消え行く山 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

 

 

 

 

 

山が消えて行く

この見慣れた山・・

35年前と比べて 随分変わってしまった

 

まだ低くなってはいないが 表土は剥ぎ取られ 丸裸になりつつある  表土なくして生き物は住めない

ほぼすべて石灰岩で出来たこの山は簡単に削られず

消滅は相当先になるだろうが やがては消え去る

 

これだけの岩山の上に薄い表土が築かれるまで

どれほどの時間がかかったか・・

 

野人の生まれ育った九州の町もミカンとセメントの町

セメント会社は地域最大の企業であり 住民の多くはセメント会社関係だ

子供の頃見慣れたマッターホルンのような白い石灰岩の山は いつの間にか跡形もなく消えていた

 

積み出しに1万トン級のタンカーが入港する湾は水深50m

この山の前の狭い水道の水深も深い所で70mある

埋蔵量 水深 ・・ 海に積み出せる鉱脈

条件が揃えばこうなる運命にある

 

今やセメントは文明の必需品 樹木や天然岩で間に合う時代は終わり人は人口の便利な石を作るようになった

他に代わる材料がない以上 仕方ないことだが

山が消える姿を見るのは忍びない

 

セメント 石炭 鉱物だけでなく 人は山を削り 平らにして宅地 工場 道路などにして来た

都市となっている平野も元は森や小山や湿地帯だった

湿地帯で手が出せなかった首都も徳川家康が開墾して暮らせるようになった わずか四百年前の事・・

 

人類は 肉と木の実と綺麗な飲用水の確保が容易な川の中流域から上流域で何百万年も暮らして来たが 農業の発達と共に下流域の平地で暮らしを営むようになった

 

誕生以来数百万年 他の生き物同様 自然の中で自然と共に生きて来た人類は この数千年で 自然を変え 快適な暮らしを営む道に転換した

 

生きることは多くの生き物達を追いやること・・

結局 それしか出来なかった

 

アフリカ アジア 南米 相当な速さで森林が失われつつあるが 先進国の今の文明も同じように森林伐採を繰り返して来たのだ

人が生きる以上 人口が増える以上 

そこに文明を築こうとすれば伐採は止まらない

 

気候が厳しくなければ

木々がない平野や草原などあり得ない

表土には必ず草が密生 木々が育ち 必ず森になる

平地も 山も・・

その森で動物は生を営み 誕生と消滅を繰り返している

 

当たり前のことだが 何故草が密生するのか 必ず森になるのか・・ 考えた事があるだろうか

そこに森羅万象の道理があり

それが必要だからそうなっている

 

その仕組みが壊れれば 破壊がさらに広がれば

生き物が暮らせる生態の仕組みは壊れ 循環の仕組みも壊れる

現に地球はそうなりつつあるが 人は手も足も出ない

 

生態の仕組みを 循環の仕組みを壊さず 破壊を食い止めるには 人間と生き物が共存出来る森を 山を創り上げるしかない

 

利がなければやらないのが人間 共存は難しい

利があれば 理がなくとも 迷わずやるのも人間

 

共存ではなく 協生なら異存もないだろう

途方もない利に加え・・

確固たる理・・

彼らなくして森は築けないのだから

 

 

視点を変えれば山も動く 「開け村ビックリマーク

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暮らしっくパークの理念

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桃源郷を目指して・・

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