意念の存在が武技の質の源 | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 今日のお話は、いつものような稽古の様子を綴ったものではありません。武術そのものについてお話しする内容であり、本の中の一節、といった内容になります。


 タイトルに「意念」という言葉がありますが、辞書的には「思い、考え、意識」(大辞林・三省堂)といった内容になります。このブログでもよく登場する「意識」と同義語というわけですが、今日は「念」という感じが入っている分、いつもよりは強いパワーを持つ「意識」という意味合いで使用していこうと思います。


 これを武技にどのようにかぶせていくか、ということですが、空手道を前提に考えれば「突き」・「蹴り」・「打ち」・「当て」・「受け」の他、関節技や投げ技などまで入ってくるでしょう。


 それぞれに個別のポイントが存在しているわけですが、各人それぞれについて見てみれば、実際には武技としての「意念」がどこまで存在し、用いているかが不明です。


 というのは、見た目には同じように見えても、その質の違いは当たってから実感することになるからです。例えば、軽い技のように見えても、当たってからその衝撃に驚いたり、強そうな攻撃が意外と効かなかったりすることがあります。


 その差が何なのか、ということを考えた時、その動作に対してどこまで気持ちが入っていた、ということが関係していた、ということに気付きます。


 つまり、具体的な技を行なう際、その使用目的や意識がどれだけ伴っているか、ということですが、そういうことを積み重ねていくと、やがては無意識の動きの中にも同様の質を有した状態で行なえるようになります


 その無意識ということは、「意念」を伴った動きのさらに上位に位置する存在へと昇華させるポイントになりますが、今日はそこまでの話はしません。


 まずきちんとした「意念」を有した身体の動かし方を念頭に、武技との絡みを少しお話しします。


中心軸のイメージ  このブログの読者の方なら既にお気づきでしょうが、その為の大切な概念の一つが左のイラストに示した「中心軸」であり「丹田」です。


 イラストは全身を貫く1本のラインとして示されていますが、あらゆる武技はこの「中心軸」をベースに展開されており、そういう意識が念頭にあるか否かで質が変わってきます。


 この「中心軸」というのは、家で言うなら大黒柱であり、それが弱ければすぐに倒れます。武技の場合、大きな力を相手に加えることになりますが、反作用がありますので相手からもそのパワーが返され、時には自分の技よりも大きなパワーが返ってくることもあります。


 最近、体幹という言葉をよく耳にしますが、武術にはさらに絞り込まれたイメージの「中心軸」という概念と言葉がありますので、私としてはこの言葉をきちんとイメージングして、その意識で武技を練っています。


 そして、「中心軸」上の下腹部に「丹田」が存在するわけですが、この存在を意識した動きをしない場合、体重を活かした技は出ません


 その場合、文字通り軽い技になってしまい、それをカバーしようとして筋力をつけるという行為に行きがちです。


 もちろん、武技に必要な筋力というのはきちんと存在するわけで、私自身、筋力強化を否定するわけではありません。


 しかし同時に、筋力至上主義でもありません。両者はきちんと補完しあい、武技の質の向上に努めなければならないと考えています。


中心軸
























 では、この「中心軸」というのは体幹部だけのことでしょうか?


 実はそうではなく、上の画像にも示してあるように、具体的な武技の際の上肢・下肢にもきちんと「中心軸」の意識は必要なのです。


 その意識・「意念」が武技の質をアップするわけですが、もしこういう技に「中心軸」の意識がなければ、本来自分が発現できるはずのパワーがダウンし、中途半端な技になってしまう可能性が大です。


 逆に、この意識・「意念」をしっかり持っていれば、最も効率よくパワーを伝えることができ、結果的に武技の質が高くなります。


 ただ、その為には技や「中心軸」などのイメージングを明確に持ち、それに沿うカタチでの「意念」を持ち、実際にそれを現実化することが大切です。


 その為の効果的な稽古法としては、常に自分の動きをチェックすることが必要です。


 きちんとコントロールされた技ならば、そこに安定感があり、見ていても美しいものになります。武術特有の審美眼が必要になりますが、指導者の動きをよく観察し、それを真似る意識で行ないます。


 その確認として自分の動作を確認するわけですが、具体的には鏡を活用したり、現代であればビデオやスマホなどで動画を撮り、それで確認する、という方法もあるでしょう。


 自分の頭の中に、技の理想形が入ってれば、自分の動作を客観的に見ることによりどこに問題点があり、それをどうすれば解消できるか、ということができるはずです。


 そういう自身のコントロールの際にも意識・「意念」は不可欠であり、単に身体を動かしていれば強くなる、というわけではないのです。大切なのは、正しい身体意識・身体操作で数をこなし、有意識から無意識の領域へと昇華することが大切なのです。






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