300万と夢の話 | モラハラV系バンドマンに飼われてみた
「内見、12.13.14.15のどれかになりそう!」
「14だけ予定入ってる」
「お、わかた!いきたいのね笑」
「行きたい笑」
「なんそれ かわいいな」
「面白そう!」
「まあそうね、新鮮よね」
「ワクワクする笑」
新しいバーをオープンするっていう話に最初から携わってたから、自分の店じゃないのになんだか一緒に作ってるようなそんな感覚だった。
私がひとりで勝手にそんな気持ちになってただけなんだけど。
物件を借りたこともないし、内見に行くのも生まれて初めて。
新しいことって楽しいし、ドキドキワクワクするじゃない。
それを一緒に味わわせてもらってた。今考えるとそんな感じかな。

「俺はmuuちゃんいてくれると安心感すごいから 嬉しけどさ」
「そうなの?それはよかったよ」
「世間知らずなので 社会的にとか、法的にとか そういう知識的な方ですごく守ってくれるから」
「すぐ騙されちゃいそうだもんね苦笑」
「そだよ muuちゃんの責任は重大です 世間知らずのロックスターを守ってください」
「だから助けてあげたくなるんだけどね笑」
「わあい 俺も違うことでお返しするね 何ができるかな」
「歌でしょ、歌 音楽で返してくださいな」
「まあそうなるよね笑」
何度も言ってるけど、本当に歌で返してくれればよかったのにと今でも思ってる。

それから仕事関係の書類を集める説明をしたり、とにかく毎日ずっとLINEしてた。
「月曜日暇じゃ無いのー?笑 忙しいか… 一人で頑張るか☹」
書類集めすらひとりでできないのが可愛いとか思っちゃったりしてね。
「スーパー暇なら付き合って☹」
「14時くらいまでならいいよ」
「車だそうかな! 助手席乗せてあげるよ ぶんぶーん」
「楽しそうだね笑」
「でしょ!」
いや、そっちが楽しそうだから微笑ましくなっちゃうよね。
「muuちゃんち迎えに行ってあげるからおうちいーれて 見てみたい」
「だからー」
家は掃除してないからダメって何度も言ってるじゃん。
「たくさん掃除する時間あるやん」
「掃除してないからむりー」
「かたくなや」
「そのうちハウスクリーニング頼むから綺麗になったらね」
「○○さん(前のバーの常連さん)は入れるのに、俺はダメなんだふうん」
「なにそれ可愛い笑 ロックスターのYYYYさんをお迎えするなら綺麗にしないとね!」
「うまく言えばいいと思って じゃあ早急に ハウスクリーニング」
「おっけ!」
そういえば、その昔家に来たがってたバンドマンいたよね。
あの時は確か私を宿蜜にしようとしてて、宿がどんなものか値踏みしたかったんだよね?
一軒家に住んでる婆どれだけ金持ってんのかな?とかそういうやつでしょ?
今回どういう意図だったかはわからないけど、デジャヴだわぁと思いつつ。笑

「待ったよく考えたら月曜日も火曜日もmuuちゃんといるやんおれ」
「ダメだった?笑」
「いや、ラブラブやん笑」
「わぁい」
「突然だよねほんと 突然こうなったね」
「ほんとだね」
「嬉しいですか?」
「なんで敬語なの笑」
「嬉しい?」
「でもラブラブな要素はあんまりないよね笑 助けてあげなきゃって感じ!」
「それはまだ抱いてないからかな?」
「どうだろう?笑」
「したいと、思うの?」
「うん」
「ええ、ほんと?」
「うん笑」
そりゃ興味あるもんね!
ワンチャンとは思ったよ。笑
でもまだこの時は助けてあげたいって気持ちが強くて、そういうのなくても別によかったんだけどね。
「じゃあ美味しく頂くね。」

そしてまたLINEは続く。
「おきてしもた」
「おはよ」
「muuちゃんって一体いつ寝てるの」
「さっき一瞬起きて返事してまた寝たよ笑」
「ちゃんと眠れてるなら良かったよ」
そうこれもなんかデジャヴなんだよね。
毎日毎日朝昼晩LINEが来て、LINEの着信音の幻聴まで聞こえるようになる現象。
こうやって人は少しずつ洗脳されていくのよ。
最初は頻繁なLINEがちょっと面倒臭いなぁくらいに思ってたはずなのに、だんだんと毎日会話することが当たり前になって、LINEが習慣化され、そのうちLINEが減った時になんでLINEくれないの?寂しい!と思ってしまう。
これホストの手口。バンドマンもよくやるやつ。
わかってるのになぜかまたその手に引っかかってしまう。
学習しないんだ。私。笑

「ところで300万円くらいちょうだい!」
「何の話?ww」
「いや冗談笑 なんかもうお金無さすぎていやんなっちゃうなと☹」
「これから稼げばいいよ」
「これから稼ぐけど」
「貸そうか~?」
「いつになるかわからなくてもいいの?」
「売上から少しずつ返してくれればいいよ」
「いや借りるのはいいや!ありがと!」
「そう?笑」
「なんか貸し借りは人間関係悪くなるイメージあるからやめる!」
「金の切れ目が縁の切れ目だからね」
「それは寂しいよね 貸し借りって結局ちゃんと返すのであれば、恩のようで恩ではないと思うんだけど 借りてたり貸してる間って「借りてるのに」「貸してるのに」っていう気持ちが常にひっつくじゃん そのせいで微妙な壁ができるよね、周り見てる感じ笑 だから貸し借りした時点で、絶対もうその関係は亀裂入るし戻らないと思う」
「もらうならいいけど?笑」
「逆にあげる、貰うってなれば「あげたんだから返してとか思わない」と「貰ったんだからその恩は返さなきゃ」って気持ちになると思うんだよね。そっちの方が関係に恩が出来ると思う。綺麗に行くと思うんよね!だから頂戴とかじゃないからね笑 相手が運悪く悪い男だったら感謝すらされずお返しなんてまるでされないと思うけど笑 てかシンプルに借りたより貰ったの方が返さなきゃって気持ちになるよね 例えば自分がピンチの時 「お金貸してやるよ」 って言われるのと 「お金あげるよ、返さなくていいよ」 って言われたら 後者の方が必ず恩を返そうってなるよね だから頂戴ってわけじゃないからね笑」
「なるほどね」
いや、なるほどねと言ったものの、全然わからない。
何言ってるのかなぁと思ってた。
世間ではお金を借りたら利息を払わなきゃいけないのよ。
それを無利息で貸すって言ってるのに返すんだから恩じゃないと?
結局、あわよくば金くれないかなぁ?って話だよね、これ。
そして無償でいろいろ手伝ってあげても感謝すらされずにお返しなんてまるでされなかったけどね?
いや、彼なりにたくさんお返しをしたつもりでいるみたいだけど、まぁそれは先の話。
「言いくるめようとしてないからね、本音ね」

「明日10:00に池袋まで来れる??」
「迎えに来てくれるんじゃないの?笑」
「家入れてくれないんでしょ〜」
私の家が思ったより遠かったから、面倒臭くなったんでしょ。笑
「いいよ、電車で行くよ」
「いやいや、迎えに行くよ¨̮」
「ほんと?」
「うむ!!」
「わぁい! ありがとう!!」
「うれしい?」
「うん」
「じゃあうんとデレデレしてくださいね」
「え笑」
「好き好き感もっとだしてね」
「それ必要?笑」
「もちろん むしろ一番必要かと」
「そゆの苦手なんだよな笑 頑張る…」
「そう?デレデレしてる時あるよたまに」
「ほんと? そゆとき教えて! これがデレデレだよって!」
「ちゅうとかしないと」
いや、私ぶっちゃけこの頃はまだデレデレとかしてなかったと思うのよ。
だってファンとしては好きだったけど、別に恋してるわけではなかったし。
でもこうやって毎日LINEで色恋もどきの言葉をかけられてると、そりゃまぁ楽しいし、なんとなくその気になってくるじゃない?
こっちも可愛いこと言った方がいいのかなぁとか思ったり。
そう今考えると、自分の心の動きもデジャヴ過ぎて笑える。

「眠れんピンチ!」
「私も起きてる!」
「ちゃんと寝るんだよ? 朝早いんだから!」
「はぁい」
「準備する」
「おはよ」
「もう少ししたら出る!」
「了解! 気をつけてね!」
「あーい! くるまのるよ¨̮」
「はーい!」
「45ふんかかる! まってね!」
「待ってるね」
「つくよ!」

連絡マメな男って罪だよね。
コロッとやられる。笑
状況を説明してくれると安心感があるんだよね。
そしてうっかりすべてを信じてしまう。
なかなかチョロいな、私。

あ、書類集めにつき合ってあげたお礼にごちそうしてくれたのがこちらのつけ麺。



お昼ご飯を食べ終わったのが14時過ぎ。
私は仕事の予定があったから、お客さんの会社へ向かう。
「気をつけて行くんだよ〜¨̮❁」
「ありがと! ドライヴ楽しかった!」
「ほんとに?笑 退屈じゃなかったかな」
「ほんと!今まで一番デートっぽかった笑」
ほら、デートとか自分で言っちゃってるし。
ただの資料集めだったのに、もうその気になってるじゃん。
チョロい。チョロすぎる。
「デートっぽいのが好きなんだ¨̮ならしつこいけど早く家掃除しておいて笑」

「muuちゃんは何時までなの? 終わったら教えてね¨̮」
なんて言うから、仕事が終わったらいそいそと連絡してしまう。
「終わったよ~!」
「すごい寝ちゃってた、そして怖い夢だがmuuちゃんでてきたよ笑」
「おはよー 私なにしてたぁ?笑」
「同じベッドで寝てたよ!グレーのパジャマ姿で!」
「なにそれラブラブじゃん!!」
「そだね、で寝起きにmuuちゃんがお母さんのこと思い出してしまったとか言って悲しい顔してたから、よしよしって俺が覆い被さってたよ! でそのあと、muuちゃんが俺の靴か何かを、別の部屋から持って来てあげるねって言って隣の部屋に行こうとするんだけど、なんか俺が嫌な予感して後ろからついていったら、家の中にやっぱりゾンビがいて」
あ、この夢の話とてもとても長いからここで割愛させていただくけど。笑
でもなんか可愛いなぁ~とか思っちゃってた。
あれ?夢に出てきたって話もデジャヴのような気がしてきたよ。笑