小雨の中、猿人と虫人を連れて道なき道に踏み込んだ。
山と海に囲まれた広大な水田の跡地だが今は荒廃して道も定かではない。
サッカー場が幾つ出来るかわからないほどの広さで周囲の小高い山が冬の季節風を遮っている。
二見に実験農園を作った頃、この地の将来を案じた地主さんの息子に「何とかならないものか」と案内されたのが最初だが、圧倒されて一目でこの地に惚れ込んでしまった。
水も豊富でこのような素晴らしい土地が何故野放しなのかと感じたが、国道沿いの田畑でさえすべて荒廃しているのだから無理もない。
農業として成り立たず、後継者もいないのが理由だ。
それに猪の害と豊富な水の制御が困難な理由も加わる。
最初にこの地を見た時、周囲の山も含めて完全復興しなければと闘志が漲った。
瞬時に、どのようにやり遂げるか詳細な部分まで頭の中に方程式が閃いた。
しかしまだ問題が山積みされている。
地主の承諾や法的な問題に資金面が解決しなければ計画は進まない。
一企業、野人個人でやれるものではない。
今の状況の野人には気が遠くなるほどの道のりだが、時節が来れば一気にやって見せる。
年初めに原人と猿人を案内したが、このスケールに魅了されたようだ。
小高い山一つ越えなければ民家はないが、国道から車で5分もかからない。
この日は周囲の山に踏み込んだが、道や水路は崩壊、植物講習をやりながら行けるところまで進んだが、虫人は虫達に熱中していた。
人が手をかけなくなって相当経つと自然界は復元、豊かな生態系が育まれていた。
来月蛍の時期の夜中に1人で来てみるか、おそらく猪だけでなくマムシの群れがフォークダンスでもやっていることだろう。
わくわくするな、つい・・「お手!」とやってしまいそうだ。
テーマ 農村活性ビジョン「開け村」
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