土台となる下肢の状態を実感した上でその感触を逆手に取り、自身の身体の移動に活用し、側方から蹴る | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 昨日の続きです。

 

 ある土曜日の第2部の話になりますが、今日でその話は終わりになります。次からは第3部の組手のことになりますが、その話は明日のブログでお話しします。

 

 タイトルだけを見たらどういうことなのか分からない、という方がいらっしゃるかもしれませんが、このブログの読者の方であれば3日前の内容であることがお分かりになるはずです。

 

 単独稽古の内容をペアを組んで行なうわけですが、相手を感じことができるがゆえに理解できることがあります。今日お話しすることは、まさにそういう内容になります。

 

 

 今日は対峙してるところからではなく、いきなり技を仕掛けているところからのお話になります。

 

 写真としては撮っていますが、同じような感じでスタートするとマンネリになると思い、「足払い(あしばらい)」をしているところから話を始めます。

 

 もちろん、稽古では昨日までお話ししたように正整立ち(せいさんだち)」で立ち、中段を意識した構えで対峙しているところから始まります

 

 その状態から奥足で「足払い」を行なうわけですが、相手がしっかり立っている状態の場合、なかなかバランスを崩すことは難しいというのが現実です。

 

 もっとも、そういう状態でも影響を与えられるような方法もありますが、ここでは行ないません

 

 というのは、タイトルに記してあるように、ここでは「足払い」を別の目的に活用するからで、むしろしっかり立っていてもらった方が好都合です。

 

 ただ、実際に当てるわけですから、回数をこなす内に衝撃が蓄積していき、痛がるケースもありましたので回数を制限したり、インターバルを挟んだり、当てるパワーをコントロールしてもらいました。

 

 

 仕掛ける側の使用部位は土踏まずで、相手側の接触部位は外くるぶしの少し上です。

 

 この瞬間、受ける側はしっかり踏ん張り、足を掬われないようにしますが、当然その反作用が仕掛ける側にかかります

 

 それを前提に「足払い」を行なうわけですが、今回はその反作用を逆利用します。

 

 

 つまり、「足払い」の際に感じた反作用を活用し、自身の足を相手の側方に置くわけです。

 

 上の写真の様にするわけですが、初めからそのことを想定して行なうと自然にでき、意識的に相手の側方に動くことなく同様の効果を得られます

 

 しかも、相手は「足払い」の衝撃が残っていることになりますので、その瞬間に自身の身体の移動ができることになります。

 

 自分で動く場合とわずかな差にしかなりませんが、武術の戦いではそのちょっとした差が大きな差になります。もっとも、そういう感覚がなく行なっていれば何もないことと同じですが、レベルが上がってくるとこういうところが勝敗の分岐点になることが少なくありません。

 

 身体の中心軸の意識をきちんとした上で、全身が平行移動したかのような感じで動きます

 

 戦いに集中している場合、視野が狭くなりがちですが、そういう時の横への移動は効果的です。だからこそ、ここではその勢い付けの意味も含め、「足払い」による反作用を活用するわけです。

 

 

 今回の極め技は「回し蹴り(まわしげり)」になりますので、そのための膝のかい込みが必要で、その様子を表したのが上の写真です。

 

 この状態は運足後、直ちに行なうことが大切で、モタモタしていてはせっかく位置関係を変更した意味が無くなります

 

 相手の意識が整う前に次の準備をするわけですが、そういうところを淀みなく行なうのも「見えない技」の一つになります。

 

 

 「回し蹴り」を極めたところですが、間合いにより使用部位が異なります

 

 上の写真の場合、を用いていますが、他に上足底や「背足(はいそく)」の場合もあります

 

 「足払い」後の足の置き位置で間合いが異なることになりますので、いろいろな条件で稽古しておくことが大切です。

 

  第2部の稽古の話はこれで終わります。明日は第3部の組手の様子をお話しします。

 

 

 

 

 

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