出来上がった塩は100g千円・・30キロで30万円の請求書付き。1キロ1まんえん・・の原価
沖縄は湾内に注ぐ大河もなく、水が綺麗だから白くて辛いのはわかるのだが、どうも違う。
味もそうだが、湿気で水分を吸わないのだ。
問い合わせて本当の事がわかった。
一切にがりを抜かないことが条件だったが・・
抜いてしまっていた。
やってはみたがやはり無理で、高熱で釜が割れそうになったからだ。
凝固を防ぐ為にスタッフ総出で土鍋を並べて仕上げたらしいが、空焚きでの完全乾燥はどうしても無理だと言う。
結局ビレッジと同じ原始的な製法になったのだが、にがりを抜かなければ出来ないのなら「無理」だと報告して中止してもらいたかった。
しかしこれまで沖縄最高の塩を作り続けた誇りもあるし、彼らにとってはこの塩が最高の塩なのだ。
後で送られて来た「にがり」は70リットル。
少しどころか相当抜いているではないか、これでは普通の塩だな。
30キロの塩と70リットルのにがりを前にして途方に暮れてしまった。 3トン以上の海水の産物・・
これらを元に戻す容器もなければやり直すのも重労働。
そこで、30キロの塩と70リットルのにがりを特大容器に入れて放置した。
自然に水分が蒸発して丁度良い加減になるのを待ち、それから少しずつ仕上げ、最後にすべて混ぜ合わせるつもりだった。
屋根を付けて1年間放置したが水分量は変わらず、ゴミが浮くばかり・・
最初から適当に少しずつ仕上げて最後に混ぜれば良かったのだ。
一気に直射日光に当てるならともかく、潮は水分を吸うことを考えていなかった。
結局その塩はゴミを除いてコツコツ仕上げ、それをすべて混ぜ合わせ、業務用としてすべて料理に使ったが、高価な業務塩になった。 通常数千円の塩が30万
塩辛くて販売には使えず、合わせたにがりの量も完全かどうか定かではなかったからだ。
湿気はある程度吸うのだが完全かも確信が持てない。
湿気を吸わない塩、吸い方が乏しい塩は不完全。
生命の塩は生モノであり、湿気があれば必ず元の海に戻ろうとする。
岩塩もまた、その形成過程から、海の完全なバランスを持つ塩などあり得ない。
干上がる過程で均等に沈殿凝固するはずもなく、比重の高い結晶から順に積み重なるバームクーヘンのようなもの。
それぞれの味わいがあり、嗜好品として使えばよい。
本来の海の塩は、すぐ目の前に海がある漁村でやるのが一番無理がない。
企業がやるものではなく、廃れる漁村活性の為に、そこに住むじいちゃんばあちゃんにやってもらいたいと野人は考え、むー塩作りを始めた。
元々釜戸でヒジキや煮干しなどを茹でていたのだ。
火の番はお手のもの、海水は目の前で時間もたっぷりあり、コストがかからず価格が安定すれば消費者も喜ぶ。
仕上げだけは重労働で職人技を要するが、単純な濃縮工程なら誰でもやれる。
やる気があるなら仕上げは力のある村の若者がやればよいのだ。
漁協中心にやれば完全な塩は全国に広がり、漁村は活性、世界へも広がる、それが野人の望みだ。
その塩や濃縮海水で干物や漬物などを生産すれば活性はさらに広がる。
波及するまで販売は野人の会社が引き受ければよい。
完全なミネラルバランスの塩は手間もかかり高価になるが、波及しなければ彼らも生産出来ない。
仕上げが困難で製品が安定しないなら、当面はマリンビレッジで仕上げを引き受ける。
完全な海水塩作りの苦悩3
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