中山隆嗣の「活殺自在」

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 昨日の続きです。

 

 お話しした通り、今日は体験入門者のこの日最後のメニュー、「その場突き(そのばづき)」の様子を綴ります。

 

 この日、やっと空手らしい稽古になったわけですが、これまでお話ししたように、道場で行なうことは全て武術につながっており、パッと見には関係なさそうでも、その奥ではしっかりつながっているのです。

 

 それを実感するには時間を要するかもしれませんが、そこはじっくり育んでいきたいと思っています。

 

 さて、昨日のブログでは「突き」の際に使用する「正拳(せいけん)」のことをお話ししました。

 

 正しい拳が握れるだけでも戦闘力は何割かアップしますが、それはきんと活用したら、という条件が付きます。

 

 そして武道・武術の稽古ではそのために基礎を磨き、ある程度進んでもまたそこに戻ってくる、ということを繰り返しながら少しずつ上達していきます

 

 このブログでは、今日お話しする「その場突き」については何度となく繰り返して説明してきました。

 

 しかし、また同じようなことをお話しします。

 

 ただ、そのシーンが微妙に異なるため、細かく見ればこれまでと異なる内容があります。

 

 このブログは2012年から毎日書いていますが、これまでのことを確認すると、基本的なことをテーマにした時のアクセス数が思った以上に多いことに気付きます。もしかすると、ブログの読者の方も基礎の大切さを同様に感じていらっしゃるのかもしれません。

 

 今日はそういう意識に基づき、この日にアドバイスしたことを綴っていきたいと思います。

 

内八字立ち

 

 基本稽古の際、まず意識しなければならないのは土台である立ち方です。何事もそうですが、土台の安定が無ければすべて砂上の楼閣であり、いくら上辺はカタチになっていても質が伴いません

 

 だからこの日も「その場突き」の稽古に前にまず、上のイラストに示した内八字立ち(うちはちじだち)」の説明と実践を行ないました。

 

 昨日お話ししたように、当該稽古生の場合、「正拳」のカタチそのものは良い意味で予想が外れましたが、立ち方についてはよくある様子でした。

 

 まず、見た目で分かるのか立ち幅です。「内八字立ち」の場合、イラストの左側のように「一膝一拳(ひとひざいっけん)」を基本とします。

 

 これは自分で確認してもらい、そこから立ち上がって立ち方としてのフォームを整えますが、足裏の操作が曖昧なために上手くできません

 

 今回は客観的に見たところから、当該稽古生の体格を考慮して私の方で立ち幅を示しましたが、稽古を重ねる段階でそのスタンスを身体で覚えてもらうことが必要です。

 

 しかし、武技の土台としてのポイントは立ち幅だけでなく、つま先の向きも要素の一つで、わずかに内側に向けます。上から見た時、それが漢字の「八」の字に見え、つま先の向きが内側になっているところからの名称になっていますが、そういうところも含め、説明しました。

 

 立ち幅やその形状についての作り方について、「閉足立ち(へいそくだち)」→「結び立ち(むすびだち)」→「平行立ち(へいこうだち)」→「外八字立ち(そとはちじだち)」→「内八字立ち」という順序で作ることもできるという話をし、その上で実際に動いてもらいました

 

 そこでは上足底(じょうそくてい)」と「下足底(かそくてい)」を上手く使い分けることが必要ですが、こういう意識を通じ、手同様、足の方の感覚もアップして欲しいと願っています。

 

 こういうカタチを作った上で大切なのが下肢の締めです。これが稽古の際の土台として大切な意識になりますが、その要領について説明しました。

 

 具体的にはまず正しい歩幅を作ってもらった上で内側に向かって絞るように動かし、その状態をキープしたまま今度は外側に絞るように動かします。下肢の筋肉に対してタオルを絞るかのようにするわけですが、言葉で書く、あるいは説明を聞くとできそうで、場合によってはその通りにやっているつもりの人が多いのですが、こういった一見矛盾する様な身体操作というのは手も難度が高く、それによる身体の動き(例えば帯の結び目の移動など)を表面的に真似るケースも出てきます。

 

 今回の稽古でも見られましたのでアドバイスしましたが、初回からきちんと修正されるとは思っていませんので、今回はポイントをまずは頭の中で留めておき、そのことと自身の身体の方と照らし合わせることの必要性を説明しました。

 

中段突き

 

 立ち方を理解してもらった上で「その場突き」の稽古になりましたが、基本は「中段突き(ちゅうだんづき)」ですので、そこに集中して行ないました。

 

 その際、上のイラストにあるように四角錘をイメージしてもらいました。

 

 両「正拳」を腸骨の上端に置くようにしてもらい、そこと肩を結ぶ線で正方形を作り、それをベースに四角錘をイメージするわけです。

 

 その頂点を「水月(すいげつ)」として、それに向かって「突き」を放つことになります。

 

 イラストからお分かりのように、そのことで「突き」の様子が三角形の一辺となり、四角錘を意識するならとても強固な構造体になります。

 

 そういう幾何学的な構造をイメージした上で「突き」を行なうわけですが、その際、つい素早く突こうとします

 

 しかし、そうすることで全身の身体操作が上手く連動できず、弱い武技になります。

 

 こういう場合、まずはゆっくり行ない、動きを身に付け、そこから少しずつスピードを付けるようにします。

 

 その前に「突き」そのものの身体操作についてお話ししましたが、その際に昨日のブログでお話しした「正拳」と前腕の状態のポイントの説明になりました。

 

 「突き」のポイントの一つに、何時「正拳」を回旋させるのかということがありますが、これは接触してからとなります昔の空手の本では回旋させながら突く、ということを記してあるものもありましたが、実際は接触時に急速に回旋させることで浸透力も含め、威力が増します

 

 もっとも、接触してからという身体操作については、そこから回旋させながらさらに突き抜けるようにするというところで感覚的に上手くできず、表面で滑るケースもあります。これは当人の身体操作を意識した稽古でカバーできますが、ある程度の経験者でも、そういう風にやっているように勘違いして行なっているケースも散見されますので、今後の稽古を注視したいと思います。

 

 そして、「突き」の直進性ですが、これは前腕の尺骨側を意識した身体操作になり、回旋に関しては橈骨を意識することになります。

 

 昨日お話しした橈骨の延長上に接触点である人差し指と中指の拳頭を持ってくるということはここに関係し、肘関節の構造から言えることです。

 

 こういう話は大切ですので、今後の稽古の中でカタチを変えて何度も説明することになりますが、その時まで少しでも良いので、今回の話を記憶に留めておいていだたけることを願っています。

 

 まだ説明したことがありますが、この時点で2800字を超えましたので、今日はここまでにさせていただきます。

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 まだ正式に入門したわけではありませんが、体験の場合でもいきなり他の道場生と一緒に身体を動かすわけではなく、まず礼法からという直真塾の方針に従って行ないました

 

 昨日のブログでは立礼(りつれい)」・「座礼(ざれい)」を武術としての側面から説明し、実際にやってもらったわけですが、今日のお話はその後に行なったことで、ここでやっと空手らしいことをやってもらいました

 

 タイトルにもある正拳(せいけん)」を握るというところですが、一見簡単そうに見えることでも、武術として意識する場合、細かなポイントがたくさんあります。

 

 そういうところを踏まえた上で「突き」の稽古に入るわけですが、今日お話しするのは「正拳」のことになります。「突き」の稽古の様子は明日のブログになります。

 

 空手を稽古しようとする人の場合、漠然とではあっても「正拳」についての意識はあります

 

 稽古ではその人の末端部のコントロールの意識を見るために、特別な説明をする前に拳を握ってもらうことが多いのですが、今回もそうしました。

 

 よく見かける状態としては、およそ拳とは言えないような状態を見ることが多いのですが、今回の体験入門者は割ときれいに握っていました

 

 これは良い意味で予想を外れていましたが、おそらく指の関節の柔らかさなどが関係しているのかもしれません。これまできちんと握れない人の中には関節の固さや、突き指をした経験があるなどの理由で、きちんと握れない人がいましたが、今回は質的にはともかく、カタチの上では良い感じでしたので、ちょっと期待しました。

 

 しかし、カタチはそれなりでも魂が入っていなければ武術での武器にはなりません

 

 そこできちんとした「正拳」のためのポイントを説明し、この時点ではハリボテのところに中身を詰めていくことにしました。

 

正拳の握り

 

 武術における武器としての「正拳」の場合、拳の芯がきちんと作れているかどうかが重要です。

 

 そのためには握り方が重要になりますが、指をしっかり屈曲させ、拳の核を意識します。

 

 上のイラストの場合、手の4指を同時に曲げて握り込むようにしていますが、それは当人の身体操作のやりやすさで人差し指からでも小指からでも構いません

 

 その実例を見てもらいましたが、これは自身で選択してもらいました。幸い、前述の通り、きちんと指を曲げることができる人でしたので、後は芯を作るという意識の実践です。

 

 最初のうちは、このことを強調しすぎると常時力を入れっぱなしになり、動きが制約されます。

 

 ですから、芯を作るという身体感覚ができるまではそのことを意識し、ある程度できるようになったら緩急を実践してもらう、ということを説明しました。

 

 動かす時はスピードに支障が出ないように脱力してもらいますが、当たる瞬間に締め、固い拳を作り、その直後はまた脱力するということですが、これは組手を行なう時のポイントになります。それまでは基本や・「(かた)」、そして約束組手になりますが、そういう過程で緩急という「見えない技」を習得してもらうわけですが、そのプロセスについても説明しました。

 

 もっとも、こういうことは初回で理解できるわけはありませんので、稽古の過程で何度も繰り返すことになります。

 

 ただ、繰り返しになりますが、この体験入門者の場合、「正拳」のカタチについては割ときれいにできていましたので、これからの稽古に期待が持てます。

 

正拳3

 

 上のイラストは「正拳」を側面から見たものですが、冒頭のいらとと合わせて見れば、その様子が立体的にお分かりいただけると思います。

 

 当該稽古生の場合、拳の形状が比較的きれいとお話ししましたが、それは4指だけのことではなく、親指もそうでした

 

 初学者によく見られる傾向として、親指の握り込みが甘く、指先が屈曲されておらず、伸びている状態を散見します。しかし、今回はそれが見られず、しかも「正拳」を作って横から見たところ、手の甲と指の角度が直角になっていたのです。つまり、イラストのような状態だったというわけです。

 

 ただ、残念だったところが一つあり、それは初学者にありがちな上肢を伸ばした時、中指・薬指・小指の拳頭が接触点になるような状態だったのです。

 

 これは手首の角度の意識の問題に通じますが、この点はしっかり手を添えて修正しました。そうすることでアドバイスした時には直るのですが、実際に「突き」として稽古する時にはどうなるかという懸念は残りました。その結果は明日のブログでお話しすることになると思いますが、全くの初心者ですから、カタチだけでも「正拳」が握れるだけでも大変なプラス要因です。もし入門するとなると、今後に期待したいと思います。

 

前腕の骨格

 

 この時点で身体の仕組みとの関係で説明しましたが、上の画像は前腕の骨格の様子です。

 

 前述した「正拳」の使用時の接触部位は人差し指と中指を曲げた時の拳頭になります。

 

 そのことで接触時の反作用を上肢、肩、体幹で受け支えることができるようになりますが、それは肘関節の特徴にも関係します。そのことは「突き」の話をする時にも説明しますが、こういう身体の仕組みの基礎知識が武技の説明のベースになります。

 

 詳しくは明日のブログをご覧下さい。

 

 今日は少なめになるかと思っていたのですが、2100文字を超えましたので、ここで終わらせていただきます。

 

 

 

 

 

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 ある土曜日の話です。

 

 タイトルにあるように、この日は3グループに分かれての稽古になりました。

 

 理由は体験入門者の存在です。

 

 先日、フランスからの1日体験入門者の話をしましたが、今回の場合は大学生の道場生の友達です。空手や武道の経験は無いそうですが、野球やサッカーをやっていたそうです。

 

 身体の使い方が異なるので、すぐに役立つところはないでしょうが、真面目そうな感じでした。

 

 直真塾の場合、新規入門者の場合、空手の経験者であっても最初の頃は同じような内容で教えますが、それは他流との違いを理解してもらうためです。

 

 最初は礼法になりますが、経験者の場合、行為としては理解していても、その背景については知らないというケースが多いという経験をしています。

 

 しかし、文化としての認識を有する直真塾の場合、それでは困るという考えから、礼法の所作の意味や社会的な背景などについても説明し、その上で具体的な動作の中にも武術として知恵が含まれている、というところまで説明します。

 

 多くの場合、そういう話について興味を持ちますが、文化として意識するなら必須と考えています。

 

 この段階では私が担当することが多くなりますが、他の道場生の場合、都大会を念頭に稽古するグループと、釵の用法について行なうグループに分かれました。

 

 それぞれに指導者が付きますが、今回のような場合はグループごとに巡回指導することはありません。ですから、この日の稽古についての話は体験入門で行なったことに特化します。

 

立礼

 

 説明の最初は「立礼(りつれい)」でした。

 

 いわゆる「気を付け」の姿勢で礼をするわけですが、説明は立ち方から入ります

 

 「立礼」時には「結び立ち(むすびだち)」で行ないますが、両足のかかとを付け、つま先を60度開きます。背筋をきちんと伸ばしますが、その時のイメージは頭頂部に紐を結んだマリオネットが垂直に引っ張られているような感じ、と説明しました。

 

 イラストからお分かりのように、その状態で両上肢を体側に着けます。手の指はピンと伸ばしますが、そのようにして姿勢を正し、その状態で腰から約15度曲げて礼をします

 

 武術として意識する場合、礼の対象となる相手との間合いの意識も重要で、姿勢を前傾させた時に相手の様子を感じられるくらいの距離感が必要になります。

 

 武術の場合、相手に敬意を払いつつも油断しない、という意識があるからで、そういう心構えをカタチを変えて日常でも応用しようというのが武術としての空手道の第一歩になります。具体的な空手の技は知らなくても、そういう心が大切なのです。

 

 

 その上で礼を行なうタイミングとして、東洋思想にある「三才(さんさい)」をベースに説明しました。

 

 一般的には「天地人(てんちじん)」と理解されていることが多いと思いますが、これは自然の様子を表しているので、古典では上の画像にあるように「天人地(てんじんち)」になります。「人」が「天」と「地」の間に位置するということです。

 

 礼法の説明の際、この3つの要素をベースに3回の礼を行なうと説明し、そこではいずれも「感謝」という意識で行なってもらいます。

 

 直真塾の場合、これまで20ヶ国以上の方が稽古されていますが、そこで経験したのが宗教に絡むことでした。自身が信じる神以外には礼をしないというケースがあったのです。

 

 しかし、「感謝」という意思表示として礼をするという理解であれば一緒にやってもらうことができました。以来、礼法を説明する際に用いている説明ですが、多くの人は武術や日本文化として理解されて稽古しますので、背景としての説明は普通にやっても問題ありません。ですから、説明は並行して行なうのですが、今回も同様の説明になりました。

 

 ちなみに、前述した3回の礼とは、道場に入る時、正面に対して礼をする時、お互いに礼をする時になります。そういうことを理解してもらった上で特に道場に入る時の礼については、武術家としての心構えとしての説明を加えました。

 

正座の仕方

 

 続いて説明したのが「座礼(ざれい)」ですが、その前に正座してもらう必要があります。

 

 その様子を示しているのが上の画像ですが、立っている状態から左足を後ろに引き、片膝で立ちます。これがイラストの①から②の様子になります。

 

 ③になると右足も引いた状態になりますが、イラストでは足のところが赤丸で囲ってあります

 

 これはここで指を反らすことを意識してもらうためです。

 

 今回、その理由を説明することを忘れましたので、次回きちんと実技も交えて理解してもらうことにする予定ですが、指を伸ばすのは④の段階でのことです。

 

 その後、腰を下ろし、いわゆる正座の状態になります。

 

 立ち上がる時は、今の順序の逆になりますが、その理由は刀の操法にあります。この点は説明しましたが、併せて日本家屋の特徴についても説明しました。

 

座礼

 

 正座の後、「座礼(ざれい)」となりますが、腰を折り、両手を広げて床に額を近づけます

 

 状況次第では、ここでのカタチの上では礼をしていても角度や間合いに留意し、いざという時に後れを取らないようにします。まずは相手の様子を感じることが大切になりますが、この状態になるまでの所作にもその様子が入っています

 

 その場合、これも武士の作法ですが、刀の操法とも関係し、右手で抜くことを想定し、その置き方にも相違があります。基本的には左右どちらに刀を置くかということですが、相手との関係性で決まります

 

 その状態を念頭に、手を床に着く順次、その逆に話す時の順序なども決まっており、それが「座礼」の際の動作になります。

 

 礼法をただの行為として捉えるのではなく、そういう意味を含めて理解することで、そこからいろいろな応用が可能になりますので、直真塾の特徴として武の理から拡大していくというところを理解してもらうように説明しました。

 

 こういう点は、武の思想的なことにつながりますが、この後は身体の仕組みから「正拳(せいけん)」の作り方、立ち方、「その場突き(そのばづき)」などにつながりました。それを2回に分けてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 ある火曜日の稽古ですが、昨日お話しした通り、この日の第1部は基本稽古同様のメニューを、研究稽古らしいクオリティで行なった話をしました。

 

 今日はタイトルにあるように、研究稽古らしい武技について稽古した様子をお話しします。

 

 第1部で立ち方や運足を意識してもらったわけですが、第2部では大きな視点から同じカテゴリーながら具体的な内容については別のことを行ないました

 

 マクロ的な意識とミクロ的な意識を融合させたような内容になりましたが、昨日のブログで割愛した内容とも通じることになります。

 

 その上で研究稽古にふさわしい内容ということで行ないましたが、こういうことを単なる動作としてしか考えていない人の場合、その意味や価値が分かりません

 

 昨日のブログでリクエストした人の場合は意識的にはまだそのステージにいますが、少し違ったところが見えたので、第2部としてこれまでと違った視点で武技を感じてもらいたいというつもりで行ないました。

 

 当日撮った写真がありますので、それをご覧いただきながら説明を進めたいと思います。

 

 稽古時、いつものように互いに「正整立ち(せいさんだち)」になり、中段を意識して構え、対峙した状態からスタートしました。

 

 

 今回はいつものように定番の「右中段追い突き(みぎちゅうだんおいづき)」で仕掛けてもらいましたが、説明の際は「突き」であれば「追い突き(おいづき)」、「逆突き(ぎゃくづき)」、「刻み突き(きさみづき)」のいずれでも構わない、狙うのも上段・中段を問わないけれど、今回は最初の稽古だから定番のスタイルで行なった、という説明をしました。

 

 厳密に言うと、仕掛け技の違いにより注意すべきポイントが少し異なりますが、汎用性のある技であることを念頭に置いてもらいました。

 

 もちろん、今回も裏三寸(うらさんずん)」を意識した攻撃であることが条件ですが、中には仕掛けの間合いが遠く、武技の体(てい)を成していないケースが見られました。当然、アドバイスの対象になりますのでそうしたところ、2回目以降は修正されました。

 

 こういう稽古は攻守を問わず、間合いについては実際の戦いを意識した条件で行なわなければその意味が理解できない、という実際を改めて体験してもらったと思っています。

 

 

 「突き」に対する受ける側の対応ですが、基本的なコンセプトはタイトルに記してあります。

 

 相手の視線から消えるということを運足と体捌きで実践する、というものです。

 

 昨日お話ししたブログで、大きな括りとして運足の妙と立ち方の意識について説き、基本の確認として数をこなしてもらいましたが、その枠を広げ、武技としての身体操作のカテゴリーで応用・発展させると、というところからの技でした。

 

 研究稽古ですから、ヒントを出しながら出席者に考えてもらいました

 

 各人、これまで学んだことを思い出しながら身体を動かしていましたが、自信なさげに行なうところに魂の不在を感じました。

 

 武技としての全容をイメージできていないからだと思いますし、ダメ出しを気にしてかもしれません。そう感じたのは、実際に動いた後の視線が私の方を向いているからですが、咄嗟に判断して動かなければならない実戦の場合、確認しながらということはできません。決断力というハラの決め方が必要になるのです。

 

 その担保となるのが約束組手などの経験であり、そこではいつもブログでお話ししている「見えない技」の意識と共通項としての実践です。

 

 そういう前提をベースに具体的な身体操作について説明・稽古してもらいました。

 

 写真からお分かりのように、運足と体捌きについては「正整立ち」から奥足を90度側方に動かし、「突き」の軌跡に対して側方に位置するようにして「交叉立ち(こうさだち)」で立ちます。

 

 「交叉立ち」は瞬間的な立ち方として大変重宝する立ち方であり、側方に位置すれば相手からの視線を外すことができます。もちろん、それはほんのわずかな時間になりますので、相手から消えることができるのは瞬間です。

 

 でもそういう時間を作り出すことも武技の一つであり、戦いで相手の視野が狭くなっている時には効果的です。約束組手のように、最初から動きが分かっている場合は相手が消えるといった錯覚は怒りませんが、意表を衝く動きゆえの効果と言えます。

 

 稽古では相手からの攻撃をより確実に避けるため、「掌底受け(しょうていうけ)」で「突き」を受け流すようにしてもらいました。

 

 そしてこの動きは、極めに至る際の予備動作にも通じますので、決して固い動きにならないように留意してもらいました。

 

 

 上の写真は極めのシーンですが、ご覧のように「上段裏拳打ち(じょうだんうらけんうち)」でやってもらいました。写真からお分かりのように、この時の「裏拳(うらけん)」の軌跡は床と並行になります。

 

 「打ち」の場合、上肢のしなりが必要になり、連絡動作か必要になります。「受け」の際、「」を意識してもらったのは、その準備として上肢を体幹部に巻き付けるような状態にしてもらいたかったからで、そこから「打ち」として極めるまでの動きに淀みが生じないようにしなければなりません

 

 そのためには武技の全容が一つのパッケージとして集約され、挙動ことに間(ま)が空かないように留意しなければなりません。

 

 この技を初めて稽古して人もいますので、ぎこちないところがあるのは当然ですが、武技一般の留意点として淀みが無いように、各動作ごとの居付きが無いようにというところに留意してらえれば、「見えない技」の質も向上するというものです。

 

 今回、攻撃後に残心を取る意識で上肢をコントロールしてもらいましたが、そこまで含めて行なうことができれば、試合でも使える技になります。研究稽古では試合では使えないような技を稽古することも多いのですが、今回の技は使用可能です。

 

 組手稽古や大会で試してもらえればと願っています。

 

 この日は昨日と今日でお話ししたメニューで終わりましたので、ブログもこれで終了します。

 

 

 

 

 

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 ある火曜日の稽古の話です。

 

 研究稽古の日ですが、この日の第1部はタイトルにあるような基本中の基本になりました。

 

 リクエストに応えて行なったメニューですが、日ごろは新しい技を希望することが多い道場生が基本に立ち返ったようなことを言ったところに驚きと喜びがありました。

 

 こういった基本を大切にする意識、並びに確認したいというリクエストに今後の伸長への期待を感じます。

 

 今日のブログは内容的にいつもより短くなると思われますが、ご了承ください。

 

 稽古は説明と数をこなすことに終始したことで意外と時間を要し、結果的に今日お話しすることと第2部で行なった一つの約束組手のみで終わりました。細かく稽古できたことには収穫がありましたが、メニューの数的には少なくなりました。これは研究稽古の特徴でもありますので、その意味では良い内容だったと思っています。

 

 他に(かた)」の解釈の基本原則のお話もしましたが、これは直真塾の指導法のベースになるところですので、その話は割愛させていただきます。

 

 という前フリの後、早速本題に入りたいと思います。

 

内八字立ち

 

 まず立ち方についてですが、最初に確認したのは基本の「その場稽古(そのばげいこ)」で多用される「内八字立ち(うちはちじだち)」でした。「形」の中にも登場しますが、道場生にとっては基本稽古の時の土台、というイメージが強いと思われます。

 

 当該道場生に今回のリクエストの理由を尋ねたところ、この「内八字立ち」のあやふやなところを挙げたので、早速確認しました。

 

 以前から気になり、時々アドバイスしていたのですが、そういう時には聞き流していたようで、改善されていません。それよりも全体的な動きに興味があったのでしょう

 

 でも、今回は立ち方以外にはありませんのでそこに集中し、問題点の解消に努めてもらいたいと思ったのですが、細かなところなのでなかなか気が回らず、改善には時間を要するという感じでした。

 

 もちろん、当人が本気であればしっかりお付き合いするつもりですが、地味な部分だけに集中力をキープできるかが懸念されます。

 

 ということで具体的にアドバイスしたことですが、まずはカタチの部分です。

 

 例えば歩幅やつま先の向き、膝の状態、下肢の締め方などで、それに準じて生じる状態の変化などです。

 

 入門して間もない時、歩幅は「一膝一拳(ひとひざいっけん)」ということを説明しましたが、当該道場生の場合、少し狭くなっていましたイラスト左側のような感じで確認してもらい、自身の基本的な歩幅への調整を図ってもらいました。

 

 下肢を締めようとする場合、つま先の向きは重要ですが、この点はきちんとできていました。カタチを真似るところは一応合格点でしたが、そういう感じで一つずつ確実にしてもらえればと思っています。

 

 下肢の締めと膝の状態は深く関係しますが、イメージとしてはイラストの通りです。見た目、膝はやや内側を向くようになりますが、その状態で下肢の筋肉をタオルを絞るかのように動かします

 

 まず、外側から内側に巻き込むように動かし、次前述の状態をキープしたまま今度は逆に内側から外側に向かって張り出すような感じで動かします

 

 異なる筋肉の動かし方でいろいろな方向から力に耐えられるようにするわけですが、まずはその意識で下肢を締めることを身体で覚えます

 

 もちろん、実際の武技として考えた場合、土台として自在性を必要しますので、緩急を実践しなければなりません。

 

 その際の」の意識が前述の締めにつながるわけですが、日常的に行なっている身体操作ではない分、基本稽古でこの点を強調し、身体で覚えてもらうのです。

 

 その締めた状態については私の脚に触れることで理解してもらいましたが、前述の状態を自身の手指の感覚から捉えてもらいました

 

 その上で、そういう身体操作がどの様な状況になるのかを改めて理解してもらうことにしましたが、呼吸法と共に下肢を締めると、「骨盤底筋(こつばんていきん)」が締められ、結果として骨盤の状態に影響を及ぼし、帯の結び目が持ち上がります

 

 その様子を観察してもらい、そうなるように下肢を動かしてもらいましたが、それを膝関節を伸ばすことで実践しようとします。見た目からそういう身体操作を行なったのでしょうが、私の下肢をよく見ると膝関節が伸びていないことは分かります。しかし、そこには着目できず、現象の部分だけで辻褄を合わせようとする傾向が見られたわけです。

 

 改めて考え方の根本からじっくりやらないとという思いになりました。

三戦立ち

 

 続いて確認したのは「三戦立ち(さんちんだち)」でした。

 

 上のイラストはその様子を表していますが、前述の「内八字立ち」から片足を1歩前に出したような立ち方です。

 

 基本的なポイントについは重なりますし、基礎となる立ち方としてはやはり重要ですので、そのまま意識してもらうことになりました。

 

 重なるところが多々ありますので、異なるところでお話ししますと、前後の歩幅のところです。

 

 この立ち方の場合、「内八字立ち」に似ているところがプラスにもマイナスにも作用し、前後の歩幅の意識は後者になります。

 

 前足のかかとと後ろ足のつま先のラインを合わせることになりますが、この感覚がなかなか再現できないわけです。

 

 この「三戦立ち」については運足の稽古も行ないましたが、この前後の歩幅の問題点はその時に出たのです。

 

三戦立ち 中心軸と膝

 

 上のイラストは「三戦立ち」による運足の様子ですが、前述の前後の歩幅の意識がこの時に乱れます。それは前進の場合、後退のいずれにも見られました

 

 しかし、運足というのは実際の戦いではしっかり意識しなければならないところですので、身体の中心軸の意識と共に、その際の身体操作にも留意してもらいました。

 

 運足時、どうしても自身の中心軸を軸足側に移すようにしてしまいますが、極力そういうことが無いようにしてもらいました稽古では鏡を見たりすることで自分自身でチェックしなければできるようになりませんが、実際に用いるシーンにはそういうものはありません。だから、基本として行なう際にそういう身体感覚を身に付けることが必要で、「形」の稽古もその意味で行なうところもあるのです。今日も短くなると言いつつ、結果的に2500文字をオーバーしました。

 

 今回は2つの立ち方と運足の説明と数をこなすことに思った以上の時間を費やしましたが、この後、第2部の約束組手になりました。そのことは明日のブログでお話しします。

 

 

 

 

 

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 昨日、少年部の昇級審査の様子を綴りましたが、本来土曜日は一般稽古の日です。

 

 そのため、一般部の道場生も基本の確認のつもりで参加可としてしており、時間ができればそのまま稽古に移ります。

 

 この日、結果的にそのような時間が取れましたので、都大会も控えていることですし、そのことを念頭に稽古を行ないました。

 

 タイトルにもあるように、メニュー的には「(かた)」と組手ができましたが、内容的に短くなりましたので、いつものように分けてお話しするようにはならないくらいの状況でした。

 

 ですから今日のブログでは、2つのテーマについて一緒にお話しします。短めのブログになると思いますが、ご了承ください。

 

 

 まずは組手稽古の様子からです。

 

 大会出場予定者同士ですから、審査科目としての組手とは内容が異なります

 

 写真の両名は審査とは関係ないので、通常の組手稽古として行ないます。

 

 審査で行なわれた組手も年齢の割にはしっかりした戦いになっていましたが、一般部の道場生の場合、やはりクオリティが違います

 

 写真の1人は、出場クラスでの優勝候補ですので、積極的に攻撃しますが、相手も負けていません

 

 その様子を表すかのような「蹴り」の交錯ですが、互いの意思の強さが感じられます。

 

 1本になるような技ではありませんでしたが、心の強さが現れた瞬間ということでアップしました。

 

 

 今度は「突き」の交錯シーンです。

 

 一方の攻撃は流れ、もう一方は腰が引けていることから、この場合も1本にはなりません

 

 しかし、似たような写真を2枚続けてアップしたのは、大会を意識してか気合が入り、積極的な攻撃姿勢が見られたということでご覧いただきました。

 

 時間の関係で各自1回ずつしか稽古できませんでしたが、逆にそれが意識の集中になったのかもしれません。

 

 昇級審査と同じ科目で数をこなし、身体が温まっていたでしょうから、組手稽古もすんなりと行なえたような印象でした。

 

 

 続けて「形」稽古の様子です。

 

 これまではイラストを用い、細かくお話ししていましたが、前述のように最後の空き時間を活用しての稽古ですから、内容的には僅かでした。

 

 今回はたまたまその様子を撮影してもらいましたので、いつもと異なる感じで「形」稽古のお話をさせていただきますが、テーマは「正整(せいさん)」です。

 

 土曜日ですから、本来は一般稽古という意識でアドバイスするのですが、人数やその前の状況から考え、技の説明の際、少し研究稽古の感じを取り入れました。

 

 その分、各動作の意味と使い方などを頭に入れてもらおうと、ポイントになる箇所でそのように意識した上でアドバイスをしました。

 

 今回は上の画像の説明だけにしますが、手前の道場生の様子からこれが「押し揚げ受け(おしあげうけ)」の箇所であることがお分かりになると思います。

 

 「形」の解釈として相手の懐深く飛び込んで、ということが必要になりますが、そのためには「受け」として称する上肢のフォームが関係します。

 

 今回、その点の問題があったため、この技で意識しなくてはならないところが不十分になっている、というところを説明しているのが上の写真です。

 

 口頭で説明すると分かったつもりになりますが、客観的視点で見れば変わっていません

 

 ブログでその点を記しても十分伝わらず、理解している、できているつもりという状態と似たような感じになると思われますので、ここでは内容については割愛させていただきます。

 

 道場生には今後も同じ内容になっても適宜アドバイスしていきますが、ブログという一方通行のお話し故、ということでご理解ください。

 

 「形」稽古の様子で適切な画像が無かったので話はこれで終わりますが、昨日・今日と、いつもよりは短めのブログになりました。

 

 

 

 

 

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 先日(6月6日)、令和8年度前期の少年部昇級審査が行われました。

 

 毎回受審者の数は異なりますが、今回は少なめでした。

 

 でも、タイトルにあるようにみんな元気一杯で、初めて受審する道場生には少し緊張も見られましたが、少し数をこなしてくるといつもの元気が出てきた、という指導者の話でした。

 

 それは見ている私も感じており、いつも通りの元気な少年部の昇級審査になりました。

 

 

 審査はいつものように「正面に礼」から始まり、審査科目は基本からスタートです。

 

 上の写真はその場突き(そのばづき)」の様子ですが、少年部という年齢の割には「内八字立ち(うちはちだち)」がしっかりしています

 

 それを土台にして「上段突き(じょうだんづき)」を行なっている様子ですが、全員、気合と共に突いています

 

 数が揃うと会場内に元気な声がこだまします。少年部らしい光景です。

 

 

 基本の「前蹴り(まえげり)」の様子です。

 

 正整立ち(せいさんだち)」で立ち、奥足で蹴るようにします。

 

 蹴り足がブレていますが、それだけスピードが速かった証明です。一生懸命やっている様子がこういうところからも伺えます

 

 一つ一つの所作や気合も審査対象になりますが、ここまではみんな及第点です。

 

 

 基本には「受け」もありますが、上の写真は「上段揚げ受け(じょうだんあげうけ)」の様子です。

 

 ここではご覧のように正拳(せいけん)」の握りや手首の様子に問題がありましたが、審査も稽古の一環と考え体直真塾の場合、こういう機会を捉えてアドバイスをします。

 

 今回も必要に応じて行ないましたが、それはそのまま毎回の稽古でも引き続きアドバイスします。いろいろなシーンで異なった視点からの話は心に残りやすくなりますので、ぜひその機会を活かしてもらえればと願っています。

 

 

 審査には「基本型(きほんかた)」や「(かた)」もあります。

 

 上の写真は正整(せいさん)」という「形」を行なっている様子ですが、受審級により行なう内容が異なります

 

 そのため、事前にきちんと稽古を重ねていると思いますが、審査を機に更なる意識と実力アップを願っています

 

 

 審査には組手もあり、上の写真は約束組手の様子です。

 

 攻守に分かれ、相手からの攻撃を適切な技で受け、反撃をするという内容になりますが、具体的な内容についてはその場で指示します。

 

 この段階は自由組手のベースになりますが、実際の戦いでは状況が千変万化し、その度に瞬時に対応しなければなりません。

 

 ですが、約束組手の場合、攻守や使用する技も決まっているため、その場で指定されても適切にできなければなりません

 

 とは言っても、審査という緊張する場であり、3道場合同の審査ですので初顔合わせの人もいます。

 

 そのため、審査でありましたが、前述のように稽古でもありますので感じたことをアドバイスしました。

 

 直を聞き、改善してもらいましたのでその後は大きく変化しました。

 

 そのことについては見学されていた保護者の方も確認され、動画も撮っておられたので帰宅後、改めて子供に見せてもらうようお話しさせていただきました。

 

 

 審査の仕上げは自由組手です。

 

 行なうのは全員ではありませんが、千唐流のルールに則り、防具付きで行なわれます。

 

 そのため、審査といえども「突き」や「蹴り」が極まれば、それなりの状態になります。

 

 今月は都大会も控えていますので、審査会であってもこういう場では熱が入ります

 

 今回、冒頭でお話ししたように受審者の数は少なかったものの、内容的にはいつもの直真塾クオリティで終わりました。

 

 少し時間が余りましたので、この後は一般部としての稽古を行ないました。その様子は明日のブログでお話しします。

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 ある土曜日の稽古ですが、第3部として「(かた)」を行ないました。

 

 最近、同様のパターンが続いていますが、都大会を前提としてのことです。

 

 いつもお話ししていますが、直真塾の場合、試合中心で稽古しているわけではなく、普段は武術としての空手道を意識したメニューになります。

 

 しかし、大会は稽古の一過程と位置付けており、出場する道場生がいる以上、できるだけ入賞・優勝という経験をさせてやりたいと思っています。そのことで気付くことがあるからですが、それは「形」・組手を問わず考えています

 

 昨日お話しした自由組手の稽古にしても、今回は大会出場者に限定して行ないましたが、それそれに思うところがあったのではと推察しています。

 

 そういう意識の流れで「形」の稽古に入りましたが、各自、大会で行なう種別が異なりますので、先日からグループ別に分け、私と先輩が分かれてアドバイスに当たっています。

 

 全グループにアドバイスしましたが、時間的に限定されますので、私が担当した分についてお話しします。結果として数をこなした上でのアドバイスですので、ブログでも各「形」について1つか2つぐらいになります。

 

 どれくらいの量になるかは分かりませんが、必要なところを記していきたいと思います。

 

正整 四股立ちからの蹴り

 

 上のイラストは正整(せいさん)」に登場する動きですが、「下段四股突き(げだんしこづき)」の後、「中段前蹴り(ちゅうだんまえげり)」を行なっている箇所です。

 

 「形」ですから決まった順序がありますが、その質を意識しなくてはなりません。

 

 単に突いて蹴る、というわけではないのです。

 

 いつもこのブログでお話ししていますが、「形」の稽古目的は武技の伝承と武術体の養成があります。

 

 今回は後者の視点で見ていましたが、当該道場生の場合、中心軸が不安定なところがあります。下肢や腰の弱さが見られるというわけですが、そこには年齢的なところも関係します。膝を痛めているということも関係しますが、ふらつきが見られます。

 

 流れとして「蹴り」の後、「中段逆突き(ちゅうだんぎゃくづき)」に続きますが、そこでも身体が前後にブレるのです。武術体を養成するというところからは気になりますので、ゆっくりでも良いので身体操作・身体意識への部分に留意してもらいました。

 

正整 裏拳打ち

 

 続いても「正整」に登場する箇所ですが、ご覧のように「上段裏拳打ち(じょうだんうらけんうち)」の箇所になります。

 

 気合と共に行なうところで、「形」としても極め所です。足元の表示からもお分かりになるかもしれませんが、ここでは強く踏み込むようにします。その際の音と気合がシンクロすれば、とても力づく感じる箇所になります。

 

 ただ、稽古の際、あまり強く踏み込み過ぎると、その繰り返しに中で足を痛める可能性がありますので、多少の加減は必要になりますが、イメージの中ではしっかり踏み込むようにしてもらいます。

 

 極まった時は「結び立ち(むすびだち)」になり、身体の中心軸は一本にまとまります。そのため、踏み込み時には自身の身体が1本の杭になり、それを地中に深く打ち込むようなイメージで行ないます

 

 それが極めの質を上げることになりますが、当該道場生の場合、ここでもふらつきが見られます。

 

 また、裏拳打ち(うらけんうち)」の軌跡も微妙に異なり、床と垂直に近い角度にしなければならないところが少し傾いています

 

 こういうところも極めの甘さにつながりますが、上肢の動きに伴い、それを丹田の質にも加味できるような身体操作につなげてもらえればと願っています。

 

二十四歩 下段手刀交叉受けから背刀打ち

 

 今度は「二十四歩(にーせーし)」のグループでアドバイスしたことです。

 

 上のイラストは交叉立ち(こうさだち)」で「下段双手手刀交叉受け(げだんもろてしゅとうこうさうけ)」から「背刀打ち(はいとううち)」に連続しているところです。

 

 「受け」の箇所については以前、何回もアドバイスしており、動きが難しいので必要に応じて個別に対応していますが、今回のアドバイスのテーマがタイトルにもある極めのところなので、「背刀打ち」の箇所に特化しました。

 

 難度の問題もありますが、「形」の競技としての視点からは、極めの箇所は大切であり、かつ、「」の意識による「受け」よりも、緩急の差を活用した攻撃技の方が意識しやすいと考えたからです。

 

 その際、緩急を意識した上肢の使い方の見本を示し、その際に生じる音を実際に聞いてもらうことで、よりイメージングしやすいと考えました。

 

 稽古を見ていると、練度によりその実践には違いが出ましたが、置きに行くような道場生の身体操作にも違いが見られ、それまでの力感になさからは少し変化しました。

 

 もっとも、これまでもアドバイス直後に変化しても、間が空くことで失念してしまうというケースは何度もありましたので、今後、注視しなくてはならないところです。

 

壮鎮 角構えから拳槌打ち

 

 最後に「壮鎮(そうちん)」のグループでのアドバイスです。

 

 この「形」の特徴的な個所としてイラスト左側の「角構え(つのがまえ)」がありますが、その点は大丈夫でした。

 

 その上で今回気になったのは、イラスト右側の「拳槌打ち(けんついうち)」の箇所でした。

 

 ここでは振り上げた上肢を落とすことによるエネルギーを武技の重さに加味する、ということを意識してもらわなくてはなりませんが、その際の身体操作の意識の有無で効果が違ってくる、という点に注目しなければなりません。

 

 そういう意識で稽古を眺めていると、「打ち」の際、微妙に肘の方が先に動き、その関係なのか変な腰の動かし方になっていました

 

 結果的に身体の中心軸の歪みが見られ、「拳槌打ち」の極めの際、私の手に当ててもらってもその衝撃は今一つでした。そのことは当該道場生も感じていましたが、動きの問題点について体験してもらった瞬間です。

 

 そこから肘関節を先に動かすようなことではなく、上肢の重さを活用する意識でやってもらったところ、その重さの部分が質に加わったことを皮膚感覚で掴んでもらいました

 

 強い技を意識したりするとつい力む癖が表に出てくることも考えられますので、今回のアドバイスを理解したら、自身の身体操作への意識をしっかりしてもらい、ここで実感したところを身に付けるまで回数をこなしてもらいたいと願っています。

 

 ここでこの日の稽古は全て終了しましたが、思ったよりも長くなり、2600字程度になりました。

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 ある土曜日の一般稽古ですが、今日は第2部の自由組手の話になります。

 

 ただ、第1部の稽古の時間が思ったより長引き、大会を意識していたため「(かた)」の稽古もやりたいと思っていたので、自由組手の稽古は大会に出場する道場生だけでやってもらいました。

 

 タイトルにもありますが、その分戦いに熱が入り、一歩も引かない様子が展開しました。

 

 今回は組手の時間が少なかったので画像が少なく、また良いタイミングのものが少ないので、短めのブログになります。ご了承ください。

 

 写真からどれだけ伝わるかは分かりませんが、稽古した人はしっかりやっていました。防具付きルールですから、自身の力をしっかり発揮できます。

 

 打ち身などはありますが、怪我を最小限にしつつ武術らしい稽古ができるということで千唐流はこのスタイルを採用していますし、直真塾も同様です。

 

 そこで繰り広げられた戦いですが、当日撮った写真をご覧いただきながら話を進めます。

 

 

 相手からの強烈な「上段追い突き(じょうだんおいづき)」を極められ、上体が仰け反っている様子です。

 

 もしこれが防具無しであれば、頭部に大きな衝撃が加わったり、外傷も生じていることでしょう。

 

 しかし、防具のおかげでそれがクッションになり、目立った外傷はありませんでした。防具を外した後、鼻の頭が少し赤くなっていましたが、もしかすると面の部分が当たったのかもしれません。一定の隙間があるので、それ以上のダメージはありませんでした。

 

 写真では突いている側がそんなに踏み込んでいる様子がありませんが、当たった時に弾かれるような衝撃があったものと思われます。上手く後方にそれを逃がしたようで、それが写真のような状態なのでしょうが、攻防共に良い感じでした。

 

 

 もちろん組手では「突き」だけでなく「蹴り」も出ます。そして「蹴り」で1本になったケースありますが、タイミングが悪く、撮れていませんでした。

 

 ですから、失敗はしたものの、「蹴り」を出している様子をアップしました。

 

 この日、第1部で「蹴り」を意識した稽古を行ないましたが、組手で見られたのはいつものパターンの技ばかりでした。

 

 せっかく最初に稽古したのだからと思ったのですが、まだ慣れていない技、ということで躊躇したのかもしれません。

 

 でも、そう考えることも経験であり、稽古ですので、その後にしっかり省みてもらえればと願っています。

 

 

 もう1枚、「蹴り」を出している写真をアップします。

 

 この時は回し蹴り(まわしげり)」に対して「上段突き(じょうだんづき)」を合わせようとしているシーンです。

 

 そこに「受け」の要素はありませんが、相手の技に合わせた対応というところも結構見られました。互いの闘志がぶつかっているところなのでしょうが、この攻防は「取りません」ということになりました

 

 しかし、組手稽古で培うべきことの一つが闘志であり、こういうところは基本や「形」だけでは培えません。こういう稽古を積極的に行ない、武術としての空手をいろいろな立場から学んでほしいと願っています。

 

 

 攻撃は最大の防御」という言葉がありますが、私は必ずしもそうだとは考えていません。空手道には様々な防御技がありますし、それを駆使して自身へのダメージを軽減したり、そのことは反撃のきっかけにすることも多々あります

 

 第1部で稽古した約束組手の場合もその一例になりますが、勇ましいことばかりで自身に対する衝撃の蓄積には留意しなければなりません。

 

 ただ、今回の組手を見ていても、ここで流れが止まっており、せっかく「受け」によって相手からの攻撃をカットしたのなら、そこから反撃に転じるという約束組手で培った攻防のリズムを、カタチを変えても実践するところを見せて欲しいと思ったところでした。

 

 そういうところに意識が向き、実践できるようになれば更なる上達が見込めるものと考えています。

 

 

 今日最後の写真になりますが、この画像も「受け」のところをご覧いただきたくアップしました。

 

 先ほど同様、攻撃技は「上段突き」で、それを「上段揚げ受け(じょうだんあげうけ)」で対応している様子です。

 

 しかし、先ほどの場合と異なるのは接触部位です。

 

 この写真では肘付近になっていますが、先ほどの場合は基本通りの前腕部でした。

 

 たまたまこのような感じになったのかもしれませんが、このことを認識している場合、接触部位の違いから相手の技の軌跡が異なっていることに気付き、それを攻防にどう活かすかというところに思いを馳せてもらいたいと思うのです。

 

 こういう違いについては、「受け」の理を説明する時に話した記憶がありますが、相手の攻撃が上段であれば、ここから懐深く入り込むことができます

 

 そのことは正整(せいさん)」という「形」に登場する「押し揚げ受け(おしあげうけ)」の解釈として説明・稽古したことがありますが、この様子はそこにつながるものなのです。

 

 図らずも、そういうシーンにつながるようなことがありましたが、改めて実戦に活かせる「形」という視点を確認することができました。

 

 今日、短くなると思っていましたが、結果的に2000文字以上になりました。

 

 明日は第3部として稽古した「形」についてお話しします。

 

 

 

 

 

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 昨日の続きです。

 

 ある土曜日の一般稽古ですが、その第1部は連続技とその技の対処法を初撃の段階で行なう、という内容でした。

 

 前者については昨日のブログでお話ししていますので、今日は後者の話になります。

 

 連続技として稽古した場合もペアを組んで行なってもらいましたので、技の様子は分かるはずです。ターゲット役の人も観察の稽古をしてもらうということは毎回お話してありますので、少しずつその意識が浸透していればということを願いつつ、毎回の稽古を行なっています。

 

 今日お話しすることは、昨日のブログでお話しした技の初撃の段階で対応するものであり、きちんと観察していれば比較的やりやすかったのではと思っています。

 

 自由組手の際、後れを取るのは相手の技が分からなかったり、間合い、タイミングなど「見えない技」の部分が加味されるからです。

 

 しかし、約束組手の場合はそういう情報について随分カバーされており、ましてや仕掛ける側の身体操作の癖なども事前の稽古で経験済みです。

 

 そういうメリットを約束組手に活用することで、反撃技として習得もしやすいのではないかと考えましたが、よく見ていると咄嗟の動きがズレたりしています

 

 また、身体操作に気が入っていないようなケースも散見され、特に「受け」の際の上肢の様子が気になる人がいました。

 

 そういう様子を写真と共にお話ししていくことにしますが、最初の状態は昨日同様、互いに「正整立ち(せいさんだち)」になり、中段を意識して構え、対峙したところからスタートします。

 

 

 対峙した状態から、仕掛ける側が「回転足刀蹴り(かいてんそくとうげり)」で攻撃します。

 

 その様子は昨日のブログでお話しした通りですので、説明は重複します。

 

 ですからここでは約束組手の仕掛け技という視点でのお話になりますが、その場合、いつもお話ししているように「裏三寸(うらさんずん)」の意識で行ないます。

 

 連続技としての稽古の際、相手に遠慮してか、間合いが短くなっていた人もいましたが、それでは約束組手として稽古で技の理を理解することができません

 

 かといって勢いが乗っているところに技をかけることで怪我につながるリスクもあります。

 

 こういうところが稽古していてもどかしいところではありますが、だからこそ上級者を相手にして軽い見本を見せ、技のイメージングを明確にします。

 

 そこではこちらが対応しなければ当たっているというところを確認してもらい、その上で武技としてのところを見てもらい、反撃のための隙を作り出しているところを目で確認してもらいます。

 

 ライブで武技の全容を頭に叩き込んだ上で再現してもらうわけですが、細部を意識していなければ難しいところもあります。そこが個別指導の必要性につながるわけですが、怪我に留意しつつ稽古を続けました。

 

 

 今度は受ける側の対応ですが、タイトルに体捌きという言葉があります。

 

 ここではそのことと実際の「受け」の混合技で対応します。

 

 体捌きについては最初の対峙した時の前足を後ろに引くことで間合いを確保し、そのことが体捌きとして機能するようにします。

 

 そのようなことは行為だけでなく、タイミングや度胸などの「見えない技」の要素が重要で、また土台となる立ち方にも関係するところからしっかりした意識が必要です。

 

 運足によりふらついたりしないように留意しながらの身体操作が要求されますが、それは上肢の使い方の担保にもなります。

 

 タイトルには「受け」を「下段払い(げだんばらい)」と記していますが、全体的にはそう見えます

 

 しかし、実際には全体の動きはそのようになりつつ、相手の足首を引っ掛けるような動きになります。

 

 蹴り足のコントロールを意識するからですが、先ほど土台のことに言及したのはここで不安定にならないように、ということがあるからです。

 

 そういうところをしっかりした上での上肢のコントロールですが、指先まで気が入っておらず、フニャフニャの人がいました。事前に、この時は」の意識で、ということを説明していたことも関係しているかもしれませんが、これまでの稽古で身体の末端まで意識が届いていないケースも散見していましたので、改めてアドバイスしました。

 

 また、接触後に相手の足を自身の側部に床に落とすことをやってもらわなくてはならないのですが、その辺りに魂が入っていない感じの人もいました。

 

 それは崩し」にも繋がることですので意識してもらわなくては困るのですが、突っ込みどころがいろいろある箇所でした。

 

 

 相手の姿勢が崩れたら、そのタイミングで反撃します。

 

 上の写真は、受けて相手の下肢を床に落としたところとそこから「中段順突き(ちゅうだんじゅんづき)」を放っている様子ですが、これを淀みなく行なうことが大切です。

 

 実際の戦いでは相手も必死ですから、わずかでも付け入る隙があれば、そこを突破口として追撃があります。その攻撃自体は大したことが無くても、そこから連続攻撃されることで劣勢になる可能性があります。

 

 だからこそ、一旦優位に立ったなら、そこで極めるという意識で行なうことが必要になります。

 

 そのための拍子であり、この要素は極意の一つとされています。

 

 怪我に注意しながら、数をこなしてもらいました

 

 この後、第2部の自由組手になりましたが、そのことは後日のブログでお話しします。

 

 

 

 

 

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