ワイビーのブログ(おもに競馬)

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元パチンコ・スロット養分のブログです。
競馬でも…養分です。

SNSか掲示板だったか忘れましたが、「NHKマイルカップを勝った馬はその後GⅠが勝てない」なんて書き込みを見ました。

 

3歳マイル王決定戦であり、勝ち馬は将来古馬マイル路線で主役を担うことを期待されていますが、確かにその後安田記念やマイルチャンピオンシップ、牝馬であればヴィクトリアマイルと国内GⅠを勝っているシーンが思い出せません。

 

1996年に創設されてから28年、その後優勝した馬は8頭、合計9勝しています。今回は勝ち馬と優勝したレースについて振り返って見たいと思います。

 

 

優勝したレースは以下の通り。

 

(国内)

ダービー 2勝

JCダート 2勝

ジャパンカップ 1勝

マイルCS 1勝

 

(海外)

モーリス・ド・ゲスト賞

サンクルー大賞

香港マイル

 

太字は芝1600m

 

上記のうち、マイルGⅠは2勝。国内に限って言えば、2016年のミッキーアイルわずか1頭でした。結構意外な結果ですね。

 

最多なのがダービーとJCダートの2勝ずつ。ダービーは変則二冠の04年キングカメハメハ・08年ディープスカイ。JCダートはレコードを大幅更新する圧勝劇を見せた01年クロフネ、02年のイーグルカフェは名手デットーリ騎手による勝利でした。

 

先述したダービーとの変則二冠馬に加え、エルコンドルパサーのJC・サンクルー大賞の2勝で2400m級が最多4勝を挙げています。

 

1600m未満では海外のモーリス・ド・ゲスト賞1勝。シーキングザパールが日本調教馬として初めて欧州GⅠを勝った歴史的な1勝です。

 

年齢別に見ると、3歳が5勝で4歳・5歳がそれぞれ2勝。圧倒的に3歳が強いようにも見えますが、2勝は世代限定戦のダービーですので実際は均衡していると見ていいのではと思います。

 

こうしてみると、NHKマイルカップを勝つその後の古馬マイル路線に関連がないように見えますが、決してそういうわけではなく、GⅡ・GⅢの重賞を勝っている馬は結構いますし、勝てはしなくてもちょくちょく2着に健闘している馬も出しています。

 

さて、今年の勝ち馬はどんな未来を描くことになりますでしょうか?

 

 

 

先週は色々な話題がありました。

 

まず、オリビエ・ペリエ騎手の引退。

およそ30年前、短期免許制度が始まったばかりの頃からたびたび来日。

 

彼はミスタースリー。

凱旋門賞3連覇にブリーダーズカップマイル3連覇、という記録を持っていますが、日本でも凄かった。

 

2001年には来日初週のマイルCS、ジャパンCに阪神JFと3連勝。

02年から04年は有馬記念3連覇・・・に加えてゼンノロブロイで04年秋3冠。

 

愛くるしい顔で人気者だったペリエ騎手。急な発表でビックリしました。お疲れ様でした。

 

 

水曜日は羽田盃。

東京ダービーともども今年から中央勢にも開放され、3歳ダート三冠競走が整備された元年。優勝したのは白毛馬アマンテビアンコでした。

 

ソダシ、ハヤヤッコらと同じ、シラユキヒメを祖とする一族。母は関東オークスを勝って白毛馬初重賞勝利をもたらしたユキチャン。8頭立てといささか寂しいメンバー構成でしたが、開放初年度で白毛馬が勝つという大きなインパクトを残したと思います。

 

 

土曜日は青葉賞。優勝したシュガークンにはロマンを感じずにいられませんでした。

 

兄はキタサンブラックで、父ドゥラメンテは兄が走ったときのダービー馬。しかも騎乗していたのはキタサンブラックの主戦だった武豊騎手。

 

この馬のいいところは?と聞かれ「血統です」と絶妙な返しをするあたりさすがレジェンド。15世代の血統が凝縮された馬が、青葉賞組初のダービー勝利を目指します。

 

 

そして、天皇賞春。勝ったのはテーオーロイヤルでした。

 

こないだの記事で触れましたが、グレード制が敷かれて以降同一年のダイヤモンドステークス勝ち馬としては初めての天皇賞春勝ち馬となりました。

 

一昨年は3着。その年のJC後に骨折して1年近くを棒に振ってしまいましたが、ダイヤモンドステークスと阪神大賞典を連勝。2年越しとなりましたがよくぞ復活してくれました!

 

父のリオンディーズは2歳時に朝日杯を優勝。母はシーザリオで兄エピファネイア、弟にサートゥルナーリアがいる超良血馬。産駒はダートのサウジダービーを勝ったり、芝でマイルから2000mの重賞を勝ったりでオールラウンダーな種牡馬ですが、今回は長距離の天皇賞春でGⅠ初勝利。シーザリオが好きな自分としても嬉しい勝利となりました。

 

菱田騎手も、師匠の岡田調教師も初めてのGⅠ。おめでとうございます!

 

天皇賞春の余韻に浸るまもなく、こんどは香港でGⅠ3連発。香港と言えば冬の国際競走が風物詩ですが、今回はチェアマンズスプリント、チャンピオンズマイル、メインのクイーンエリザベス2世カップと3つの競走で日本の馬が出走。ヴァーズのない香港デーみたいにせわしない1日を過ごしました。

 

衝撃だったのはチャンピオンズマイルのゴールデンシックスティ。当レースは目下3連覇しておりましたが、道悪の馬場が影響したか直線で伸びきれず4着に敗れてしまいました。

 

こりゃメインのロマンチックウォリアーも危ないんじゃないか、なーんて思っていましたが、こちらは最後プログノーシスを抜かさず貫禄の勝利。3連覇は史上初めてだそうです。

 

めちゃ濃かった1週間、お疲れ様でした!

今年の桜はいつもと違った風情。

 

いつもなら桜の花も散って葉桜の時期。今年は桜の咲き始めが遅かったこともあって、桜の花びらが枝の一部に残っていたり地面に残っていたりして不思議な気分がします。

 

さて、今週は天皇賞春。昔は中距離以上の有力どころが揃い、春の古馬チャンピオン決定戦でしたが、近年はドバイワールドカップデーや香港のQE2世C、GⅠに昇格して久しい大阪杯と適距離に分散。古馬チャンピオンというよりも長距離王を決める場に変化しています。

 

最近の春の天皇賞傾向について、ローテーションなど色々な点から見ていきたいと思います。

 

 

■菊花賞1.2着馬が強い。

2015年以降2022年まで菊花賞馬が出走機会で8年連続で優勝。うち、キタサンブラック(16・17年)とフィエールマン(19・20年)が連覇しています。昨年はアスクビクターモアが11着、タイトルホルダーが競走中止となって連勝は途絶えています。

 

なお、菊花賞馬の出走がなかった2018年にレインボーライン(16年菊花賞2着)、菊花賞馬の連勝が途切れた昨年のジャスティンパレス(22年同2着)が優勝しており、菊花賞連対馬に広げた場合は9連勝中です。

 

今年の出走予定メンバーの中では昨年1、2着のドゥレッツァとタスティエーラ2頭。前者は菊花賞以来となる金鯱賞でプログノーシスに5馬身差2着。後者に至っては有馬記念6着、大阪杯11着と振るいません。世代のレベルに疑問符が投げかけられている4歳勢の代表格の巻き返しはあるのでしょうか。

 

■父サンデーサイレンス系

圧倒的に強いのが父サンデーサイレンス系。2011年のヒルノダムール(父マンハッタンカフェ)以降13年間で11勝と圧倒的な成績を収めています。

 

ただしこれまで勝っているのは全て父の父がサンデーサイレンス。「父の父の父」で言いますとディープポンド(父キズナ)の3年連続2着が最高。今年はディープポンドの他に昨年3着だったシルヴァーソニック(父オルフェーヴル)といった実績馬に、年明けのAJCCを勝ったチャックネイトらが出走を予定しています。

 

なお、2着は目下11年連続で父サンデーサイレンス産駒が独占。中でもハーツクライ産駒は14年から5年連続で2着という珍しい記録を残しています。

 

■ローテーション

過去10年間の勝ち馬ローテーションは、阪神大賞典と日経賞が各3頭、大阪杯が2頭にAJCCと有馬記念1頭となっています。うち、大阪杯は共にキタサンブラック、大阪杯とAJCCはフィエールマンと連覇した特殊な馬。これを除くとやはり昔からの王道である阪神大賞典と日経賞組が勝ち馬に近いということになります。

 

個人的に注目しているのが、ダイヤモンドステークスと阪神大賞典を連勝しているテーオーロイヤル。この馬が勝った場合、同じ年のダイヤモンドステークスを経由して天皇賞春を優勝する初めてのケースになるからです。

 

伝統の長距離ハンデ重賞であるダイヤモンドステークスですが、グレード制導入以降このレースの優勝馬が天皇賞春を勝ったケースは2003年の勝ち馬イングランディーレただ1頭。ただ、この馬の場合舞台は中山競馬場3200mで、天皇賞春を勝ったのは翌04年。同一年での優勝は未だありません。

 

一番惜しかったのは2015年のフェイムゲーム。ゴール前鋭く追い込んで来ましたが、先に抜け出したゴールドシップにクビ差届かず涙を飲んでいます。

 

今年の勝ち馬はテーオーロイヤル。一昨年の勝ち馬でその後天皇賞春で3着。昨年は骨折で棒に振ってしまいましたが、今年はダイヤモンドSから阪神大賞典を連勝しており、実質的なダイヤモンドステークス勝ち馬の「初めて」を狙うことになります。

 

ということで3つの面から天皇賞春の傾向を見てきましたが、キタサンブラックやフィエールマンのような信頼できる軸が不在の今年。果たして今年の結果はいかに?

 

 

混戦模様の皐月賞。優勝したのはジャスティンミラノでした。

 

ハイペースの中、坂のあたりで先頭に立ったジャンタルマンタルを捉えるとコスモキュランダとの競り合いも制して1冠を達成しました。

 

またしても前走共同通信杯組。2012年のゴールドシップを皮切りに13年間で7勝。いまさらですが、馬券を予想する上で避けて通れないローテーションというのを痛感した次第です。

 

キャリア3戦目の戴冠は、昨年のソールオリエンスに続く最少タイ。個人的には一昨年のダノンベルーガを想像して軸ではなく相手にしてしまって激しく後悔しました(なお本命はメイショウタバル)。

 

振り返りますと今年のクラシック一冠目はキズナとエピファネイアの産駒が大活躍。桜花賞ではエピファネイア産駒のステレンボッシュが優勝して、3着はキズナ産駒のライトバック。皐月賞ではキズナ産駒が勝ったジャスティンミラノを筆頭に3頭で、エピファネイア産駒は除外されたダノンデサイルを含めて2戦2勝のビザンチンドリームが2頭。ともに2戦2勝の馬を送り込みました。

 

現役時代からライバルだったキズナとエピファネイア。無敗の三冠馬デアリングタクトやGⅠを

3勝したエフフォーリアを送り込んだエピファネイアに対して、キズナ産駒は安田記念連覇をしたソングラインを送り込んでいるものの、牡馬とクラシックは未勝利。それが、今回ジャスティンミラノの勝利によって両方とも初勝利。続く2冠目のオークスやダービーで両馬の産駒がどんな勝負を繰り広げるかが楽しみです。

 

 

さて、先週は藤岡康太騎手が亡くなるという悲しいニュースがありました。

 

最初落馬したというニュースを見たときは大丈夫だろうと思っていたけれども、いつもなら発表されるケガの程度が全然でてこず、意識不明であることだけが報道されていてただならぬ事態になっていると感じて、どうか無事でいて欲しいと願っていましたが帰らぬ人となってしまいました。

 

康太騎手は記憶にも新しいマイルCSでナミュールの乗り替わり勝利やジョーカプチーノのNHKマイルカップとGⅠを2勝していますが、個人的にはワグネリアンとマカヒキ、友道厩舎のダービー馬2頭での勝利が強く印象に残っています。

 

普段から友道厩舎の馬に稽古をつけていた藤岡康太騎手。ワグネリアンの時は落馬負傷した福永騎手の代打騎乗。秋初戦の神戸新聞杯を勝利に導きました。マカヒキはおよそ5年ぶりという長い長いトンネルからの復活V。両馬最後の勝利となりましたが、その鞍上が康太騎手だったわけです。

 

今回優勝したジャスティンミラノも友道厩舎所属馬で、1週前追い切りでも康太騎手が騎乗していました。レースで騎乗する機会になかなか巡り会えなかったけれども、こうして日々調教にまたがっていた康太騎手。皐月賞を勝ったとき、友道調教師はハンカチを片手に涙ぐみ、戸崎騎手は目を真っ赤にしてインタビューに答えていました。

 

前の日、中山グランドジャンプを優勝した黒岩騎手は、インタビューの中で藤岡康太騎手への想いを声を詰まらせながらかたっていました。他の騎手も異口同音に素晴らしい人柄だったと語っていました。

 

土曜日の新聞の騎手名は「藤岡」という二文字だけ。これまでは兄が「藤岡佑」康太騎手が「藤岡康」と表記されていて、それが日常だと思い込んでいたのですが、藤岡の名字だけ。もう康太騎手が二度と戻ってこないという現実を突きつけられたように見えました。

 

お金がかかっているゆえ、時には厳しいヤジが飛んだり、ネットで心ない書き込みをされることもありますが、騎手が危険と隣り合わせの仕事。本当ならピリピリしてもおかしくないのでしょうが、そんなことをおくびにも出さず、イベントでは楽しい話をしてくれたり、レース後のサインに快く応じているシーンを思い出すと頭が下がります。

 

競馬は命がけ。黒岩騎手がインタビューで語っていた言葉ですが、10年前にオルフェーヴルが2度目の有馬記念を勝ったときに池添騎手のインタビューを思い出しました。

 

「皆さんに最高の競馬を見せるために競馬関係者、騎手、馬は命をかけて頑張っています。」

 

命をかけているという言葉を、リスペクトの想いを忘れないように。そして人馬無事を祈りつつ、これからも競馬を応援していこうと思います。

 

藤岡康太騎手、お疲れ様でした。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 

 

 

今週は皐月賞。

 

毎度のことですが、3つのトライアルレースに加え、様々なステップレースから参戦してくる馬が多く、例年予想するのに難儀するのですが、近年はトライアルレースをスキップしたローテーションが台頭。過去10年間でトライアルレースを経由して勝った馬はわずか1頭に留まっています。

 

すっかり影の薄くなった感のあるトライアルレース組。今回は、トライアルレースを走ることが王道だった時代について、三冠馬と非トライアルレースを経由した馬について振り返ってみたいと思います。

 

 

■三冠馬

戦後の三冠馬7頭のうち、前走のレースがトライアルだったのは以下の6頭。

弥生賞からは1983年ミスターシービー、1984年シンボリルドルフ、2005年ディープインパクト。スプリングステークスは1964年シンザン、1994年ナリタブライアン、2011年オルフェーヴルと、共に3頭ずつで同じ両者が均衡しています。

 

特筆すべきは弥生賞組。3頭とも弥生賞から連勝している点です。本番と同じコースにもかかわらず連勝した馬の数は少なく、シンボリルドルフ以降の40年間に優勝したのはディープインパクトを加えてわずか4頭しかいません。同じ時期のスプリングステークスと皐月賞を連勝した頭数は8頭と2倍の差があります。

 

1987年のサクラスターオーは皐月賞後に骨折し、休み明け初戦の菊花賞を優勝。2001年のアグネスタキオンは皐月賞後に屈腱炎で引退してしまいましたが、後のダービー馬ジャングルポケット、クロフネを相手にしない強さを持っていましたし、2010年のヴィクトワールピサは3歳で有馬記念を制し、翌春ドバイワールドカップを日本の馬として初めて優勝しています。

 

弥生賞と皐月賞の連勝という高い壁を乗りこえた馬は超名馬の未来を約束されている、といっても過言ではないでしょう。

 

■2011年以前の「非トライアルレースの皐月賞馬」

1984年のグレード制導入後、3つのトライアルレース以外をステップに皐月賞を勝った馬は1988年のヤエノムテキ(毎日杯4着)、1990年のハクタイセイ(きさらぎ賞1着)、1999年のテイエムオペラオー(毎日杯1着)の3頭です。

 

毎日杯は「東上最終便」といわれていましたが、少ないながらもここで賞金を獲得して皐月賞に出走して結果を出しています。つい最近では2017年にアルアインがこのローテーションで皐月賞を制していますね。

 

さらに言いますと、ハクタイセイを除く3頭は古馬になってからもGⅠを勝っております。テイエムオペラオーは4歳になった翌2000年に史上初、そして唯一となる古馬中長距離GⅠを完全制覇という偉業を成し遂げております。

 

唯一、古馬になって勝てなかったハクタイセイですが、ダービー後脚部不安を発症して長期休養。翌年の復帰戦安田記念を目前に再び故障、ダービーがラストランとなっています。ちなみにハクタイセイ以降、きさらぎ賞をステップに皐月賞を制した馬はおらず、2016年サトノダイヤモンドの3着が最高着順です。

 

ハクタイセイについてもうひとつ補足すると、きさらぎ賞を勝ったときの騎手が現在調教師として活躍中の須貝尚介さん。皐月賞では南井騎手に乗り替わって本番で騎乗することは叶いませんでしたが、調教師になってから2012年のゴールドシップで共同通信杯から直行で皐月賞を制しています。皐月賞以外でも、2021年のソダシで阪神JFから直行で桜花賞を制覇。トライアルレースを使わず本番を勝つ現在のトレンドの先駆け的な存在となりました。

 

 

さて、予想には全く役に立たない話をしましたが、皐月賞はダービーの有力候補をふるいにかけるレース。70数年ぶりの牝馬が勝つのか、現代の王道になった共同通信杯からの直行組か、ハクタイセイ以来34年ぶりのきさらぎ賞直行馬か。トライアルレース組の巻き返しか?いつものことですが、ギリギリまで予想に悩む日々が続きそうです。