脂肪の役割と居場所  | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

 

 猪のロース  豚肉のように脂をカットして成型することはない

         猪は脂を食べると言われ 脂の量で価格も決まる

 

 

一昨日の猪解体講習会で皮の剥ぎ方を教えた。

脂のない夏猪や鹿は短時間で綺麗に剥げるが、脂がのった秋から春の猪は時間がかかる。

 

大きさによるが、綺麗に剥ごうとすれば手慣れた翼で小さい猪は数十分から大きな猪は1時間以上、慣れないと小さな猪でも2時間かかる。

 

皮と筋肉の間には薄い皮膜があり、脂肪は筋肉ではなく皮の下に付着、だから皮下脂肪と呼ばれる。

皮を剥ごうとすれば脂肪は皮に付くのだから、剥ぐのではなく皮から切り離して肉のほうに付けるのに手間がかかる。

剥ぐと言うより小刻みに刃先を入れて少しずつ切り離す根気のいる作業だ。

 

基本的に脂肪はその時の動物の活動には必要なく、予備エネルギーを備蓄するバッテリーのようなもの。

食べられる時に食べて過酷な時期に備えるか、産卵などエネルギーを要する時期に備えるかだ。

 

結果的には寒さに耐える防寒の役目も担うが、動物の脂肪はすべて同じ目的だと考えればよい。

寒さに耐えるのも相当なエネルギーを要するのだから備蓄エネルギーは必要。

野生動物は国内もそうだが、季節によって備蓄と消費を繰り返している。

 

脂肪は、皮下の他に内蔵に備蓄され、内臓脂肪と呼ばれている。

いわゆる「ラード」であり、皮下脂肪と違って溶けやすくすぐに使える脂肪だ。

皮下脂肪が定期預金なら内臓脂肪はすぐに使える普通預金と考えればよい。

 

エサが取れずエネルギー不足になると、この脂肪をエネルギーに変え動物は生存する。

数カ月飲まず食わずの冬眠もこの備蓄があるから出来るのであり、脂肪を備蓄した動物は長期間食べずとも問題はない。

 

人間はどうなのか。

他の動物は備蓄を使い切れば例外なく標準体に戻るが人間はそうではない。

脂肪で全身肥大したまま戻らずダイエットに苦労している。

 

食べなければ脂肪を使い切るはずなのだが、空腹に耐えられず食事制限や、消化吸収されないおかしな道理の健康食品に頼っている。

それでも大半は備蓄脂肪を持て余している。

お野人も少々お腹の脂肪を持て余している。

 

つまり、普通に使えない脂肪であり、絶体絶命になると仕方なく使われている粗悪脂肪と言うことになる。

忌み嫌われるのも、暖房以外あまり役に立たず何ともならない長期不動在庫だからだろう。

 

お野人、毎日のように猪ばかり食べているわけではなく、大半はブロイラーの焼き鳥だな。

まあ、普通に腹も減るからお腹の脂肪は使えない脂肪だ。

 

脂肪は嫌われるが、自然界で生き抜くには不可欠なもの。 貯め込んだ脂肪は使い切るのが道理。

 

脂肪は嫌われるが人間の脂肪が嫌われるのであり、脂肪がのった肉や刺身は重宝されている。

天然の魚肉はともかく牛豚などの市販肉や養殖魚の脂肪は人間の脂肪と同じ。

 

それらを食べない野生動物と、それらを好む人間。

脂肪は脂肪を、メタボはメタボを生むと考えればよい。

肉の脂肪だけでなく、食べ過ぎれば穀物や野菜も脂肪に変えて備蓄されるが、肥料による養殖ならそれらもまた粗悪脂肪になる。

 

脂肪についてもう少し考える必要があるのではないだろうか。

塩が悪い、砂糖が悪い、肉が悪い、脂肪が悪いと、どれもひとまとめにして簡単に言葉で片づける前に。

どれも奥が深いものなのだから。

 

人間が悪いのでは・・と思考を進めれば間違いにも気づき、脂肪に振り回されることもなくなるだろう。

完全な脂肪と不完全な脂肪は異なる。


 

 

脂肪を避ける人と脂肪を食べる野人の違い

https://ameblo.jp/muu8/entry-12264598946.html

 

 

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