ひじき
先日、親子連れをボートで無人島へ案内、磯遊びをした。
わかめの時期は終わり、ひじきも終わりに近づいている。
わかめとひじきは同じような海域に育ち、付着する水深が少し異なる。
ひじきは潮が引いた岩場に残り太陽の日差しを直接浴びているが、わかめの根は水中にあり、たまにはみ出ているのがあるくらいだ。
大潮の最干潮ならどちらも歩いて簡単に採れる。
地域によっては漁業規制の対象になっているので確認は必要だ。
特にひじきは解禁と同時に一斉に船で刈り取る魚場もある。
このひじきは食卓にあがる形とは似ても似つかず、ひじきだと教えなければわからない。
刈り取ったひじきはそのまま岩の上で乾燥、灰汁でアクを抜き、さらに干すことを繰り返して完成、あのような黒く細い形になる。
この地域では生わかめは冬中出回っているが都会では珍しいようだ。
塩蔵わかめや乾燥わかめは、味噌汁も酢のものも味は生わかめには敵わない。
春になれば波で海底から千切れたわかめが海岸に打ちあがるが、それは自由に拾って構わない。
わずかに生き残ったこの写真の破れわかめは持ち帰って味噌汁にした。
ひじきやわかめの生息域も海洋汚染と共に狭められてきた。
透明度が良いにもかかわらず養分過多で汚染が進む海は寂しいものだ。
このままでは10年以内にこの海岸もひじきやわかめが見られなくなるだろう。
海の復元を急がねばならない。
成し遂げれば、たとえ彼らは一度消えても必ず戻って来るはずだ。
2008 4月 春を告げるメバルとワカメ