温暖化の影響で南の猛毒魚が日本全国に広がっている。
ソウシハギと言うカワハギの仲間で、本土ではあまり見かけない暖海の魚だ。
10歳の頃から海に潜り、屋久島から沖縄の西表島まで東シナ海を縦横無尽に航行、漁労、ダイバーという職業柄、主な魚から珍しい熱帯魚まで食べ尽くし、生態、捕獲、調理、味覚など、魚介類に関して総合的立体的な多くの視点を野人は身につけた。
ソウシハギは黒潮本流の漂流物から沿岸の岩礁地帯まで幾度か見かけ、釣りあげた事もある。
母校の海洋学教授が編集した高価な虎の巻「南日本の魚類図鑑」は必需品で長年愛用。
食べる前に調べて毒魚とわかり食べた事はないが、図鑑がなければ間違いなく味見していた。
カワハギの仲間だから毒はなく食べられるだろうと言う思い込みは通用しない。
見た目は不味そうでも、毒草のように食べて確認するのが野人の習性。
旨そうだったら調べるまでもなくパクパク食っていたかもしれんな・・・
毒草と違ってフグ毒が舌で判別出来ないようにこいつも危なかった。
猛毒フグを野人は何度も間違えて食ったせいか、後遺症で記憶回路は消失した。
魚介よりも植物、植物よりもさらに判別が難しいのがキノコだ。
実践経験と、毒を持つ類似種との判別が出来なければ本も知識も役に立たない。
くれぐれも図鑑だけで判断して食べないようにね。
人は見かけによらないことも多く、野菜や魚介や肉もそうだ。
感性と本能は紙一重、その紙一重が生死をも左右するが、理は感性に関係なくはっきりしている。
人にとって最も大切なものは心である感性だが、本能と理を磨けば鬼に焼き鳥串・・
これらはどれも森羅万象の護身術には不可欠のものだ。
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