昨日夕方の遅い昼食は天然うなぎのバーベキューだった。
炭火蒲焼きには違いないが、丸ごと焼くには串を打たなければ反り返り面倒。
適当な大きさでバーベキューにするのが簡単、魚のように「三枚おろし」にして、片身を適当な長さに切って焼けば反らないから苦労もいらない。
見かけはうなぎっぽくないが、お腹に入るうなぎは同じだ。
白焼きにして、タレに放り込んで転がしてまた軽く焼く、これを数度繰り返せばよいのだ。
穴子もこの方法で簡単に蒲焼きが出来る。
川漁師ジャックが届けて来た天然ウナギは5キロ、平均250gで400gを越える立派なウナギもいる。
うなぎさばきは熟練しないと難しく相当手こずる。
穴子は魚に近いが、うなぎはエイリアンに近く、肉質も異なり知恵もパワーも別格。
それからしても相当なエネルギー、昔からマムシと並び精がつく食材とされてきた。
旬は夏とされるが、食欲の落ちる夏に売る為の方便であり、天然うなぎの旬は秋から冬だ。
うなぎは10度以下になると食べずに泥に潜り冬眠する。
その前に荒食いして脂肪とエネルギーを蓄えるのだから当然と言える。
産卵出来る大きさになるのに6年前後かかるが、養殖は1年以内でないと商売にならない。
周年30度くらいに保ち、毎日豊富なエサを与えれば1年も経たずに出荷サイズになる。
エサを探す苦労も時間も必要なく、冬眠もせずに連日たっぷり食べ続ければ6年も1年に短縮出来るだろうが、人間同様に病気にもなるからその対処も必要になる。
自然界の道理から遠ざかればそうなって当たり前なのだ。
この養殖技術は肉にも魚にも野菜にも適用され、本来の健全な細胞、肉質とは別個のものになる。
エサ次第でどのような脂も好みに合わせて自在に調整、品質安定したうなぎに旬があるはずもない。
それは養殖のブリ、マダイ、肥料を与えた野菜、果物、すべてに当てはまる。
ビジネスとしての人の技術は自然界では不可能な「季節外れ 旬外れ」をも可能にし、健康悪化にさらに拍車をかけている。
間違いを繰り返しながら修正も繰り返し、それでも一向に修復されないのは明らかに間違っているからであり、最も大切な「生き物の本質」に気付かないからだ。
人知をはるかに超えた命ある食べ物は商業製品や工業製品ではない。
野人の悪い癖で講釈の前置きがと~っても長くなってしまったが、本題はこれから。
「どんな味だったんだ? 早よ言わんか」
おあずけを食らった読者の罵声が聞こえて来そうだ。 結果は・・
これまで食べた天然ウナギの中でも最高
野人は小学生の頃から天然うなぎ捕り名人、大学まで養殖があるなんて知らなかった程で、中高も釣って潜って突いて毎年のように天然うなぎを食べ尽くした。天然は養殖と違い環境による味の差がある。
いくも四国の山村仁淀村で鮎やうなぎやモクズカニや猪肉に囲まれて育ったから味にはうるさい。
しかし冬は冬眠中で捕れないのだからあまり食べた記憶がない。
まむしは種子島育ちだが、漁師の親が捕ったうなぎは商品であり、食べた記憶がないらしい。
初の天然うなぎだったが、魚の味にとってもうるさいマムシのアタマは驚愕、大絶賛
脂はさっぱりしているが、体全体に沁み渡る旨さでエネルギー全開、もたれず何匹でも食える
養殖と天然では脂の質が「豚と猪」同様に全く異なるのはわかっていたが・・こりゃあ別格だ。
あまりの旨さに3人は万歳三唱
うなぎ踊りを踊りまくった・・・
いい年して・・バカみたいだが・・
お笑いなくして人生はつまらない。
どうやってこれを客に提供するか・・
食いながらの会議でマムシが提案した。
「これ・・売るのやめて全部食いましょう」
以前からジャックに依頼、元々野人個人が買うつもりで引き取ったうなぎなのだ。
全員大賛成だったが・・
一部を読者に提供することにした。
原人の食う分も残しとかないと可哀そうだ。
販売するほどの量でもなく、野人が催す・・
「漫遊の食卓」の食材として使う。
鰻の字も・・似ているしな
来年度の野人企画、お楽しみに・・
野人が作る天然うな丼定食
http://ameblo.jp/muu8/entry-10304432547.html
究極 天然うなぎの白焼き丼
http://ameblo.jp/muu8/entry-10297996607.html
天然うなぎと鮎の賄い食
http://ameblo.jp/muu8/entry-11904620402.html
天然うなぎ獲りの夏 小学生野人の食料調達奮戦記
http://ameblo.jp/muu8/entry-10088811909.html
雑誌 連載エッセイ
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