解体の始まったむー農園・・
作業していただいた読者の皆さんのおかげで風通しも良くなった。
まだ数回はユンボーを入れなければ果樹の移転は終わらない。
年々多忙になり、剪定も草刈りもままならず、密林にしてしまったが、ここまでよく育ってくれた。
昨日も今日も、それぞれの木をどうするか、考えながら農園を回った。
何年もまじまじと見ることがなかったが、よく見るとそれぞれの生き方と歴史が刻まれていた。
3本のザクロの木も、ヒメリンゴの木も、山ブドウもまだ実を食べたことがなかった。
密生したブルーベリーも毎年実を付けていたのだろうが、奥までは入って食べたことがない。
ウグイスやホオジロの巣があった場所、キジが卵を温めていた場所など鮮明に覚えている。
周囲を歩いていて思い出したのはあの老猫。
最も印象に残っているのはこの猫で、野生動物同士の争いに介入しない野人が味方をした老猫だ。
見ていられなくなったからだが、巨体の老猫は運命を悟り、受け入れていた。
力尽きて倒れ、死期間近なことを知ったカラスにつつかれても抵抗する力もなく、助けも求めず、声も出さなかった。
野人はカラスを追い払い、傍で激を飛ばした。
「ネコロブんじゃねえ 立って歩け」
老猫は歩き続けた。
足取りはゆっくりだが、威風堂々と農園を横切って行った。
「もう 歩かんでいい そこで寝ていいぞ」
その野人の言葉で初めて立ち止まり、振り向いた老猫の顔が印象的だった。
また会える時もあるだろうな。
老猫とカラス
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