12年ぶりに元の職場の合歓の郷へ戻り、広大な敷地を歩いた。
前回の記事で紹介した水生の沢は整備されて公園になっていた。
10万坪以上の果樹園、山林は別荘地として売却され、生命溢れる水生の沢遊歩道は軽トラックが通れるほどの広さで砂利が敷き詰められ、池や湿地も小川も無機的な護岸に変っていた。
野人が創り上げた当時の沢は、歩いても疲れない柔らかい土の道端には山菜、薬草、野花が咲き乱れ、山にはササユリやマッタケもあった。
小川や池にはコイ、フナ、ドジョウ、ザリガニ、メダカが何処でも見られ、下流から汽水域にはウナギやモクズガニがうようよいた。
オニヤンマやギンヤンマなどのトンボや数多くの蝶が舞っていた。
池にはスイレン、コウホネなどが、湿地帯には野生のカキツバタやキショウブ、小川には春は一面のクレソン、初夏にはホタルが舞い、真夏になると赤いミソハギが咲き乱れた。
これでは蛍も産卵出来ない。
水流量を考慮、自然の地形を生かし、残すべき樹木と草を教え、管理させていたのだ。
冬には多くの渡り鳥が来て、池いっぱいに広がったヒシの実を食べていた。
夏休みは女性スタッフ達が毎日のように網を持った子供達を連れて「自然の生き物探検隊」コースに案内していた。
アケビやイヌビワやモミジイチゴなどの豊富な木の実の大半は綺麗に刈り取られていた。
歩いても溢れる生命を感じない。
今年、原人やセファリのメンバーをここに案内するつもりだった。
この沢には多くのフアンがいたが、これではがっかりすることだろう。
野人は撮影をやめ、もう1箇所のとっておきの場所に向かった。
そこは野生のコバノミツバツツジがおよそ1万本自生、海が見渡せる場所でマリーナの目の前の岬。
雑木やシダに埋もれて誰も知らなかったのを発掘、自然を壊さず手入れしていたのだ。
周囲の山にはさり気なくスモモやアマナツや梅や柿や栗などの果樹を数百本配置して自然界に近い混生果樹園にしていた。
そこも立派なメンテナンス道路が先端まで走り、整備された梅園になっていた。
50m歩いて入るのをやめた。
公園、河川敷、ゴルフ場・・人の考えることはみな同じだな。
広大な世界の田畑、果樹園、植林もそうなっている。
人間だけの為に人間が作る施設は生命の歓喜を感じない。
人の都合で住処を追われる生き物達の行き場はなくなってしまう。
自然とは何か、その仕組みとは、生命とは、人知とは・・
道理を誤ればそのツケは必ず人間に帰って来る。
この場所も公園に この景色も見納めだな・・
水生の沢に放流する生き物捕獲の為に
休日 網を持って野人宅にやって来た女子社員3人組・・
野人愛用の手裏剣をせっせと・・磨く
眠れる野人の手裏剣
http://ameblo.jp/muu8/entry-10130782787.html
生き物の住めない綺麗な川
http://ameblo.jp/muu8/entry-10310538936.html