リトルマスター 虹色の魔石 [徳間書店インターメディア/ツェナワークス] スーパーファミコン
あまり知られていないシリーズなんだけど、個人的に大好きなシリーズの1つ。スーファミである本作の前にゲームボーイで2作発売されており、僕はゲームボーイで遊んで好きになったシリーズだ。
システム的にはオーソドックスなSLRPG。自キャラのターンがきたら四角マスで区切られたマップを進めるだけ進み、敵と隣接したら戦闘。全自キャラのターンが終われば敵のターン。マップ画面・戦闘画面からしてファイヤーエムブレムそっくりなのでどういったゲームかは想像がつくと思う。
システム面での特徴として、攻撃や防御に合わせてタイミング良くボタンを押すとダメージ変化があるインパクトシステムがある。このおかげで戦闘で退屈することもない。難易度は易しめながらもマップは多彩で程よく頭を使う。
赤色が敵ユニット
さて、このシリーズ1番のウリはなんなのかというと、それはなんといってもキャラの魅力だろう。
まずプレイヤーサイドで言うと、リイム・ライクバーン(勇者)、モーモー・ダイナマイツ(格闘家)、タムタム・タンバリン(僧侶)というキャラがシリーズを通して登場する(タムタムは2作目から)。この中で特に魅力的なのがモーモー・ダイナマイツだ。所謂ミノタウロスというやつで、ムキムキの牛頭。戦闘では真っ向から敵に突っ込ますことのできる肉体派の頼れるユニット。攻撃モーションが昇竜拳と波動拳そのまんまなのが時代を感じさせる。
さらにこのシリーズはモンスターキャラにやたらと力が入っており、ゲーム製作の大半のエネルギーは敵キャラに注がれているのではなかろうかと思うほどだ。もちろん敵キャラを仲間にする事が可能で、合体を繰り返して強くなっていく。その際には全く違うキャラになってしまうのだが、名前は変わらないので思い入れを持って一緒に戦っていく事ができるのだ。
右がシリーズ皆勤のミノタウロスのモーモー
そしてキャラの魅力は戦闘時に集約されている。戦闘画面は1対1の横画面で、もちろんアニメーションする。その動きがこのシリーズ最大の見せ場で、モンスターの動きの愛嬌さとユニークさは自分が長年ファンを続けている最大の理由だ。
顔色の悪い豚が短い剣をちょいちょい振ったり、サボテンマンがマラカスをぶん投げたり、スケルトンが頭でボーリングしてきたり、目つきの悪いワニが口から変なものを吐いたりと、バラエティ豊かにこちらを攻撃してくる。
長く遊んでいると大抵は飽きてくる戦闘場面も、本作はその荒唐無稽かつ個性的且つどこかゆるさのあるビジュアルのおかげで温かい目で見ていられる。今でもたまに遊びたくなるのもこのビジュアルのおかげだろう。
本作の後、続編を何年も待っていたのだが、残念ながら発売会社は無くなってしまい、開発のツェナワークスも近年は音沙汰が無い。雑誌の付録だった攻略冊子は今でも大切に持っている。是非、最近の復刻ブームにのってほしいものだが…。
冊子のキャラ表。次の2ページにびっしりと敵キャラが載っている。
元ページ公開日[2005/4/15]