昨日の続きです。
タイトルからもお分かりの様に、昨日お話ししたところから続きになりますが、稽古では最初の接触で勝負を極めることを念頭に行なうわけですが、実際の戦いでは思い通りに行かないのが常です。
しかし、こういった技を稽古する時、単発の技で満足するのか、そこから続かないというケースを散見します。
そういう場合、せっかくのチャンスをフイにしてしまうこともありますので、勝機と思った時には連続して攻撃をすることが必要です。
相手からの反撃が自分の身体に触れていても、効いていなければ実戦で意味がありません。試合であっても、審判が１本、もしくは技ありを宣していなければ戦いが終わったわけではありません。
つまり、勝敗が決するまでは続けることが大切というわけですが、今回の約束組手ではこのことを理解してもらいたく、昨日お話ししたところからの続きを稽古したわけです。
一つの技で満足するのではなく、勝負という意識に基づいての行動というのは戦いの際には必須になりますので、そういうところを稽古を通じて意識してもらえればと期待しています。もちろん、空手道の理想が一撃必殺であることは認識していますが、同時に現実を前提とした場合のこととしての話です。
という前フリの後、具体的なお話をしたいと思います。
基本的な内容は昨日お話したところからの変化ですから、まずを互いに対峙したところから、「左上段刻み突き（ひだりじょうだんきざみづき）」で仕掛けるところから始まります。
上の写真のような感じになりますが、しっかり届く感じで行なうことが大切です。
こういうところがなければ、武技としての稽古の意味をなさないからですが、初学者の場合は対応が今一の場合がありますので、間合いについては考慮した上で行なうことになります。
幸い、今回の出席者の場合、全てのペアで間合いについては最初に話した通りの感じで行なっていました。
そして、この仕掛け技に対しては上の写真では斜め前に進んで躱していますが、ここでは説明の関係でこの段階の画像をアップしています。相手からの攻撃に対して当たらないようにする、ということを示していると理解してください。
冒頭の写真をアングルを変えて撮った写真です。
今度の写真は、躱した側が「中段逆突き（ちゅうだんぎゃくづき）」を行なっている様子ですが、ここまでは昨日お話ししたことと同じであり、写真では躱して突く、という２挙動に見えますが、同時に行なうということは既にお話ししてあります。
ここまでは、昨日お話しした内容と同じになります。
見切りと度胸が必要なところまでは同じですが、数をこなす内に反撃のための「正拳（せいけん）」が触れた時、微妙に滑るようなケースがありました。
上の写真では、昨日の場合同様、ここから拳を捻るつもりで行なっている様子ですが、実際に行なっている中ではコントロールの問題で効果的に不十分な状態になっているケースがあり得るのです。
アングルを変えて撮った写真です。
前述の様に、カウンターとして放った「突き」が滑った場合、相手への影響は思ったほどは無いわけなので、さらなる攻撃がある場合があります。もちろん、試合の場合も同様で、それが１本に値しない場合、そこで審判が「止め」から勝利を宣することは無く、そのまま続行になります。
それは気付かない場合、再攻撃に関して無防備になり、その行為を招くことになります。
今日のお話の核はこの部分であり、カウンターの技が不十分だったために、２本の「突き」が放たれた様子を上の写真は物語っています。
こういうケースはフルコンタクトルールでは見ることがありますが、技として効いていない場合、そのまま攻撃が続くことがあるのです。
今回はそういうシーンを想定してのことですが、防具付やフルコンタクトルールの場合、相手からの攻撃の質感は身体でも分かりますので、不十分と感じた場合、続く技を意識しなければならないことがある、ということを示したいことからの稽古になりました。
写真のモデルになった道場生は、元気盛りの高校生であり、稽古では思った以上にしっかり当てていましたが、撮影の際はきちんと撮られるように加減していました。
少年部から１０年以上在籍している２人ですので、当てる空手の意義を理解しているところがあり、将来を期待しています。
昨日稽古したことにもう１本、技を追加しただけのことですが、実際に行なうとさらなる集中力が必要であることが理解されたようで、今後の稽古にプラスに作用することを願っています。
明日はこの状態からさらに攻防が加わった稽古の様子についてお話しします。
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