細かな部分が抜けていた「形」。技の内容の認識不足が関係しているかもしれず、解釈の大切さを再認識 | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 昨日の続きです。

 

 とは言っても、今日は第4部の「(かた)」になります。この日の最後のメニューになり、時間の関係もあり、アドバイスは思ったほどはできませんでした。

 

 具体的には「正整(せいさん)」を行ないましたが、回数としてはそれなりにこなしていますので、さらなるステージアップための話やアドバイスができるのではと期待していましたが、タイトルに挙げた通り、細かな点が曖昧になっているようで、その注意で終始しました。

 

 今日はその点について3つだけお話ししますが、稽古時間もあまり取れませんでしたので、ブログも短めになると思われます。この点、予めご了解ください。

 

正整

 

 上のイラストは「正整」の最初のほうの動作ですが、このブログではよく登場しています。

 

 ということは、稽古でもしっかりやっているところということでもありますが、前述した3つの問題点の一つがここにありました。

 

 この箇所は中段外受け(ちゅうだんそとうけ)」の箇所は呼吸法と共に身体を締めて行ないますので、動作としてはゆっくりになります。イラストの右端の場合、カタチとしては「中段外受け」ですが、その状態からあえて「絞り受け(しぼりうけ)」と呼ばれることもありますが、基本は「外受け(そとうけ)」と同じですので、意識するポイントは同じです。

 

 そして雰囲気を異にするのは「突き」のところで、ここは本気で相手を倒すイメージでスピーディーでパワフルに行ないます。

 

 「形」として行なう時はそのコントラストを意識した上で行ないますが、この点は度々説明しています。こういうところは一朝一夕で変化するところではありませんが、見ているとその感じに近づこうとする雰囲気は感じました

 

 ところが、その気持ちが強すぎたのか、コントロールの点で乱れがあり、上肢がやや下を向いていた人がいました。変な力みが入ったのかもしれませんが、「中段突き(ちゅうだんづき)」と「下段突き(げだんづき)」の間くらいを突いている人がいたのです。

 

 きちんと技をコントロールすることも「形」の稽古としては大切ですので、この点はしっかり正してもらいました。ただ、今まではそういうところは見たことがなかったのですが、しっかりやろうという気持ちが強かったのかもしれません本気の技というのは単に力を入れるだけでなく、正確に行なうことも含みますので、この点も再確認となりました。

正整 背刀受け2

 

 上のイラストは「背刀受け(はいとううけ)」のシーンですが、全体的な感じで言えば、「中段外受け」の「正拳(せいけん)」の部分を「背刀(はいとう)」に変化させたような感じになります。

 

 その状態が解釈にも関係してくることになりますが、接触位置が高くなっている人がいたのです。その様子は上段外受け(じょうだんそとうけ)」を行なっているようにも見えますが、ここで行なう「背刀受け」は相手が「中段突き」で仕掛けてきた場合を想定していますので、その前提で行なうことが大切です。

 

 もっとも、上段突き(じょうだんづき)」で仕掛けられた場合でも「上段背刀受け(じょうだんはいとううけ)」として活用することもできますが、脇の締めの感覚を養う場合、まず「中段受け(ちゅうだんうけ)」でその感覚を掴むことが大切で、もし上段を意識する場合は、解釈の応用・展開という意識で行なうことになります。

 

 「形」稽古の目的の一つに武術体を練ることがありますので、そこに示された動作を前提にしっかり技のクオリティーをアップさせることを意識してもらいますので、規定されているフォームなどについては守ってもらいます

 

 問題の動きになっている人の場合、この後に続く動きに魂が入っていない感じになっており、それでは想定している解釈の動きをしようとすれば、いわゆる力技になるのではという感じでした。脇の締めを意識しているように見えなかったからですが、相手の手首を捕って引き落とすということで難しそうな感じだったのです。

 

 実際に分解・解説の稽古をやっていませんので正確には分かりませんが、力んだ感じになるであろうという姿が目に浮かんだわけです。

 

 前述した「突き」や「受け」の位置は土台しっかりした上でのことになりますが、もう一つの問題点は動作そのものに関係することだったのです。

正整 転身して受け

 

 最後は転身に関係する動作になりますが、「形」に登場する動作の中で、上のイラストの様に180度方向を変えて「中段外受け」を行なう箇所があります。

 

 その際、イラストの足元に示してあるように、後退して受けます

 

 ところが、その場で転身するだけで受けている人がいたのです。

 

 ここでは後退することで間合いを取って対応しているという解釈で行なうところですが、そのイメージができていなければそのような動きはできません

 

 こういうところを見るにつけ、一般部としての稽古でも分解・解説の充実が必要なのではと思えますが、試合シーズン後にメニューに加えたいと思います。これまでもそういう感じでやってきましたが、毎年少年部から昇格してくる道場生がいますので、そういう意味では新鮮な感じがします。

 

 今年の試合シーズンオフでの稽古が楽しみです。

 

 この日の稽古の様子はこれで終わりになりますが、今回はメニュー豊富な内容になりました。

 

 

 

 

 

 

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