今日の伊勢湾は全面焦げ茶色の濁流で、浮いたマダイやスズキの死骸が川のように流れる死の海で、キスも釣れない。
これではせっかく復活しかけていたタコも逃げ場がなく全滅・・
釣りから帰ったまむし頭からそのような報告を受けた。
すぐ横の宮川はいつもと同じ色で濁流ではないが、伊勢湾に注ぐ大河は木曽川、長良川などたくさんある。
愛知方面の大雨の影響を受けたもので、濁流は伊勢湾の奥から来ていた。
自然界の川は大雨でも濁らないが人間界の川は濁る。
田畑に撒かれた大量の肥料中心に耕し続けた表土、さらに生活廃棄物も根こそぎさらわれて海に注ぎ込まれるからだ。
先日、「深刻な海洋生態系の崩壊」という記事を書いたばかり。
ここ数年深刻なダメージを受けた伊勢湾で、全滅したタコが戻りつつあったが、落胆した。
午後の来客は、三重県農林水産部の職員が課長以下3名、それに国の各官庁に関する政策研究機関の博士が一人。
2人は十数年前に野人が県の講師・企画などで協力していた頃の知人。
協生農法を知った研究機関の博士が驚き、話を聞きたいと旧知の野人を訪ねて来た。
彼は農林水産だけでなく、環境、河川・砂防ダムなど国土交通省管轄の問題など広域省庁に及ぶ問題の打開を模索している。
お野人の話は相変わらず脱線しながら長くなり、詳細までには至らなかったが、例題を挙げながら彼らに伝えたのは以下のことだ。
常識で話せば通じないのが野人理論だから仕方ない。
そのうちにまた来るかもな・・
問題の解決は、温暖化だけでなく農業のあり方、暮らしの在り方が変わらない限り困難だろう。
しかし誰かがやらなければ人類社会もまた崩壊に向かうだろう。
このままでは・・と、指摘・警告は科学者だけでなく誰にでも出来る。
重要なことは、いかにして成し遂げるかだ。
現在の科学・学問では不可能なことは間違いない。
「不可能」・・このことが最大の糸口であり、役に立たない学問は捨ててかかれば思考も開けて道も開ける。
2016年に公開した「肥料がもたらす災い」での締めくくりの言葉だな。
明日の講習会のテーマは「野人理論」
内容は未定だが、何話すかな・・