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アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

旧『ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ』 

2008年6月~2010年6月の2年間、青年海外協力隊として西アフリカのベナンという国で活動しました。

2012年8月から2014年5月まで、アメリカのブランダイス大学院(Brandeis University)で国際開発学を勉強しました。

ボストンマラソン爆破事件の翌日には、
ボストン市長らが "The One Fund"  という組織を設立し、
募金集めを開始した。お金

Tシャツも早速販売され、
その売上げがこの組織に募金されることもやっていた。

75日間で61万ドル(6000万円)
ほど集めて
すべて被害者に送られたそうだ。
このあたりは、さすが・・ショック!

その他にもツイッター上では、
クローバー マラソンのランナー達がゴール後そのまま病院まで走っていって輸血をした。
クローバー ダンキンドーナツというファーストフード店だけは、
   町が封鎖されても警察のために店をオープンさせた。

などの美勇談が飛び交った。


・・・おやしらず

一方で、途上国から来たクラスメイト達で
爆破テロに対する今回のアメリカの対応を
かなり冷ややかな目シラー で見ていた人達がいた。

『Ethics, Rights, and Development (開発と倫理・権利)』
という授業で話し合ったときのこと。
あるクラスメイトがこんなことを話してくれた。

「友達と電話で話したんだよ。1日町を封鎖したって言ったら、
『いったいどれだけの死亡者が出たテロだったんだ』 って
聞かれたから、3人だって答えた。
そしたら思いっきり笑われた。
『それくらいのテロはこっちじゃ毎日起こってるよ』って。」


同じようなことを言っているクラスメイトを他にも2~3人見かけた。
ニュースにすらならないテロ事件が世界ではたくさん起きている。
彼らの国にしてみれば、
たった1人の犯人のために
町を封鎖するなんてありえない
らしいのだ。

でも日本で起こったらきっとアメリカ以上に大騒ぎになるだろうな・・
なんだろう、この世界の感覚の差は (-_- )

すると先生が
「アメリカ政府は全ての真実を報道していると思うか」
みたいな質問をして、何人か首をかしげていた。

テロやらせ疑惑のことをほのめかしているのだろうか・・ ?(- -;)

実はひっかかっていることが1つある。
犯人特定にあたって、『爆弾の入ったリュックを置いた動画が見つかった』
と報道されているが、肝心のその動画は公開されていない。
容疑者兄弟がマラソン会場をリュックを背負って歩いている姿が
写っているだけだった。

彼らの弁護士が、犯人逮捕直前にカメラの前で叫んでいた姿が
今でも頭から離れない。
「彼らが犯人だというのなら、証拠を出しなさいよ!確実な証拠を!!」

そしてなぜか話は911テロの話になり・・
「あれはアメリカ政府がたくらんだものだと思うか?」
と先生が質問した。

えっ!?叫び

その陰謀説って・・そんなに有名なの!?ショック!
ていうか、公共の場で・・しかも学校の授業でそんな質問しちゃっていいの?!

911の後、そういった陰謀論は私はほとんど耳にしなかった。
そんなに有名だったのかしら。
けど今改めてネットを検索すると出てくる出てくる・・・

ウィキペディアまで。。『アメリカ同時多発テロ事件陰謀説』
Naverとか 『鳥肌が立つほど真実味がある9.11アメリカ同時多発テロの陰謀説とは』

そういった不信感が今回のボストンマラソン爆破事件の
陰謀説にもつながったのかもしれない。

しかしボストンマラソン爆破のニュースを日本で聞いていたら
きっと「あらまぁ」くらいしか思わなかっただろう。
今回こんなに身近で起こったことで、色々考えさせられたのだった。
いつも通り、月曜の夜の授業に行くと、
先生が悲痛な表情を浮かべ、深刻な面持ちでこう切り出した。

「数時間前、ボストンマラソン爆破事件が起こった」

えっ!?叫び

授業の前は、課題に追われずっと図書館にこもっていたので、
私はこの時まで何も知らなかった。耳を疑った。

「僕の娘は、ちょうどマラソンを観にいってたんだ・・
爆破があった場所からたった2ブロック離れたところにいた。」

先生は続けた。

2度とこんな悲惨なテロが起こってはいけない。
これからそんなテロが起こらない世の中を、君達の手で作っていってほしい。
・・お願いだ。」


14時45分頃、ボストンマラソンのゴール付近(コプリー広場)で
100m離れた2ヶ所で爆発が起きた。
3人が死亡し、250人以上の負傷者が出たらしい。

コプリー広場って、私が大晦日にパレードを見たところじゃん目
あそこは何度か行ったことがある。人事とは思えなかった。
 (※参考記事:『華やかなボストンの年越し』

この日私たちの学科では、12時~2時に
絶対参加しなければいけない卒論のセミナーがあった。
それもあってか、私たちの学科では誰も
ボストンマラソンには参加していなかったようだ。

それでも、クラスメイト達の家族や友達がすごく心配したようで、
フェイスブックのタイムラインには、クラスメイト達の
「私達は無事です!」 という書き込みであふれていた。


・・・おやしらず

事件後、容疑者の兄弟の動画(マラソンの会場を歩いている姿)と
顔写真が公開された。

そして事件から3日後の深夜、マサチューセッツ工科大学(MIT)のキャンパスで
銃撃戦が起こり、警察官が1人死亡
その後、ウォータータウン(Water Town) という街で
容疑者兄弟と警察官との激しい銃撃戦が行われ、
兄は逮捕後死亡、弟は逃走した。

MITって・・先週行ったばかりなんですけどガーン
パトカーが何台も行き来する音が遠くから聞こえ、落ち着かない夜を過ごした。

次の日は金曜日。ウォータータウン付近の町(私の住んでる町を含む)
は完全封鎖され、屋内待機が呼びかけられた。
ウォータータウンは私が住んでいるウォルサム(Waltham)の隣町。
バスで10分くらいで着き、サンクスギビングデイの時に遊びに行った街だ。
そう、そこにはあの時招待してくれたクラスメイトが住んでいる。

ブランダイス大学はもちろんのこと、ハーバード大学など
ここら辺付近の大学は全て休校となった。もちろん会社も。

その間、警察官はウォータータウンの家を1件1件回って捜査するのだという。
その日の5時間の授業がキャンセルになりほっとするものの、
落ち着かなくて結局何も手につかない。
インターネット生中継とツイッターで最新ニュースを何度も何度もチェックする。

平日の日中に、車がほとんど通らず静まりかえっているのは、異様な光景だった。

いったいどうなってしまうんだろう・・怖いなぁ・・ガーン

ふと家の窓から隣の家を見ると、
のん気に庭の花黄色い花 に水かけをしている。えっ・・目汗

日が沈み、とうとう夜になった。
犯人が見つかった、というニュースが飛び込んできたので、
ネット中継で犯人逮捕の瞬間を、かたずを飲んで見守った。

まもなく自宅待機令が解け、
外出できないうっぷんがたまっていた人たちは
ボストンコモンという大きな公園に集結し、大喜びクラッカー
その様子もネットで中継されていた。

まるでお祭り騒ぎかコンサート並みのはしゃぎっぷり。
大晦日のときよりも盛り上がってるんじゃないか、というほど。
その様子を見て、初めて
「何かがおかしい」 という大きな違和感を覚えたのだった。


その時、あの容疑者兄弟は犯人ではなかったのかもしれない
という考えが急に浮かんだ。
根拠なんて全く無いし、なんでそう思ったのかは分からない。
ただ、犯人だという確かな証拠を見ていないから何ともいえない、と思ったのだ。

万が一犯人じゃなかったなら、どれだけかわいそうなことをしたのだろう。
もし私が無実の罪をきせられたら、どれだけの人がかばってくれるのだろう・・

そんな考えがどうしても頭から離れない。

違和感を覚えたのは私だけではなかったのかもしれない。
爆弾テロ捏造疑惑が出回ったのは、その数日後のことだった。
ハーバード大学でも毎年春学期に
大きなカンファレンスが3つ開催されるという。

1. International Development Conference  (国際開発)
2. African Development Conference (アフリカ開発)
3. Social Enterprise Conference  (社会企業)

ハーバード大学に通う友人が、
「社会企業のカンファレンスがかなり面白かった」と言っていた。
私は 『国際開発』 の方に参加することに。

駅をおりて向かうと、途中
ハーバードスタジアム (Harvard Stadium) が通りに見えた。
フットボール、ラクロス、フィールドホッケーなどに使われているらしい。

ハーバード、留学

そして道路の反対側には・・
ハーバードビジネススクール!(Harvard Business School:HBS)
MBAを求めて世界中から人が集まってくる。

ハーバード、留学  ハーバード、留学

ウィキペディアによると、卒業生には
ジョージ・ブッシュ、楽天の三木谷さん、ローソンの新浪さんなどがいるらしい。
「MBAを取っても役に立たない」 と
MBAを取ったことがない人達が言っているのをよく聞くけど・・
留学ってそういうことじゃない、と実際に留学して思う。

ハーバードビジネススクール出身で、
一度ちらっとだけお会いしたことある古賀洋吉さんのブログ
『MBAとはどういう教育なのか』  は
その辺りうまく説明してくれている。

チャールズ川を渡ってハーバード大学のメインキャンパスへ。
今回のカンファレンスの会場、ケネディスクールにようやくたどり着く。
あっ桜が咲いてるブーケ2

ハーバード、留学

すでに人がたくさん。

ハーバード、留学  メインホール

同じ時間帯にいくつかの教室で話がされるので、
興味のあるトピックの教室に行って話を聞く。
この間のタフツ大学で行われたカンファレンスと同じ仕組みっぽい。

ハーバード、留学  ケネディスクールの教室はこんな感じ

聞くと、ボストンだけでなく、ニューヨークや遠い人はカリフォルニアなど
遠くから色んな大学生が来ているようでびっくり。

ハーバード、留学  ランチボックス

ランチ中は午後に行われるワークショップの準備をした。
ハイチでのサイクロン緊急支援についての国際会議を行う、という設定らしい。

事前に資料も渡されていて、私はUNOCHA という
緊急支援を行う国連機関の代表という役を、
もう1人の人とペアでやることになっていた。
初対面の人だけど、ランチの間に一緒に作戦会議。

そして・・ワークショップが始まった。
緊急支援をしたいのだけど、宗教上の紛争があるからどうするか、
何を優先するのか、などを決めていく。
他にも政府の代表やNGOなど色んな役割の人達がいた。
こういうの初めてで半分くらいしかついていけなかった。。 (>_<)あせる

会議中色んな緊急ニュースが飛び込んできて、
議長の人も切羽詰まった演技をして、
本当に国際会議に参加しているみたいだった。
こんな緊迫した感じで大きな決定がされるんだなぁ~って
疑似体験できたのがよかったキラキラ
いつか参加してみたいなぁ・・国際会議得意げ

カンファレンス終了後、バスでみんなでマサチューセッツ工科大学(MIT)へ。
ハーバード大学からかなり近いのだ。

ハーバード、留学

・・ってすごい人!

ハーバード、留学

そこの会場では、MITの学生らが途上国で使える機械や
研究内容を発表していた。

例えば・・遠心分離機
これに似たようなの、ドラマ『仁』に出てきたと思う☆
血液の入った管をセットして、ぐるぐる回して成分を分解させ
血液型を調べる・・ってやつ。

ハーバード、留学

これ。。忘れちゃったけど多分木から
肥料を作る機械だったと思う。

ハーバード、留学

途上国の人達が作った服やアクセサリーを売ってたり。

ハーバード、留学

MITってコンピュータだけでなく、国際開発も色々やってるんだね。
他の大学の雰囲気も見られてなんか得した感じ^^

実は前日、課題に追われて
3時間しか寝ていなかったので、もうふらふら。。
ハーバードのカンファレンスについては、
正直話の内容が漠然としてて、いまいち頭に残らなかったなぁしょぼん
これならタフツの学生の発表の方がまだ具体的で面白かった気がする。
 (※参考記事 『タフツ大学で栄養学を学ぶ』

ただ、有名な人がスピーカーとしてたくさん来ているので、
その人達の話が聞けたり、
コネクションができるのが一番のメリットって感じがした。

さて・・帰ってすぐに寝ようっとぐぅぐぅ
日本語クラスの春のイベントがあった。
実は秋学期と春学期を通して、
日本語クラスの ピアチューター(Peer Tutor) をやっていたのだ。

これは、ブランダイス大学で行っている
大学生向けの日本語の授業の一部。
1~2人の生徒と1回あたり30分、
授業で習った日本語を使って会話の練習をする先生をやったのだ。

こういう教科書を使って↓
『Nakama 1a: Introductory Japanese』
アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-日本語ピアチューターブランダイス

普段英語ができなくて落ちこぼれの私が、
「先生」 と呼ばれ何かを教えるっていうのは
なかなか良いストレス解消となったキラキラ

今回のイベントは、1年間の授業の集大成で
日本語を使って色々なことをする。

例えば・・
オープニングは、日本語での面白動画。

日本語クラス、留学

落語の発表。この中の6人は私の教え子なのだキラキラ

日本語クラス、留学

その後、日本語スピーチを聞いたり、
クラスはどうだったかみんなで議論したりもした。

私は2年生を受け持ったのだけど、びっくりするくらいみんなペラペラ
もともと漫画アニメで興味を持っていて
動画をよく観ているらしい。
特に人気なのが、ワンピースブリーチ。そしてジブリ映画。

それに加えて徹底された授業。
毎日1時間の授業に加えて、小テスト、作文の宿題、
チューター、イベントなどなど。
本当によくがんばっていると思う。
日本でもこんな風に使えるための語学の授業をやったらいいのにね。

先生がお寿司を買ってきてくれた。めっちゃ人気ラブラブ

日本語クラス、留学  日本語クラス、留学

教え子の1人が、徹夜をして作ったというデザート。
おかげで今日の最後の授業、遅刻はするしウトウトぎみだった。

日本語クラス、留学  日本語クラス、留学

チューターを始めたとき、人見知りですごく緊張していた子もいたけど、
今ではもうすっかり慣れてくれた。
みんなキャンパスで私を見かけると「先生!」と親しげに声をかけてくれる。
とってもいい子達なのだキラキラ
先日のアジアンカルチャーナイトにも
私が作ったお寿司を食べに来てくれた。

最後に、アンジェラ・アキの 『手紙』 という歌をみんなで合唱。
サビは知ってたけどまともに歌詞を読んだのも、歌ったのもこれが初めて。
こんなにいい歌だった?!目
あいかわらず課題に追い込まれまくっている私の心に染みて・・
ちょっと泣きそうにしょぼん

 ※『手紙』 歌詞

あと1ヶ月もすれば夏休みに入る。
クラスメイト達が早くも夏休みの予定を立て始めているようだ。
そんな風に要領が良くてどんどん先に進むクラスメイト達との距離ができていく。
浪人時代からずーっと続いている先の見えない不安、
私は留学生活に疲れ始めていた。
「今からロールプレイをします」と、先生が言って始まった授業。
私は目を輝かせていた目キラキラ

それは、『Microenterprise Development and Finance
(小規模ビジネス・開発と融資)』
の授業。
昨年の9月に存在を知ってからずーっと気になっていた、
セービング・フォー・チェンジ (Saving for Change) という
OxfamというNGOがやっている貯蓄を増やすプロジェクト
ロールプレイをしてくれるのだという。
(※参考記事 『ポスターセッション』

セービング・フォー・チェンジでは、女性が貯蓄グループを作り、
定期的に集まって少しのお金を持ち寄る。
メンバーはグループからお金を借りることができ、利子をつけて返す。
最後にお金はメンバーに分配される、というもの。

なんと、教授はOxfamの職員で、
実際にそのプロジェクトをやったことがある
らしいのだひらめき電球

設定は、マリの村。
あじさい 90%の女性が学校に行っていない。
あじさい グループの人数は約20人。
     (それ以下だと十分なお金が貯まらず、それ以上だとまとまりにくい)
あじさい 8週間のトレーニングを受けてから、スタート。


1.まずはみんなでグループの名前を決める
  拍手の仕方などを伝え、雰囲気をなごませる

2.リーダーを決める
  みんなでリーダーに必要な資質を一緒に考える
  1人ずつ必ず誰かを推薦していく
  必ず匿名で、誰が誰に投票したか分からないようにする
  投票方法は、みんなの見えないところで石や色のついた紙をポットに入れたりする方法がある。

3.他の役割を決める(秘書、金庫を管理する人、カギを管理する人など)
  1人必ず何かの役につかないといけない
  それぞれの役割についてもどんな資質が必要かみんなで考える

へぇ~にひひ

関心したのは金庫(木の箱)の管理方法
できるだけメンバーにお金を貸して、金庫にお金を残さないようにする。
無くしたときのリスクを減らすためらしい。

そして、箱を管理する人とカギを管理する人を別にする。
3つ違う箱とカギを用意して、誰がどの箱のカギを持っているか
分からないようにすることも。

はぁ~そういう方法もあったのかぁ・・DASH!
協力隊時代に知っていればなぁ (-_- )

基本は1年サイクル。1年後にグループのお金を分配するので、結果が見えやすい。
マラリアの啓発活動も一緒に行われることもあるのだとか。
(マラリアの情報を伝え、必要な人は自分でかやを買う)

だけど、もし金庫をなくしたら金庫番をやった人が責任を取るらしいし、
グループのリーダーは、別の地域に行ってやり方を教えて
プロジェクトが自然と広がっていく仕組みらしいのだけど・・

わざわざやる??
金庫番をやっても他の地域に伝えても、
個人的に何のメリットも無いのに?

それを授業後、先生に聞きにいくと
「みんなグループや地域のために貢献したいと思ってるんだ」
という答え。
つまり、人の善意に頼っている部分が大いにあるということ。
それだとどこの国でもうまくいくわけでは無さそうだな・・・って思っちゃった汗

でも私が協力隊時代やったように、他の機関を頼ってお金を借りるのではなく、
自分達のお金でやるところがいいと思った☆
その方が継続しやすいだろうし^^

そういや私先生に個別に質問に行ったの初めてキラキラ
みんないつも何質問しに行ってるんだろうなーって思ってたけど、
本当に興味のあることって質問も自然と出てくるのね得意げ


※せービング・フォー・チェンジについてもっと知りたい人は↓
セービング・フォー・チェンジの動画  (英語)
マリのセービング・フォー・チェンジプログラムについて  (英語)