八字立ち」の状態から1足分、左右いずれかの足が前方に位置している立ち方であり、この状態で両脚の締めをしっかり行ないます

 

 前述した立ち方に疑問を持った道場生の場合、「内八字立ち」はともかく、「三戦立ち」になると左右に少し広くなり、ちょっと応用すると基本のフォームの感覚が曖昧ということが露呈しました。

 

 自分の気付きに対して忠実に再現し、きちんとした「形」を習得して欲しいと願ったところです。

 

 同じところを繰り返し行なった関係で、先に進めませんでしたが、密度の濃い内容になりました。

 

 次回、もう少し時間を取り、内容を充実させたいと考えています。

 

 

 

 

 

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